KTC デジラチェ
数社からデジタル式のトルクレンチが販売されておりますが、そんな数あるデジタル式の中ではかなりコストパフォーマンスが高く、そしてお気軽仕様なのがこのKTCのデジラチェかと思います。

トルクレンチの中でも比較的新しい製品ですので、購入の際などにどういった基準で選べばいいのか分からなくなる方も多いかと思いますが、少し説明しつつ最後に個人的な雑感も書いてみましたので読んでみてください。

全てのデジラチェにはこのようなハードケースが付いております。

#エイビット店頭にはデモ機も用意してありますので現物を見たい触りたいって方はご来店ください。

肝心の表示ユニット。

いくつかボタンがありますが、使い方は同封の説明書に詳しく載っていますのでそれで分かると思います。

その使い方の中でも結構重要なのが「プリセット機能」↓

「M」のボタンを押すとあらかじめ登録されていた規定トルクが表示されます。

メモリー出来る規定トルクは最大で5件。

つまり通常のデジタルトルクレンチのようにも使えて更にプリセット型のようにも使える訳ですね。

プリセット機能を使うとこのように・・↓

規定トルク前から「ピッピッピ」とLEDが点滅しながらブザー音が鳴り、規定トルクに達するとLEDが点灯、そして「ピー」っと音が連続するようになります。

このおかげで表示部を見れないような作業条件下でも問題無く使用可能な訳です。

グリップ部にはロックとフリーの表記があります。

トルクレンチとして使用する場合にはこのダイアルを「フリー」に合わせて使用ください。

これはハンドルを短くもったり長く持ったりしてしまう場合のトルクのズレを防ぐ効果を出すための物です。力点がズレると正確はトルク測定が出来なくなりますのでご注意ください。

#うまく測定出来なかった場合は表示部に「E」が出てエラーと言う事を知らせてくれます。

2006年に新機種として6-30Nmモデルが追加されました。要望の多かった小さなトルクレンジをカバーするモデルでこのデジラチェにとってもキラーサイズとなりえるモデルだと思います。

デジラチェ本来の使い方を最も効果的に実践出来るオススメモデルです。

まだまだ、いろいろ各機能の説明はありますがKTCのHPに詳しく載っておりますのでコチラを参照ください。

型番
タイプ
差込角
価格
購入
GWEC3-030
3/8
25530
GWE3-060
3/8
22580
GWE3-085
3/8
24550
GWE4-085
1/2
26500
GWE4-135
1/2
28470

 弓式やダイアル式、そしてプリセット式と様々なトルクレンチの形式がありますが、ここ数年で一気に勢力を伸ばして来ているのが上記でも紹介しているデジタル式。ただし今まであまり馴染みが無かったので本当のところ・・どうなの?って言う質問もかなりたくさん寄せられております。新発売から少しの間、エイビットとして様々な形で検証してきましたが今現在の大雑把な雑感でも書いてみようかと思います。実際に問い合わせ頂いてもこのような感じで答えているって思って頂いてOKです。

○デジタルだから正確なのか?

 これってみなさんそう思っちゃいますよね。なんというか正確無比な感じがデジタルって言葉にはありますもんね。でも実際はねじりのちからをセンシングしてそれをデジタル表記しているだけですので、あくまでも測定部分の誤差は出てしまうんですね。ですのでプリセット型の±4%と言う精度とほぼ同じの±3%と言う感じです。これに人間の誤差が加わる訳ですからほぼ同じ精度と言って良いかと思います。

 ただし大きなメリットもあります、それは逆回転時の精度。多くのトルクレンチ製造メーカーが頭を悩ませている国際基準であるISOをこのデジラチェは正逆回転どちらでもクリア(国際基準では±4%以内と決まっております)しております。プリセット型のトルクレンチって逆回転使用禁止って所多いじゃないですか?あれは実はこの辺が大きな理由なんですよね。正回転では±4%をクリアしているのに逆回転ではそれをクリア出来ない。そのために国際基準ISOの取得が出来ないんですね。ですから苦肉の策で逆回転禁止になっている訳です。
 この辺がデジタル式の精度にまつわる大きなメリットな訳です。ただし使用するみなさんにはあまり関係の無い話でもあるかと思います。

○実際の使い勝手はどうなのか?

 このデジラチェ。使い方は大きく2通りに別れると思います。まず弓式やダイアル式と同じように目視で確認しながら既定値に向かって締めつけていく方法。そしてプリセット型と同じようにメモリー設定を使い目標値になると知らせてくれる機能を使う方法。

 この2つの機能が同居しているのがこのデジラチェの大きな特徴な訳ですが、一緒に考えてしまうと分からなくなるので、ひとつずつ整理して考えてみます。

・メモリー設定を使わない使用

 これって簡単に言うと弓式やダイアル式とまったく同じ使い方になります。デジタルの表示部分をジッと見ながら目標値になるまで締め込むだけです。ただしデジタル表示部が見えない体勢での作業ではまったく役に立ちません。これは弓式やダイアル式でも同じ事が言えます。

・メモリー設定を使う使用

 これが一番関心のある所かと思います。まず結論から言うと・・ちょっと使いづらい・・ってな感じです。まぁ慣れてしまえば問題無いのですが購入された方が「プリセット型よりももっと楽な使い心地で正確」と思って購入したならば「失敗した」と思うかも知れません。
 メモリー設定を使った使用方法は目標値になるとLEDが点灯しブザーが鳴り知らせてくれる訳ですが、それを感じて手を止めるのは人間な訳です。まぁプリセット型だって人間が止めるのには変わりはないのですが、プリセット型は「カチ」っと言う手ごたえで直感的に感じる事が出来るのに対してデジラチェは「ピッピッピッピピピーー」ってのをちょっとずつ感じながらの作業になる訳です、これが以外と・・難しいというかストレスになります。
 特にプリセット型の使用に慣れている人ほどちょっと面倒かも・・と思うと思います。

 もうちょい分かりやすく使い勝手の優劣をつけるとすると・・↓

 弓式・ダイアル式 < デジラチェ < プリセット型

 と、言う感じになるかと思います。

 これって結構重要な要素かと思いますのでその辺を熟考してみて下さい。

○デジラチェを購入する最大のメリットは何なのか?

 先程の説明でもある通り気楽な使い勝手だけを考えるとプリセット式のトルクレンチに分があるとは思いますが、操作に慣れてしまえば様々な使い方が出来る事のメリットも大きいと思います。弓式やダイアル式の大きなメリットと言うと「ボルトの伸び加減を見ながら締め込む事が可能」な事が大きいと思いますが、このデジラチェではメモリー設定を使ったプリセット式のような使い方をしながら弓式やダイアル式のメリットを生かした使い方も可能な訳ですね。

 ちょっと変わったメリットと言うと数値の表示方法があります。これは[Nm](ニュートンメーター)表記が標準の今、他の様々な単位を換算表示出来ると言う点です。「kgf・m、lbf・in、lbf・ft」などの表示が可能でしてこれは測定前でも測定後でも切り替えが可能。例えばアメ車に乗っていて自分の車の整備書に全てlbf・ftで表記されている場合、一度その通りの単位&数値で締め込んだらボタン一つでNmだといくつになるのかが分かったりします。これは以外と知られていない便利な機能でして様々な活用方法があると思います。

#最後に・・。

 上記のような事が少しいじってみたり販売したお客様からフィードバックされた意見をまとめた物です。デジラチェも何種類かありますが全てを揃えるような買い方をしないで、ホイールナット用ならプリセット式が便利で小さい数値の物ならデジラチェが便利かな・・、なんて感じでおのおののトルクレンチの特徴を発揮出来るような使い分けをしてあげると良いかと思います。

 あくまでも個人的見解を書いてますので参考程度に読んでください。

 

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