RECOIL(リコイル)キットのススメ

手から伝わるいやーな感触。

ネジ山がおかしくなってムニューだったりズルーだったり、ネジ山を壊してしまうのは誰でにもある事なので仕方無いのですが、やっぱリカバリーとかまで考えると憂鬱ですよね。

そんな時に便利なのがネジ山を新規で作り直せるヘリサートとかリコイルの存在。(名前はメーカーごとに違うだけでほぼ同じ物です)

RECOIL キット各種

当店で正規に取り扱いがあるのはリコイルキットなので今回はよく質問がくる事を重点的に説明してみたいと思います。

今現在、最新のリコイルキットはこのような入り組みになっておりまして…

・パケット(ネジ山になる部分)
・挿入下地用タップ
・パケット挿入工具
・パケット端部折り取り工具
・下穴用ドリル

で、これ見るといわゆる肝心な「パケット」だけあれば後はなんとか自分で揃える事が出来るのでは?と思う人が多いみたいでして。
「パケットだけ売ってください」
と言われる事が結構あります。
もちろん補充用としては問題ないのですが…。

そうではなく節約のためにそうしようとしている人もいるようでして、そういう場合には注意点をお伝えしております。

まず。

この挿入治具がないと最後の折り取りもふくめ作業的にはかなり困難になる点。

また。

リコイルドリル

下穴用のドリルと専用タップ。
これも普通のモノではありません。
まぁドリルはまだ大丈夫なのですが…タップは普通の切削タップではなく「転造タップ」(ロールタップ)というのが付属します。
(※特にパチ物の製品はこのドリルとタップの性能が低いので注意です)

これは簡単に説明しますと
──普通の切削タップは下穴に対してネジになる凹み部分を削り取ってネジ山にしますが、付属の転造タップは「寄せて上げる」みたいな感じで凹ませながら凸部分を作っていくタップになります──

これつまり「切り粉」が出ないんです(そりゃ多少は出ますが)
ドリルも切り粉の排除が手前に抜けるようになっているので、壊れたネジ山を作り直す際に「向こう側」に極力切り粉を落とさない配慮がされたセットとなっているわけです。
またそもそも切り粉だけの問題でもなく、パケットの下穴となるように設計されてますので「リコイル用専用タップ」として認識して頂いてOKです。

整備に興味がある人がこのページを見ていると思いますので、あとは分かると思いますが。
セットで買ってしまえばこの価格で済むリコイルですが、後日「やはり治具がないと無理だった」と単品で揃えていくとかなり高額になってしまいます。
別に無理にセットを押し売りしたいわけでなく、結果として安く済む、また作業が確実に行えるものをオススメしたいのだということをご理解くださいませ。

まぁもっと簡単にいえば最初はセットで買ってねーって事です。