トリプルスクエア(XZN)の解説

見たことない種類のネジが出てきて困る事ってありますよね。
自分の車両だけさわれればOKなサンメカさんならあまり気にすることはないと思いますが、様々な車両を請け負う事になるプロメカさんだと仕方ない事だと思います。
ましてネジの種類っていまだに日々進化しておりまして、工具を専門で販売している私ですら「え?」ってネジが出てくる事があるくらいですからね。

で、そんなちょっと変わったネジなんですけど。
実は昔からあるのに「日本でメジャーではなかった」のが原因で広く知られていないってネジも結構あります。
これにはいくつか種類があるのですが、このブログでも何度か書いているヨーロッパ車で昔から多く使われているトリプルスクエアというネジが工具販売店としては最も問い合わせのあるネジですかね。

ギザキザした12角のキャップボルトなんですけど……。
一見すると工具のめがねレンチとかの12角と同じに見えるので、六角レンチを突っ込んでしまう人が多く壊してしまってから問い合わせがくる事もあります。

で、このネジ。
トリプルスクエアというネジ種なんですけど日本語にすると「3重4角ネジ」なんです。
ここでいくら言葉で説明しても分かりにくいと思うので図にしてみました。

ネジ内角

左が一般的な12角。
六角が1回ずれて角が12個ある形状です。

で、右がトリプルスクエア。
そう3重4角というくらいなので4角形が3重になっているんですね。

これの決定的な差は1山の角度です。
図にもある通りもともと六角形の12角は120°です。
この形状になら六角レンチを差し込んでもそれほど問題ではないです。
(本当は専用工具あるのでそちらを使って欲しいですけど)

そして4角形が基本のトリプルスクエアは角が90°です。
これにいくら合いそうな六角レンチを突っ込んでもなめてしまって終了となります。

トリプルスクエア

>>トリプルスクエア紹介総合ページ

車両整備向けには「XZN」とか言われる事もあります。
とにかくヨーロッパ車を整備していて12角のキャップボルトが出てきたら99.9%このネジだと思ってもらってOKです。
そしてヨーロッパ車ではこのネジがそんなに特殊な箇所で使われているわけじゃなく、かなーり普通にいっぱい出てきます。
(特に車検整備ではないと仕事にならない程度です)
サイズもちょっと分かりにくいのでできればセット買いがオススメですよ。