入院に至る顛末記

思い返せば2021年のお正月頃に「なんだか首というか背中が痛いな」と思ったのが最初でした。
もともと肩こり体質な私は疲れが溜まってくると強烈な肩こりが出るタイプでよく町中にあるもみほぐしとかも常連な感じでした。

でもね、その時はちょっと違っていて肩こりというか強烈な痛みだったんです。
どれくらい痛いかというと夜中に背中が痛くて起きてしまうくらい。
またやっかいなのが寝る姿勢でも痛み続けるので、朝起きた時には痛みがMAXの状態になってたりして仕事にも支障が出るレベルでした。

あともうひとつが「手の(指の)痺れ」
これは4年ほど前に風邪を引いて寝ている時に横向きに寝ている姿勢で「ゴホンゴホン」と咳をしたんですね。
その瞬間右手の付け根から指先までビビーンっと電気みたいなのが走ってから、そのまま指先の痺れだけがとれずに数年間悩んできました。
まぁあくまでも痺れなので痛いとかではないですから、慣れてしまえばなんて事はないのですが、後日これも今回の入院騒ぎの発端のひとつだった事が分かります。

ちなみに背中が痛いといっても365日痛いわけではなく、1ヶ月から2ヶ月くらいの周期で1週間ほど激痛があり、それが収まると徐々に痛みが引いていって1週間くらいな完全な無痛の期間も1週間あって…という感じでした。
ですので痛い時はかなりしんどいのですが、激痛の1週間を我慢すればなんとかなるといった気持ちと、あとはやはり加齢でそういうもんなのかな?くらいな気持ちもあったんですよね。

そんなわけで痛み始めてから1年が経過し今年のお正月を迎えます。

入院顛末記

お正月はね。
とにかく全てが調子良かったんですよ。

背中は痛くなくてバイク乗っても楽しいし、私生活では子供たちも大人になってきて一緒に酒飲んだりもしてマジで人生で最も幸せなお正月だと思えるくらいだったんですね。

でもそこから正月が明けて2週間後くらいからまた背中が痛くなってしまい、バイクはお預けに。
そしたら今度は背中の痛みが引くことがなくて2月くらいまではマジで苦しい期間を過ごしました。
結局バイクだってこの正月に乗ったのが最後になってしまい、気分的にも落ち込みまして、そのまま仕事が忙しい3月の年度末に突入。

そして忘れもしない3月の15日。
背中の痛みは激化してて夜も眠れずに睡眠時間は平均2時間ほどになってました。
そこでお隣のナグモータースのながちゃんがあまりの疲弊ぶりに心配してくれて「隣町にすっごく有名な整形外科あるので行ってみたら?」と教えてくれたんです。
(ちなみにここまで痛いので病院は2件いったのですがどちらも原因不明でした)

入院顛末記

そして3月16日の水曜日。
お店が定休日だったので朝6時に起きて一番にその病院に行きました。
すぐにレントゲンを撮ってくれて「レントゲンでは分からない神経系だと思うので帰りにMRIの予約をとっていって」と言われました。
診察時間でいうと5分くらいかな「ああ、やっぱりこの病院もダメそう」とかこの時は思ってましたね。

で、MRI予約が取れたのが3月18日の金曜日。
この日も朝から行って朝の8時にはMRIの機械に入ってあとは結果待ち。

入院顛末記

するといつもの診察室じゃないところから声が掛かって「ヤマタクさんこっちの部屋までどうぞ」と。

そこには頸椎科と書かれた札があって「???」とか思いながら診察室に入ると、なんだかすごそうなお医者さんとそれを取り囲むナース軍団。
まさに白い巨塔みたいな感じに気後れしながら椅子に座ると先生が開口一番に

「ちょっと難しい病気になってますね」

と。
そして続けて

「うちに来てラッキーでしたね、他の病院では分からなかったかもしれません」

と。
そして続けて出された手書きの紙が一枚。

「口で言っても伝わりにくいと思うので紙に書いておきました」

と見せられたのがこれ。(原本)

入院顛末記

……コウジュウジンタイ コッカショウ??
なにこれ?

差し出された紙を無言で見つめる私に先生は言いました。

「えーとね、国の指定難病になっている進行性の病気で治療方法がないんです」

と。

「あ、でもね。対処療法はあるので外科手術すれば年齢も若いので大丈夫だと思いますよ」

と。
え?外科手術??
ここでやっと口を開いた私。

・手術は嫌なので飲み薬とか注射とかでなんとかなりませんか?
A.なりません、先程言ったように治療方法がないから難病指定になってます。

・手術というとやはり3~4日は入院しないといけないのですか?
A.最低でも2週間、一般的には3週間ですかね。予後が悪いと1ヶ月以上の入院の可能性もあります。

・手術しないとやばいのですか?
A.いえ、今の状態のまま死ぬまで悪化しない人もいます。でも逆にいうといつ全身麻痺になってもおかしくない状況でもあります。

・外科手術ってなにするんですか?
A.頸椎、つまり首の骨を後ろから開いて分割しまたはめ込みます。それによって頸椎内で圧迫されて狭窄している神経の除圧を行います。

・えっと…大手術じゃないすか?
A.大丈夫です。私は頸椎の専門家で同じ手術を年間でかなりの数やってます。信頼してください。

とりあえず思いついた事から疑問を投げかけましたが、正直この時何を話したのかは正確には覚えてません。
わりとショックだったんです(笑)

その後少し落ち着いてきた私は自分が自営業で店舗の店主である事。
仕事というか店をそんなに閉めておけないことを伝えまして、そんな私に先生は

「では1週間考えてきてください。来週手術を受ける気持ちや準備が整ったらまら来院してください」

と言いました。

「もちろん手術を受けない、という選択肢もありますよ」

とも。
ちなみに現在の症状の進行具合から今の状態でもかなり神経が圧迫されて細くなってしまっているのでバイクはもちろんの事、転んだりするだけでも危ないので注意してください、とも言われさらにビビる私。

落ち込んでいる私に去り際に先生が

「今日時間を作って来院してくれたのならば帰りに市役所に寄って高額医療控除の認定書をもらっておいてください。ついでに保健所にいくと国の指定難病補助の説明も受けられるハズです」

と教えてくれました。
頭がグルグルしたまま病院を出た私はとりあえず市役所にいって認定書をもらい(10分ほどで出た)そのまま仕事やる気がなくなり保健所にもいって説明を受けました。

あ、ちなみにこの担当のお医者さんはめっちゃいい人でした。
普通病院での診察なんて数分じゃないですか、でもこの時多分ですけど20分くらい私が理解出来るまで話をしてくれました。
今でもすごく感謝しております。

でまぁいろいろ悩みに悩みぬきましたが、みなさんもご存知の通りその翌週に再度病院にいき「手術をお願いします」と言う事になります。

途中でちょっと書きましたが今年の初めは人生MAXくらいの幸福度だったんですけどね。この件で「やっぱり良いことあると同じ振り幅で悪い事ってあるもんだなー」とか考えてしまいました。


ちょっと長くなるのと現在PCに向かってテキストを打てる時間が少ない(単純に首が痛くなってしまって長くPC姿勢が保てない)ので、分割掲載になりますが、後日続きを書いてみたいと思います。

>>続編

工具の専門家ではなく

3月の末にちょっとした身体の異常が見つかり、手術を受けて入院しなければいけないって事が決まって。
まず心配したのが店の事でした。

気がつけばもう何十年も、それこそ四半世紀以上、工具の販売だけを仕事にしてきて。
なおかつ第一線というか裏方に回る事もなく工具販売の最前線で、工具というモノに触れてきました。

よく「好きな事を仕事にするのは難しい」とか言われる事がありますよね。
実際そういった事例をこの目でいくつも見てきたので、この言葉の持つ意味の深さはよく分かります。

だから。
自分がこの工具の仕事をこれほど長く続けてこられた事を不思議に思い振り返って考える時もあったりします。
そして自分の原点まで掘り下げて考えてみると、やはりスタートは「工具が好き」だったと確信しますが、今ではそこまでの熱量をもって接しているとは自分でも思えません。

それでも自分の身体より、まず心配したのは店でした。

なぜだろう?と考えればまず思いつくのは「売り上げ」の話。
そりゃー1ヶ月近く休めば売り上げは厳しくなりそうなんだけど、ぶっちゃけ1ヶ月くらいなら休んでも即影響があるかといえばそうでもないんです。

で、もうちょっとよく考えてみて。
入院を前にお手伝いのスタッフに仕事の引き継ぎをしている時に分かってきたのが。

整備全般に関わるみなさんと工具を通じて繋がっていられる今の仕事が好き

なんだと理解しました。
つまり私にとっての工具とは触媒にすぎないのかもしれません。
そうなると「工具が好き」というだけでやってこなかったからこそ今でも続いているのだと思います。

実は昔。
それこそエイビットを始める前にオートメカニック誌が主催するメーリングリストがありました。(まだダイアルアップ接続の頃の話です)
そこには整備の各方面の達人や機械工具関連の達人、そして素人メカニックでありながら特定車種では達人な人とかいろんな人達が参加していて、整備の話や工具の話、そしてたまにくる一般の人からの質問等にも答えていました。

そんな中で私も「工具屋」というハンドルネームで参加しておりまして、いろんな質問に回答していたんですね。(実際工具の店はやってたので間違ってはいないのですが)

今思えば黒歴史みたいなもんなのですが、当時の自分は「工具の専門家気取り」だったんですよ。
そしてその数年後にはエイビットを立ち上げて、まさにメーリングリストにあったように「専門家気取り」で工具のお店を始めるわけですが……

まぁー厳しかったです、はい。
自分の知っているだけの工具の知識なんて鼻くそほどのものしかなく、整備の世界の広さにただただ打ちのめされる毎日でした。

そして心を入れ替えまして工具の知識というよりは「整備する人に寄り添って工具を販売出来る人であろう」と思ったんですよね。
今思っても自分の中では大きな転換期だったと思います。

ちなみに工具屋というキーワードは私の中ではNGワードになっちゃいました。
(自称では絶対に工具屋とは言いませんw)

それでも長年やってきましたからね、ある程度矜持みたいなものはありまして。
それじゃいったい何者なのよ?って話になれば。

工具販売のプロ

という自覚はあります。

エイビット店内

そしてこの工具販売のプロとしてエイビットを運営しておりますので、やっぱり自分が休んでしまうと迷惑かける人もいるだろうなーって思っちゃうんですわ。
だって誰かに引き継げないんすもん。
工具の知識だけならね、今のご時勢ならいくらでもネットで情報引っ張れますが「工具をどんなレベルの人にも分かりやすく販売する」のはまたちょっと違うと思うんですよね。

ってなわけで最後は自画自賛になってしまいましたが、まだまだ引退したら怒られそうだし自分だって引退なんかしたくないし。
退院したらバリバリ仕事しますので応援よろしくお願いします。

握り部分のながーいプライヤー

整備に関わるさまざまな作業の中でも「奥まった箇所にある何か」にアプローチするにはいろいろな工具が必要になります。
それは長いドライバーだったり、ラチェット用の長いエクステンションバーだったり。

で、そんな中でも「奥まった箇所に何かを掴まないといけない場面」ってのはなかなか難しくて、そういうときにいわゆるロングリーチなプライヤーがとても便利です。
しかしこの話をお店ですると、何がどう便利なのか、なかなか分かってもらえない事もあるので今回はそんな話でも。

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KNIPEX ロングリーチニードルノーズプライヤー

ちなみにロングリーチってのはこんなの。
刃先が長いわけではなく手元側が長いんです。
まぁ刃先がすごく長いのでも良いのかな?とも思いますが、考えてみるとテコの応用で掴む力をだしている工具ですから、刃先が長くて手元が短いのではそもそも掴力が掛かりません。

また。

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こんな感じで狭い箇所に突っ込んでいくのがこの工具の本領発揮な場面であるわけですから、刃先が長いと細かな作業に向かないんですね。
これは対象の箇所が狭くなればなるほどこのプライヤーが威力を発揮する事になります。

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ペイント使って図にしてみました。
こんな感じで支点が先端に近い方が狭い箇所の先までいってモノを掴む事が可能になるんです。
(絵がテキトー過ぎて逆に分からないかも知れませんが)

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そして今回のロングリーチプライヤーにはストレートとベントノーズがあります。
で、このベントノーズがすげー良いんですね。

もともと手が入らないような箇所での作業で使う工具ですから、差し込んだ後に掴むだけじゃなくちょっとクイっとひねったり、あとはスプリング式のホースバンドをずらしたり。
そういった作業でこのロングリーチのベントノーズがとても便利で重宝します。
この手のプライヤーを使った事がない人だととても「特殊なプライヤー」だと思ってしまって自分には関係ないと思ってしまう人も多いのですが。
実際は誰が使ってもかなり重宝する工具のひとつであります。
まだ使った事ない人はぜひご一考くださいませ。

[重要告知]5/9~5/28までの特別営業に関して

※無事に退院しましたー。
通常営業しております。

営業日カレンダー

営業予定日もお手伝いのスタッフにて運営されますので、普段と違い至らないところがあると思いますが何卒ご了承ください。

●通販や問い合わせ回答に関して

Web通販は通常通り行いますが出荷のスケジュールが少しだけ送れる可能性があります。
また「着日指定」はお受け出来ない場合もございます、この期間だけ申し訳ございませんがご理解ください。

・EメールやHPフォーム及び公式LINEからの問い合わせ。
基本的に私ひとりでこれらを行ってきましたので、私の快方次第の返答となってしまいます。
病院がいうには術後2~3日でリハビリに入り、それにともないPCを使っての仕事もOKと言われております。
しかしあくまでも予想でしかありません、回復次第返答いたしますのでしばしお待ちください。

●最後に

とか言いつつあっけなく退院出来ましたらご報告の上、通常業務に戻りたいと思います。
(とりあえずの退院予定は5/25頃と言われております)
それまでの間お客様にはご迷惑をお掛けしますがどうぞよろしくお願いします。

エイビット ヤマタク

超軽量コンビネーションレンチという選択

日頃からウチのサイトを見てくれている人って、いわゆるすでに工具は使っていてプラスアルファな情報を求めているような人が多いと思います。
もちろん各自のスキルこそいろいろなんでしょうけど、発信する側の私もその辺を考えつついろいろ紹介してます。

で、そんな「そこそこ工具は持っている」って人が一度は本気で考えるのが「第二の工具」の存在。

一応ね、今でも困らないくらいは工具は揃ってきた、もちろん新しい作業では必要に応じて工具が必要になる場面はあるけど基本工具に関してはよほど魅力的な新製品でも無い限り追加の購入は無いかなぁ…なんて人、いますよね。

でもでも。

それでも工具って毎年新製品がいろいろ出て、更に言うと今まで知らなかった工具でちょびっと琴線に触れるような物があったりしたりする事ってありますよね。買い換えるか?って言われると、いやそこまでじゃないんだけど……くらいな感じ。
そういう考えがたまにですけどループしちゃって妄想で「今から揃えたらどの工具をどうそろえるかな?」とかね、考えるうと楽しいんです。

でまぁその辺はもったいないとかいろいろあって妄想で終わってしまう人の方が多いと思うのですが。

そこでもうひとつの選択肢である「車載用」とか「持ち出し用」の工具。
これを考え始めるとやばいです(経験者多いハズ)
まぁエイビットとしては買ってもらえた方が嬉しいのでどんどんいっちゃってもらいたいのですけどね。

と、まぁ前置きが長くなりましたが持ち出し用の工具。
いろいろ考えるのですが基軸になるのが「軽量」「コンパクト」ですかね。

車に積みっぱなしにしようがバイクの限られたスペースに押し込もうが、デイバックの中に入れて自分で背負おうが、やっぱり軽くて場所を取らないってのは王道路線です。

 

そしてその軽量に絞って作られたレンチがこれ。

ligt_combXX1

ライツール 軽量コンビネーションレンチ

工場系の工具メーカーとしては人気の高い国産アサヒの軽量レンチシリーズです。
写真のように要所を肉抜きされ必要な強度を保ちながら従来のレンチよりも40%の軽量化に成功しております。

ligt_combXX3

仕上げもかなり良く、また価格も抑えめで持ち出し用の工具としては店舗でも一番人気ですね。
またこの軽量コンビって使ってみると普通に良くて、なにせ「軽い」ので持ち出し用としてだけではなく据え置き用工具としても人気があります。

そしてなんかかっこいいんですよね、機能美って言うんですかね。
持っててニヤニヤしちゃう系です。

この軽量コンビにはキーホルダー設定もあります。
もちろんちゃんと工具として作られていて実際に使用する事も出来ます。

ligt_puti_neX2

ライツール プチコンセット

こんなにちっこくても工具ですのでキーホルダーとして使うのはもちろん、携行工具としても使えますね。

プチコン

ライツール プチコン(小サイズ単品販売)

また現在限定販売ではありますがプチコンの小サイズ(5.5~8mm)を単品販売しております。興味のある方はぜひ。

ってなわけで軽量レンチシリーズのライツールは他にも種類あります、是非お店まで見に来てくださいませ。