いろんなHEXレンチ

 

いよいよ「THE 夏」の8月も終わりますね。
とてもとてもアンニュイな気分になります、これってきっと学生時代の刷り込みですよね。

 

さて今日は各種ある工具の中でも代替が効かない工具のひとつ、HEXのお話。

HEXってのはつまり六角のネジの事。キャップボルトと言えば分かりやすいかな。(アーレンキーとかも言います)
これ普通のボルトナットと違って横からアクセス出来ないし、モンキーみたいなアジャスト出来る工具も無いので、キチッと揃えてあるかどうかがキモになります。

当店でもっともスタンダードなHEXの工具で定番人気なのがこれ。

PB レインボーL型HEXレンチ(シルバーモデルもアリ)

スタンダードなL型HEXレンチは、とりあえずHEXなネジには関係無いって人でも持っている工具だったりしますよね、まぁ整備だけじゃなくいろんな用途があるのが工具ですから基本的なところは揃えておきたいもんです。

しかしHEXネジが要所で出てくる車種にお乗りの人やプロメカさんの場合、こういった定番のスタンダード工具だけじゃ全て対応出来ないって事も多々あるんですよね。

Ko-ken Z-EAL 3/8HEXソケット

例えばこんなソケットタイプ。これは主にトルクが欲しいところで必須になる工具です。
実際にやった事ある人なら分かると思いますが、6ミリ以上のHEXの場合結構なトルクになってくるのでL型レンチでは厳しい場面があるんですよね。

ですのでHEXがそこそこ出て来る作業が多い人はソケットタイプも揃えておきたいです。

 

そして手元での作業が多いと持っていて便利なのがドライバータイプ。

PB スイスグリップHEXドライバー

例えば取り外した部品を机の上に置いてさらにばらす・・・とかの場合にはやはり重宝する工具です。使う場面が限られる工具ではありますが要所で持っているととても便利に使えますね。

 

とまぁ一言でHEXレンチと言っても工具の種類は豊富です。この辺を臨機応変に揃えておけば大抵はなんとかなるのですが・・・・。

普通のボルトナットに比べてアクセス方法が限られてしまうキャップボルトのHEX。

例えば12ミリのボルトがあったとして、普通に回すならラチェット&12ミリソケットで回せますよね。
しかしそのボルトの上にホースとか部品があったりしたら横からしかアクセス出来ません。そんな時は横からメガネ差し込んだり、真横からスパナ入れたりってなりますよね。

しかしHEXの場合は。

キャップボルトっていうくらいなので真横からのアクセスはまず不可能。ボールタイプで逃げられる範囲ならば問題無いんでしょうけど、それも無理な場合には出来る事って限られてきてしまうんですね。

そんな時に威力を発揮してくれるのが「ショートヘッドHEX」

PB ショートヘッドL型HEXレンチ

例えばこれとかは通常のHEXレンチよりも曲がってからがかなり短く作られております。

スタンダードと比較するとこんなに短いんですね。で、これでも無理っぽかったら・・・例えばこんなのもあります。

ANEX スリムオフセットドライバー

これなんかもう板に超短ビットが生えている感じでして、せっまい隙間でもなんとかなったりします。

この通り。

こんな感じでキャップボルトであるHEXは面倒な場所にネジがあると途端に大変な作業になったりします。
ここで紹介した物をすぐに買え!とかでは無く「へーこんなのあるんだ」と覚えておいてもらって、いざってときは思いだしてくれれば嬉しいです、はい。

ベアリングプーラー~内抜き~

整備に関係する各種専用工具いわゆるSST。

作業内容とか必要度合いとか、いろいろありすぎて一言でSSTと言っても絶対に無いとダメって工具はそんなになかったりします。

しかし、やっぱね専用工具と言うくらいなので他の工具の代用が全く効かない物があるのも事実。

そんな代用の効かない工具の代表格と言えばやはりプーラーじゃ無いでしょうか。

またプーラーと言ってもいろんなプーラーがありまして、普通の2つ爪や3つ爪の汎用がそこそこ効くプーラーからアーマチュアプーラーのような応用の利かないプーラーもあります。

今回はそんな応用も代用も効かない代表工具の内抜きベアリングプーラーのお話。

内抜き

というのはベアリングが穴にハマっている状態での引き抜き時の事でして、この場合ベアリングの中央の穴になにかしらの工具を引っ掛けて抜く事になります。

あまり工具に詳しく無い人だと2つ爪のプーラーを逆にすれば抜けそう・・・とか思うのですが、それじゃあ抜けないんですね。

工具のメーカーからも2つ爪タイプの内抜き用のプーラーが出てたりしますが、はっきり言ってお勧めしてません。

で、お勧めと言うとこのタイプ。

spt_BpuraX2

スーパーツール インナーベアリングプーラーセット

このコッター形状の物を差し込んで使うタイプがお勧め。ってか結構強力にハマっているベアリングが多いので、この形状の物じゃないと抜けないってのがホントのところですね。

あとベアリングの奥側に隙間があまり無い場合が多くて、このコッタータイプでギリギリですから2つ爪の厚みがある爪ではベアリングに掛からない事も多いです。

spt_BpuraX4

需要がものすごく多い工具ってわけではありませんが、やはりそこそこの頻度で問い合わせが来る工具でもあります。

その時に2つ爪タイプの相談も良く受けるのですが、上記のような理由と私の経験でこちらのタイプをお勧めさせて頂いてます。

ちょっと価格的には高い工具ですが、ひとセット持ってしまえば大抵のインナーベアリングに対応出来ますので安心して作業出来ますよ。

使えるドライバー番外編

自分でも車いじったりバイクいじったりしてまして、出先とかでは工具を頼りにされたりもするのですが。

現場で「ちょっとだけ工具貸してー」とか言われて貸すと後日かなりの確立で購入してくれる、ちょっと便利な工具ってのがあります。そりゃね、工具店やってますから人よりはいろいろ工具も見て知ってますし、ましていろんなプロメカさんとの交流も多いですから変則で便利な使い方とかも聞いて知ってますしね。

 

で、今日はそんなちょっと便利な工具のドライバー編。

ドライバーと言ってもアンチカムアウトなプラスドライバーじゃ無くマイナスドライバー、そしてさらに言えばネジ回しじゃなくて工具店としてあまり推奨出来ないこじるドライバーのお話。

車やバイクとかを整備していると出てくるゴムキャップとかダストシール。あの手のものをクイっとうまい事めくるのって結構面倒でして、さらに言えばその下地を傷つけたくないもんですよね。

そんな時に便利なのがこれ。

ktc_abo1001

KTC シールピックツール

いきなりドライバーじゃないじゃん!って言われそうですが、ドライバー形状って事でご勘弁。このツール、ほんとに便利でしてちょっとした物をクイっと剥がすとっかかりに凄く使えます。
(※ちなみに本来は縦方向にシールを押し込むのに使うツールです)

ktc_abo1002

先端は丸くゆるく作られていて相手を痛めにくいのも良いですね。

名前がシールピックなので硬いシールとか向けだけだと思われがちですが、こじり方向でもクイっと使えるんですね。

 

しかし。

これだけじゃちょっと足りない。クイっと隙間をあけてから確実に外してくれる相棒となるドライバーが必須なのです。

それがコレ。

pb_cabdora_nw2

PB キャブドライバー各種

番手は好きなの買えば良いのですが個人的にオススメは#4 幅があり、さっきのシールピックで開いた隙間にこれを差し込んでねじれば完璧です。

何故、このキャブドラなのか?

その秘密がこの先端形状。

pb_cabdora_nw3

普通のマイナスドライバーよりもテーパーの角度がきつくあいた隙間を押し広げるのに都合が良いんですね。そしてよく見ると綺麗に面取りしてあり相手を痛めにくい形状をしています。いろいろ試しましたが不安なくダストシールを外したりするには、この2点がかなりベストな組み合わせです。

もちろん同軸径のドライバーですのでホールの奥にある調整ネジにもアクセスしやすいですし、買っておいて損じゃ無いドライバーだと思います。

 

単純なボルトナットだけの整備ならばなかなか揃える気にならない工具ではありますが、そういったちょっと面倒系な作業にはすごく便利に使える工具の一例です。

是非お試しくださいませ。

キワ切り出来るニッパ

ウチは工具の専門店なので工具はもちろん、工具のカタログもかなりいろいろあります。
近年はあまり部数を刷るところが無いので、業務用として当店に1冊しかないなんてのも含めればそりゃもうかなりの数になります。

で、そんなカタログ。

特に何かの専門メーカーとかを見ると似たような工具ながら種類がいっぱいある物ってあるんですよね。
欧州や欧米でとくに専門的に分類されるのがにぎり物系の工具。

ラジペンとかニッパとかね。

いったい何を基準に使い分ければいいんだろう?と思えるほど種類があったりします。

この辺の事に関しては諸説あるんですが、個人的にはこういう説とか楽しくて好きです。
(ソース無し、うわさ話程度に思ってください)

細かな作業用として使う事が多いニギリ物系工具は手が不器用な人のためにかなり細分化されて海外では専用品が多く存在するようになった、日本では作業者が器用な人が多く専用品をあまり必要としなかったため工具の細分化がされずに握り物を使い分ける風習があまり無い。

ってやつ。
これ初めて聞いた時妙に納得しちゃったんですよね。まぁ余談ですけどね。
ま、あまり細か過ぎるほど細分化されても困りますが、やはり作業に合った物を使うのは気分がいいもんです。

 

で、今日の本題であるキワ切り出来るニッパの話。
主に車両整備目的だとタイラップ切断時に欲しい工具だと思います。で、それ用に一番売れているのがこれ。

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KNIPEX エレクトロニッパ フラッシュカット

ギリギリの所でカット出来る刃形状もさることながら、本体もかなり小さくコンソール裏とかの奥まった箇所でも楽に使用出来る優れものです。
このブログでも何回か説明した事あるのですでにお使いの方も多いと思います。

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こんな感じでタイラップをパチンと。

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切断面が飛び出さないように綺麗にカット出来ます。業種によっては事故防止の為にギリギリでカットしないとダメって規則があるところまでありますので、こうやって綺麗に切断出来るのは嬉しいですよね。

で、さらに。このフラッシュカットには便利機能の付いたもう1本が存在します。

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これ。
ワイヤークランプと言う機構なんですけど、切り取った部分をパチンっと飛ばさずにホールドしてくれるんです。
これが実際使ってみるとかなり便利。

そしてこれもキワ切りニッパ。

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KNIPEX プラスチックニッパ

こちらは全長160mmと普通のラジペン・ニッパな大きさですけど、刃がフラッシュカットになってましてギリギリで切断可能。
大きさが少し大きいので通常のニッパと混同されやすく間違って使ってしまうと刃こぼれの可能性がありますのでご注意を。
このニッパーは先端が大きく斜めになっていて個人的には20年以上愛用しているニッパーとなります。

どれも専用品としては価格が少し高くなるのでこれがなんなのか分からないとなかなか購入にまで至らないと思いますが、説明出来る店舗では結構な人気工具です。

こんな隠れた逸品もありますので是非一度お試しくださいませ。

Ko-ken Z-EALの新商品

本日大量アップしましたKo-kenのZ-EAL新商品。
先日開催されたオートサービスショーで先行展示されていたモノがついに出てきた感じですね。

今回は種類が多いので少しここで私感をいれつつ紹介してみようと思います。

まずは以前からユーザー様からもリクエストの多かったセミディープソケット。

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>>1/4セミディープソケットセット  >>単品

>>3/8セミディープソケットセット  >>単品

画像のようにショートとディープソケットのちょうど中間サイズとなり、ラチェットに直付してつかうような場面ではショートソケットよりも使いやすい場合があります。
実際この長さで問題ない作業環境のひとならばセミディープをメインソケットとして使っている人も多いですね。

 

そして地味な存在ながら現場のプロメカさんが喜びそうなのがこれ。

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>>1/4ロングTORXソケット

>>3/8ロングTORXソケット

TORX(トルクス)のロングバージョンなんですけど長さ加減が絶妙でかなり良いですね。
そして注目すべきはそのシャンク形状。
丸軸を採用していまして狭いホール奥にあるネジへのアクセスを容易にしてくれます。

ホントにこれで困っている人が多いんです。現場では仕方なく丸軸になっているドライバーとかを使っている人も多いのですが、T40とかが固めに締まっているとドライバーじゃ無理なんですよね。
センセーショナルな新製品ではありませんが、かなり使える工具だと思います。

 

そしてHEX。

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>>1/4ロングHEXソケット(セット設定無し)

>>3/8ロングHEXソケット

1/4・3/8ともに「ちょっと長い」ロングなのですが1/4が特に良いですね。
1/4のHEXソケットって短いモノが多くて、それが嫌だとロングなのですが今度はロング過ぎて・・・って事が多かったのです。

その点この1/4ロングHEXソケットはなんというか絶妙な長さ加減。
よほど狭い所で作業が多いって人を除けばメインのHEXソケットとしてこれを選んでしまって問題ないと思います。
個人的にも大絶賛のソケットで今回の追加ラインナップの中でも自分用に即買いしたのがこれでした。

ちょっと一気に追加なので各工具の長所がぼやけてしまうかもしれませんが、上記のことも少しだけ参考にして購入を検討してみてください。
どれも出来はものすごく良いですよ、さすがZ-EALシリーズといった感じです。