ブレーキパッド交換

車にはいくつかの要定期交換の部品が存在します。

油脂類はもちろんなのですがプラグとかタイヤとか、走行しているとどうしても摩耗していくので交換は宿命ですね。で、そう言った要交換部品の中でも問い合わせの多いブレーキパッドの交換に今回はチャレンジ。

他のページで説明したブレーキフルード交換と合わせてやれば効果絶大!またブレーキフルード交換よりも多少リスクが低いですからチャレンジする価値は十分にあると思います。
作業を始める前に少し確認しなければいけない亊があります。それはブレーキのエア抜き、フルード交換をどうするのか?
今回の作業をするにあたって現在のフルードは要交換なのか?エア抜きは必要なのか?を考えてみましょう。

パッドもフルードもどちらも重要でどちらか一方がだめでもブレーキは満足に効きません。普段からブレーキフルードのメンテをまめにやっているならOKですがそうでないなら一緒にやってしまうのが手です。順番としてはパッド交換後にフルード交換になりますので心当たりのある方はその準備も一緒にしたほうが良いと思います。

今回はパッド交換だけを紹介しますのでフルード交換は別ページを参照してください。

 

まずさっきも書きましたがパッド交換自体はそれほど難しい作業ではありません。エア抜きの時のような神経質になりすぎなくてはいけない様な危険性も少ないです。しかし・・・やっぱりブレーキですから各作業をキチンと確実にこなしていく必要はあります。それだけは心がけるようにしましょう。

ざっと紹介するとパッド交換はばらして新しいパッドを付けてばらした通りに組むだけの作業です。それ自体に難しさはあまりありません。慌てずに確実に作業するようにしましょう。

まず、出来れば4輪ジャッキアップをしましょう。その後にエア抜きするときもその方が便利ですしなんと言っても結果能率が上がります。ただ別にパッド交換のみでしたら1輪ずつのジャッキアップでも出来ますのでやりやすい方法で構いません。

ジャッキアップが出来たら・・・・

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まずサイドブレーキを下ろします。

ちなみに4輪ジャッキアップしたときの話ですので前輪のみ上げている場合は下ろしちゃダメですよ。

なぜサイドブレーキを開放するのか?後で詳しく書きますが車種によっては「サイドブレーキ共用のリアキャリパー」ってのが存在します。今回実践の車両(ロードスター)もソレなのですがそういった車はサイドブレーキを引いているとキャリパーピストンがフリーになりませんのでサイドブレーキの開放が必要となります。またそうでない車も下ろしてあったほうが作業しやすいのでサイドブレーキは下ろすようにしましょう。

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次にマスターのフルードカップを開き、この時出来れば少しフルードを抜いておきましょう。

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何故フルードを少し抜かなければいけないのかを少し説明します。まぁ実際やってみればすぐに分かるのですが気がつかないで作業をしちゃうと危ないので先に言っておきますね。

上の絵を見てください。

左が新品のパッド装着時、右が減っているパッド装着時。古いパッドから新品の厚いパッドに交換する訳ですからブレーキキャリパーのピストンを左の新品装着時のように押して戻してあげなくてはいけません。

その時にブレーキラインの中に入っているブレーキフルードが押し戻されてマスターのカップに戻ります。ピストンを押し戻して戻るフルード量が結構な量になりますので放っておくとカップから溢れ出します。この作業を忘れてエンジンルームにブレーキフルードをまき散らすとかなり面倒な亊になりますので御注意を。雰囲気として1/4くらいの量を抜いておけば大丈夫かと思います。まぁ車やパッドの状況によって違いますのでその都度見るようにしてください。

ちなみにこの後フルード交換をする人はMINレベルまで抜いちゃっても平気です。

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で、ブレーキと御対面。ここままだとパッドが外れないので。

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キャリパーを留めているボルトを緩めて外します。(車種ごとにキャリパー留のボルト位置は違います、各自で確認してください)

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外すとこういうスライドピンがヌルーっと出てきますのでこの部分にゴミや砂が付かないようにしましょう。この時にこのピンが錆びたり変摩耗していたら要交換です。特にこの車のようなシングルピストンの車はこのピンに沿ってキャリパが動くものすごく大事な部品です。

ブレーキ自体の調子を左右する部品ですのでこんな機会ですからよぉ~く見ておきましょう。

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先程のスライドピンボルトを片側だけ外すとキャリパーがグルっと動きますので古いパッドを外してキャリパピストンを押し戻します。なぜ戻さなければいけないのかは上の絵で説明した通りです。

今回はKTCのキャリパーピストン戻しを使用。

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ちなみに今回外したパッド。

終わってますね。パッドは装着された状態だと残りの厚みが分かりずらいのですが参考として裏の金板と同じくらいの厚みになったら交換するようにしましょう。もちろんその前でもOK。特にスポーツ走行をするような方は厚みの減少により耐フェード性が下がりますので余裕をもって交換するのが望ましいです。

実際このくらい減ってくるとこの後はすげぇ早いです。あっと言う間に無くなりますので御注意をば。

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さて新品パッドの装着。あとはばらした順番と逆に組み付けていけばOKです。その時のグリスアップポイントを少し紹介。キャリパーサポートの赤い矢印の部分に当たるパッド側にグリスアップ。少量でOK。

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パッドに付いていた鉄板との間にもグリス。その上にも(ピストンが当たる部分に)グリス。

ちなみに今、上で紹介した所にグリスを塗らない人もいます。塗らなくても大丈夫なのですがブレーキ踏んだ時に「キキィィィ」って鳴るのが嫌なら塗っておいた方がいいでしょう。鳴き止めに塗るのが主目的です。

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あとはキャリパーサポートにパッドを装着して引っ掛けスプリングを付いていた通りに取り付け。

初めての人は上下が分からなくなったり、どう付いていたのか分からなくなったりしますので最初の段階のココでデジカメ等で写真を撮っておくのも手かも知れません。(ちなみに私は鉄板は付けないので付いてません)

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最初に取り外して綺麗に置いておいたスライドピンボルト。このピンに均等にグリスを塗って元の穴に差し込み締め込んで終了。

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おっと忘れちゃいけないのがフルードレベルの確認。

MAXの線になるようにキチンと調整しましょう。足りなければ補充してください。

大抵どんなブレーキでも上記の方法で問題無く交換可能ですがあとは車種ごとのちょっとしたコツがありますので少しずつ理解していってください。
今回はシングルピストンですが対向2ポッド、並列2ポット、対向4ポッド等々ピストンを戻すときに大変な車もありますから分からなかったら聞いて下さい。

 

今回は基本中の基本を紹介しました。実際やってみたらちょっと違うな・・・って所も出てくるかも知れませんがなんとか頑張ってやってみましょう。