エンジンオイルの初級FAQ

エイビットでもリンクオイルを取り扱うようになってからオイルの質問も多く寄せられるようになりました。
しかし。
私もぶっちゃけそんなに詳しくありません。
実際取り扱い前は自分の車やバイクにどんなオイルが良いのか(合ってるのか)とかも分かりませんでした。
ですので逆にいうとオイルに関する「基本的」な質問は、聞いてくる人の気持ちがよく分かるんですよね。

オイルのお話

そこで今回はそんな初歩的なオイルのFAQ的な事を書いてみたいと思います。
オイル識者な人からは「ちょっと違うよ」とかのツッコミもあると思いますが、その辺は大目に見てくださいませ。
ちなみにオイルの成分とかそういう詳しい話が知りたいって人は、今回のエントリー読んでも意味ありません。あくまでも私の独断と偏見なお話だと思ってください。

まず、自動車のエンジンオイルでよくある質問が。

「自分の車は純正で10W40指定なんだけど、0W20とか入れれば燃費よくなるの?」

ってヤツ。
これ結構多い質問でしてケミカルをよく知らない人なら一度くらいは思いついた事があるのではないでしょうか。
ま、結論からいうと「燃費云々よりも、そもそも入れちゃダメ」です。

現代のエンジンオイルは大まかにいうと

・昔からある10W40とか15W50とかの粘度のオイル
・近年主流の0W20とか5W30とかの粘度の柔らかいオイル

が存在します。

オイル粘度の違い

この2種類のオイルは基本的に「全く違うモノ」と認識してしまっていいと思います(語弊はありますけど)
そもそも内燃機であるエンジンの設計段階から違いまして、近年の省燃費型エンジンは柔らかい粘度のオイルを使うこと前提としての設計やクリアランスになっております。
確かに従来型のエンジンに低粘度のオイル入れると瞬間的にエンジン回転は軽くなり、燃費も向上します……けどけど、それってエンジンの寿命自体を縮める結果となってしまいます。
NGなオイルを入れて年間で数万円のガソリン代が節約出来ても、エンジンが壊れて数十万円の出費になったら意味ないですよね?

もうちょい詳しくいうともっといろいろあるのですが、とりあえず「低粘度オイルと普通のオイルは違う」と覚えてしまっていいと思います。
ですのでオイル購入の時はとりあえずご自身の車両の取扱説明書をみたりネットで検索したりして、純正のオイル指定粘度を確認するようにしてください。

そして。
自分の車両がどちらのカテゴリーなのか分かったら、次は自分の走りにあったオイルを選ぶわけですが……。
例えば従来型エンジンの高粘度オイルが指定だった場合で、取説みたら「10W40」だとしたら、そのカテゴリーの中では比較的好きな粘度を選んでも問題はありません。
高粘度オイルの中では

・10W40 < 15W50

といった順で数字が大きく(粘度が高く)なるほどにオイルが硬くなっていきます。
ユーザーが「普通に街乗り」しかしないなら純正指定の10W40でいいと思いますが、これがたまにサーキット行ったりスポーツ走行もするよとか、エンジンをチューニングしてて熱量が純正よりも高いよってな場合には、そのカテゴリー内でひとつ上の粘度のオイルにしてみるのもオススメです。
こんな感じで同カテゴリー内でのオイル粘度の場合では多少違っていても、いろいろ試してみて良さそうなのを探すとかは問題ないって事です。

で、ちょっと注意が必要なのが省燃費型エンジン搭載車。
特に純正で0W20とかの最も柔らかいオイルが指定の車に関してはちょっとだけアドバイスがあります。

すごく分かりやすい例が現行の86とかBRZですね。

当店取り扱いのリンクオイルでは織戸選手の86ワンメイクレースのサポートをしております。(写真は別)
この86ワンメイク。吸排気のチューンすらNGなほぼ機関ノーマルなレースなので、エンジンオイルの違いがストレートの加速の違いになったりもします。
ちなみに86の純正指定は0W20
各社こぞって0W20粘度のスポーツオイルを入れていたのですが……、とにかくエンジンが壊れます。(聞いた話だと2レースすればクランクから異音発生とのこと)

そこで対策としてひとつ上の粘度である5W30を入れるとエンジンの耐久性は飛躍的に向上するとの事。
もちろん弊害もあって、今度は最高速が落ちる…。
まぁそんな紆余曲折があった開発したオイルがこれ。

LINK-OILスポーツエコ

LINK-OIL SPORTS-ECO(スポーツエコ) 0W25

0W20の軽快さを維持しつつ5W30のような耐久性をもたせたスポーツ走行向けのスペシャルオイルです。(86専用オイルはこのスポーツエコに統合されます)
形式上0W25にはなっておりますが、耐久性に主題を振った性格のオイルですので安心してオススメ出来ます。

で、この話で何を言いたいのかというと。
実は0Wのオイルって結構やばいんです。そもそも0番台のオイルはメーカーのカタログ燃費用と言ってもいいくらいエンジンには厳しいオイル。
実際自動車ディーラーのメカニックさんに聞いても、純正で0W20指定の車両の場合でも自分の車には5W30入れてるって人は多いです。(中には10W40入れてる人もいます)
ですので個人的には5万キロを過ぎたくらいの0W20指定車ならば、エンジン保護の意味でも5W30とかを入れるようにした方がいいと思いますよってお話です。
(現在私の乗ってるNV350キャラバンも0W20指定なので、そのうち5W30かスポーツエコ0W25に変える予定です)

ってなわけで同カテゴリー内のオイルなら自己責任で試してみるのもいいですよってお話でした。

次に。

これまた多い質問の「自動車とバイクのオイルの違い」

分かる人には「何が疑問なのか分からない話」なのですが、やはりここで悩んでいる人も結構多かったりします。
ちょっと冷静になって考えればわかるのですが、自動車もバイクも同じ内燃機です。
それを潤滑するのだから、そもそも「車用」とか「バイク用」なんてのは意味のない話なんです。

でもオイルメーカーによっては「自動車専用オイル」とか出てますよね。
これの存在がとても分かりにくくしているんですね。

それでは内燃機関としては同じ車とバイクの違いって何なのか、それはクラッチ。
基本的に自動車はエンジンの外側にクラッチ機構がある「乾式」
対してバイクはエンジンとミッションとクラッチを同じオイルで潤滑しております。(もちろん違うのもありますけど)

バイクのクラッチは湿式と呼ばれエンジンオイルに常に浸かっている状態なのです。

今どきの100%化学合成油っていろんな添加剤が入っているのですが、その中に湿式クラッチに適合しないものがあるんですね。
つまりその添加剤が入っているとバイクNGとなるわけです。(逆にいうと自動車専用オイルってわけです)
現在エンジンオイルのシェアを考えるとバイクの比率なんて本当に微々たるものなので、バイクNGになってもその添加剤を使うメリット(主にコストダウン)は充分ありますからオイルメーカーによっては自動車用とバイク用を分けているってのが実情です。

逆にいえばそのやばい添加剤さえ入っていなければ、自動車だろうがバイクだろうが、どっちに入れても大丈夫なのです。
なので車用・バイク用に主成分がチューニングされているわけではないって事はこれで分かって頂けたと思います。
まぁその辺の見極めはオイルメーカーによって異なりますので、バイクの人は購入時に確かめてみてください。
※省燃費型エンジンオイルも同理由でバイクには使えません。

ちなみにLINK-OILの場合には従来型エンジン対応のスポーツオイルでしたら、全グレードバイク対応となっております。
>>LINK-OILラインナップ説明ページ

っとまぁ、ざっとよくある質問に対する答えを書いてみました。
あまり難しく考える必要はありませんが、それでも疑問がありましらご相談ください。
私もあまり詳しくありませんが、分かる範囲でお答えいたします。