世界中の工業の牽引役といえば今も昔も自動車関連でして、多種多様な製品や素材の複合体である自動車というのは大きな裾野を持つ巨大ピラミッドな産業だと思います。
革新的な技術もふんだんに盛り込まれ、それでいて実用に耐える設計っていうのはいろんな技術を1段上に引き上げてきたのは事実ですもんね。
そんな最新技術の集まりなはずの自動車ですが……整備性という意味ではあまり昔から変わってないなーって思うのが内装ですね。
いや確かに素材とかね、いろいろ革新的な技術が盛り込まれているんでしょうけど。
それでも基本は隠しネジと樹脂製のファスナーという組み合わせは私が関わるようになったこの20年以上あまり変わってない印象です。
で、そんな内装用工具ですが。
基本構造は変わらないわりにホックの形状とかが変わってきてるので、工具の種類も多くなってきてしまい、最初に何を買えばいいのか分かりにくくなっちゃいました。
そこで今回はざっくりとですが「この辺をおさえておけば大丈夫」ってな工具を紹介。
・PB 内装はがしセット
メーカーにこだわる必要はありませんが、とりあえずならやはりこういった金属製のクリップ外しは必須工具です。
クリップにはサイズがありますので出来るだけセットみたいなのを買っておけば安心ですね。
・KTC クリップクランプツール アングルスタッビセット
金属製のクリップ外しの最新モデルがこのKTCのスタッピモデル。
近年増えた3つ爪タイプとかにも対応する特殊先端になっているのでいろんな形状のクリップにも対応します。
また超ショートですから狭い箇所でも便利ですね。
・KTC ハンディリムーバーセット5本組
そして近年の内装作業に欠かせないのがこういった樹脂製の内装ツール。
少し硬い樹脂同士の内装分解には必須の工具のひとつです。
樹脂製なので相手を傷めずに作業出来ますし、比較的安価なので数を揃えて数本使いながらすき間を大きくしていくような作業にも便利です。
ちなみにインパネまわりはこういった「すき間を作っていく」作業が多いので、そういった内装作業をやろうと思っている人は用意しておくと良いと思います。
・KTC 内装はがしプライヤタイプ
そして隠れた逸品工具としてプロメカさんの間で人気なのがこれ。
KTCの昔からある超定番の内装ツールです。
画像の通りにプライヤタイプでクリップのサイズに関係なく挟んで外す事が出来るので便利です。
またキッチリ固定してグリグリ出来るのでクリップ破損の可能性も低くなりますし、不安定な場所での作業でも重宝します。
・TONE 超ロングクリップリムーバー(300mm)
ちなみに変わり種だとこんな超ロングなリムーバーも存在します。
内装に関わる仕事をしている人だとかなりの割合で持っている便利工具でして、センターコンソールまわりではちょっとずつ隙間をとっていて分解するような箇所もあり1本で使うよいうよりは数本用意して差し込んでいくって使い方が主流です。
また硬質の樹脂なので傷つけたくない相手に対してのヘラやスクレッパーのような使い方が出来るのも特徴でして、内装に関係ない人からも好んで使われている工具となります。
こんな感じでひとことで内装工具と言ってもいろいろ種類あって選ぶのに困ると思いますが、まずは基本的なところを揃えて、足りないと思ったモノを追加していくって方法が確実だと思います。