パーツクリーナーのすすめ

どんな現場の整備でも必須のケミカルといえば潤滑剤とパーツクリーナーでしょうか。
このふたつのケミカルはいわゆる「ピンからキリ」まであって、みなさんも使用状況に応じていろいろ揃えていると思います。
特にパーツクリーナーはガンガン使ってなくなったら「はい次」みたいな使い方になる場合が多く、選択肢としては安価なものを大量に──ってな考え方になっている人が多いとは思います。
しかし近年の安価なパーツクリーナーは洗浄性能が低すぎて使いにくく、当店のユーザーからは「ちょっといいパークリが欲しい」と要望が多いのです。

そこで今回はそんなパークリのちょっと「良いやつ」を紹介してみたいと思います。

強力型パーツクリーナー

クリンビュー スーパーパーツクリーナー840ml

こちらは店舗で根強い人気を誇るイチネンケミカル取り扱いのクリンビューTPのパーツクリーナー。
シクロヘキサン採用の強力型のパーツクリーナーですが、上位モデルの中ではそこそこ安価なパークリでして「使い捨ての安いパークリ」と「価格の高い上位モデルパークリ」のちょうど中間にあたるモデルとなっております。
シクロヘキサンと聞いてもピンとこないと思いますが、昔の強い洗浄力を持ったパーツクリーナーの復刻とも言える商品でして。
この白缶シリーズはプロアマ問わずにリピーターの多い人気商品です。

ビプロスパーツクリーナー

ビプロス 遅乾性チェーン&パーツクリーナー840ml

そしてこちらが当店取り扱いでは最高峰のパーツクリーナーとなるビプロスのCPCです。
洗浄能力が非常に高く、また内容量もしっかり入っているので、よくある安売りのパーツクリーナーの3~4本分くらいはこれ1本で使う事が出来ます。
(あまりブシャーって吹かなくても汚れが落ちるので)
また折り畳みのノズルは近年では珍しい「金属ノズル」を採用していて、現場での使い勝手も二重丸。
ネックは価格の高さですが試しに使っていただければこれの良さや、意外なコスパの良さが分かって頂けるかと思います。

東洋化学パーツクリーナー

東洋化学 パーツクリーナー原液 B&Pクリーナー

そして上記で紹介したビプロスのCPCの原液モデルとなるのがこのB&Pクリーナーです。
(東洋化学はビプロスの製造元です)
先程紹介した最高峰の洗浄能力があるパークリの原液ですので、取り外した部品の洗浄等にもかなり便利に使う事が出来ます。
この原液モデルは乾きにくい遅乾タイプとなっておりますので、時間を掛けての洗浄にも適していますね。
いきなりこの原液を購入するのはちょっとハードルが高いかな?と思う人は上のビプロスのCPCからお試しください。

実際私も安くてガンガン使えるやつと上記のちょっと良いやつの作業内容で使い分けております。
全部これに替えましょうって話ではなく「ちゃんと汚れ落とし出来る実力のあるパークリを持ってると便利ですよ」ってお話でした。

パーツクリーナーではない洗浄剤

整備をやっているとなくてはならないケミカル類っていくつかあります。
代表的なのは防錆潤滑剤とパーツクリーナーですかね。

整備の状況に応じてどちらが重要になるのかは違いますが、上記2種類のケミカルは大抵みなさんも持っていると思います。

で、今回はそんな整備ケミカル代表格であるパーツクリーナーに関するお話。

ヴィプロスパーツクリーナー

ビプロス 遅乾性チェーン&パーツクリーナー840ml

当店取り扱いのパークリの中でも最も高性能で洗浄力の高いのがこのヴィプロスのチェーン&パーツクリーナー。
パークリって価格差が激しいのですがやはりお高いのはかなり効きまして、近年は安いので手こずるくらいならちゃんと洗浄出来る高価なパークリに──という回帰が起こっております。
実際840mlと一般的にいうジャンボ缶ですが、中身がぎっしり詰まっているので新品を手に持った瞬間から違いが分かるくらいにはオススメのパークリです。

で。
パーツクリーナーっていわゆる「石油系」なんですね。
チョー簡単に説明すると「油分を揮発性の油で流している」感じです。
(正確には違いますが)

まぁ「油は油で落とすのが正道」と言われてますので何も間違ってないし実際よく落ちてくれて便利なのですが…
このパークリで落とせないものがいくつか存在します。

そのひとつが整備だと結構重要になってくる燃料系の汚れ。
ん?燃料系っていわゆる石油系なんじゃないの?と思うかもしれませんが、ガソリン等の燃料の固着汚れは石油系では溶かす事が出来ないんですね。
よくキャブのOHや洗浄時にパークリが効かないあの現象です。
それに絡んでやはり燃料がからむスラッジとかも同じですね。
他にはブレーキダストが固着したやつとか、カルキを主成分とするボディの水垢汚れなんかもパークリではうまく落とせません。

ここで裏技的なお話をするとキャブクリではなくエンジンコンディショナーみたいなケミカルがこの手には効きます。
パークリでは溶かせない成分を溶かすことが出来るわけです。
でもこの裏技にもデメリットがあってこの手のケミカルは攻撃性が強いのです。
塗装面はもちろんゴムシールとかにも悪影響を与える可能性があるので使用時には注意が必要です。

そこで近年登場したこのケミカルがプロメカさんの間でも注目されております。

ヴィプロスソルブ

ヴィプロス ソルブ(THE SOLVE)強力水性洗浄剤

それがこのアルカリ性の強力洗浄剤である「ソルブ」
使い方はシュッシュっと吹きかけるパークリみたいに使ってもらえばOK
成分とか細かな話はありますがパークリの上位互換くらいな認識でも大丈夫です。

ヴィプロスソルブ

一応ちゃんとしたメーカーの解説もここに載せておきます。
この表をみるとさっきまで私がアレコレ書いていた意味がなんとなくわかるんじゃないでしょうか。

ヴィプロスソルブ

例えば内燃機のスラッジ除去とか。(矢印が逆なのは御愛嬌)

ヴィプロスソルブ

先述したひどい水垢の除去とかにも使えます。

そしてこのソルブの取り扱いをかなり楽にしてくれているのが「水性」という点です。
洗浄やお掃除が終わったら水でササっと流すだけ。(パークリでもOK)
基本的にはアルカリ性なので金属への攻撃性は少しあるのですが、作業後に水でバシャバシャっと洗えばいいので表内でも攻撃性☆4となっております。
(逆にいうと長期の漬け置き等はやばいのでNG)

パークリの上位互換といっても全てパークリに置き換える必要はなく石油系とアルカリのこの2つのケミカルを使い分けてもらえばいいと思います。

ヴィプロスソルブ

このソルブ。
すごく高性能なのですがなかなか説明が難しいので店舗では売れているのですが、遠方の方にはいまいち分かってもらえないんですよね。
そんなにお高いものでもないので何かのついでにぜひお試しくださいませ。

フッ素系ドライ潤滑剤の用法と効能

いろんなメーカーから様々な種類の出ている防錆潤滑剤。
整備の業界ではワコーズのラスペネあたりが神格化され重宝されております。
実際のその効き目に間違いはないですし、助けられた経験がある人も多いかと思います。

そんな潤滑剤の中でちょっと変わった存在というか、またちょっと用途が違う感じで使われているのがシリコンスプレー。
金属間だけでなくゴムや樹脂との相性もいいのでラスペネみたいな防錆潤滑剤とは別腹で便利なケミカルです。

で、そんなシリコンスプレーですが市場にはピンからキリまでの商品があり、またその性能差がかなりあったりするので製品の評価も使用している商品によって大きく変わってしまったりします。
性能差が大きくでる原因がシリコンの含有量。
これはそのまま製品のコストに跳ね返りますので、安価なものを使っている人はそこまでの恩恵は受けてないかなぁ…と思います。
でも実際そこそこの製品を使えばかなり便利なケミカルでもあるんですよね。
車両整備と言っても樹脂パーツも多く使われてますから、こういう異素材間で便利に使えるケミカルってのは本来重宝するもんなんです。

で、今日の本題であるフッ素系ケミカル。
フッ素オイルとかフッ素スプレーとかいろんな呼び名がありますが、簡単に説明するとフライパンとかに使われているテフロン加工のその素材がフッ素です。
ある程度までの熱に強く様々な素材の摺動部に効果があります。
まぁ弱点もあってかなりの高熱ではダメでテフロンの大元でもある3Mでも500度だっけかな?(うるおぼえで分かりません)それ以上の高温になると効能はなくなるそうですが、そこまで熱くなる箇所なんて限られてますからね。

で先述したシリコンの上位互換にあたるのがこのフッ素なわけで、使い方次第ではかなり便利なケミカルです。

フッ素系ドライ潤滑剤万能

東洋化学 フッ素系ドライ潤滑剤”万能”

そして当店で取り扱いしているのがそんなフッ素系ケミカルの最先端である東洋化学の『フッ素系ドライ潤滑剤”万能”』です。
名前がちょちダサいのはご愛嬌ですが中身はかなりガチな本格派ケミカルになております。

基本的な用法としては上記でも言っておりますがシリコン系のスプレーの上位互換なのでその手の使い方はそのまま出来ます。

また本製品の最大の特徴である「ドライ」タイプというのが使用の幅をさらに広げてくれており…

フッ素系ドライ潤滑剤万能

こういう家屋のドアヒンジとかにも抜群に良いです。
まぁこういう箇所の潤滑ならば最初にいったラスペネとかでもいいのですが、実際はあの手の潤滑剤って後になってから油分がホコリがゴミを誘い、その巻き込んだゴミが動きを妨げる結果になったりします。
なのでこのドライタイプってのは長期潤滑にはとても意味のある特徴なんですね。

そんなわけでいわゆる「油分を付けたくない」箇所への使用がすごく便利なケミカルですので。

フッ素系ドライ潤滑剤万能

こんな感じで鍵穴とかにも超便利。
特に屋外にあるような鍵穴で経年劣化で渋くなっているようなのなら効果絶大です。
あとはバイクだとフロントフォークのインナーチューブに塗ってシールを保護してあげたり、スロットルチューブの中に塗ってホコリを巻き込まない潤滑としても活躍しますね。

そしてこのブログを読んでいるって事は工具の興味がある人だと思いますが…。

フッ素系ドライ潤滑剤万能

本製品は「防錆潤滑剤」でもあるわけでして。
本来なら錆対策で少々オイリーな表面を維持しておきたい、けどオイリーなままだと使う時に面倒だ…なんて悩みも解決。

なんといってもドライタイプケミカルですからね。
吹き付けた後もサラっとした表面を維持しつつ、防錆効果も発揮してくれるわけです。
もちろん工具だけではなく錆が気になる箇所ならどこでもOK。
シュっと吹いて軽く拭き均してあげればいいだけですから扱いも簡単でいいですね。

ってなわけで現在お店でも売れまくっているフッ素系ドライ潤滑剤。
ぜひお試しくださいませー。

ちなみにどれくらいドライなのか分かりやすく同系統のシリコンルブとの比較の動画を撮ってみました。
参考にしてみてください。

整備も活発になる季節

いよいよ連休突入となり店舗でも多くの工具問い合わせが来ております。
やはり冬の寒い季節だとメンテナンス意欲自体が減退するのは仕方ないと思いますし、こうやって暖かくなってきたら「そろそろやるか!」と思う気持ちはよく分かります。

そんな中で当店取り扱いのエンジンオイル『LINK-OIL』の需要がぐっと増える時期でもありまして、店舗の在庫はなるべく切らさないように注意してます。

で、そんな人気のリンクオイルに新たなお仲間が登場します。

エスツーリング5W30

またWeb未掲載なのですが(明日あたりにアップします)
従来あったエコシリーズの

・エコ5W30 ←これ!
・ウルトラエコ0W20
・スポーツエコ0W25

「エコ5W30」を廃止し新たにご家庭である程度万能に使える「S-touring5W30」として新発売となります。
実は店舗では1年ちょっとの間試験販売をしておりまして、かなりの高評価を得ているベーシックグレードとなります。
2輪車にもOKなのでサーキット走行とかはしませんって人にはバイクから乗用車までこれ1銘柄で全てまかなえる万能オイルとしてご活用頂けます。

エスツーリング5W30

エスツーリングの「エス」はスポーツではなく「スタンダード」のSですのでより多くのユーザーに愛用して頂けるオイルになると思います。

GW中にオイル交換しちゃいたいなって人はその他の銘柄もありますのでぜひお試しくださいませ。

>>リンクオイル一覧ページはこちら

現在ほぼほぼ即納在庫あります。
お急ぎの方は別途ご連絡ください。

簡易コーティング剤のお気に入り

この所の黄砂とか花粉とか、わけ分からない飛散物とかで洗車しても数日でひどい状況になりますよね。
また季節の変わり目って雨も多いので薄ら汚れるというかなんというか。
私は数回洗車して諦めまして……とりあえず季節が落ち着くまで放置する事にしちゃいました。

で、そんな時期も落ち着いてきたらまたガッツリ洗車なんですが、洗車後のワックスと言うかコーティング剤としてお店で多用途に売れているのがこれ。

ビプロスクリーンイノベーター

ビプロス クリーンイノベーター

洗車後とかにシュっと吹きかけて軽く拭き取るだけでバリっと綺麗になる簡易コーティング剤です。

樹脂面とかガラス面に付いても拭き取ってしまえば綺麗にコートされるので、近年の樹脂パーツが多用されている自動車にはもちろん、塗装面自体が少ないバイクとかにも適しております。

KLX230R

私の現在所有のバイクなんかは塗装面自体がないのですが、金属パーツを始めアルミや樹脂パーツにもがっつりコート剤を掛けてありまして、これだけで次回の洗車がかなり楽になりますね。

またコート剤でありますので小キズの防止とかにもなりますから、人が直接触れる機会のあるオートバイにはかなり適していると思います。

東洋ダイナミックコート

東洋化学 ダイナミックコート(コーティング剤)

そして小キズがついてしまっていたりメッキパーツが少しくすんでいたりしたらこちらのコーティング剤がおすすめ。
傷消し効果や汚れの除去効果が高いコート剤ですので、お店では中古車を仕上げる業者さんとかにも人気のケミカルです。

東洋スピードコート

東洋化学 水性ガラスコーティング剤 超撥水スピードコート

そして自分の車でよく使っているのがこのスピードコート。

東洋スピードコート

トランポ兼営業車であるステップワゴンは洗車が面倒なので洗車機にかけているのですが、拭き上げる時にこいつをシュシュっとかけながら拭き取ってあげるだけでビッカビカ&超撥水になるのでお気に入りです。
画像のように樹脂パーツにもOKなので吹きかける範囲とかを気にせず施工出来てお手軽です。

もちろんこれが済んで自宅に戻ってきてからクリーンイノベーターを併用したりするとさらにビカビカになりますよ。

どれもガチな洗車派の人にはおすすめできない「簡易」のコーティング剤ではありますが、私みたいに面倒だなって思う人にもどれもオススメ出来るケミカルだと思います。(実際全部自分で使ってます)

特に最初に紹介したクリーンイノベーターはかなり万能に使えるので自宅の家電とかキッチンに使ってもOK

そろそろ暖かくなりますからね、今のうちに洗車道具は揃えておきましょう。