コードレスで使えるハンダコテ

いわゆる弱電関係のお仕事をやっている人ならそこそこ専門的なものが必要になったりするのでしょうが。
車両整備におけるハンダコテの出番なんて、そんなにしっかりした性能とかは必要ない場合が多いです。
でもハンダっていちいち100Vのコードを探して……とかも面倒なんですよね。
特に車内で使うことが多かったりするのでコードに引っかかったりして、怖い思いをした人もいるはずです。

そんな時に便利なのがコードレスのハンダコテ。
確かに精密な基盤とかで使うには物足りないかもしれませんが、配線処理等でササっと使える便利なコテを紹介。

ドレメルハンダコテ

ドレメル コードレスはんだコテキット(ガス式)

うちのお店ではもはやド定番となったガス式のハンダコテキットです。
いわゆるライターガスを充填して使うコテなのでカロリーも高く、コテ先も多様に入っているので熱収縮チューブとかにも使えるかなり便利です。
プロの整備士さんにも多く支持されている誰にでもオススメなハンダコテですね。

gootハンダコテ

goot 電池式コンパクトはんだコテ

そしてこちらは電池式。
個人的にも愛用しているモデルとなりまして、サンメカさんの場合へたすりゃ出番が1年に2~3回だったりするとこの電池式の方が気楽に使えて便利だったりします。
どうしても電池式だとパワー不足を心配する人もいるのですが、鉛フリーはんだのような融点のちょっと高いはんだでも問題なく使える仕様ですので、実際に使ってみると全く問題ないですね。

gootハンダコテ

また出先に工具を持っていって使うような人にもオススメで、ガスのようにちょっとずつ漏れてしまっていざ使う時に使えないってのもないですから、工具箱の中に1本放り込んでおくとかなり重宝すると思います。

goot鉛フリーはんだ

goot 鉛フリーはんだ(100g)

そして肝心のはんだはサンメカさん向けの100gを販売してます。
鉛フリーはんだですので融点は220度くらいですので使うハンダコテには注意してください。(上記2本は問題なく使えます)

ってなわけで今でもコード式のハンダコテで面倒な思いをしている人はこんなコードレスモデルもぜひご検討くださいませ。

研磨・鏡面・サビ落としの工具

基本は金属の塊である自動車やバイク。
ちょっとした加工でも鉄工用の工具が必要となるし、サビが出れば落とさないといけない。
複雑な部品が組み合わさる車両ではあまり大げさな工具が使えないので、大抵は手作業でゴシゴシする必要があるんだけど…やっぱり大変っすよね。

で、そんな人のために簡単便利で気軽に使える研磨系工具をご紹介。

イチグチネジタルホイール

イチグチ BSネジタルホイール 用途別各種

一般的には「フラップホイール」とか呼ばれる画像のような研磨工具です。
この工具の利点はとにかく簡単に使える事。
切削能力があまりにも高い工具を使うと表面だけサラっと削るつもりで他にも被害が…なんて事があるのですが、このホイールタイプは研磨力もそこそこだし、なんといっても対象物ややりたい研磨に応じて様々な種類が出ているので使用者のスキルに関係なく使えるのが最大の特徴です。

またこの工具は取り付け軸に六角軸を採用してますので。

パナソニック電動インパクトドライバー

パナソニック 14.4V充電インパクトドライバーセット

こういった電動インパクトドライバー(六角軸のプラスシャンクとか使うヤツ)に直接取り付けて使用可能です。
これが丸軸とかだと電動ドリルを用意する必要があるのでちょっとだけ面倒なんですよね。

しかし、こういう研磨工具っていざ買おうと思うと種類が多すぎて、自分がやりたい作業にどれが合っているのか分かりにくい…
そこで各種の作業向けのセットの登場なわけです。

イチグチネジタルホイール イチグチネジタルホイール

こんな感じで各作業用に適合したホイールが入ったセットをご用意しました。
もちろんそれだけしか出来ないわけではないので、例えばサビ落としセットを買っても金属削りが出来ますのであくまでもメーカー参考研磨布だと思ってください。

ちなみにこちらの研磨ホイール各種は国産のイチグチ製。
研磨布の専門メーカーですので安心してお使い頂けます。

ちなみにこのイチグチからはさらに面白い研磨工具も出てまして。

イチグチスカットディスク

イチグチ BSスカットディスクキット(φ50mm研磨ディスク)

それがこちらの「スカットディスクキット」
イメージとしてはポリッシャーディスクの超小型版ってな感じで、これも電動ドリルに取り付けて使用出来ます。
(六角軸アダプターも別売りで販売しております)

ディスク部分の受けとして専用パッド等が最初に必要ですので、とりあえずまずはこの基本セットを購入してみてください。
種類の異なる研磨ディスクが3種類付いてますので、使い勝手の良いディスクが分かったら替えディスクとしてまた購入すればいいと思います。

整備のスキルが上がるにつれこういう「ちょっと削る」とか「ちょっと磨く」な研磨工具って手元でササっと使える状態にしておくと本当に便利です。
価格もかなり抑えめになっておりますのでぜひお試しくださいませ。

Z-EALラチェットの修理&新型の検証

以前にもKo-kenのZ-EALシリーズのラチェットO/Hはここで記事にしましたが、せっかく新型の72ギアも登場したので、その辺も含めてちょうど修理依頼が入ったので分解しながらいろいろ見てみたいと思います。

Z-EALラチェットの修理

今回は旧36ギアラチェットの修理だったのですが、せっかく手元に36ギアと72ギアのリペアがあるので少しだけ比較してみたいと思います。

>>ラチェットのリペアパーツはこちらからどうぞ。

Z-EALラチェットの修理

こちらがメインギア。
倍のギア数なだけあってギアひと山の大きさがこれだけ違います。
まぁ外径を変えずに多ギア化したら当たり前なのですが、この感じで強度を確保するのはやっぱり大変だったでしょうね。
ちなみにZ-EALラチェットのメインギアにはよく見ると表と裏にOリングが仕込んであります。
さすがコーケン、芸が細かいっすね。

Z-EALラチェットの修理

こちらはメインギアとパウル。
少し前に話題になった「旧ラチェットに新型72ギアは組み込めるのか?」ですが、パウルの寸法を見ていくとちょっとだけ違うのが目視でも確認出来ますね。

まだ新型の修理ってのはないと思いますが、新型のO/Hも旧型と同じでかなりやりやすそうですので個人でも充分に出来るとおもいました。

ってなわけで早速修理開始。

Z-EALラチェットの修理

まずはTORX-Plusのビットを使って裏蓋を開けます。

ちなみにここは普通のトルクスではなく「TORX-Plus(IP)」ですので注意してください。
※1/4は6IP、3/8は8IP、1/2は10IPです。

>>TORX-Plusのビット購入はこちらからどうぞ。

KTCやネプロスのように奥に引っ込んだネジじゃないので冷静にやればここは難しくないと思います。

Z-EALラチェットの修理

バラしたら洗浄。
こんな時くらいしか丸洗い出来ないのでとにかくピッカピカになるまで洗いましょう。(パーツクリーナーでOKです)

あとはバラした逆に組んでいけばOK。
よくわからなくなっても部品図が付属するので問題ないと思います。
あ、私は小型プライヤーでやってますが1本ピンセットか小さなラジペンあると便利だと思いますよ。

Z-EALラチェットの修理

パウルはこのフラットな方が手前に組むのが正解。
(逆には組めませんけど)
この状態まで組めたらあとは注油。

ちなみに注油前だとラチェットを動かしてもガキガキしてると思いますが、注油をすればスムーズに動くと思いますのでご安心ください。

Z-EALラチェットの修理

注油と言いましたがまさに「油」を注入していきます。
これもこのブログで何度か書いてますが、できるだけ緩いオイルを行き渡らせてあげればOK。
そんなの無いよって人はエンジンオイルとかでも大丈夫です。

NGなのは防錆潤滑剤とグリス。
ラスペネ等の潤滑剤は長期の潤滑に向いてないのでやめた方が良いし、グリスは作動面のクリアランスを狂わす可能性があるのでやめておいた方がいいです。
(自転車等で使われている丁度の緩い高性能グリスとかならいいかも)

注油が終わったらあとは裏蓋閉めて最初のネジを締め込んだら終了。
少し馴染むまでカリカリと空転させてあげてください。

Z-EALラチェットの修理

今回バラした部品。
メインギアにはギア欠けも見られますね、なかなか良いO/H時期だったと思います。
なんか再利用出来そうなモノもありますが心を鬼にして全てアセンブリーで交換してあげてください。(どうせ使わないし)

Z-EALシリーズのラチェットはいろいろある中では最も難易度の低い誰でもチャレンジ出来る内部機構になっております。
注油してあげてもなんだからイマイチだなぁとか思い始めたら思い切ってオーバーホールするのもいいと思いますよ。

静音タイプのエアーコンプレッサー最新モデル

自動車やバイク、はたまたエアコンとか今回お話するエアーコンプレッサーも全て同じでして。
内燃機やモーター類の出力をわかりやすくする○○馬力という数値。
これを定格出力でいうと

1馬力 = 0.75kw

という事になります。
ですのでエアコンとかで「6畳用」とか「10畳用」とかいうのも全てはこの定格出力とかで算出されたものなわけです。

で、当たり前ですがこの馬力が大きいほど出力もでかくなるわけですが、大きけりゃ偉いのかというとそこまで単純な話でもありません。
ご家庭で使っている100Vのコンセントってのは一般的に60AくらいがMAXになってって(一昔前は40Aくらい)実際に使える馬力数にはある程度制限があるわけです。
※今はあまりなくなりましたが昔はエアコンとアレとコレを一緒に動かすとブレーカーが落ちたりしましたよね。
それに加えてモーターの特性上「ブーン」って動き出す瞬間に倍くらいの電流が流れたりするので、ごく一般的な話をすれば100Vのコンセントで「普通」に使えるエアーコンプレッサーは1馬力までって話になっていたわけです。

しかしエアーコンプレッサーに使われているモーターも改良や見直しがされ、ツインモーター等を採用し疑似的に1.5kwくらいまで使えるようになってきました。

 

ってなわけで前置きが長かったのですが今回はそんな最新のエアーコンプレッサー事情の中でも「静音タイプ」と呼ばれる低騒音な新型モデル3機種を紹介します。

PUMA静音タイプエアーコンプレッサー

PUMA 静音タイプ100Vエアーコンプレッサー 2馬力

まずは先述した「2馬力」のオススメモデル。
省電力なモーター×2基で家庭用コンセントでの1.5kwを実現したエアーコンプレッサーです。
ちなみにコンプレッサーで馬力が大きいと何が良いのか。
それは単純に空気の吐出量が多いという事になります。
エアーツールって小さいものの方が流速の関係でエアーを大量に消費するのですが、1馬力だとエアーインパクトくらいなら使えるけどリューターやベルトサンダーはNGなのです。
正直この2馬力でもちょっと厳しいのですがNGってほどではないのでプライベートでのDIYなら充分に活躍出来るモデルだと思います。

PUMA静音タイプエアーコンプレッサー

PUMA 静音タイプ コンパクト卓上100Vエアーコンプレッサー 1馬力

そしてこちらは省電力モデルを逆手にとって「コンパクト」と「静音」を突き詰めたモデル。
馬力はあえて1馬力に抑えておいてメリットを静かさと本体の小ささに振ったコンプレッサーです。
実際1馬力もあるのに50×50cmのスペースに置くことが出来て移動するためのタイヤも廃したおかげで微振動吸収用のゴム足になっててすごく静かです。
写真のようにテーブルや棚の上に置くことも出来るので狭いガレージで置き場所に悩んでいる人にはオススメですね。

PUMA静音タイプエアーコンプレッサー

PUMA 縦型静音100Vエアーコンプレッサー

こちらも1馬力ながらまさかの「縦型」設計でガレージ内を有効活用出来る省スペースモデルです。
コンプレッサー上面はフラット天板になっていてコンプレッサーの上にものを置いておくことも可能。
また自重が結構重たいのですがそのおかげで微振動の不快なノイズがあまりなくガレージの片隅で「コトコト」と動いている感じはかなり静かで良いですね。

ってなわけで各モデルともに特徴のある3台を紹介してみました。
コンプレッサーの購入や買い替えを検討している方は参考にしてみてくださいませ。

ギボシ端子(オープンバレル)の圧着

このブログでも配線系な工具の話をいくつか書いてますが、どちらかと言うと専門性の高い工具の話が多くなりがちでして……。

例えば近年増えてきた精密圧着まで出来るこのプライヤーとか──

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HOZAN 圧着ペンチ(精密B端子対応)

確かに近年のセンサー類の増えた車両整備では小さな端子が増えたので現場の需要は高くなっているのですが、それじゃみんながみんなこういう作業をするのか?っていうともちろんそんな事なくて、一般的な普通の電装手直しとかそういう人の方が圧倒的に多いわけです。
で、普通の事しかしないなら余計な機能とかいらないわけでして、シンプルな使い勝手の良い工具のほうがいろいろオススメだったりします。

 

車両整備に出てくる圧着端子のほとんどはB型端子と呼ばれるいわゆるオープンバレルの「ギボシ端子」でして、部品の取り外し時に便利なようにパチっと外せるアレですね。
この辺は業界ごとにちょっと表記が違ったりもするのですが、まぁ大体B端子って言えば分かると思います。
(ちばみにA型端子ってのは丸スリーブとか呼ばれる筒状の端子ですね)

で、そんなB型端子のギボシ。
やっかいな事にこの端子に世界的な統一規格とかはありません。
ぶっちゃけ各社自分の所の基準で作っているんですね。

よくSNSとかでもギボシメーカーが作った工具が一番合うよ!とか言う意見を見掛けますがあれは半分正解で半分間違い。
何かしらの統一規格が無いのでギボシメーカーの作った専用工具は「そのメーカーのギボシには合う」が正解でして、他のメーカーのギボシ端子に合うかどうか分からないんですね。

なのでいろんな車種でちょっとずつ使いたいって人は逆に汎用性の高い工具メーカーの作った物の方が便利に使えたりします。

 

で、そんな汎用性の高さで人気なのが、初心者から達人さんまでオススメ出来るこの圧着ペンチ。

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イズミ 圧着ペンチB125

どこでも良く見かけるタイプのほんっとスタンダード型の圧着ペンチです。
上でも書いた近年多くなった精密圧着とかは出来ませんが、そのかわりコレ1本で圧着はもちろんボルトカッターやワイヤーストリップまでこなせます。

またどこでも見掛ける……と、書きましたがこのイズミ製は別格です。
いわゆる配線圧着の専門メーカーでして、ギボシメーカーの工具のOEM制作とかもやっている、その道では知らない人はいないってくらいの有名メーカーです。

izumi_B125_nw4

細かな箇所の造りも似て非なるものでして、プロのオーディオショップさんでも「イズミのください」と指名買いされるほどの人気工具です。
配線作業用にとりあえず1本とか、手持ちの工具でのギボシ圧着が苦手なんだよね……なんて人は一度使ってみて頂きたい隠れた逸品工具です。