私が高校生の頃、MTVで見たレッドツェッペリンのジミーペイジ。
とにかくもう衝撃的にカッコよくてカセットテープにダビングして、そりゃもう擦り切れるまで聴き込んでました。
そのうち聴くだけじゃ物足りなくなりまして、親戚のおじさんにもらったギターで練習するようになったんだけど…コードの練習とか面倒になってきてなぜかボンジョビのコピーしたりしてましたね。
その頃の時代ってみんな一度はギター少年を夢見るような感じだったと思います。(バンドブームとかもあったし)
私の高校でも周りでバンド組むやつが出てきて興味はさらに加速。
そうなるともう自分のちゃんとしたエレキギターが欲しくて欲しくて。
そこでなんとなくジミーペイジのダブルネックのSGを思い出しまして、買うなら絶対にギブソンのSG買う!とか意気込んでバイトを頑張ってみたものの……高校生のガキンチョにギブソンなんて買えるわけもなく、結局フェルナンデスのクリームホワイトのSGを手に入れました。
この時は嬉しかったなぁ、学校以外では寝ても覚めてもギターいじってた気がします。(意味もなく学校に背負っていった事も数回w)
そしてギターのランクを下げたおかげで少し余ったお金を使い、この時初めて自分のお金で工具を購入したんです。
今思うと本当に不思議なんですがなぜか「よし!ついでに自分専用の工具も買おう!」と思い立ったんですよね。
私には兄貴がいまして10歳離れてて当時兄貴はセリカのLBに乗ってて、夜になるとRX-7とか310サニー乗った友達とかが集まって車を弄ってたんですね。
私もそれに混ざってねじ回して遊んだりしてたので、よくわからないけど変な憧れとかがあったんだと思います。
とりあえず向かったのは自転車で行ける近所の小さなホームセンター。
工具売り場にいきいつもよりもお財布に余裕がある私の目にとまったのがラチェットでした。
確かKTCだったと思うけどラチェット単体で4千円とかで、それだけじゃ意味ないからソケットまで買うと1万円近い値段に……
そうなるといくらお金持ってるといっても高校生には決断がなかなかつかなくて、結局ラチェットだけを買って帰ったんですよ。
ソケットもエクステンションも買ってないわけですから、工具としては何ひとつ機能しない単体のラチェット。
それでもカリカリと動く工具を手にしたのが嬉しくて、使いもしないのにずっとさわって遊んでたのをよく覚えてます。
そんな多感な高校生時代にバイトに励んで買ったものなんて、他にもいろいろあったはずなんですけど、買ったその日に家に帰ってからも手にしていた感触まで覚えているものというとそのギターとラチェットなんです。
そしてそんなガキの頃に魅了されたうちのひとつが、今の仕事になっているんだから面白いですよね。
だからなのかお店に初めての工具を買いに来てくれる人にはちょっとだけ特別な感じで対応しちゃったりします。
この人の初めての工具なのかなーとか考えちゃうわけですよ。
30年以上前にバイト代で買った1本のラチェットから始まった私と工具との関わり。
今後もそんな工具の行く末を楽しみにしていきたいと思います。