先日のブログ通り週末は福島の鮫川にあるモトパーク森までお仕事兼遊びに行ってきました。
モトパーク森と言っても知っている人はあまりいないと思いますが、先日大阪城で開催されたフリースタイルモトクロスの世界戦RBXFに貢献しつつも亡くなってしまった佐藤エイゴ君の本拠地。
レース当日もランプがある場所では未来のスーパースターが練習に励んでおりました。エイゴ君の意志は確実に受け継がれてますね。
さて。
レースは8時間で競われる耐久レース。鈴鹿で開催されるハチタイのダートバイク版ってな感じで、開催日もルマン式スタートも同じで行われます。
そして開催地はほぼ毎年変更されダートバイク乗りの「面白いところを走ってみたい」と言う欲求を叶えてくれるわけです。で、このダートなハチタイ、甘くないんですよ。私がよく出店でも言っているJNCCの本戦が1周にすると大体平均5~7キロ、しかしこのモトパワーさんはとにかく1周が長いんです。
まぁ天気良くてコンディション良ければ長い1周ってのはとっても気持ちよく楽しいのですが・・・・。
なにやら先週なかばから「戻り梅雨」とかほざきやがって、とにかく雨雨雨雨・・・。
私は前日の土曜日、お昼過ぎに着いたのですが直前まで雷なって夕立だったようで出店エリアもびっしょびしょのぬっちゃぬちゃ。
危なく私のハイエースまでスタックしそうになるくらいなコンディションでした。
それでも超晴れ男の私が現地に着いたわけですから晴れるんですよ。
3時過ぎには見事に晴れ渡ったモトパーク。路面も砂メインな感じで一気に乾いてきてます。
ま、レースは向こうに見える山に突入していくので、どうせグッチャには変わりないのですが、少しでも路面が乾いてくれるのは嬉しいんですね。
そしてその日はそのまま前夜祭に突入。
あっちゃこっちゃで危ない話に混ざりながら楽しく宴会していると8時頃からドシャーってものすごい雨が降り出しまして・・・それはそのまま就寝後のAM1時まで降り続いたそうです(私は寝ちゃいました)
明けてレース当日。
眠い目をこすりながら外に出てみると・・・。
出店エリアまでこんな状態・・・・。
それでもレースは始まるわけでしたスタートライダーな私はとにかく準備。
今回はモトパーク森の駐車場キャパの問題で出走台数147台。(70チームほど断ったそうです)3人組のチームが多いので300名くらいがエントリーしたわけです。
朝8時の花火と同時にルマン式で一斉スタートです。
#ここからは写真がありません、私のレポになります。
ゼッケン順の並びだったので後ろの方になった私はスタートの合図が分からずに、みんなが出て行ったのを見て慌ててスタート。ゴーグル付け忘れて一回止まってたら真ん中より少し後ろくらいのグループで最初の山アタックに臨みました。
前日の宴会でこのコースを走った事がある人に聞くと、とにかく雨降ってなくてもこのコースのウッズエリアはヌチャヌチャでヤバイと言われてましたので、自分のペースで確実に1周しようと思い、速そうな人を先に行かせてたらいつまで経っても自分がいけない・・・。
なんかだんだんつまらなくなってきたので、思い切ってエイヤーと言ってみたら・・・あれ?すっげー楽に登るぞ。
まずマシンが良い、なんだかんだ言っても鬼トルクの350EXCFほかのマシンが苦労しているような場所でもガンガン登ってくれます、そして人間も自分でも知らないウチにこういう状況に慣れていたみたいであまり恐怖心もなくとにかくスイスイ進めます。
これでまた中段くらいまで追いついた所で、大体私と同じくらいの技量な人が5~6人で集団になりました。
お互い声掛けたりはあまりしないのですが、なんとなくその5~6台でセクションをひとつずつ進んでいきました。
最初のウッズはとにかくシングルラインの深いツルツルのワダチを永遠に登っていきます。スタート直後の混乱もあって各所で渋滞も出来ていて普通に行けば問題ない箇所でも渋滞に引っかかって登れないとかそんなのの繰り返し、やっとの思いでなんとかそのウッズエリアを抜けたらすでに50分が経過。
平地に出た所でさっきまで一緒に走っていた人とちょっとだけ休憩って事になり「もう半分くらい来たんですかね?」とかの会話になったのですが、私の後ろにいたヤマハのWRの人が「えっと・・・私トリップメーター付いてるので分かるんですけど・・・」と。
今回のコース1周の全長は11キロ。朝のミーティングで雨天のためのコースカットはしませーん等のアナウンスもあったので11キロのままだと思います。
そしてその人の衝撃の一言。
「えーと・・・私のトリップメーターによると・・・今0.9キロ来た所ですね・・・」
と。
え?れーてんきゅうきろ??
900メーターっすか?wwww
残り10.1キロっすか、すでに50分も走っているんですけど・・・。
いやーこのときはホントに衝撃が走りましたね。
まぁ、ちょっとだけ言い訳するとスタート直後の後方を走っていた私達が一番大変な思いをしたらしいです。渋滞と出来上がっていない走行ライン、ハンパに掘れてしまったワダチ等々・・・実際私達の後からくるバイクは徐々に減っていきみんな諦めたとかバイク壊れたとかでリタイアしていきました。それくらいレース開始2時間くらいまでは過酷な状況でしたね。
しかしそんな事で文句言ってても仕方ないのでとにかく進みます。
いわゆる難所ってのは100とか200メーター間隔で出てくるので休む暇が無いんですね。(それでも休みましたがw)
そしていよいよ1周が終わらないまま深い森の奥で2時間が経過。
さすがに焦る私。
チームメイトによると2時間経過の時点で147台中100台近くが1周目を戻ってきてなかったらしいです。それくらい過酷なレースになってましたね。
コースマップはほとんど覚えてなかったのですが、確かコース終盤に川下りのセクションがあった事だけは覚えてまして。
とにかく川がある所まで進めばゴールが近いはず!と思い懸命に進みます。するとちょっと進んだ所で遂に川を発見!
ここでかなりテンション上がった私は一気に岩ごろごろの川の中をそこそこのペースで進みます。
しかし。
もうちょいで川終了って所でエンジンストップ。
???
なんでエンジン止まったのか分からなかったのですが、とにかく川を出たいのでエンジン掛けようとすると・・・クラッチが切れません・・・。
あー!
クラッチ終わっちゃったー!と、かなり焦りましたが、一応油圧なクラッチをあおってあげると少しだけ手応えアリ。
これは!
と思い、とにかく川からバイクを押しだし、そのままマシン冷却の為にしばし休憩。熱中症もやばそうだったのでメットも脱いで川の水をバシャバシャしてみたら、冷たくて気持ちいいんですよ。試しにソーっと川に上半身ごと倒れ込んでみたらめっちゃ気持ちいい!ww そんなこんなでそこで10分ちょっと休憩。ヘルメット脱いで川遊びしているところをかなりの人数に目撃されてしまったと思いますが、あれは私ですwww
少し休ませてあげたマシンにまたがりクラッチ切ると・・・キタキタ! ちょっと怪しい感じなのですが、それでも発進は出来そうだったので、再スタート。
しかし、ディスクがフェードしてしまったのか油圧ラインにエアー噛んだのか分からないのですが、10分ほどするとまたクラッチがスコっと抜けて切れなくなります。
仕方ないので1セクション進んではマシン止めて冷却して・・・と、とにかく仲間の待つピットまでマシンをすすめていきました。
普段は大嫌いなウッズの激下りセクションなんかはもう嬉しくて、だってエンジン掛けなくても進んでくれるんですからね。
結局、ピットまで辿り着いたのはレーススタートしてから3時間50分くらい経過してました。
お仲間に事情を説明しマシンを完全冷却してから再スタート。
しかし最後はコケた拍子にクラッチカバーが割れて終了となりました。
まぁレースですからね。何があっても驚きませんし、調子の悪いマシンを1周させてくれたんだからたいしたもんですわ。
なんかこれ読んでると「え?何が楽しいの?」と思われそうなんですけどね。
これがね。
めっさ楽しかったんですよ。
夏の始まりを告げるダートなハチタイ。今年も熱い夏になりますように。