ホースバンドの工具事情

いわゆる定番系が多い工具の世界でも「流行り廃り」とかはありまして、現在工具のメーカーさんが注力してるなーって感じさせてくれるのはホースバンドツール。

特に欧州から始まったネジを回して締め込むタイプのホースバンド撤廃の流れが、いつぞやのTORXネジ戦争のようになってきていて販売する側も注目せざるを得ない状況になってます。
(TORXネジが世界規格になるまで各国が自分のところの新規ネジを世界共通にしようといろいろ出まくった時期があったんです)

このブログでも何度かホースバンドなお話は書いてますが、また更新しておかないとって感じなので、多少焼き直しも含め、そして自分への備忘録的な意味でも書いておきますね。

まずは国内でも多く採用され世界的にも汎用性の高さで採用率の高いバンドに対応したのがコレ。

KNIPEX スプリングホースバンドプライヤー

すでに定評のあるKNIPEXのウォーターポンププライヤーの先端をホースバンド用にした専用工具です。

kni_horsCL6

専用工具としてはそこそこ高価な工具なのですが、写真のようにかなり高張力なバンドまでいけるのでさまざまなバンドに対応するならこれがオススメ。

KNIPEXホースバンド小

KNIPEX スプリングホースクランププライヤー180サイズ

ちなみに上記のホースバンドプライヤーには少し小さい180サイズが出ておりまして、現場の方からは絶賛を頂いております。

そして車両整備の現場、とくに自動車関係の方からの支持が多いのがこれ。

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KTC ホースクリッププライヤー

KTCのホースツールはなにげに改良&進化してて侮れない存在です。
カタログを見るとホース用工具の種類の多さにも驚かされますね。
実際シンプルながら使い勝手がよくて2タイプ購入する人も多いですね。

 

そして近年すっごく問い合わせが増えているのがクリックとかコブラとか呼ばれる、ワンタッチ型のホースバンド対応の工具。
(上記の張力バンド対応モデルと似てますが先端のチップが違う別製品です)

KNIPEX ホースバンドプライヤー250 [CLIC対応]

主に欧州車で使われているワンタッチ式のクリッククランプバンドに対応した専用工具です。

ホースバンド

先端部分に専用のチップが付いていてワンタッチクランプの取り外しはもちろん、取り付けも出来ます。
このタイプのバンドは専用工具がないと脱着に関してはかなり厳しいので、関係ありそうな人は揃えておくことをオススメします。

ちなみにSIGNETからお安いモデルも登場しております。

SIGNETホースバンドツール

SIGNET アングルホースバンドプライヤー CLIC/CLIC-R対応

こちらも上記のKNIPEXと同様にCLICバンドに対応することが出来ますのでご検討ください。

 

そしてさらにみんながなにげに苦労してて探してたんだよーって言われるのがカシメタイプのこれ。

KNIPEX クランプホースバンドプライヤー(カシメ用)

いわゆる「ヤットコ」なんだけど、カシメクランプの代表であるOETUKER社(オエチカ)のクランプ向けに作られていて、実際に使ってみると汎用のヤットコとは全く別物。

この画像ではちょっと分かりにくいけど、写真のように正面からカシメる事も出来て、さらにサイド部分でも横側使ってカシメる事が可能。
汎用のドライブシャフトブーツでも使えるとの事でお店でもかなり問い合わせが多くなっております。

ホースバンドのために工具をそんなに揃えるの…って思う人も多いと思いますが、実際プロの現場ではホースバンドとの戦いが日常ですので、買い揃える人もすごく多くなってます。
まだまだいろんな種類があるみたいですが、現状では上記のが揃っていればなんとか対応出来るかな。
ホースツール関連はアップデート率が高いカテゴリーなので、また何かあったら紹介したいと思います。

電装整備に

近年電気関係の整備はどんどん面倒になっていく傾向がありますね。
今では車両整備のサービスマニュアルにも「◯◯規格以上のテスターを使用する事」と書かれていたりします。

でも。
使うのはやはり人間。
できれば分かりやすくて簡単なのがいいですよねって事、少し前に新製品として登場したカイセのこのモデルが人気です。

カイセデジタルテスター

カイセ デジタルマルチメーター(サーキットテスター)

フルLCDの画面を採用しほぼほぼオートモードで作動する簡単高性能なサーキットテスターです。

カイセデジタルテスター

ちなみに諸元はこんな感じ。
よく見ると「その他」の項目に気になる非接触電圧検知の文字がありまして。

カイセデジタルテスター

テスターのヘッド部分に活線を探す非接触のセンサーも搭載。
なんとなくで使っても便利ですが、使い倒せばかなりの高性能機でもあります。

ちなみに活線検知なら。

SIGNETオートテスター

SIGNET コードレス検電テスター

この簡易の検電テスターも便利。
地味に新製品として登場しましたが店頭では車両整備な人にかなりの人気となっております。

また「車両整備ではなく屋内配線用のAC100Vに対応したのが欲しいのだけど…」って人にはこちら。

PB検電テスター

PB 検電ドライバー AC100V-250V用

電設屋さん向けのACモデルです。(車両整備には使えません)
いまや配線の導通チェックだと主流は非接触型になってはいますが、最後の最後に自分で配線作業に入るときに最終チェックとして接触型でチェックしたくなるのは人情だと思います。

そんなわけで電気関係工具もいろいろありますので、困ったら相談してくださいませ。

LINK-OILの夏のセール案内

気がつけば今年も折り返し、6月が終われば1年の半分終了なわけですから早いっすよね。
仕事の方も6月決算って会社さんや四半期決算ってな会社さんもいてかなり忙しくさせてもらってます。

で。
毎年恒例になっているオイルセールが開催中。

LINK-OILセール

>>LINK-OIL夏のスーパーセール開催!─7月4日まで─

まずは年2回開催で恒例となったエンジンオイルメーカー「LINK-OIL」の夏のスーパーセール。

LINK-OIL

ここ数年油脂類も為替とか原油高騰の煽りをうけて価格が上昇傾向ですので、こういったセールの機会にまとめ買いする人が多いですね。
画像は人気のSツーリング

特に20Lのペール缶とかはそもそも20%くらい値引きされているので、その特価から「さらに」15%OFFってのはかなりお安いと思います。
※通販ではカートに入れただけでは値引き表示されません、最終確認画面までいくと値引きが表示されます。

期間は『7月4日(金)17時まで』
店舗でももちろん販売中ですのでこのタイミングでぜひどうぞ。

パーツクリーナーではない洗浄剤

整備をやっているとなくてはならないケミカル類っていくつかあります。
代表的なのは防錆潤滑剤とパーツクリーナーですかね。

整備の状況に応じてどちらが重要になるのかは違いますが、上記2種類のケミカルは大抵みなさんも持っていると思います。

で、今回はそんな整備ケミカル代表格であるパーツクリーナーに関するお話。

ヴィプロスパーツクリーナー

ビプロス 遅乾性チェーン&パーツクリーナー840ml

当店取り扱いのパークリの中でも最も高性能で洗浄力の高いのがこのヴィプロスのチェーン&パーツクリーナー。
パークリって価格差が激しいのですがやはりお高いのはかなり効きまして、近年は安価なパークリを使って落ちない汚れと格闘するくらいなら、ちゃんと洗浄出来る高価なパークリに──という回帰が起こっております。
実際840mlと一般的にいうジャンボ缶ですが、中身がぎっしり詰まっているので新品を手に持った瞬間から違いが分かるくらいにはオススメのパークリです。
(同じ見た目のサイズでも重さが倍くらい違います、まじで)

で。
パーツクリーナーっていわゆる「石油系」なんですね。
チョー簡単に説明すると「油分を揮発性の油で流している」感じです。
(正確には違いますが)

まぁ「油は油で落とすのが正道」と言われてますので何も間違ってないし実際よく落ちてくれて便利なのですが…
このパークリで落とせないものがいくつか存在します。

そのひとつが整備だと結構重要になってくる燃料系の汚れ。
ん?燃料系っていわゆる石油系なんじゃないの?と思うかもしれませんが、ガソリン等の燃料の固着汚れは石油系では溶かす事が出来ないんですね。
よくキャブのOHや洗浄時にパークリが効かないあの現象です。
それに絡んでやはり燃料系の汚れがあると落ちにくい(落ちない)わけです。
他にはブレーキダストが固着したやつとか、カルキを主成分とするボディの水垢汚れなんかもパークリではうまく落とせません。

ここで裏技的なお話をするとキャブクリではなくエンジンコンディショナーみたいなケミカルがこの手には効きます。
パークリでは溶かせない成分を溶かすことが出来るわけです。
でもこの裏技にもデメリットがあってこの手のケミカルは攻撃性が強いのです。
塗装面はもちろんゴムシールとかにも悪影響を与える可能性があるので使用時には注意が必要です。

そこで近年登場したこのケミカルがプロメカさんの間でも注目されております。

ヴィプロスソルブ

ヴィプロス ソルブ(THE SOLVE)強力水性洗浄剤

それがこのアルカリ性の強力洗浄剤である「ソルブ」
使い方はシュッシュっと吹きかけてパークリみたいに使ってもらえばOK
成分とか細かな話はありますがパークリの万能型上位互換くらいな認識でも大丈夫です。

ヴィプロスソルブ

一応ちゃんとしたメーカーの解説もここに載せておきます。
この表をみるとさっきまで私がアレコレ書いていた意味がなんとなくわかるんじゃないでしょうか。

ヴィプロスソルブ

例えば内燃機のスラッジ除去とか。(矢印が逆なのは御愛嬌)

ヴィプロスソルブ

先述したひどい水垢の除去とかにも使えます。

そしてこのソルブの取り扱いをかなり楽にしてくれているのが「水性」という点です。
洗浄やお掃除が終わったら水でササっと流すだけ。(パークリ洗浄でもOK)
基本的にはアルカリ性なので金属への攻撃性は少しあるのですが、作業後に水でバシャバシャっと洗えばいいので表内でも攻撃性☆4となっております。
(逆にいうと長期の漬け置き等はやばいのでNG)

パークリの上位互換といっても全てパークリに置き換える必要はなくコストとかも考えつつ、石油系とアルカリのこの2つのケミカルを使い分けてもらえばいいと思います。

ヴィプロスソルブ

このソルブ。
すごく高性能なのですがなかなか説明が難しいので店舗では売れているのですが、遠方の方にはいまいち分かってもらえないんですよね。
そんなにお高いものでもないので何かのついでにぜひお試しくださいませ。

オートサービスショー2025

久しぶりに東京ビッグサイトで開催された車両整備向け工具展示会『オートサービスショー』に行ってきました。
実は前回行ったのが8年前…
(ネプロスが90ギアになったりZ-EALのラインナップが広がった頃)
なかなか一人親方の店主はイベントあっても行けないんですよね。
それでも今回行った理由はいくつかありまして。

まずは店休日だった事。
月に一回の木曜日休みとばっちり重なりまして「あ、こりゃ行けるぞ」と。
あとは最近楽しくなってきたYouTubeのネタ探しにもいけるよなーとかね。

そして最大の動機でもあり目玉工具を撮影したかったってのもありまして─

オートサービスショー2025

機材一式担いでビックサイトまで行ってきましたよ。

まずはザザザっと場内を見回り。
んー……輸入工具メーカーいないけど?
まぁ事前に分かってはいたのですが近年は工具イベントが多くなり、輸入工具のメーカーは分散傾向なんですよね。
でも個人的には工具展示会での本丸であるこの展示会に出てこないのはさみしいなーと思っちゃいました。
昔はスナップオンとかまで出てたのにね。

で、いろいろ見て回ったのですが動画のカメラを回しながらだと限界ありますね。
1件に時間掛け気味になるので全ブースを詳しくって感じにはいかなかったです。

それでも

オートサービスショー2025

Ko-kenのブースに行って参考出品見せてもらったり。
久しぶりに首脳陣にもあった深い工具の話したりして楽しかったすね。
今後の動画への協力もしてくれるみたいだし、いろいろ期待したいと思います。

オートサービスショー2025

そしてお目当てのKTCの新製品。
コードレスラチェット(電動)を確認。
実は初見ではないのですがこの展示会発表の日からはオープンにしていいと言われてたので、速攻撮影しました。
あ、あとネプロスの30周年記念限定品の展示もあったので撮影しておきました。(これは後日紹介します)

昼飯も食わずに朝からずっと歩き回って14時頃には撤収。
そうそう入れ替わりでファクトリーギアさんの社長とかも撮影で来てました。
久しぶりに会ったので挨拶だけしておきましたが覚えてくれてて嬉しかったです。

結局同行してくれた工場長には昼飯すら食べさせてあげられなかったので、羽生まで戻ってからカミさんが働いている蕎麦屋で遅い昼飯(16時)

オートサービスショー2025

ネギ大好き星人の工場長も喜んでくれて良かったす。

そんなわけでその日のうちに撮りたて動画をアップしました。
店舗でのみ予約注文を受けますので欲しい人は今のうちにぜひどうぞ。