KTCのデジラチェについて

普段からトルクレンチに関する問い合わせって多いのですが、その中でも固有名詞として質問の中に登場する事が多いのが「デジラチェ」です。

名前から連想するに「デジタル」な「トルクレンチ」なわけでして、デジタル式というだけで精度のものすごく高いトルクレンチと思われる事も多いのですが、実際の現場レベルだと現行のプリセット型トルクレンチとそれほど精度的には変わりなく、質問があった場合にもまずはその辺からの説明となる事が多いです。

実際現在販売されているトルクレンチの精度はほぼ±4%以内に収まっております。
このデジラチェもまさにその±4%なわけで、これを見ても「デジタルだから」という事で高精度ではないと分かって頂けると思います。

デジラチェを語る上で欠かせないお話がトルクレンチの種別です。
トルクレンチとはざっくりと種類を分けるとカチンと鳴って設定トルクを知らせてくれる「プリセット型」と、実際にトルクの変動値を目視で確認しながらトルク管理を行う「直読式」に分ける事が出来ます。

東日トルクレンチ
東日プリセット型トルクレンチ

私が工具販売をはじめた30年ほど前はプリセット型トルクレンチってめっちゃ高価だったんですね。
また今ほどトルクレンチの重要性も認知されてませんでした(されてはいたけど高価すぎて現実的じゃなかった)
※でも今ではかなり価格も安くなって気軽に使えるようになりました。

ですのでその当時だとビーム式と呼ばれる弓式がよく売れてましたね。
(針が付いててそれが左右に振れてトルク値を見るヤツです)

で、このビーム式(弓式)と呼ばれるトルクレンチこそ「直読式」なわけです。
現在ビーム式はトルク校正出来ないことを理由にあまり扱われる事がなくなってきており、今はダイアル式が一般的になりました。

東日ダイアル式トルクレンチ

ググっとトルクをかけるとダイアルの中の針が回って現在のトルク値を示すトルクレンチですね。
ちなみにデジラチェとかのデジタル式トルクレンチはこのダイアル式とかの直読式の表示画面をデジタルにしたものだと理解してください。

この直読式。
読んで字のごとく実際に目視で推移するトルク値を確認するのが一般的な使い方です。(置き針してトルク値になると知らせてくれるようにも出来るものもあります)
なので一般の人が気楽に使うトルクレンチとしてはちょっとイマイチ…なんです。

プリセット型トルクレンチなら設定したトルクでカチンって知らせてくれますからね。
似たようなボルトナットを複数箇所カチカチしていくような作業に直読式はあまり合わないんです。

もちろん直読式のメリットもありまして。

それは正逆転どちらも測定可能な事。

これはプリセット型の弱点でもあるのですが、プリセット型は一般的に締め付け方向のみの測定となってます。
(これは精度を保つための条件なんです)
今は逆ネジとか減ったので逆回転での使用ってあまりないように思われがちですが、実験や開発の現場では現在の締め付けトルクを測定する事もあり、逆回転で回して緩むトルク値を測定する事があるので必須のトルクレンチです。
また内燃機とかの精密組み付けが必要な現場では、ボルトの伸び(締結力)を手応えと目視とトルク値で確認しながら作業したりするので、リアルタイムでのトルク変動を知りたいという現場もあります。

…っとまぁここまで読めばプリセットと直読で、かなり方向性の違うトルクレンチなんだという事が分かってもらえたと思います。
それはでは直読式の派生モデルであるデジラチェって使いにくいのか?と言われると半分YESで半分NOです。


KTC デジラチェ

初代のKTCデジラチェはグリップ部分がカタカタと動くモデルで、測定エラーを連発しかなり使いにくいモデルでしたが、現在のデジラチェは2世代目にあたるモデルでして誰が使っても正確にトルクを示してくれるモデルになっております。

KTCデジラチェ説明

また先ほど言った直読式の使いにくさのひとつである「目視確認」が出来ない場所でも事前設定のトルク値で電子音を鳴らして知らせてくれますので、この辺の使いにくさもほぼ解決しております。

ま、それでも直読式には変わりありませんので購入する時にはまず「プリセット型」を買うのか「直読式の最新モデルであるデジタル」にするのかってのを考えてみてください。
気楽な使い勝手はプリセット型がオススメです。
使用頻度はあまり高くなく、いろいろな高機能を使いたいならデジラチェはかなりオススメです。

KTCトルクル
スマホ連携型のデジタル式トルクアダプターも人気です

KTC スマホ連動型デジタルトルクレンチ TORQULE(トルクル)

こんな感じで購入前に理解しておけば自分にあった良いトルクレンチを選ぶ事が出来ると思います。
まぁ参考までに。

乗りたい車に乗ればいい

私が個人的に趣味で続けているオフロードバイク。
ナンバー取得が出来ないレース専用車なのでトランポに乗っけてコースに行っては楽しんでおります。
一時期に比べればガチなレース志向というのはなくなりまして、今では「スポーツライディング」として楽しんでのる方向になってはいますが、それでも走りにいけば割と真面目に練習してますし、そういうのもコミコミで楽しんでおります。

この趣味を始めるにあたって最初に入手したのが中古のKX125でした。
当時確か10万円くらいで譲って頂き、ちょいちょいマイナートラブルこそあれど楽しく乗っていました。
その後お仲間が新車のモトクロッサーを手に入れた事に触発され、私も最新モデルのKX250Fに乗り換え。

これまたあちこちにいって楽しんでおりましたが、転換期となったのが2010年に参加した三宅島エンデューロレース。
東京都が主催した初めての離島でのレースという事もあり、レース内容はそっちのけでとにかく即エントリー。
レースが始まってみれば自然の地形をそのまま生かしたクロスカントリー形式のレースでして、ここで見事に玉砕しました。
(モトクロッサーのままで出たからかなりきつかったんです)

そこでエンデューロ専用のレーサーという存在を知りまして、自然の地形をそのまま走るというエンデューロ競技自体にも興味を持ちました。

そして仲間内でも徐々にエンデューロレーサーに乗り換える人が出てきたあたりで私も買い替え。

KTM350F

モトクロッサーが当時60~70万円で新車が買えましたから、100万円超えのエンデューロレーサー購入にはちょっとビビっていたのですが……
実際に手に入れて乗ってみるとめっちゃ楽しい乗り物でした。

トランポも軽トラからハイエースに乗り換え。
日本全国のイベントやレースに行きまくりましたね。
実際レースにもわりとガチ目に参加していたのもこの頃です。

そこから4年後くらいかな。
両親が倒れてしまい介護の必要が出てバイクを一旦降りました。
それでも安い車両を何か一台だけ持っておこうと数台のバイクを経て

成田MXパークと新外装

今のハスクバーナのエンデューロレーサーに至っております。
これは運良くというか2019年の年末に入手してまして、数ヶ月遅かったらコロナの影響で車両の品薄に巻き込まれていましたから、本当にタイミングが良かったと思います。

っとまぁ、オフロードバイクに乗り始めて10年ちょっと。
この期間に6台のバイクを乗り継いできました。
新車で買ったのが半分の3台。
どれも楽しかったのですが自分に合わなくて半年で放出した車両もありました。

 

工具のお店をやっているといろんなバイクや車を趣味にしている人達とお話する機会があります。
ハチロクやロードスターだけをいじり続けて30年とか、Z2を維持して40年とかそういう人達がたくさんいます。
そしてそういう人達に対してものすごい憧れというか尊敬というか、うまく言えないのですが「かっこいいなー」と思ってしまうんですね。

私は性格的に「浅く広く」な考え方になってしまいがちです。
短い人生で死ぬまでになるべくいろんな事象に触れておきたいと思ってしまうんですね。
振り返ってみると何かをトコトンまで突き詰めた事がないようにも思えて寂しい気持ちになったりします。
さっきの人達みたいにひとつの車種や車両を長年大事に乗り続けている人にかなわないような気になってしまう事があるんです。

 

そんな折に。
私の一番下の子供が「車を買い替えたい」と言ってきました。
2年前にこれを入手した娘です。
>>当時のブログ

ロードスター

手に入れてからはちょこちょこと各部を直したり、車高下げたりしつつ楽しんできましたが、昨年末に相談があると言われ話を聞くと

免許証を取得する頃からずっと憧れてたそうで

「フェアレディZに乗りたい」

と相談されました。
つい先日最新のZが発表されましたが、欲しいのはひとつ前のモデルとなるZ34との事で、ランニングコストや保険料の金額とかを詳しく伝えて最初は「やめておけ」と言ったんです。
(V6の3.7リッターですからね税金や燃費もそりゃ…)

そりゃ社会人になったとはいえ子供にはかわりないですからね、苦労するのが分かっていてそんな大きい車に乗り換えるのは厳しいんじゃないか?と伝えました。
しかし「お金をこれだけ貯めた」とか「Zに乗りたくてMT免許をとった」とか言われると私も悩んじゃったんですよね。
そして最後にこう言われまして。

「ロードスターを紹介してくれてありがとうと思ってる、めっちゃ楽しい車だった。もしかしたらZに買い替えてすぐに後悔するかもしれないけど、やはり一度乗っておきたい」と。

ああ、こいつ俺の子供なんだなーとしみじみ思ってしまったんですわ。
それからはお金の援助とかこそしてませんが、いろんな所に話を回して良さそうな車両を探すのを手伝いました。

そして昨日。

Z34

フェアレディZが無事に届きました。
コロナの影響で相場が爆上がりしてましたが3ヶ月探してやっと納得のいく車両をゲット出来たみたいです。
世の中が脱炭素化していくご時世ではもしかしたら娘が乗ることの出来る最後の内燃機を積んだFRスポーツかもしれません。
そう思うとこのタイミングで買って良かったね、と思いました。

多分ですけど10年以内にこういったスポーツカーって乗るのがとても難しくなると思います。
まだトヨタの86・BRZとかはありますけど選択肢は確実になくなっていきます。
確かに今の自動車やバイクの相場っておかしいなって思いますが、逆にいえばもう価格ではないところでイス取りゲームが始まっているとも感じます。

私もそろそろ残りの人生で乗ることの出来る車両数のカウントダウンが始まっている気がしますからね。
乗りたい車やバイクがあるなら乗っておかないと、思ったお話でした。

※あ、そういえば「工具」だけは飽きずに30年以上付き合ってました。

クイックオープンクロウフット

近年の工具メーカーの新製品って、まず業界内でちょっとだけ噂がたって、その後新製品のチラシ(A4のペラのやつ)が回ってきて、受注をとってから数ヶ月でやっと入荷……ってのが慣例化されつつあります。

まぁ昔とそんなに変わるわけでもないんですが、チラシとか見逃すとあとで「あれ?」とか思うような新製品が出たりしてて、結構アンテナ張ってないと分からなくなったりもするんですよね。

しかし。
TONE(トネ)はぶっ飛んでて、総合カタログの新刊が出たのでパラパラっと見てみてると「NEW」のマーク入りでいきなり新製品がチラシではなく本カタログに登場したりします。
まして新製品チラシとかで案内も来なかったりするので(後日くるんですけどタイムラグはかなりあります)よーく見てないと見逃すんですよね。

今回紹介するTONEの新製品「クイックオープンクロウフット」もひっそりとカラログに載っていたのをお客さんから教えてもらって知りました(笑)

TONEクイックオープンクロウフット

TONE クイックオープンクロウフットレンチ

昔からこういう「パカッと開いて閉じるタイプ」のフレアナットレンチとかはあったのですが、ここまで洗練されてなおかつクローフットタイプで出たのは初めてかもしれません。

主に空圧や油圧系の作業をする人におすすめの工具ではあるのですが、スペースの関係でスパナしか入らないけどなめるのも怖いとかそういうったニーズにもある程度応える事が出来る工具でもあります。

TONEクイックオープンクロウフット

残念なのはフルオープン時にボルト・ナットを完全に飛び越える事が出来ないので、オープンさせた状態で真横から差し込む事が不可能な点くらいですね。
もともとそういう使い方は想定してない工具なので仕方ないのですが、ここがクリア出来ていればもうちょっと他の分野でも活躍出来た工具だったかなと思います。

TONEクイックオープンクロウフット

空圧や油圧系の作業って実は工具の種類を多く持っているって事自体がかなり重要だったりしますので、この工具の登場はかなり喜ばれていると思います。
またサイズも大きめの19mmとか24mmとか揃ってますからね。
TONEはこの辺の工具と作らせたら本当にうまいですね。

TONEの公式で使用時の動画も公開されておりました。
私の文章と画像だけでは分からなかった人は見てみてくださいませ。

いまさら聞けないソケットのお話

手段と目的。

このふたつが入れ替わっちゃう事ってよくありまして、例えばみんなが大好きなオートバイ。
走るのが好き!とかいろんな理由があって手に入れたのに、いつの間にかバイクを何台も集めてたりとか……楽しく走るためのバイクがいつの間にかバイクの所有欲の方が勝ってしまうケースなんて結構ありますよね。

工具だって同じ。
工具の専門店をやっていると実際はほとんど使わないけど、カッコイイからなんて理由で購入してくれる人も結構います。
少しでも作業を楽にしようと便利な工具を求めているうちに、工具を揃える事の方が目的に変わってしまう人がいるわけです。
私だって工具のお店をやっているくらいですから、工具自体の魅力も良く分かりますし揃えたくなる気持ちもわかります。
あ、別にそれが悪いなんては思ってないですよ、昔から機能美とかそんな言葉があるように考えぬかれた工業製品にはどこか人を惹きつける魅力があるんだと思います。

しかしいざ集めてみると工具ってとにかく種類が多いんです。
現在の工具事情では、王道でありメインでもあるラチェット系工具でも差し込み角とかいろいろありますしね。
またラチェットで使うソケットなんて何を基準に選定すればいいのか分からないような物までいっぱいあります。
そんな種類な話の基本中の基本なんですけど、お店でよくある問い合わせがありまして

「6ポイントと12ポイントは何が違うんですか?どっちがいいんですか?」

って質問。
これちゃんと答える事が出来る人ってあまりいないんじゃないですかね。

ソケット6角12角のお話

6ポイント・12ポイント(以下6P/12P)とはソケットの内側が6角なのか12角なのかの違いなんですけど、購入時にどっちを買うか悩んだ事がある人もいると思います。

ソケット6角12角のお話

諸説はあるのですが見た目からして6Pの方がボルトナットをなめにくいのは分かりますよね。
12Pは6角を30度ずらしている関係で見た目だけでいえばなんだかなめやすそうな印象を受けると思います。
もちろん12Pのメリットだってありましてボルトナットにソケットを差し込む時にスピーディーにセットする事が出来ます。
実際ラチェットのように少し回転させて使うことの出来ないレンチ系工具(めがねレンチとか)では12Pが主流ですよね。

ソケット6角12角のお話
レンチ系は大抵12角になってますね。

あまり難しく考えないなら大体こんな感じで理解しておいて良いと思います。
工具のメーカーさんがわざわざ両方ラインナップするという事は両者にメリット・デメリットがあるという事ですからね。

○結局6P・12Pどちらを選べばいいのか?

しかし両方どちらも良いですよって事になると選べませんから、私は自分のお店では整備初心者さんには出来るだけ6Pを、中級者以上の人にはお好きな方を、とオススメしてます。

これには理由がありまして現在生産されているソケットは「面接触」というボルトナットをなめない工夫がされております。

ソケット6角12角のお話
ボルトの「角」に当てないようにしてなめにくくするのが面接触の理論です。

ボルトナットがなめてしまう原因のひとつが「徐々にボルトの角が減っていき丸くなっていってしまう」事なので、ボルトの角に工具が当たらないようにボルトの面に工具があたるような仕掛けが施されているわけです。
ソケットの内側の角をよく見てみると少し丸みを帯びているが分かると思いますが、その丸くなっている加工が面接触の仕掛けです。
(工具メーカーによって加工の仕方は違います)
そしてこのボルトナットの面の部分に当たるように設計された面接触のおかげでソケット山の浅かった12Pのなめやすさは劇的に解消されているんです。

しかしそのなめにくくなった面接触にもじつは弱点がありまして……

「ソケットをボルトナットに対して斜めに掛けると逆になめやすい」

んですね。

面接触採用の工具はたいていその効果を最大限に発揮するために、少し公差を大きめにとる傾向があります。
公差とはボルトにソケットをセットした時に少しカタカタする隙間だと思ってください。
このカタカタする隙間がボルトの面に当たる効果になっているわけです。

しかしこの公差のせいでほんのちょっとですがボルトに対して斜めに工具を差し込む事が出来てしまいます。

ソケット6角12角のお話
こんな感じで少し斜めに差し込む事が出来ます。

面接触の工具を斜めに差し込んで回してしまうと、ボルトの角とソケットの角が点で交わってしまいあっけなくなめてしまう事があるんです。
まぁ弱点といっても工具を正しく使えていれば問題はないのですが、作業に慣れていない初心者さんが斜め掛けしてしまうとあまりよろしくないわけです。

で、この工具の斜め掛けですが6Pだと構造上起こりにくいんですね。
(あと6Pは多少斜めになっても他の面が保持するので結果なめにくいのです)

ですので初心者さんには最初にオススメするのは6Pのソケットとなるわけです。
そして中級者以上の方の場合だと上記のような場面でも「こうなるとなめちゃいそう」という判断がつきますから12Pでも安心して勧める事が出来ますし、そういう前提を分かった上でやはり安心な6Pを選択するのも良いと思うわけです。
また「最初から少しなめかけ」なボルトナットの時はやはり6Pが間違いないですね。
実際整備の上級者ほどこの辺の使い分けがうまくて両方揃えて持っているって人も多くなります。

ちなみに自分の場合ですとショートソケットは使い勝手優先で12Pで揃え、ディープソケット(ロング)は6Pで揃えております。

ソケット6角12角のお話

ショートソケットは短いのでボルトナットに正対して真っ直ぐ使うのは難しくないのですが、ディープソケットは奥まった箇所に使う事が多く、目的のボルトが目視出来ない場面も想定して6Pにしている感じです。
またなめかけているようなボルトナットが出てきたらディープソケットを使えばいいので安心ですしね。

○ショートやディープソケットの選定は?

そして今の話でも出たソケットの長さ違いでもちゃんと揃えようとすると少し注意点があります。
ソケットにはいわゆるスタンダードな長さのショートとロングモデルのディープがあります。
またその中間サイズであるセミディープという設定があるメーカーもあります。

主な使い分けはナットを回す事を想定すると分かりやすくて、ナットが付いている真ん中のネジ部が飛び出ているような場合だとショートソケットではソケット自体の全長が足りずにナットまでアクセス出来ない場合があります。
そういった場合にディープソケットが必要になるんですね。

ではオープンスペースで使い事が多いバイク整備のようにあまりそういったネジがない場合には必要ないかというとそうでもなくて、ラチェットや差し込み式のT型レンチの長さ調整的意味合いで使っている場合もあります。

例えばラチェットに延長のエクステンションバーを取り付けて、その先にショートソケットをつけるのと、ラチェットにディープソケット1個をつけるのでは構成がシンプルな後者の方が使い勝手が上だったりします。

ソケット6角12角のお話

なのでメインで使うサイズだけでもいいので余裕がある時にディープソケットを数個用意しておくと作業の幅は広がります。

そしてここでの注意は「メーカーごとにソケットの設定全長が違う」という点です。
同じサイズのショートやディープソケットでも各メーカーごとに全長が違うんですね。
※ショートやディープソケットの話は過去記事でも詳しく書いております↓

ショートとディープとセミディープ

ですので手持ちの工具だけの基準で他社ソケットを追加購入する場合に長すぎたり短すぎたりしないように確認しておいた方が良いと思います。

そうそう実は面接触の構造でもメーカーごとに違いがあるんです。
現在はほとんどのメーカーに面接触の機構が採用されていますが、各メーカーの面接触に対する考え方は少しずつ違います。

どのメーカーも「ボルトの面部分に当てて回す」という概念は同じんですけど形がかなり違うんですね。
そして実際に使ってみると良いメーカーとちょっとイマイチなメーカーとかもあるんです。

そういったメーカーごとの造りの違いや設計思想の違いなんかにも興味を持って見てみると工具や整備をもっと楽しむ事が出来るかもしれません。

車載工具としても便利な高性能テスター

整備の中でも電気の話を嫌う人って多いんです。
まぁ気持ちは分かるんですけどね、でも最近の車両をいじる上では必要不可欠なのも事実でして、そういった方から使いやすいテスターの問い合わせが結構あります。

で、普段はあまりテスター自体を使わない……なんて人には簡易型のモデルとか人気です。
今回はそんな簡易型ながら高機能なSIGNETのオールインワンなポケットテスターのお話。

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SIGNET デジタルマルチテスター(クランプ付)

これが地味に売れております。
コンパクトサイズのモデルとしては少々お高いのですが、その分かなりのハイスペックテスターでして、これひとつあれば整備に関わる電気な作業をかなりカバー出来る優れもの。
サイズも本当に小さくてよくあるポケット型のテスターを一回り大きくしたくらいなコンパクト設計です。

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詳しい情報はHPを見てもらうとして最近のデジタルテスターはユーザーインターフェースに優れているので、へたなアナログテスターよりも使い勝手がいいんですね。
デジタル嫌いな人でも安心して使って頂けると思います。

 

そして。

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このテスターの最大のウリがこのアンペアプローブ。

大電流測定用のプローブを本体裏側に内蔵しております。
通常デジタルテスターは電流測定のプローブを別売りで1万円以上だして購入しなければならず、購入するのに勇気が必要だったのですがこのテスターならそんな悩みも無しで全部揃っちゃいます。

ただし万能ってわけでもなくコンパクトさゆえに機能制限している部分もあるので、ホントに普通のデジタルサーキットテスターが欲しいならカイセあたりのスタンダードモデルが良いと思いますけどね。

持ち運べるコンパクトさとフル機能なテスターが欲しい人にはうってつけのモデルだと思いますよ。