PBのスライドT型HEX

スイスの工具メーカーPB。
当店でもドライバーやHEX、そしてたがね等で人気のメーカーですが、毎年結構頑張って新製品を出してくれて楽しませてくれるメーカーでもあります。

そんなPBが数年前に出した製品の中に個人的に結構気に入っているレンチがありまして、今回はそんなお気に入り工具の再紹介でもしてみようかと。

PB T型HEX

PB スライドT型HEXレンチ

それがこの『スライドT型HEXレンチ』
ヨーロッパ系の工具メーカーならかなりの確率でカタログに載せているこのT型HEXですが、PBはグリップ付きのこそあれどシンプルなT型HEXって出してなかったんですね。
そんな中で登場したスライド式のT型HEXだったので個人的にはかなりお気に入りなのですが……
なんせ価格が高いんですよ。

PB T型HEX
横バーはスライド出来ます

この価格の高さもあって待望の登場だったわりにあまり売れている印象はないのですが、それでもさすがPBな感じで造りがめっちゃいいんです。
またサイズ設定もかなり凝っていて小さなサイズから10mmを超える大きなサイズまで網羅しているのもお気に入りポイントのひとつ。
(7mm設定があるのも良心的です)

PB T型HEX
1本ずつにシリアル番号が印字されております

さすがにね、そこそこ高価なので「全部揃えて」ってなるとハードル高いのですが、必要サイズだけ局所買いならかなり役立つレンチだと思います。
あまり話題になる事はありませんがぜひ試して欲しい工具の紹介でした。

TORXネジの寸法

今や結構メジャーな存在だとは思いますがそれは仕事として工具に携わっているからでして。
今まで見たこともない一般の方にはまだまだ馴染みの薄い特殊ネジのTORX(トルクス)

TORXセット

よく花柄のヤツとか花形のヤツとかいろんな呼び方で問い合わせを受けたりしますが、大抵はこのトルクスネジの問い合わせだったりします。

>>TORXソケットのページはこちら

このネジのやっかいな所はHEX(六角)の派生ネジっぽく見えて、サイズ表記はプラスマイナスとかみたいに番手表記だと言う事。
(実際トルクスはHEX派生ではなくフィリップス派生のネジ種です)
例えばTORXのT25と言ってもどこかの実測値が25ミリだとかそういう事では無く「トルクスの25番」と言うあくまでも番手表記なのがサイズ感を難しくしています。

TORXソケット

ちょっと小さいTORXだとHEXと見間違う事もあるくらい似ていますし、1番手くらいの違いだと目視でもよく分からない事も多々あります。

まして。
TORXとよく似てるTORXプラスとか亜種ネジも種類が多いので、ネジの種類自体を見誤る事だってありますからね。
お店が近い方は直接ネジを持って来店してくれれば問題はないのですが、通販を含む遠方のお客さんはそうもいかないですよね。

ですのでとりあえずKo-kenさんがカタログに載せてくれてるこの表。

TORXサイズ

これには山から山の実寸が表記されてますので参考になると思います。
これがあれば大抵のサイズはバシっとわかると思います。

で、ここからが最も重要なのですが。
とは言いつつ最も賢い買い方は「セット買い」です。
相談を受けるお客さんにもなるべくセットでの購入をオススメしてます。

上記の表を見るとわかると思いますが、T20~T30あたりの特に整備向けに多く出てくるサイズの推移が寸法的にも特に細かいんですね。
これは目視はもちろん、直接工具を当ててみても分かりくい場合があります。
ですのでTORXに関しては前後サイズを持ってないってのは結構致命傷になる場合があるので、後々の事まで考えるとセットでの購入が一番オススメってな結論になるわけです。

ましてトルクスの番手は「10→20→30」とか規則的ではなく

・15→20→25→27→30→40

とこんな具合になんで35とかないの?と思うくらいには不規則です。
こんな時に自分どのサイズを持っていないのかも分からなくなりがちなんですね。
ここまで聞くとセット買いをオススメする理由が分かってもらえると思います。

今ではいろいろな箇所に多くTORXが使われるようになりました。
それでも似たような問い合わせが後を絶ちませんので、このような事態に直面したらここで読んだ事を思い出して冷静に問い合わせくださいませ。

パーツクリーナーではない洗浄剤

整備をやっているとなくてはならないケミカル類っていくつかあります。
代表的なのは防錆潤滑剤とパーツクリーナーですかね。

整備の状況に応じてどちらが重要になるのかは違いますが、上記2種類のケミカルは大抵みなさんも持っていると思います。

で、今回はそんな整備ケミカル代表格であるパーツクリーナーに関するお話。

ヴィプロスパーツクリーナー

ビプロス 遅乾性チェーン&パーツクリーナー840ml

当店取り扱いのパークリの中でも最も高性能で洗浄力の高いのがこのヴィプロスのチェーン&パーツクリーナー。
パークリって価格差が激しいのですがやはりお高いのはかなり効きまして、近年は安いので手こずるくらいならちゃんと洗浄出来る高価なパークリに──という回帰が起こっております。
実際840mlと一般的にいうジャンボ缶ですが、中身がぎっしり詰まっているので新品を手に持った瞬間から違いが分かるくらいにはオススメのパークリです。

で。
パーツクリーナーっていわゆる「石油系」なんですね。
チョー簡単に説明すると「油分を揮発性の油で流している」感じです。
(正確には違いますが)

まぁ「油は油で落とすのが正道」と言われてますので何も間違ってないし実際よく落ちてくれて便利なのですが…
このパークリで落とせないものがいくつか存在します。

そのひとつが整備だと結構重要になってくる燃料系の汚れ。
ん?燃料系っていわゆる石油系なんじゃないの?と思うかもしれませんが、ガソリン等の燃料の固着汚れは石油系では溶かす事が出来ないんですね。
よくキャブのOHや洗浄時にパークリが効かないあの現象です。
それに絡んでやはり燃料がからむスラッジとかも同じですね。
他にはブレーキダストが固着したやつとか、カルキを主成分とするボディの水垢汚れなんかもパークリではうまく落とせません。

ここで裏技的なお話をするとキャブクリではなくエンジンコンディショナーみたいなケミカルがこの手には効きます。
パークリでは溶かせない成分を溶かすことが出来るわけです。
でもこの裏技にもデメリットがあってこの手のケミカルは攻撃性が強いのです。
塗装面はもちろんゴムシールとかにも悪影響を与える可能性があるので使用時には注意が必要です。

そこで近年登場したこのケミカルがプロメカさんの間でも注目されております。

ヴィプロスソルブ

ヴィプロス ソルブ(THE SOLVE)強力水性洗浄剤

それがこのアルカリ性の強力洗浄剤である「ソルブ」
使い方はシュッシュっと吹きかけるパークリみたいに使ってもらえばOK
成分とか細かな話はありますがパークリの上位互換くらいな認識でも大丈夫です。

ヴィプロスソルブ

一応ちゃんとしたメーカーの解説もここに載せておきます。
この表をみるとさっきまで私がアレコレ書いていた意味がなんとなくわかるんじゃないでしょうか。

ヴィプロスソルブ

例えば内燃機のスラッジ除去とか。(矢印が逆なのは御愛嬌)

ヴィプロスソルブ

先述したひどい水垢の除去とかにも使えます。

そしてこのソルブの取り扱いをかなり楽にしてくれているのが「水性」という点です。
洗浄やお掃除が終わったら水でササっと流すだけ。(パークリでもOK)
基本的にはアルカリ性なので金属への攻撃性は少しあるのですが、作業後に水でバシャバシャっと洗えばいいので表内でも攻撃性☆4となっております。
(逆にいうと長期の漬け置き等はやばいのでNG)

パークリの上位互換といっても全てパークリに置き換える必要はなく石油系とアルカリのこの2つのケミカルを使い分けてもらえばいいと思います。

ヴィプロスソルブ

このソルブ。
すごく高性能なのですがなかなか説明が難しいので店舗では売れているのですが、遠方の方にはいまいち分かってもらえないんですよね。
そんなにお高いものでもないので何かのついでにぜひお試しくださいませ。

お買い得デジタルトルクレンチ

このブログで何度も取り上げている「トルクレンチ」
それだけユーザーからの関心も高く、なおかつちょっと分かりにくい工具でもあるわけです。

繰り返しになりますがトルクレンチは大きく分けて2種類存在します。

・直読式
・プリセット式

まずプリセット式ってのは事前にトルク値を設定して「カチ」って言えば規定トルクですよってお知らせしてくれるモノ。
ぶっちゃけトルクレンチをどれ買うのか迷っていたらこのプリセット式を買ってけばほぼ間違いはないです。
(もちろんレンジとかはあるけど、種類の話ね)

で問題なのが直読式。
昔にさかのぼればビーム式とか弓式とか呼ばれていたのが直読式です。

東日ビーム式
例えばこんなのが弓式

ただし直読式には形状違いによる進化系がありまして。
弓式が進化してアナログダイアルのついたダイアル式。

東日ダイアル式

東日直読式トルクレンチ(置針付)

まぁこれも読むための目盛りがダイアル式に変わったのが分かると思いますが、もうひとつ進化したのが「0点調整」ですかね。

そして今回の主題となるのがデジタル式。

SK11デジタル式トルクレンチ

SK11 デジタルトルクレンチ

こうやって順序立てて説明するとわかりやすいと思いますが、これも目盛りの表記法が変わった直読式なわけです。
この手のデジタル式は事前にトルク設定が出来るものが多いのでなんとなく「プリセット式」に分類したくはなるのですが、トルク数値がリアルタイムで観測出来るものは全て直読式として分類されます。

そして直読式に最大の長所は今言った「リアルタイム測定」です。
これによって目標値としては50Nmを目指して締め込んでいても、20~30Nm付近で締め込みの手応えがおかしいとか、目標設定値付近でのボルトの伸びの手応えがちょっと違う──とか、そういうったちょっと職人めいた使い方も可能になります。

実際直読式のトルクレンチは卓上での整備で多く好まれるトルクレンチでして内燃機単体とかデフの組付けとか、車上とはちょっと違う整備をメインでやる場合に活躍します。

ってなわけで普通の車両整備での使用ならばプリセット型の方が断然使いやすいですし、取り扱いも簡単でおすすめします。

でも。
やっぱ疑似でのトルク設定が出来るようになったデジタル式はわりと普通に使えてしまうんですよね。
先の説明とかなり矛盾するのですが実際現場で使ってみてもそんなに面倒な感じはしません。

SK11デジタル式トルクレンチ

ってなわけで今回紹介したSK11のデジタル式。
お値段もお手頃ですのでお試しで使うにはかなりよいデジタル式トルクレンチだと思います。

 

荷締めベルトを選ぶ

私は競技用のバイクを持っているためにトランポにバイク積んで出かける事があるわけですが、バイクを固定するための荷締めベルトで何かいいのないかなーと普段から思っているわけです。

今回はそんな荷締め、タイダウンベルトに関していろいろ紹介してみたいと思います。
実際は競技車バイクを固定するってだけでなく様々な用途で活躍するものですので関係ないかな?って人もちょろっと見てみてくださいませ。

タイダウン

SK11 バックル式タイダウンベルト1.8m(2本組)

まずは最もスタンダード(?)なカムバックル式のタイダウンベルト。
両端のS字管を引っ掛けたらあとはグイっと引くだけなヤツです。
このタイプは価格的にもピンキリな感じですが、性能差も結構あってあまり激安品を買うとあっけなく緩む粗悪品も出回っております。
シンプルな構造なだけに評判とかを聞いて購入するようにしてください。

そして近年エイビットで大人気なのが自動巻き取り機能まで付いたラチェットタイプのこちら。

SK11自動巻き取りタイダウンベルト

SK11 自動巻取 ラチェット式タイダウンベルト1.8m(ショートモデル)

こちらはラチェット機構部分にて締め付けていくモデル。
オープンスペースが取りやすいトラック等では上のカムバックルタイプでも良いのですが、引き締める時に「引き側」に回り込めないような状況でも確実に荷締めが出来ますのでハイエースとかのトランポ等ではかなり人気のモデルです。
また締め付け荷重をかなり掛ける事が出来ますので完璧に固定したい人にもおすすめ。

で、これらのタイダウンって大抵両端部分が金属製の「S字」型になっておりますので、これだけだと固定したい相手を傷つけるとか、そもそも引っ掛ける場所がない──場合があります。

サブベルト

SK11 荷締め用タイダウンサブベルト(2本組)

そんな時に便利なのがこの「サブベルト」
ただの輪っか状の紐なんですけど、これをこんな感じ↓

サブベルト

このように引っ掛けて上げれば対象物を傷めず、そしてどこにでも固定する事が出来ます。
そんなに高いものではありませんので、数本用意しておくだけでいろいろ活用出来るベルトです。

そして最近問い合わせが多く購入者からも評判が良いのがこれ。

ロープラチェット

オーエッチ ロープラチェット2.4m(φ9mm)

ベルトではなくロープの荷締めです。
これは本体部分にラチェットを内蔵してて結構な荷重も比較的簡単に掛ける事が出来ます。

ロープラチェット

またロープ型なのでねじれとかも気にする必要がなく、トラック等での使用ではベルトタイプよりも扱いが楽で確実だと思います。

モトクロスビレッジ

そうそう荷台がオープンなトラックではベルトタイプだと走行時に風でバタバタすることがあるのですが、このロープならそういう心配もないのでその手を気にする人にも人気ですね。
またこんな感じの多台積み込みの場合でもお互いのベルトが干渉しにくくて便利です。

荷締めベルトは様々な業界で使用されていていろんなメーカーから出ておりますが、エイビットで取り扱いしていて私が個人的に検証したものをおすすめしております。
参考にしてみてください。