世界で戦う日本のライダー ─TKO編─

先週アメリカのテネシーで開催されたTKO(Kenda Tennessee Knockout
まぁ分かりやすくいうと最近エンデューロ業界で流行っているハードエンデューロってヤツでして、バババーっと走る速さも必要でなおかつ、トトトトっと進むトライアル的なテクニックも必要ってな総合的なダートバイクレースです。

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で、その手のレースは主にヨーロッパで人気なんですけど、今回はアメリカ開催でかなりのドデカイ大会なわけです。

そんな超すごそうな大会に私の知り合いの和泉さんが出場。
この和泉さん、あれっす結構前にアロンアルファのTVCMでバイクのタイヤを壁にペタっとくっつけていたあの人っす。
>>このCMね

そんな超絶テクニックを持つ彼がいくんだから、なんつーか「そこそこいけんじゃねーの?」なんてぼんやり思っていたのですが・・・。
今月のはじめに行った仙台で飲む機会がありその辺を聞きましたら。

和泉さん「あのね、世界のデカイ大会なの」

私「うん・・・」

和泉さん「いわゆるその世界での有名人・・・、んーそうだな、わりかし深く考えなくてもパッと思いつく強豪選手が出場リストの中で目につくだけで30人くらいいる」

私「はい・・・」

和泉さん「そして決勝に残れるのは15人」

私「15にん・・・・」

和泉さん「予選がざっくり3回あって、一回目のノックダウン予選で上位25台が通過なの」

私「25だい・・・」

和泉さん「わかった?」

私「・・・・が、がんばって汗」

そうなの、つまり行ったはいいけど予選1本目でいきなり敗退の可能性大。
それでも今回は日本代表として国内のハードエンデューロチャンピオンの高橋さんとふたりで挑む世界の舞台だったわけです。

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今回はIRCとかBetaとかの協力体制もバッチリ。
本人も言ってたけどこんなに恵まれた体制で海外レースにいけるなんて、これが最初で最後かもしれないってくらい至れり尽くせり。

でまぁ、結果はと言うと・・・彼にかわって言い訳させてもらうとかなりのトラブル続きで大変だったみたいす。
そのせいだ、とは和泉さんは絶対言わないだろうけ聞いただけでも厳しい状況ですわな。

>>本人のブログはこちら

これ読むかぎりは・・・ちょっと残念だったなぁーと思うけど、現場の状況を思い浮かべれば本人や関係者の方がよっぽど悔しい思いをしたのは分かりますからね。
ここは外野がとやかくいう事じゃないかな、と思います。

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写真提供:Enduro.J(稲垣氏)

写真はそんな状態でノックダウン1に挑む和泉さん。
予選の足切りでギリギリ通過出来なかったって事を考えると、個人的にはあと1本くらい走らせてあげたかったなーってのが本音です。
だってこんなすごいシチュエーションなんてなかなか走れないしね。

そしてこういう海外経験って出来るだけ若いうちにやっておいた方がいいとも思います。
自分もさんざん北米には行きましたし絶対に得るものってあると思うんですよね。

しっかし、近い知り合いが海外レースに挑む!なんておっさんにはワクワクしかないね。
またぜひ機会を作って挑戦して欲しいと思います。

周年記念感謝祭

エイビットをオープンしたのが1999年の9月。

それまでも工具の販売業をプロ向けに自分でやっていたのですが「もっと間口を広げた工具販売がやりたい」と常々思っておりまして。
その年の年初に動き出して実現したのが9月だったんですね。

まだ当時はインターネットもダイアルアップが主流だった頃でして、今更ながら時が経つのは早いなーと感じております。

 

でまぁ、そのオープンの頃からずっと続けてきたセール。
オープン記念月である9月に向けて恒例になりました周年記念の大感謝祭を開催します。

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●周年記念大感謝祭特設ページ

本セール向けに商材も多数用意しておりますが、とりあえずいつものこれを始めました。

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暑い夏を乗り切った愛車、そしてこれからモータースポーツに適した季節の到来でもあります。
この機会をうまく使って工具やケミカルを揃えてみてください。

フックスパナのサイズ

以前にネジサイズの件でお店に問い合わせが結構多い話を書いたと思います。
でもサイズ分からない系の話なら車高調レンチとして人気のフックスパナの問い合わせが多いですね。

この工具、サイズ別に在庫している店があまり無いのかとにかく問い合わせが多いです。

アサヒ フックスパナ/アサヒ ピンスパナ

本来の用途しては車高調レンチではなく工業向けの工具なのですが、まぁ今一番売れているのはやはり車高調レンチとしてですかね。
※余談ですがフックスパナはまだ入手しやすいのですがピンスパナはあまり無いので、探している人は是非ご一報くださいませ、在庫あります。

で、この工具。
サイズの選定がちょっと分かりにくいんですね。

フックスパナにもサイズがあるのですが・・・
例えば「φ50-55」とかね。
で、この時のφ50mmってのはどこのサイズなのかと言うと。

>>TEINさんから画像をお借りしました。

車高調の調整部分と言えば上の画像の「C」の部分。ここがようはダブルナットになっていてロアマウントとして機能しております。
なので調整としてはここを緩めて回せればいいのですから、このロアシート部分の外径を測っていただければ良いわけです。

ちなみにフックスパナは上でも書いた通り「φ50-55」とかいった具合に、そこそこアバウトなサイズで問題無い工具なのでノギスとか入らない場合には定規でおおよそのサイズを目視で測ってもらってもOK。

で、ここでまたみなさん悩むのが、このデコボコしたリングのドコを測るのか?って事です。

簡略化して図に書いてみました。

よくある間違いが赤線の部分の幅を測ってしまう事。
あくまでもフックレンチやピンスパナは「回す相手の最大外径」ですので黒い矢印の数値が正しいです。

それと例えば上記のように測ってみたら少しオーバーサイズのφ56ミリだった場合「φ50-55」は適合しないと思いがちですが、フックレンチはちょっと小さいくらいが使いやすいです。
大きめを買ってしまうとフック部分が掛からない事がありますので「迷ったら小さめ」と覚えておいてください。

レースとか遠征とか

私のこのブログでたまに出てくるJNCCとかのオフロードレース。
最近見始めた人はイマイチなんだか分からないって人もいると思います。

ちなみに私がショップとして出店しているのがJNCC。
ジャパンナショナルクロスカントリーの略称でして、若干無理やりな感じの名前ですが本場アメリカのGNCC(グランドナショナル)にあやかってのものなので納得しておいてください。

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で、このレース。
主に土日開催として扱われておりますが実際レースがあるのは日曜日だけです。
んじゃ土曜日は?というとコース下見(歩き)したり、メーカーの最新車両の試乗会やったり、それこそウチみたいな出店業者のお店を見て回ったり・・・と、いろいろ楽しむ事が出来ます。

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とまぁここまでは公式とかでも語られている事なんですけどね。

それだけじゃなくやはりみんながわざわざ前日から集まる最大の理由はやはりこれ。

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いわゆる前夜祭です。
バイクとか車の仲間、さらにいうと今どきのネットを介したお仲間だったりする場合。
みんなで集まってワイワイと飲み明かすなんて難しいんですね。(だってみんなバイクや車で集まるから)
その点レースのために前乗りして前泊するって建前さえあれば、あとは寝るだけの体制になってからは楽しい宴会が待っているわけです。

そしてJNCCとかのダートバイクレースってちょっとだけ遠征な距離にあるので、温泉入ったりとかうまいもの食ったりとかね。
実際小さなお子さん連れて小旅行&レースって人もいますからね。

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別にお高い宿に泊まらなくても車中泊とかテントとかね。
キャンプに来るみたいな気軽さで来てもらってもOKなんです。

最近ではちょっとガチっぽいレース事情みたいなお話が多いのですが、現場レベルではみんなでワイワイと楽しくやっております。
ちょっとひとりで行くの怖いなー・・・なんて人は遠慮なく私にお声掛けください。
一緒に宴会しにいきましょうー。

動画は前回のJNCCの全日本格のほうのやつ。
プロローグで流れる会場の雰囲気が伝わりますかね。

ヘッド交換式トルクレンチについて

このブログでは何度かトルクレンチの事を書いております。
まぁそれだけみんなの注目も高いし実際の現場での有用な情報が少ないってのもあるかも知れません。

実際トルクレンチと言っても「作業あってのトルクレンチ」なわけでして、作業内容によってオススメなモノは大きく変わってきますからね。
すべての人に参考になる事を書くには難しいんですわ。

で。

今日はそんなトルクレンチの中でも少し特殊な存在。
ヘッド交換が出来るトルクレンチのお話。

現在販売されているトルクレンチの多くはソケットを差し込む事の出来るラチェットタイプが主流です。(ラチェットではなくソケットの差し込みだけのモノもありますが)

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・東日プリセット型トルクレンチ各種

こんなヤツですね。普通だとこんなトルクレンチで必要十分ですので、こういったスタンダードなトルクレンチの中でレンジ幅を考えたりメーカーを選択したりって悩むのですが・・・。

トルクレンチを必要とする作業の中には「ラチェットでは作業出来ない場所」があったりします。
そりゃートルクレンチとか関係なく、普段の作業だってラチェット使ったりめがねレンチ使ったりしてるくらいなんですから、当たり前と言えば当たり前なんですけどね。

で、いざこれをトルクレンチに当てはめると・・・ちょっと選択が難しくなるんですよ。
(実際は難しくないんだけど難しく考えてしまうんですね)

 

ここからが本日のヘッド差し替え式トルクレンチの本題。

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・東日ヘッド差し替えトルクレンチ スタンダード

ちなみにこれがヘッド差し替え式のトルクレンチ本体。
画像のようにヘッド部分は付属しないので別途購入する必要があります。

この感じと言うか・・・この雰囲気が一般の人がすごく買いにくくなってるなぁ・・と思います。
だってとりあえずこれだけ買っても使えないわけですよ。何かしらの付属品を購入しないと使えないんです。

ここで実際に店舗にてヘッド差し替え式トルクレンチ購入に関して悩んでいるいる人にたいして相談にのっている体で書いてみます。

前提としてはラチェットでは作業出来ないところが出てきてしまい、ヘッド交換式のトルクレンチは欲しいんだけど、何を買ったらいいのか?どれ買えば正解なのか?って相談から始まると思ってください。

・その1
トルクレンチ選定の基本は変わらないのでまずは実際に使いたいトルク値を把握する。

これは基本中の基本なのですが「特殊なトルクレンチを購入する」という事に注力してしまい、最初の一歩で考えがつまずいてしまうパターン。
とにかくその「ラチェットでは作業出来なくてヘッド差し替え式を選ぶ必要性を感じた作業でのトルク値」を洗い出してみてください。

・その2
せっかくだからと言って全部のアダプターを買わないようにする。

これもいざ買う時に悩んでしまう思考パターンのひとつ。
例えばやりたい作業が12mmのボルトで指定トルクが20Nm、そして使いたいアダプターがリングヘッド(めがね)だった場合。

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トルクレンチ本体(10-50Nm)

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リングヘッド[12D] 12mm

このふたつをシンプルに購入すればいいのです。
でも人間って不思議なもんで「せっかくだから」と言ってリングヘッドの10mmとか14mmとかも欲しくなります。
また12mmしかないと「その作業でしか使えない」と思ってしまうのでなおさらなんですよね。
でもでも、アダプターってそんなに安くないんですよ。だから使う前から一度に揃えようとするとその合計金額で諦めてしまう人も結構いたりします。

今回紹介している東日はいろいろあるメーカーの中ではアダプターがとにかく安いメーカーとして知られてます。
そんな比較的安価で揃うメーカーでも何個か買えばそれなりの金額になってしまいますからね。
ここはとにかくシンプルに「やろうとしている作業の分だけの購入」にしておきましょう。

・その3
ラチェットヘッドは出来るだけ購入しましょう。

上記でグッと我慢してシンプルに購入出来たら、今度はラチェットヘッドだけは逆に購入しておきましょう。

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これですね。さっきは無駄なモノ買うなと書きましたが、これは「特殊なトルクレンチ」を「普通のトルクレンチ」に変えてくれる必須アイテムです。

ちょっと話の順番を変えて書くともっと分かりやすいですかね。
ラチェットヘッドの普通のトルクレンチを買って、それに12mmのリングヘッドが付くようにした。
と思えば良いわけです。
こう考えるとすごくスッキリしますね。
この買い方だと普通のトルクレンチを1本買うよりも高くはなりますが、スタンダードなトルクレンチとヘッド差し替え式の2本を買うよりは安く済みます。

 

と、こんな感じですかね。とにかくよくわからない&意気込み過ぎてってのが最初のハードルになっている人が多いのですが、気楽に相談して頂ければわりとお安く揃ったりします。

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画像はヤマハのYZ125のヘッドボルトの1箇所。
こんな隙間ではラチェット形状ではトルクレンチ使えない・・・とご相談頂き、トルクレンチ本体とリングヘッド1個・ラチェットヘッド1個を購入してくれて、このように楽しんで作業してくれてます。

みなさんもこういうちょっとだけ買い方が難しそうって思えるモノは来店でも電話でもいいので気楽に相談してくださいませ。ちょー気楽にお答えします。

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>>東日のヘッド交換式トルクレンチや備品一覧のページ

興味湧いたって人はこちらも御覧くださいませ。