工具の業界ってほんとに広くて、いろんな分野の人がいろんな工具を使っているわけです。
実際カタログを見ると鉄工用や木工用はもちろん、水産加工用とかリニア駆動現場用とかとか、奥が深いんですね。
でまぁ、ウチなんからメインで自動車やバイクの整備用工具を販売しているわけですが、その中でも少し特殊というか・・・普通の工具じゃ無い物が売れる現場があります。
それが鈑金加工。
いわゆる鈑金屋さんなんですが、メインのハンドツールなんかはもちろん同じなんですが、それプラス切ったり貼ったりが多いわけでして、普段あまり見かけない工具の要望も多いですね。
で、数年前から結構問い合わせが多いのがスポットドリル。
現在のモノコックボディの自動車はスポット溶接で組み立てられてますが、これに衝撃安全ボディってのが加わるようになり、一時期は少し話題になりました。
どういう事かと言うと日本の進んだ鋼板技術のおかげで「薄いけど硬い」鉄板が出てきております。
これ普通のドリル刃では文字通り刃が立たなくて、チタンコートとかの出番になってくるわけです。
・これはプロチカットのチタンコートドリル。表面が金色になっていて硬いチタンが蒸着されております。
ひと昔前ならこのチタンコートでなんとかなったのですが、現在の超硬鋼板はもっとすごくてこのチタンコートすら刃が立たない・・・。
そこで新しく出てきたのがチタンコートよりももっと硬いTiALNコート。
チタンコートの金色と違ってすっごく地味な印象ですが、よく見ると黒いわけでは無くて紫色してます。
ちなみに写真は国産イシハシのTiALMコートのスポットドリル。サイズにもよりますが販売価格は大体1本あたりで5000~6000円くらいと結構高価。
同じスポットドリルでチタンコートだと半額くらいですから、かなりお高い感じなのですが、これがまぁ良く切れます。ってかさっきの超硬鋼板だとこれじゃないと全く切れませんから価格うんぬんの問題では無いんですけどね。
本日もこの件で問い合わせを頂き納品に行って来ました。切削が出来ずに仕事が止まっていたみたいで、なんとか間に合って良かったです。
こんな感じで専門分野にはその専門な工具も多々ありますので、何か普段と違う作業でつまずいたりしたらお気軽にご相談くださいませ。
意外とあっけない解決方法があったりしますよ。