電動式のリューターのススメ

昔はサンデーメカニックとして遊んでいればいつかはやりたい作業のひとつがポート研磨でした。
まだ小僧だった私はそれが一体どんな作業なのかも分からずになんとなく憧れの響きもあったと思います。

実際私もそんな環境が整った時にはとにかくやってみようって事でエアーリューターを片手にガリガリと削りまくりまして、めでたく「どっかんポート」を作ってしまったのは良い思い出です。

で。
このポート研磨を代表とする「研磨系」の作業で切ってもきれない工具が「エアーリューター」です。
ドリルと違って高回転でキュイイィィンって回る、よくほら、歯医者さんで使ってるみたいなヤツがソレです。
でもこの工具ってとんでもなくエアー食いなんですね。
一般家庭の100V電源で動くエアーコンプレッサーの標準的なモデルは1馬力です。
1馬力のコンプレッサーで毎分吐出出来るエアー量というのは決まっていますが、エアーリューターはこの1馬力コンプレッサーでは「まとも」に動きません。

いや動くといえば動くのですが、すぐにエアー切れしてしまい充填も間に合わなくなるので、結果としてエアー待ちな作業になります。

そんなわけでとにかく一般のサンデーメカニックにはエアーの設備も含めて敷居の高い工具だったりするわけです。
でもこれが使えるとポート研磨だけでなく様々な加工作業がかなり捗ります。
ちょっとした取り付け穴の長穴加工とか…ちょっと出っ張った部品を少しだけ削るとか──ね。

そんな人のために私が超オススメしているのが実は「電動」のリューターです。

電動リュータープレモ

ミニター 電動マイクログラインダー”プレモ”

一般の人にはあまり馴染みのない「ミニター」という業務用機メーカーから出ている民生機版の電動リューターです。
ミニターってメーカーは大きな工場とかで使われている本格的な切削工具の業務用を作っていまして

電動リュータープレモ

こんな感じの何十万円もする工具を制作しているガチ系のメーカーさんです。

そんなメーカーさんが唯一のモデルとして一般向けに作ってくれたのがこのプレモシリーズです。

電動リュータープレモ

業務用機と同じスピードコントローラーとハンドピースという構成になっていて家庭用といってもかなり本格的な造りになってます。
取り付け可能な切削工具(切断砥石)はφ3.0mmが標準となっております。
取り扱いもマイクロリューター形状ですので問題はないと思います。

電動リュータープレモ

対象の切削物によって回転数調整が必要な方は別体のスピコンで制御していただきます。
まぁ普通に金属(鉄・アルミ・ステンレス)の切削でしたらほぼMAX回転で大丈夫だと思います。
こういう細身のシャンクを使用した切削工具はビビって回転数を落としてしまうと、逆に刃が食い込んでしまい走ってしまう原因となりますので少し慣れるまで他のワークで練習したほうがいいかもしれませんね。

電動リュータープレモ

本体もこれだけコンパクトですのでロングシャンクの切削刃を使わなくても本体ごと狭所に突っ込んで使用出来たりします。

ちなみにこのプレモではもっと本格的な上位モデルも存在します。

ミニタープレモ

ミニター 電動マイクログラインダー”プレモV-35″(ハイグレード)

最高回転数を上げ切削トルクをさらに上げたモデルとなっております。
お仕事的にも使うんだよねって人にはこちらがおすすめですね。

どちらのモデルもそこそこの価格はしますが、逆に考えるとエアーコンプレッサーの良いモデルとエアーリューターを揃えるコストを考えて、さらに先述した100V環境下ってしばりも考慮すればそれほど高価ってわけではありません。
十分検討の余地があると思います。

こういう基本的な切削工具の使い方はユーザー次第で無限だと思ってます。
切削系工具でいろいろ悩んでいる人は一度検討してみてくださいませ。

自宅のDIY

昨年は子供たちが全員巣立ったということもありカミさんと休みの日ごとに少しずつ自宅を片付けておりました。
まぁいわゆる断捨離ってやつなのかな、なんとなく捨てられず、それでいてもう絶対に二度と使わないよね?てものを思い切って捨ててみたりもしてちょっとずつだけど片付いてはいたんです、はい。

ちなみに自宅は築30年超えの古屋でしてあちこちガタもきていたので年末には思い切ってリビングの床の張替えもやりました。
そしてスッキリとキレイになった部屋を見ていたら「もしかしてこれだけ片付いたのなら念願のアレが出来るのでは?」と思うようになりまして。
友人のH興業さんにも手伝ってもらってDIYにて遂にアレが完成。

キャットウォーク

ふふふふ。
キャットタワーからのキャットウォーク。
まぁ自作なので(階段とハンモックは既製品)たいした作りではありませんが、それでも長年考えていたことが出来たのが嬉しかったですね。
あとは猫が気に入ってくれればいいのですが設置直後は警戒してなかなか階段を登ってくれませんでした。

キャットウォーク

それでも3~4日するとついに「トトトト」ってな感じで渡り廊下の部分まで進行。
でもでも最後のハンモックまではまだ無理な感じ。

そしてさらに3日後にやっと。

キャットウォーク

ハンモックまで到達しくつろいでくれるようになってくれました。
完全な家猫で外には一切出してないので自宅内で遊べる場所を作ってあげたかったのですが、なかなか煩雑な家だと難しいんすよね。

昨年の手術や怪我の影響もあって自宅でのんびりする時間ってのが結構重要になってきておりまして、今後もちょっとずつでいいので直したり改善出来るところはやっていこうかと思います。

そして今ではハンモックの主はこのドヤ顔なわけです。

キャットウォーク

まぁ気に入ったようでなによりっすわ(笑)

ドライバーをマグネットに

とりあえず分からないなりにも整備を始めてみて、その後工具にまで興味を持つようになると徐々にいろんなメーカーがあるのが分かってきたりして──
その中でもいろんな特色を持ったメーカーがあるって事まで分かってきて、ボチボチ気にいった工具メーカーで揃え直そうかなぁ……
なんて思ってくる時期に「んー……」って考えちゃう事っていくつかありまして。

今回はそんな「んー」って思う中のちょっとした悩みというか相談が多い話のひとつ。
ドライバーの磁化のお話です。

よく安い工具メーカーのドライバーって先っぽがマグネットになっていて、ビスとかくっつくようになってたりしますよね。

整備のホントに初歩くらいの人がとりあえずテキトーな工具買って来てスタートしたりすると、高確率でそういう最初からマグネット化されたドライバーだったりします。
まぁ実際私も若い頃にそんなドライバー買いましたからね。

でもちょっとグレード上げるってか良いメーカーとされているドライバーを選ぼうとするとほとんど非磁化なドライバーなわけです。
これは諸説ありますが製造工程で磁化すると強度に影響が出るとかなんとか。(真相は知りません)

そんなわけでドライバーをアップグレードしようとした時に、そんなちょっとの機能の差が気になったりして購入の踏ん切りがつかない場合ってあるんですよね。

実際グレードの高い物ほどシンプルな造りになっている場合が多く、やたら高機能をうたう低価格帯の工具のほうが魅力的に見えたりするのも事実です。
しかし高グレードは実力はあるわけでして、そういう場合に悩む事になるわけですね。

でまぁ、今回のドライバーの話ならばそんな悩みもこんな物で解決出来ちゃったりしますよってのを紹介。

PBマグネタイザー

PB マグネタイザー(ドライバー磁化器)

ドライバーで有名なPB。
実際使うとかなり良いのですがさっきも書いた通りドライバーのブレードはマグネット化されてません。
そこでこのマグネタイザーの出番なわけです。

この丸っこいマグネタイザーを

PBマグネタイザー

こんな風にドライバーを当てがって少しこすります。

すると。

PBマグネタイザー

じゃじゃーん。

見事にドライバーはマグネット化されました。
永久磁石では無いので磁力は徐々にですが弱まってきますが、そしたらまたマグネタイザーに付ければOK。

PBマグネタイザー

また逆に「磁力が邪魔」な事もありますよね。
そんな時は裏面に印刷されている通り、上側でこすってあげれば磁力を消去する事も出来ます。

また「ドライバーのマグネット化」と書いてますが、実際はレンチやソケットにも使えますので、とにかく1個持っていればかなり便利に使えます。

ドライバーのマグネットは結構地味に悩んでいる人もいるので、こういうの使えば1発で解決出来ますよ-ってお話でした。

KNIPEXのメカニックプライヤー

整備の各所で活躍するニードルノーズプライヤー、通称『ラジペン』
基本工具のひとつとしても認知されていて、まず揃える工具の中でも必ず名前が挙がると思います。

しかしこのラジペンも奥が深くて素人目には似たようなものでも、プロメカの現場ではみなさん上手に使い分けをしていて活躍しております。

そんな中でも他とはちょっと違うシリーズ展開をしていて人気なのがKNIPEXのメカニックプライヤーシリーズです。

KNIPEXメカニックプライヤー

KNIPEX メカニックプライヤー[ストレート]

全長が200mmと日本のラジペン平均よりも少し長く、支点も手前側にあって先長なイメージ。
KNIPEXの中でもいわゆるラジペンとは違う扱いになっていて「掴む・切る」とかの総合的なプライヤーというよりは作業の「掴む」に特化した工具の位置付けとなっております。

実際プロメカさんの間でも評価が高く、このちょっと先長なプライヤーを好んで使ってもらっている人が多いんです。
で、もちろんちょっと先長だけが理由ではなくて…
実はこのメカニックプライヤーのシリーズは様々な先端形状が存在します。
今回はそんなシリーズの中でも人気のメカニックプライヤーを紹介。

KNIPEXメカニックプライヤー

KNIPEX メカニックプライヤー[ベントノーズ] 45°/90°

まずは変わり種シリーズといってもみなさんもよくご存知の先曲がりの「ベントノーズ」モデル。
俗称で45度とか90度と呼ばれるプライヤーでして、これが車両整備等ではもうめっちゃ便利です。

KNIPEXメカニックプライヤー

もちろんストレートが基本なのでストレート持ってる人に「次は何買えば?」と聞かれたらこれをオススメする感じですが、45度ならストレート持ってなくてもオススメするレベルで使い勝手がいいです。
90度の方はサクションパイプやホースに出てくる幅広のホースバンド外しに超便利。
自動車のディーラーメカさんとかなら持っていて損じゃないと思います。

KNIPEXメカニックプライヤー

KNIPEX メカニックプライヤー[ホースクランプ]

そして知る人ぞ知る隠れた人気プライヤーがこの「ホースクランプ」モデル。
名前の通り燃料ホースとかφ10mmちょっとのホース関係やプラグコード関係では抜群に便利なプライヤーです。

KNIPEXメカニックプライヤー

他のメーカーにこういう形状の汎用プライヤーがなかなか無いので、使った事ない人にこの便利さがなかなかうまくお伝え出来ないのですが、一度使ってもらうとこれの良さが分かってもらえると思います。

また先端の尖った部分をうまく使うとロックコネクターのロック外しにも使えたりもします。
とにかくあまりない形状なので次に何を揃えようか悩んでいた人はぜひお試しください。

2023年スタートします

あらためまして
明けましておめでとうございます。
本年も本日1月4日から無事に営業を開始する事が出来ました。

新年2023

昨年はやりたかった事や取り組みたかった事が入院とか怪我で中途半端になってしまった感じでしたので、今年は頭の中のストックを全部使い切る勢いで頑張ってみようと思ってます。

とりあえず年明け一発目として昨年2月から企画に入っていた限定の工具箱を発売する事が出来ました。
こうして「モノ」をイチから作ってみるとものづくりの大変さが身にしみてよく分かりますね。
出来上がったものに文句をいうのは簡単だけど最初から全て作り上げる事の大変さを再認識しました。

まだ在庫は大丈夫だと思いますので私が頑張って作った工具箱をぜひお付き合いください。

ちなみに年末年始は肩の怪我もあってあまり派手には動けませんでした。

新年2023

それでも大晦日には友人のバイクレースのお手伝いにはいきました。
やっぱこういうの楽しいっすねー。

次回は自分でも出場出来るように早く完治させたいっすね。

ってなわけで今年もまったりと仕事を始める事が出来ました。
先述しましたが今年は考えていた事をビシバシ実現させていくために積極的に動いていこうかと思ってます。
こんなお店ですが今年も応援よろしくお願いします。

追伸:まず営業初日の本日多数の来店ありがとうございました。
また休みが合わずに来られなかった方向けに新年営業は1/9まで継続する予定です。(何人かからそんな連絡来たので)