三宅島エンデューロ奮闘記~その6~

レース途中の先日のつづきです。(ここからが言い訳本番ですよ)

サンドのロングストレートで大ゴケするまでは、上のバイクのホールドとかが練習通りに出来ていたと思います。多少の難所でもクリア出来たし、前を向いて走る事が出来ました。

そして尖った岩がゴロゴロするガレ場セクションに突入。

ここで前走者を真似て両足をステップから離し、バタバタと足を付きながらの走行に切り替えました。あれほど練習して会得したと思っていた感覚を全て捨ててしまったんですね。

試走周でのクラッシュもあったので、変なコケ方するのが怖かったのも理由のひとつだったと思います。

で、結果から言うとレースがスタートし半周回ってサンドでの大コケ、ここで私のレースはほぼ終わってしまいました。

とにかくコワイ。

と、言う気持ちが先行し岩だけで無く砂な所や走りやすい普通の土の所でも、とにかく変なコケ方しないように足をドタバタして進むようになります。

証拠写真もありました(笑)これモトクロスセクションを過ぎた所のディープサンド箇所の写真です。一番右下に写っているのが私・・・・。

コーナー中なのに完全に両足離してしまっていますね・・・・。これじゃ・・・・ダメっす。

ステップに足が置けないとまずバイクが倒せません、バイクってのは倒せないと曲がらないですからしょうがないのでハンドルを切ります。ハンドル切ったって曲がらないので引っ掛かってコケます。

またさっきの1周目の最後の難関谷底セクションで、試走で引っ掛かった岩に全く同じように引っ掛かりました。まぁこれって良くあるパターンで「ああ、そこに刺さったら嫌だなぁ」をガン見していたせいで、吸い寄せられるように刺さったわけです(笑)

で、その時の刺さり方が結構マズイ感じでして、バイクが引っ掛かって引っ張り出せなくなりました。

リザルトを見ると私はここで20分くらい格闘していたんだと思います。

で、この手のオフバイクな人には分かると思いますが、こういう引っ張り出す行為ってのは走っているよりも倍以上疲れます。

で、この20分間の格闘で体力ゲージがほぼゼロになりました・・・。更に深刻な問題も同時に発生しまして、背中にしょったキャメルバッグの水を飲みきってしまったんです(実際にはコケた拍子に半分以上こぼれたんですけど)

それでも何とかハマったバイクを救出し、エンジンを掛けて再発進。

谷底セクションを抜ければ1周が終わるのでピットエリアがありますから、一度体勢を立て直してキャメルバッグの水も補給出来るとちょっとだけホっとしました。

1周がなんとか終わって大きなジャンプを飛んで最終コーナーに差し掛かります。

「ああ、長かったなぁ・・・でも、水補給したらまだ走るぞー!」

とか考えつつ最終コーナーに見えたのはボランティアの人達の大声援!

みんな手を振って「「「ガンバレー!」」」と声を掛けてくれます。こういうのって力になるんですよね。

うおっし!頑張るぞ-!と気合いを入れつつコーナーを曲がってピットへ・・・・。

あれ?

ピット入り口は・・???

あれ??

これホームストレートじゃね???

あれぇぇぇええええええ!!

2周目突入しちゃったぁああああああ!!

そう、応援してくれていた人達を横目でチラっと見ているうちに、ピット入り口を見逃してしまっていたんです。

もちろん逆走して戻るわけにもいかず、私はそのまま力なく2周目に突入。

本当はここでいったんリセット出来ていれば、もっと違う結果になっていたかも知れませんが・・・、まぁタラレバですよね。

で、とにかく2周目は悲惨。

1周目はそれでも半周はイケイケで走れたので、あまり難所とか気にならなかったのですが、2周目は全域に渡って足バタバタでコテ・コテっとコケながらの走行。

祈るような気持ちでキャメルバッグの吸い口を吸っても何も出てこない・・・。

結局2周目は体力も無く、水分も無く、脱水症状1歩手前でコケまくり・・・。もうチョー悲惨、たまに思い出したようスタンディングでバイクをガシっとホールドしようとしたんですが、足がまるで生まれたての子鹿のようにプルプルしちゃってダメ・・・。

なんとかピットまでたどり着いたのはここから約1時間後でした(笑)

三宅島エンデューロ奮闘記~その5~

急に思い立ってモトクロッサーを買って1年半。ほぼ毎週のように練習しつつ楽しく乗ってきましたが、そこに「速さを求める」ような事はあまりなかったんですね。

巧くなりたい。

その思いの方が強かったので、なんつーか「速さ」は若い者に任せとけばイイヤ!的な考えが多少ありました。しかし乗り込むにつれその考えも、少しずつ変化してきたんですよね。

で、今回の三宅島エンデューロにエントリーをした後は「速く・強く」を始めて意識した練習を重ねました。

先月の日記でも少し書きましたが、その練習の成果もあってなんというか一皮剥けた、今まで見えなかった景色も感じる事が徐々に出来つつもありました。

その練習の中で個人的に一番効いたのが、狭いテクニカルな林間セクション(ワダチがあってほぼ1本道)をスタンディング(立ち乗り)のまま走破する練習でした。

コースは起伏に富んでいて、20センチ以上の深いワダチもあり、リアブレーキターン気味に曲がらないといけないタイトなターンも満載でした。

最初はゆっくりで良いと言われ何度も転びながら周回を重ねるウチに徐々にスピードアップ。

これやると何が分かるのかと言うと「バイクの適切なホールド」が身にしみて分かります。

また前後の荷重移動もしっかりやらないといけないので、1周回るウチにまぁ前後左右に忙しいんですね。

そして乗り慣れてくるとアクセルを開け気味で速く走った方が楽な事も分かってきます。ゆっくり走る方がトライアル的な難しさが出ちゃうんです。

この練習だけを徹底的にやったおかげで、タイヤ1本の隙間を通すような難関セクションでも結構なスピードで走る事が出来るようになりました。

で、レース前にこれが出来るようになったのはかなり自信にも繋がったんです。

ってかぶっちゃけこの時の練習の感じだけが、心の頼りになっていたと思います。

話は三宅島レースに戻ります。

三宅島エンデューロ奮闘記~その4~

※注意:ここからはほぼ私の言い訳になります。お見苦しいと思いますがご了承ください。

で、いよいよスタート時間。

不思議なもので今まで何回かレースに出ていますが、いざグリッドに着いてしまうとウソのように緊張が無くなります。

今回もドキドキしていたのですがヘルメットかぶって、バイクにまたがったらすごく冷静になってました。

スタートは3列スタート。

横に約30台ずつ並び、私はその3列目。

スタート方式はキックスタートでして、スタートと同時にエンジン始動と、キックしか無いバイクには少し難易度高めのスタート。

まぁ無理はせずにマイペースで行こうと決めていましたが・・・。

スタート!の合図と共に振り下ろした足にエンジンの鼓動が伝わります。

あ!一発で掛かっちゃった!

と、思いそのまま2速に叩き込んでアクセル全開!

と、思ったら私の目の前の前列の3人がエンジン不始動(笑)行き先を失い慌ててブレーキ握っていったん停止。横がいなくなったので前3台をよけて横に回避し後はフル加速。

100台一斉スタートなので、何もおこらないわけも無く今度は前走者が登り途中でコケる!まだ距離があったのでなんとか横に逃げたら逃げた先でも、またコケてる!!

結局そのまま私は斜めに走っていきコースギリギリまで大外まで行って、なんとか坂を駆け上り第1コーナーに突入。

ここでもコーナーでコケちゃった人をよける渋滞が出来ていたけど、少し遅れて入った私は空いている大外をそのまま廻りホームストレートへ。

仲間が手を回して応援してくれているのが見え、気合いを入れ直して坂の下のモトクロスセクションの突っ込む。

ここは深いサンドのコースになっているのでまた渋滞発生中。

が、なんか気合い入っちゃった私は縫うように進みあっさり渋滞を抜け体感で中段グループに追いつく。(実際は後ろのほうでした笑)

こうなっちゃうと更に気合いが入ってきてアクセル開け開け!

細かなセクションではみんなスピードが落ちるので、前に集団が見えていて気持ちも前向き「あれに付いていけば良い感じでしょ」とか思いつつ、アドレナリンも垂れ流し状態。

で、サンドのロングストレートに突入!

4速に叩き込んで更に開けると普段練習で走っている感覚も蘇ってきて、グっと腰を落とし後ろ荷重を意識しフロントタイヤを接地させない感じで前方を睨みます。

が、次の瞬間。

一瞬宙に浮いた感じがした後・・・ドシャァー!!!と前転気味に大ゴケ。
(この時は普通に乗れていたので多分岩か何かに乗り上げたんだと思います)

この時何が起きたか一瞬分からなかったのですが、砂に顔面から落ちている事が徐々に分かってきてよろよろと起き上がり、キョロキョロとバイクを探します。

私の後方3メートルほどの所にバッタ号発見。場所もサンドなので壊れてそうも無いので、バイクを起こして再始動。

よろよろと走りだすと丸太セクション登場。

まぁここは怖くないので軽くクリアと思ったのですが、ここでもポテっとこけます。

あ れ ?

自分でもおかしいと思っていましたが何がおかしいのか分からず。

そしてそこから恐怖のガレ場エリアに突入。

まだまわりにはバイクも一杯いて、良さそうなラインを盗む為、前走者の後ろに付きトコトコとガレの上り坂を登ります。

で、今思うとここが私のこのレースでの最大の分岐点でした。

つづく。

三宅島エンデューロ奮闘記~その3~

試走が終わり、試走走行順にグリッドに整列。

スタートはこのままの状態で行われるとの事で、私はさきほどの岩にクラッシュがあって最後方になってしまいましたが、スタートの混乱を避けるにはちょうど良いかなとも思いました。

で、そこから約1時間開会式やったりセレモニーがあったりと時間があったのですが、今思うとここでもうちょっと準備していればなぁ・・と少し悔やみます。

試走が終わったのが大体11時ちょい過ぎで、レーススタートは12時過ぎの開会式終了後との事だったのですが、試走で結構体力を奪われた為に水分補給を中心に30分くらいは休んでいました。

折れ曲がっていたレバーは応急措置でなんとか直っているようにも見え(実は直ってなかった)車両チェックよりも人間の復活に時間を割いてしまいました。

またこれが後で効いてくるのですが、そんな時間耐だったので各自にお弁当が配られたのですが私は食べる事が出来ずに食事をパス。

やっとお腹が空いてきた頃にスタート時間になってしまいました。

今思い出すと本気な方々はこの時間をかなり有効に使っていたと思います。

ちょっと舞い上がってしまってましたねぇ・・・。

ただし人間の準備はいろいろやってまして、まず準備運動も無しにコースインしたのでストレッチをして、その後は夏の12時間の時に足がつった経験からレース前にクエン酸とアミノ酸を補給。

走行中に背中に背負うキャメルバッグの中にはアミノ酸飲料を入れ、そういう準備は万端。

事前に痛めてしまっていた手の怪我も、厳しい痛みは引いていたのでなんとかなりそうなメドだけはたっていました。

三宅島エンデューロ奮闘記~その2~

とまぁ、準備は万全。

ここからは試走からレースまでのお話。

島に到着し軽めの仮眠をとったあとフル装備に着替えて第1パドックへGO!

もうこの時点でテンションMAXなわけでして、まわりを見ても参加者だらけなので余計気合いが入ってきます。バイクを受け取り総勢約100名の参加者は島の中腹を目指します。

ちなみに道中は舗装路でして三宅島の絶景を眺めながらかなり楽しいツーリングでした。

そしてレース会場へは最後の関門となるヒルクライム。

ここをガー!っと登って向こう側にダー!っと下るとレース会場なのです。で、勇気を出して行ってみたら・・・うっほーたのしー!!

もうアクセル全開で暴れるリアタイヤをがっつりホールドしつつグリグリ登って降りました。

こりゃー今日のレースも大変そうだけど楽しそうだなぁ・・、とその時点では思ってました、いやマジで。

で、オフィシャルの方の先導に続きレース会場に到着。

いったん停止したものの、なんの覚悟も無くいきなりコースイン。

最初はモトクロスセクション。サンドが思ったよりもきつめで本当に普段練習している近所のフカフカサンドっぽい感じ。あまり得意ではありませんがなんとかなるかなぁ・・・とか思いつつ走っていると、今度はサンドの超絶ストレート!

こりゃー開け開けダー!と全開をくれていると普段のサンドでは見慣れない黒っぽい物が・・・。

そう、火山岩。

サンドのアチコチにソフトボールくらいからお地蔵さんクラスの岩がごろごろしてます・・・。

まわりを見るとすでに岩に乗り上げ吹っ飛んでいる人多数・・・。

それでもドンドン進み遂に丸太に到着。

怖いけど行ってみたら、たいした事無くほっとしたのもつかの間、当日全員を恐怖に陥れたガレ場エリアに。

ちなみに私はガレ場の経験がありませんが、経験者に聞いても前代未聞のガレ場だったとの事。

ガレ場と言うのは岩の事なのですが、普通は河とかにある丸石がゴロゴロ・・ってイメージなのですが、ここは火山岩。

しかも普段は人が入らない場所で噴火からほぼ風化もしてなく、殺人的な尖り方してます。

ちなみに写真の岩は「まだ」かわいい方でして、これよりひどい箇所多数。こりゃーひとコケでバイクも人間もヤバイと思いつつ、気合いで乗り切りました。

で、コースの最後。

もっとも難関セクションである谷底部分。何故かここは生中継でもあまり映ることも無く、写真もありませんがここがヤバイ。

まず道幅がバイク2台分、そして岩がさっきよりも更にでかくルート的にはタイヤが1本ギリギリ通るような箇所多数でちょっとミスるとコケるかハマります。

で、私はこの谷底セクションで岩にガキっと挟まりバキャーンと派手にコケてしまいました。

この時にバイクから結構ヤバゲな音がしたので「しまった!」と思ったのですが、オイルも漏れてないしなんとかなるかな?と思いつつバイクにまたがりエンジンを掛けて発進!と思ったら・・・。

スカ!っと。

あ れ ?

シフトのチェンジペダルが無い(笑)
※その時はもちろん笑い事じゃ無かったんですけどね。

いったん降りて確認すると先日の写真で紹介したように折れ曲がってカバーに突き刺さり、動かなくなってました。

でも、まだレースすら始まっていない試走の段階なわけでして・・・・。

ここで終了は無いでしょって事でガンガン踏み込んでとにかく1速に入れて、無事発進。

恐怖の谷底セクションを抜けたらそこはゴール地点でひと安心。

すぐに修理したいけど、オフィシャルの人にそのままスタート地点にバイク置いて開会式に出てくれと言われ・・・、その辺にあった棒でグリグリこじってなんとか噛み込んでしまったペダルを少し浮かせる事に成功。(でもその後、走りだしたらシフトアップがかなり難しかった)

とまぁ・・・ここまでがレース前の状況です。お気づきの方もいるかも知れませんが、一周の間に気持ち良いセクションとか一切ありません。全周に渡ってツライ・コワイの連続です。

で、この時ガキ!っと岩に突っ込んだ恐怖がレースに大きく影響してしまう事になります。

また後日つづきを書きます。