布製工具バッグシリーズ

工具の収納というと様々な形状や方式がありますが、その中でも根強い人気を誇るのが布製の「ツールバッグ」です。

一時は人気が低迷した時期もありましたが近年はまた盛り上がってきておりまして選択肢も多くなりました。
そんな中で店舗で人気なのがSK11からラインナップされている『パカットバッグシリーズ』とそれの派生モデルです。
毎年新型が投入されていて当店の取り扱いも増えてきましたのであらためて紹介してみます。

パカットバッグシリーズ

SK11 パカットバッグ オープン

まずはフルオープンする大きな開口部が人気の「パカットバッグオープン」

画像のように箱状に大きく開くのが特徴のツールバッグですので、荷物や工具をザラザラっと出して最後は放り込んでお片付けってな使い方にベストなバッグです。
ただし剛性感はあまりないので重たいモノを運ぶのにはあまり適してません。
逆に言えばライトな感じの使い方なら一番使いやすいと思います。

パカットバッグシリーズ

SK11 パカットバッグZR

そしてこちらは少しだけ高級志向にふった「ZRモデル」
開口はいわゆるがま口タイプとなっておりまして。

パカットバッグシリーズ

開口部だけにワイヤーがあり、あとはソフトな感じなので工具を持ち運ぶのに適しております。
また画像のようにロングモデルもあるので長物専用工具バッグとしてのニーズも高いですね。

パカットバッグシリーズ

SK11 パカットバッグ2

そして最も普通というか一般的な工具箱形状となるのがこちらの「パカットバッグ2」

パカットバッグシリーズ

このように上蓋にあたる部分を開いても各面に硬めの芯がはいっていて自立したまま使うことが出来ます。
ですので布製だということをあまり意識しないで使えるのが良いですね。

ちなみにこのシリーズの派生モデルが大型工具バッグのこちら。

SK11スタンドツールバッグ

SK11 折り畳み式スタンドツールバッグ

上で紹介したパカットバッグ2の大型版と思っていただいてOKです。
縦長のケミカル缶を立てたまま収納出来たり、ヘルメットバッグとしても活躍する大型工具バッグとなります。
蓋以外の部分には芯が入っているので布製バッグというのを意識せずに使うことが可能です。

ってなわけで各種さまざまな特徴や性格があるパカットバッグ。
自分に合ったものをお選びくださいませ。

コンパクトで便利な1/4のTレンチ

その昔、まだホンダがマクラーレンと組んでセナが乗ってたくらいの昔。
ちょうどその頃に工具業界に飛び込んだ私はそれまで思い描いていた工具というものの既成概念をぶっ壊されるような現場にいくつも立ち会いまして、工具の利便性とか工具自体がもつカッコよさ、そしてそれを操るメカニックのカッコよさを再認識しておりました。

その中でも個人的に琴線に触れたのがその後の私の工具の趣向にも関わる事になったF1の現場でした。
ピットでは予選のタイムアタック中にビットインしてくる車両のウイング角度調整をしてて、そこで使われていたのが1/4のTレンチとラチェットアダプターの組み合わせ。
カリカリカリって回して角度を調整するメカニックがとんでもなくカッコよかったんですよね。
それ以来自分の中ではこの組み合わせってのがちょっとだけ特別な工具になっておりまして、今回はそんな1/4のTレンチでも紹介してみようかと思います。

まずここ最近安さと機能で売れまくっているのがこれ

SK11Tレンチ

SK11 T型スライドソケットハンドル(1/4・3/8)

スライドヘッドや早回し機能までついて千円ちょっとで購入出来るTレンチです。
ちなみに3/8ではダメなのか?って聞かれるのですが、別に3/8でも良いと思いますし、トルクが必要な箇所なら3/8じゃないとダメな場合も多いかと思います。
しかし低トルクで済み、しかも8mmや10mmの作業がメインならやはり1/4Tレンチって活躍の場が多いと思います。

ネプロス1/4Tレンチ

nepros 1/4 T型ハンドル

そしてある意味究極なのがこのネプロスの1/4T型レンチ。
各部の仕上げはもちろんの事、クルクルーっって回す時の重量配分まで考えて作られてますので所有欲はもちろん実作業でもかなり良い工具です。
ソケット固定型のT型レンチでも良いのですが、個人的にはこれに8mm付けっぱなしにして使うのもアリかなーと思っちゃうくらい好きです。

KTC1/4Tレンチセット

KTC 1/4コンパクトラチェットアダプター(セット)

そしてカリカリと回したいならこれ。
まさに当時憧れた工具を体現しているオススメセットです。
ちなみにKTCの1/4T型スライドヘッドはセンターでの留め加工がちゃんとされているのでTスラ単体でもかなり優秀な工具だと思います(他のメーカーでは1/4でセンター留めがあまりついてない)

Ko-ken1/4Tスラ

Ko-ken ラチェットアダプター 1/4・3/8

そしてきちんとトルクも掛けて使っても問題ないラチェットアダプターといえばこちら。
上記のKTCのヤツはあくまでも「トルクドライバー用」の低トルクモデルなのですが、このラチェットアダプターは標準の1/4トルクを賄えますので普通に1/4ラチェットとして使うことが出来ます。
実は1/4ラチェットアダプターってあまり設定がないのでKo-kenのこのモデルは貴重な存在だったりします。

そんなわけで軽作業で大げさな工具を引っ張り出してきて使うのがちょっと面倒だな──なんて思っている人はこんな工具を検討してみてはどうでしょうか?ってお話でした。

工具箱内の整理整頓に

ネットを回遊していると工具関係でよく見かけるズラッと並んだカッコいい工具の数々。
いわゆる整備上級者さんほど工具の並びには理由があって、各自が使いやすいように整理されております。

そういった工具の整理整頓には絶対的な「正解」というのはなくて、とにもかくにもその人が使いやすければOKだし、また一発で綺麗に並ぶかといえばそんな事なくて今でこそ綺麗に並んでいる工具達だって紆余曲折があっての結果だし、もっと言えば他の人から綺麗に並んでいると思われるような工具もその人にとっては「まだ改善の余地あり」だったりもします。

ってなわけで今回はそんな工具の整理整頓なお話。
ぶっちゃけ工具にまつわる物を無理に使う必要はなくて、百均に売っているような仕分けトレーだっていいし、台所用の鍋掛けとかだって工夫次第で立派な工具置きになったりもします。

SK11ステントレー

SK11 浅型ステンレスパーツトレイ

※こんなトレー類も便利です。

それでもまぁ工具作っているメーカーが工具の為の工具置きを作ってくれたりしますので今回はその辺を紹介。

PBホルダー

PB ドライバーホルダー

もはや定番品ともなったクリップ式のドライバーホルダー。
壁に取り付けてドライバーやプライヤー差しに使ってもいいし、ロールキャブに平置きして転がり防止に使ってもOK。
PBのは少し高いけどコイルスプリング内蔵で造りがかなり良いのでおすすめです。

SK11レンチホルダー

SK11 レンチレールラック(2本組)

こちらも私が工具に関わった30年前からある定番品。
のこぎり状の樹脂ラックの2本組でして、各自は独立しており自分に好きな長さ、そして好きな間隔に設置して使えるスグレモノ。
別に2本使って画像のように置く必要もなく、1本だけ使ってレンチやドライバーが転がらないようにするだけでもかなり効果的です。

SIGNETツールクッション

SIGNET カスタムツールクッション(ソフトスポンジ)

SIGNETクッション

SIGNET カスタムツールクッション(ハードウレタン)

ある意味究極の整理整頓になる自分でカスタム出来るツールクッションです。
賽の目状に切れ目が入っている2層のスポンジを自分の工具に合わせて抜いていくだけなので、誰でも画像のような収納が可能になります。
しかし工具を詰めて置くのが難しいので全部これでって事ではなく、要所で使う感じになると思います。

そんなわけで整理整頓と言ってもいろいろやり方はありますので、各自工夫して試してみてくださいませ。

分解して収納出来るT型レンチ

工具の中でも古典的でシンプルなT型レンチ。
その使い勝手で今でもバイクユーザーには大人気の工具です。

ネプロスTレンチ

nepros T型レンチ

こういうシンプルな工具というのは現場ではとにかく使いやすく慣れてしまうとラチェットの使用頻度が落ちるくらい便利です。


でもでも。
この工具ってその形状がゆえにとにかく収納で困るんですよね、まぁかさばる。
特に出先に持っていくような場合だとTレンチを数本持つだけでかなりの場所をとります。
そこで今回は持ち出し用工具としても使いやすい「分解収納出来るT型レンチ」を一気に紹介。

Ko-ken3/8Tレンチ

Ko-ken 3/8T型スライディングスピンハンドル

これの前にもいくつかはありましたが「分解収納出来る」というメリットを大きく打ち出してきた元祖がこのKo-kenの3/8T型レンチです。
造りはさすがのKo-kenで質実剛健な感じ。

アサヒT型HEX

アサヒ 早回しT型HEXレンチ(分解収納式)

そしてこちらはアサヒのT型ですが「HEX仕様」となっております。
最初でも書きましたがTレンチってオープンスペースのあるバイクユーザーに人気の工具ですのでHEXの需要も高いんですね。
また画像のように1本形態にして収納出来ますので持ち出し用として使いにはかなりいいですね。
※個人的にもお気に入りでガレージ使用しております。
これの必要サイズだけ携行しておくってのもアリだと思います。

SK11T型

SK11 T型スライドソケットハンドル(1/4・3/8)

最後はSK11のT型レンチ。
造りとしては最もシンプルで価格も安く一番人気となっております。
そして実はこれには1/4差し込みモデルもあるので8mmとか10mmならこれの1/4モデルが超おすすめです。

こんな感じで今では分解収納出来るT型レンチもいろいろあります。
気になったTレンチがありましたらぜひ試してみてください。

サイズの確認と推奨工具

工具を販売する仕事をしているととにかくサイズの確認が重要になってきます。

プロメカさんならあまり問題にならないのですが、DIYを楽しむようなユーザーさんに多いのが「多分これくらいの大きさのボルトだったと思うのですが……」なんて感じで話をはじめる人が結構います。

私が分かる車種とかやった事・見た事ある作業ならば分かったりする場合もあるのですが、もちろんそんなのたかが知れているわけでして大抵は正確なサイズなんて覚えていません。
だけどそんなアバウトな話の上でこちらに推測してくれってな相談が本当に多いんです。

例えばバイクのリアアクスル。
「カワサキに乗っててリアがHEXだったんですよ」と言われます。
多分これくらいの大きさだと思う、とお客さんは17ミリのHEXソケットをレジまで持って来てくれます。
でも私の薄い記憶の中には確か14ミリじゃなかったかな?と。

で「14ミリじゃ無いっすか?」と聞き14ミリHEXの現物を見せる。

でも「いや、そんなに小さくないです」と言われ17ミリを販売する……
で、当日中に電話が来て「やっぱり14ミリでした」と。

これ別にそのお客さんを非難しているわけじゃないんです。
ぶっちゃけ店舗だとかなり良くある話です。
特にキャップボルトと言われる差し込んで使う工具のサイズ選定は人間が錯覚(錯視)しがちでしてHEXやTORXでは本当に良くある話なんです。

ウチは上記の話くらいなら交換に応じますが、これがかなり後日になると交換自体難しくなりますし、遠方の方なら交換に来るのも大変だと思います。

ですので私は日頃から「車両整備の現場でもサイズを測定する工具が必要」と繰り返して言っております。
どうしてもラチェットやレンチ等と違い、作業に直接関わらない工具なので、優先度が下がるのはわかるのですが、逆にいえば作業に慣れていない人ほどサイズをキチンと人に伝える事が出来るように準備しちゃったほうが良いと思うわけです。

ノギス総合ページ

ノギス等の測定関連はこちら

これが上の例の話くらいのサイズ違いならばそんなに間違いはないのかも知れませんが、1ミリの違いでも使用出来ないのが工具です。
その辺をキッチリ測定してくれるだけで話がかなり早く済みます。

ちなみにそういったノギスとかの使い方は下記のページを見て下さいませ。

>>工具実践→測定機器の使用方法

サイズ計測の基本中の基本であるノギスはいろんな測定方法で物を計れますので、そういった工具の選定だけじゃなく作業にも活用出来ると思います。

例えばこういった内径測定とか普通の物差しではうまく測定出来ないですよね。
こんな場合でもノギスがあれば大まかなサイズ測定が可能になるわけです。

整備に慣れてない人ほど購入率が低い測定系の工具ですが、実はそういう人にこそ持っていて欲しい工具のひとつでもあります。