アルミの錆にスパールジェル

エイビットではいろんなケミカルを扱っておりますが、近年だと問い合わせナンバーワンなのがスパールジェル。
主にバイクショップ等のプロメカさんから高い支持を得ているスパールジェルですが、リピート率も高く実力もともなったケミカルとなっております。

 

ちなみにスパールジェルとはアルミの上に出てくる点錆や白錆の除去ケミカルです。古ぼけたアルミパーツを復活させてくれるのでありがたいですよね。
※メーカーサイトでは「白サビは落ちません」と書かれてしまいましたが……まぁ落ちますよね。

当店で20年以上人気が続いている光陽社のオフセットサイザルも、鏡面加工だけの話ではなくこういった錆除去の問い合わせも多いんですね。

off_saizaru_nw1

もちろんサイザルも良い補助工具なのですが、何せ「鏡面加工補助工具」なので使えば光っちゃうわけです。
光っちゃって良い所や光らせたい人なら、これほど良い工具はないのですがそうじゃない時は困るんですよね。

例えばバイクのフロントフォークのアウター。
もちろんビカビカに磨いちゃう人もいますが、純正の鋳肌だったり粗めのヘアーライン(引き目)のまま綺麗にしたい人だって多いんですね。
ただしアルミの錆ってのは基本的には一皮剥かないと落ちなかったわけでして……ここが悩みどころでした。

で、そんな悩みを解決してくれるケミカルがこれなわけです。

sp_gelXX1

ビプロス スーパージェル

商品名になっているとおり、緩めのジェルでして実際に使うと「トロー」ってくらいな感じ。
拾ってきた白サビがひどいキャリパーに使ってみましたが─

sp_gelXX5

表面がもうボコボコするくらいひどい錆。
ここにヌターっと塗って15分ほど注視。
しばらくするとシュワシュワと白濁してくるので、浸透させる為にブラシで少しだけゴシゴシ。

あらかた落ちたら後は水洗い。そう「水洗い」これも良いです、水で洗うだけで良いので車載状態のパーツにも使えます。
流しちゃえば無害なので。

sp_gelXX8

するとこんな感じ。
ズルしないで1回だけしか施工してません。
それでここまで落ちてくれるなら良いですよね。
ちなみにもうちょいキッチリやりたいのならば、 何度かチャレンジすれば良いとの事。
アルミの錆はピンホールの奥とかに入り込んでいる場合があるので、そういうのは根気良く数回やるしか無いと思います。

しかし、ケミカルだけでここまで落ちてくれるなら良いでしょ。
アルミの錆を諦めていたアタナ。
これで愛車のピカピカ度が上げられますよ。

ゴールデンウィークの営業

このところ気温も過ごしやすさもググンっと上がってきまして、気がつけばもうGWですか、そうですか。

そんなわけで連休中の当店の営業案内を載せておきます。

2025GWカレンダー

2025GWカレンダー

今年はなんだか「前半」と「後半」がくっきり分かれましたね。
実際当店も前半戦はあまり連休感もなく普通に営業予定です。
取引先の工具関連企業も中日は営業するところ多いので駆け込み需要にもわりと対応出来そうな感じです。

基本的には定休日の水曜日以外は普通に営業しますが、営業時間は連休シフトとさせていただきますので閉店時間が早まるのだけはご注意ください。

そして連休明けの5/10は筑波サーキットで開催されるテイストオブツクバにエアーゲージメーカーのアサヒ産業さんとエアーチェック大会をやりに伺う事になりました。

とりあえず暫定でポップを置いておきますので詳しく知りたい人はお問い合わせください。

エアーチェック

店主の近況 ─2025年4月─

以前このブログでも紹介した当店のYouTubeチャンネル。

YouTubeチャンネル

>>工具専門店エイビット(YouTube)

今年に入って目標としていた1000人登録も達成したので、なんとなく満足というか「次は何しようかなー?」とか考えていたのですが。
3月くらいからいろんな案件というかコラボ依頼というか、舞い込んでくるようになりまして。

やっぱね。
ひとりで黙々と撮影しているのとはまたちょっと違って楽しんですわ。

GW明けには筑波サーキットでも大きめのコラボ案件あるし、前にも書いたけどここ最近はあらためて工具に向き合う事も多くて、いろいろとアップデートされていく感がありますね。

ただし。
動画の編集だけは溜まっていく一方でして、編集ソフトをいいヤツにしたら出来る事が増えてしまい結果として前よりも編集時間が掛かったりもしてます。
(簡易ソフトなら3時間くらいで出来た動画が業務用だと3倍くらい掛かったりします)
その分少し更新頻度を下げつつ今後はやっていく予定ですのでよろしくお願いします。

マキタコラボ

そうそう先週もお店の連休にあわせていろんなコラボ動画撮ってました。
まだ編集中ですので連休くらいにアップ出来たら嬉しいなー。
なんとか間に合わせますのでお楽しみに。

neprosコンパクトヘッドラチェットのO/H

個人的にお気に入りなネプロスの90ギアラチェット。
特に1/4ラチェットは俺的ランキング1位な大好きラチェットなので、お店にくるお客様にもオススメしております。

で、そんなお気に入りのラチェットですがぼちぼち販売開始から約10年以上経ちまして、修理やオーバーホールの依頼が入り始めました。
3/8のラチェットO/Hは以前このブログでも書きましたので今回はコンパクトヘッド(1/4筐体)分解時の注意点でも。

ネプロスラチェット修理

ちなみにこれが以前やった3/8ラチェットの分解。
長年酷使していると内部の油切れやゴミの混入によってメインギアに接続する「パウル」(小ギア)の動きが悪くなります。
(上の画像だとメインギアの左下に映ってるのがパウル)

パウルの動きがわるくなると正逆転の切り替えが渋くなり、またメインギアとの噛み合わせが半端になるので最終的に破損に繋がります。
画像でも分かると思いますがメインギアのギアひと山はコンマ数ミリしかありませんのでギアは半掛かりとかすると壊れてしまうんですね。
ですのでまだ破損するほどではない調子の悪さだった場合には基本的に「清掃」と「潤滑」をして貰えればOKです。
潤滑は防錆潤滑剤等は使わずにサラサラしたオイルをちょっとだけつけてあげれば大丈夫です。(現在のネプロスは丁度0番相当のグリスを推奨しております、あまり見かけないグリスですのでシリコングリス等で代用するのが良いと思います。普通の硬さのグリスは絶対にNGです)

修理やオーバーホールの予兆としては正逆転のレバーが渋くなったら気をつけるようにしてください。

ネプロス1/4ヘッドOH

そして今回のコンパクトヘッド(1/4筐体)のオーバーホール。
今回は内部の修理ってよりソケット取付部のボールロックの不具合でしたのでメインギアだけサクっと交換な案件だったのですが、まぁケース開けるので全部やってしまいましょうってか感じです。

しかし。
3/8ラチェットでも苦労した裏蓋のちっこいプラスビスが外れない…
プラスの番手は#0なのでとにかく舐めないように慎重にやるのですが結果ダメでした。
片側のネジ部分が何かに噛み込んでいるらしくどうやっても外せないので結局ドリルで揉み込んで摘出。(ネジはM2と極小なのでご自分でやるときはその辺の工具も揃えてからやった方がいいかも)

ネプロスやKTCはギア修理用のAssyセットがあってそれを購入すればだれでも修理出来ますが、大抵この裏蓋の取り外しで苦労すると思いますのである程度覚悟を持って臨んでくださいませ。
ちなみに当店で購入したラチェットは部品代だけで修理費用は頂いておりませんのでご相談ください。(他店で購入したものの持ち込みは代金を頂いております)

ラチェットの動作不良は整備の効率にも関わってきますので、なんかおかしいかな?と思ったら確認してみてください。

食いつきが凄いダイヤモンドビット

プラスネジの長年の悩み「カムアウト」
プラスって工具側が尖った形状をしているがゆえに上方向に逃げながらネジをなめてしまうカムアウトをどうするのか?ってのが長年の課題となっております。

ちなみにこの課題を解決しようとして作られたのがTORXネジといわれてますね。

で、このカムアウト。
工具メーカーが考える理論としてどうにかしてアンチカムアウト構造を作れるのかが問題となります。
例えばPBは出来るだけ公差をなくしドンピシャリな形状を差し込む事によって上にも横にも動かない構造をつくろうとしているし。
ACRビットはプラスの平面にギザをつけて上に逃げるのを抑制しようとしています。

で近年あらたにWeraが提唱したダイヤモンド粒子をまぶした滑り止め機構が注目されるようになり、ANEXやベッセルも追従しております。
(たしかベッセルは昔一度ダイヤモンドをやった記憶があるんだけど、どんなのだったか忘れた)

そんなわけで前置きが長くなりましたがANEXが出してきたダイヤモンドビット2種類を紹介。

ANEXダイヤモンドビット

ANEX ダイヤモンド龍靭ビットタフ プラス#2

まずはこちら。
両頭の電動用トーションビットの龍靭ビット。
ダイアモンドビットゆえの「食いつき過ぎ」で先端がねじれて壊れる減少を防止するために金属硬度HRC62.5という工具鋼としてはかなり硬く作られたビットです。
焼入れが硬すぎると折れたり割れたり─が気になるところですが、トーションビットを採用したおかげで耐久性も向上。
当店でもかなりの本数を販売しておりますがユーザーから高評価をいただいております。

ANEXダイヤモンドビット

ANEX ダイヤモンド サイコウビット(超細軸)プラス#2

そして後発で登場したのが片頭ビットで細軸のサイコウビット。
もちろんダイヤモンドシリーズとして出てきたこのビットは軸径でφ3.8mmと超細軸なのに─

ANEXダイヤモンドビット

ちゃんとダイヤモンドビットなのでこの通りに食いつき。
(写真はステンレスビットを食いつかせています)

この「細軸」&「ダイヤモンド」の組み合わせはかなり最強だと思いますのでまだ試していない人はぜひ挑戦してみてください。
※ちなみにサイコウビットのサイコウは「最高」ではなく「細硬」をもじっております。

このANEXのダイヤモンドビットシリーズの動画も観ていただければ結構すごいのがわかっていただけるかと。