nepros90ギアラチェットO/H

SNSで分解作業を流したらそこそこバズったのでこのブログにも残しておきます。

エイビットでは店舗にて各メーカーのラチェット修理をお受けしております。
メーカーやモデルによっては修理不能(部品が出ない)なものもありますが、メーカーのカタログを見てリペアキットの設定があるものでしたら大抵のラチェットの修理は可能です。

で、まず修理の内容以前に少しお伝えしたい事がありまして…
それがラチェットの蓋をとめているネジの件。

ネプロスラチェット修理

当店に持ち込まれるラチェットの修理依頼。
そのラチェットの半数以上が蓋を留めているネジを舐めてしまっております。
予想するに──ラチェットの調子が悪くなったので自分で中を確認しようとして、ネジを外し分解を試みるもネジを舐めてしまいどうにもならなくなって当店に持ち込み…ってな感じなんだと思います。
それは仕方のないことだとは思いますがネジを舐めてしまっている場合、当店での追加作業扱いになりますので別料金を頂いております。
どうぞご理解くださいませ。

ネプロスラチェット修理

ちなみにこのネプロスのラチェットの場合ですとプラスの#1が使われております。
舐めてしまった人の話を聞くと「精密のプラス」だと勘違いして番手の合わないプラスドライバーで回しているいるのが舐める原因になっているようです。
普段整備をしている人でも小さなプラスの番手見極めは結構難しいので、ここを注意するようにするだけで舐める確率を大きく減らす事が出来ると思いますよ。

ネプロスラチェット修理

そして注目のネプロス90ギアラチェットの分解。
90ギアラチェットも登場してから10年近く経ちまして、そろそろ不具合も出始めていますね。
今回修理したラチェットも動作不良というか完全に壊れているわけではなく、なんとなく動きがおかしいってな感じでした。
こういう場合って大抵メインのギアではなく、小ギア(パウル)部分の動作不良な事が多いので見てみますと…
やはりパウルの動きが渋くなっていて、それを原因にメインギアとの噛み合わせが悪くなり徐々にギアをすり減らしておりました。
写真では分かりにくいかもしてませんがメインギアの左にある半月状の部品に、細かなギア欠損のカケラがあります。
こうなってしまうとフルO/Hしちゃったほうが間違いないですね。

少し前のブログでKo-kenのZ-EALラチェットの修理分解を記事にしました。

Z-EALラチェットの補修

Z-EALのラチェットはパウル部分が非常にシンプルになっていて専用の治具等が必要ないので誰でもO/H可能ですと書きました。
しかし今回のネプロスの90ギアはちょっと事情が違いますね。
パウル部分がちょっと面倒な感じになっていて慣れない方が分解した場合、元に戻せない可能性があります。
当店ではラチェットの補修部品代だけで修理をお受けしますので、自信のない人はお店まで持ってきてくださいませ。

ネプロスラチェット修理

ってなわけで全てを新品部品にして組み直したのがこちら。
ネプロスは90ギアになってから組み直し直後の動作も軽快なので良いですね。以前の36ギアな時はある程度使い込まないと「アタリ」がでませんでしたから。

ちなみにラチェットの日々のメンテナンスに関しては上記で説明した小ギア部分の動作不良を起こさせない事が主となります。
ですので定期的に注油してあげるのが望ましいですね。(1ヶ月に1回とかで充分です)

あ、あとこれも何度も何度も書いているのですが注油にかんしては「グリス」や「防錆潤滑剤」(CRCやラスペネ)は入れてはダメです。
ホコリの巻き込みの原因になったりしますので、出来るだけサラサラしたオイル(コンプレッサーオイルとかミシン油とか)を入れてあげてください。
普段の使用時には廃油みたいなものにラチェットヘッドをドブ漬けしちゃってもOKです。
非分解で行えますので無駄なトラブル減らせますからね。