私が工具に関わるようになった頃ってまだまだ輸入工具とか浸透しいてなくて、それこそスナップオンって言っても知らないプロメカさんがいたくらいでした。
そんな中でもものすごい実力を持った工具ってのは説明とかなしでも徐々に広まっていったんです。
まさに輸入工具の黎明期ってな感じでしたね。
そんな口コミ&手渡しで売れていった工具の中でも印象的だったのがKNIPEXでした。
その頃の握り物ってそんなにこだわった物って流通してなくて、それこそバーコあたりの握り物がすげー!って火がつきはじめた頃だったと思います。
国産工具ではありえない針金を切っても刃こぼれしないニッパとか当時はホントに衝撃的だったんです。
で、そんなちょっとお高いけどすごいニッパの中で頭ひとつ抜けたインパクトを持っていたのがKNIPEXの硬線ニッパ。
もうほんとにすごい売れ行きでしたね。
グリップにはピアノ線まで切れますって書いてあるし、今まで使い捨てで刃こぼれしたら買い替えていたような人達がこぞって絶賛してくれました。
しかし。
硬線ニッパにも弱点はありましてやはりぶった斬りのニッパなので細かな仕事がしにくいってのとヘッド部分がちょっと大きいとかですかね。
で、そんな弱点を補いつつ大きな進化をしたニッパが地味にラインナップされております。
この一見すると何の変哲もないニッパー。
実は現在のKNIPEXの技術の集大成みたいな工具なんですね。
一番の特徴はこのX交差の軸。
作り方はかなりアナログで焼き嵌めしてるんですね。
これニッパごときにはかなりのオーバークオリイティなんですけど、実際に使ってみるとやっぱいいんですよね。
硬線ニッパー以上の切断能力を持ちながら細かな手先作業にも十分活用出来るのでまじで重宝します。
ちなみに同サイズの硬線ニッパとヘッドだけを比べるとこんな感じ。(上のがX-CUT)
かなりコンパクトなのが分かりますかね。
ヘッドはコンパクトになっているのに切断能力は上がっているわけですから実はかなりすごいニッパなわけです。
パッとした見た目では差が分かりにくいし、スタンダードな硬線ニッパーも充分な実力があるのであまり注目されなかったりしますが、店舗では高性能ニッパーとして人気です。
1本でいろんな作業をこなしたいって人にはおすすめのニッパーだと思います。