鏡面加工用ディスク

このブログでも何度か書いてきた鏡面加工のお助け工具であるオフセットサイザル。

車やバイクが好きな人にとっては一度は通るであろう、ピッカピカの鏡面仕上げに対する憧れ。
でも実際にやってみると地味でツライ作業なわけで、それを少しでも楽にしましょうってのがオフセットサイザル(オフセットフエルト)の一番の売りなわけです。

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オフセットサイザルのページ    ・オフセットフエルトのページ

しかし。
たまに勘違いして「これさえあれば鏡面加工になる」と思ってしまう人がいまして、久しぶりにちょっとだけ補足を書いてみたいと思います。

>>詳しい説明は「工具実践」のページでもしております。

このオフセットサイザル(フエルト)はあくまでも「お助け工具」なだけで、これだけ買えば簡単に鏡面になるという魔法の工具ではありません。
ただし、一度でも手磨きで挑戦した事がある人なら分かると思いますけどサイザルは面がある場所ならホントに楽出来るんですね。

つまり。
基本的には鏡面って地味でツライ作業だけど、そんな作業を少しだけ楽にしてくれる補助工具
だと思ってもらえればOKです。

で、んじゃこのサイザルシリーズは一体何が凄いのか?他の研磨布と何が違うのか。
それはこれ。

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この商品名にもなっている「オフセット」な研磨布配置に秘密があります。
写真はオフセットフエルトですがサイザルも同じ構造になっておりまして、小さな円形のフエルトを10個円周上に配置しているのがミソです。

鏡面加工というのは手で磨いているだけならそれほど問題無いのですが、いざ回転系の工具を使うとバフ焼けとの戦いになります。
バフ焼けとは回転系工具の摩擦熱から発生する研磨剤(青棒とか赤棒とか)の焼き付き現象です。
実際にやった事のある人なら分かると思いますが研磨中に対象物は手で触れないくらい熱くなってしまいます。

この焼き付きが起こると研磨剤自体が焦げ付いたような状態(ちょっと違うけど分かりやすく言うとです)になり、せっかく磨いた相手が黒ずんで輝きを失います。
ですのでこういう研磨の際は出来るだけ相手を熱しないように、回転の遅い工具を使ったり、少しずつ作業する事により相手を冷やしてあげたりするのです。

で、そんな焼き付き現象であるバフ焼けを少しでも軽減するためのアイデアが上で紹介した10個のオフセット構造でして。
そのオフセット構造によって空冷効果をもたらし少しでも研磨温度を下げる事によって、研磨に不慣れな人でも鏡面加工が比較的簡単に行えるようになっているんですね。

こういう効果がある工具なんだ。
という事を理解すればより良くオフセットサイザルシリーズを上手に使う事が出来ると思います。
商品自体はプロの鏡面加工屋さんが「素人さんが使うならこれがイチオシ」と言ってくれるくらいオススメの工具ですからね。