どこまで楽しむのか。

いよいよ12月突入。今の時期だと私は年始の事まで考えないといけないので裏方仕事がかなり忙しくなってきてます。

見積り依頼とかも多いのでとにかくパチパチとPCとにらめっこですね。

 

で、今日なんですけど1ヶ月前くらいに仕上げて寄稿しておきた原稿がひょっこりアップされてました。

 

この中に「整備は出来るだけマメにやって」といった事を書いているのですがこの件を誤解して欲しくないな、と思い補足の事でも書いておこうかと思います。

こういった「出来る事は自分で整備しましょう」的な事を書くと、なるべく安く済ませようって事なのかな?と思う人も多いと思います。

まぁうちは工具店ですからね、工具買ってもらって整備して欲しい気持ちも無いと言ったら嘘になりますが・・・、そうじゃ無いんですね。

 

 

話は逸れますけど「整備と修理は別物」という言い回しを私は良くします。

日常のメンテナンスとかを時間気にせずのんびりとやって愛車をバッチリ仕上げた りするのは楽しいんです。

ところがそれが何か壊れてしまったりして直す作業、つまり「修理」となると途端にテンションが落ちます。このニュアンスは分かる 人には分かると思いますが、やってる作業は似てても全然別物なんですね。

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つまり何が言いたいのかと言うと・・・、好きでやってるんです、日常のメンテナンスはね。愛車のネジ外して磨いて組んでってのが楽しいんですよ。

別に金なんて関係無いんです(まぁあるっちゃあるけどw)

愛車で遊んでドライブやライディングを楽しんで、家帰って来て洗車して、そんでもってばっちり整備。 ←ここまでがワンセットで楽しいんです。

 

このブログを読んでいる人の多くはウチとお付き合いがあったりして整備でも楽しんでいる人が多いと思うので分かると思いますけど、実際自分でいろいろ揃えてやるほうがコスト掛かったりする場合も多いですからね。なので「とにかく安く安く!」とかしか考えられないのならば自分で整備するメリットってあまり無いんじゃないかな?と思います。

 

そして私は職業柄プロメカさんをリスペクトしてます。

なので自分じゃ出来ない、とかプロに任せた方が良い、と判断した場合にはちゃんとお金払ってプロに任せます。この自分でやる・やらないのボーダーは整備上級者ほどうまく使い分けてて、そういう人ほどちゃんと行きつけの任せられるショップさんともキチンとしたお付き合いをしてますね。

今はSNSとか使って大騒ぎすればあるていど小難しい内容の整備の事も情報を得ることは出来ると思いますが、その後に何も残らないようならプロに頼ってやってもらうって案を候補に入れて欲しいと思ってます。

 

んー、うまく言えないけど自分の整備にまつわる環境って最終的には自分で構築していくしかないと思うんですね。

なので「ここまでは楽しむ」そして「ここからは楽しむために人に任せる」といった区切りをうまく使い分けて欲しいと思います。なんかね、ケチケチするために自分で整備するみたいな捉え方されるのが嫌なので書いてみました。

 

お店では年末年始の連休に合わせ重整備に関する工具の質問や整備の問い合わせが増えてきております。今のうちに準備しておけば部品の手配とか余裕で間に合いますからね。

年末の押し迫った頃に慌てなくても良いように、みなさんもいろんな準備をしておきましょう。

レース後整備

いつの間にやら今のバイクも乗り始めてすでに2年半。

その間にエンジンぶっ壊れたりとかはありましたが、現在は快調に走ってくれてます。

レーサーなので各部品の寿命は短めでして日頃から整備はしているのですが、一応レースシーズンも終わったのでクルっと気になっていた箇所をメンテしました。

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仕事が終わった夜8時過ぎからのんびりと始めまして、今回行く前に言っていたチェーンの交換をしました。

しかし、チェーンがダメって事はスライダーとかガイドとか他の箇所も気になるわけでしてリア周りのフルメニューって事になりましたけどね。

まずはチェーンスライダーが減っていたのでチェーンと同時交換。スライダーを交換するにはスイングアーム抜くしか無いので、写真のように引っこ抜きましてついでに各部の清掃とかグリスアップを行いました。

よく洗車しているつもりでもやはり普段隠れて見えにくい場所は汚れてますねー。どうせ次乗って泥水の中走れば同じなんですけどそこはもう気持ちの問題。

単体になったスイングアームを更に磨き上げましてかなり綺麗になった所でピポッドのグリスアップとかもやりました。

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そしてダートバイクの宿命でもあるのですが、各ネジも露出してるやつは泥砂を噛んでいるんですね。なのでそれらも1個づつブラシで清掃しながら組み付け。リアブレーキは普段からメンテしてるのでいつもどおりの事やって終了。

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ついでにレースで履いたタイヤを逆組みして練習用タイヤにしました。ここまで組み上がったらさらに各部の磨き上げ(ついでにブーツも革用クリームで磨き) 普段の通常メンテではやらない奥の方までぎっちり磨いて終了でございます・・・、いやまだチェーン付けてなかった。

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最後にチェーンを取り付けて、きっちり張り調整してホントに終了。今回はフロントのスプロケがダメだったので交換、リアはそのまま使います。

これでまた元気よく走ってくれれば労力も報われますね。

ちなみに作業自体はそんなに難しい事無かったのですが。なにせネジ磨いたり各部を磨いたりしてる時間が長かったので仕事終わった数時間かけつつ3日間掛かりました。

 

そろそろ整備をじっくりやる季節かと思います。みなさんも何かやりたい作業や分からない工具がありましたら遠慮なく聞いてくださいませ。

 

 

あると便利なドライバー

自分でも車いじったりバイクいじったりしてまして、出先とかでは工具を頼りにされたりもするのですが。

現場で「ちょっとだけ工具貸してー」とか言われて貸すと後日かなりの確立で購入してくれる、ちょっと便利な工具ってのがあります。そりゃね、工具店やってますから人よりはいろいろ工具も見て知ってますし、ましていろんなプロメカさんとの交流も多いですから変則で便利な使い方とかも聞いて知ってますしね。

 

で、今日はそんなちょっと便利な工具のドライバー編。

ドライバーと言ってもアンチカムアウトなプラスドライバーじゃ無くマイナスドライバー、そしてさらに言えばネジ回しじゃなくて工具店としてあまり推奨出来ないこじるドライバーのお話。

車やバイクとかを整備していると出てくるゴムキャップとかダストシール。あの手のものをクイっとうまい事めくるのって結構面倒でして、さらに言えばその下地を傷つけたくないもんですよね。

そんな時に便利なのがこれ。

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・KTC シールピックツール

いきなりドライバーじゃないじゃん!って言われそうですが、ドライバー形状って事でご勘弁。このツール、ほんとに便利でしてちょっとした物をクイっと剥がすとっかかりに凄く使えます。
(※ちなみに本来は縦方向にシールを押し込むのに使うツールです)

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先端は丸くゆるく作られていて相手を痛めにくいのも良いですね。

名前がシールピックなので硬いシールとか向けだけだと思われがちですが、こじり方向でもクイっと使えるんですね。

 

しかし。

これだけじゃちょっと足りない。クイっと隙間をあけてから確実に外してくれる相棒となるドライバーが必須なのです。

それがコレ。

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・PB キャブドライバー各種

番手は好きなの買えば良いのですが個人的にオススメは#4 幅があり、さっきのシールピックで開いた隙間にこれを差し込んでねじれば完璧です。

何故、このキャブドラなのか?

その秘密がこの先端形状。

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普通のマイナスドライバーよりもテーパーの角度がきつくあいた隙間を押し広げるのに都合が良いんですね。そしてよく見ると綺麗に面取りしてあり相手を痛めにくい形状をしています。いろいろ試しましたが不安なくダストシールを外したりするには、この2点がかなりベストな組み合わせです。

もちろん同軸径のドライバーですのでホールの奥にある調整ネジにもアクセスしやすいですし、買っておいて損じゃ無いドライバーだと思います。

 

単純なボルトナットだけの整備ならばなかなか揃える気にならない工具ではありますが、そういったちょっと面倒系な作業にはすごく便利に使える工具の一例です。

是非お試しくださいませ。

レース前整備

春の大阪から始まった今年のJNCCシリーズも残すところあと1戦、最終戦のAAGP爺ヶ岳だけとなりました。

今年は久しぶりに自分でもレースに出てみようと思いまして、春から夏に掛けてのJNCCに参戦しました。ホントは今年はそれで終わりにするつもりだったんですけどね、最終戦ではウチのチームが総勢で17名出場って事になりまして、それなら私も今年最後だし出ておこうと思いましてちゃっかりエントリー。

身体作ったり乗り込んだりしている時間は取れなかったのですが、それでもレースに出ると決めればやはり楽しいもんですね。

 

で、そんな事言っているうちに11月2日のレースまで10日くらいになってしまい、何も準備が出来てない事に焦り始めた私。

普段から段取り屋な私は準備が出来てないと焦っちゃうんですよね。

そこでせめて車両だけでもと思い、今週頭から洗車タイミングを見計らっていたのですがあいにくの雨続きで気がつけばもう週末になりそうな勢いでしたので、昨日の夕方に雨の中ささっと洗車して整備にとりかかりました。

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まぁ少しくらいの雨なら問題無いのでガシガシ洗車しつつバイクをばらして整備整備。

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チェーンも正直やばいのですが今戦で使いきりって事にしてこのまま行きます。

 

そしてすでに逆組みまでして使いきっていたタイヤも交換。

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VeeRubberの140Tackeeはかなりもってくれたのですが、まわりの言うとおり角が無くなってからの性能低下が激しくてトコトコ走っている分にはいいんですが・・・さすがにレースですからね、これは交換です。

ちなみにいろいろ試して現在お気に入りのタイヤレバーがこの3本。私はタイヤ組むのが下手くそなのですが、このレバー組み合わせにしてからは失敗してません。

KTC タイヤレバー×2 チューブに噛みにくく、レバー長もちょうどいいのでサクサク組んでいけます。

PB タイヤレバー KTCの補助的なレバーなのですが、先端がすごく薄く組み付け後半の差し込むのが厳しい箇所で活躍します。また全長があるのでパワー勝負も出来ます。

 

ちなみにしょっちゅうチューブ噛みでパンクさせてた私がうまく出来るようになったのは上記のタイヤレバーのおかげもありますが、あとひとつビードクリームの「塗り方」を教わってから失敗しなくなりました。

タイヤの表のビード部分だけで無くフチの部分とその裏側までたっぷり塗るとすごく楽に出来るようになりました。出来る人には当たり前な話なのかも知れませんが、これ知った時は目から鱗でしたね。

 

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タイヤはリアはそのまま同じビーラバーのタッキーを組みまして、フロントは試して見たかった最新のモトクロスタイヤを入れました。(ダンロップMX52F)

前はフロントもタッキーを入れていてガレ場や木の根通過時にはすごく助けてもらったんですけどね・・・普通の路面ではその柔らかいタイヤがグニョグニョしてちょっと使いにくかったんです。そこで今回は難路面走破性は捨てましてフロントだけでも食ってくれるように久しぶりのMXタイヤチョイスです。

 

まぁ自分でレース出るってのはこういう事前の準備も含めて楽しいもんです。

まだ細かな箇所の整備は残ってますが大仕事系は終わりましたので、自身の体調管理も含めてアゲていきたいと思います。

ホースバンド脱着

春もぼちぼち終わりになりまして汗だくで作業する事も多くなってきましたね。

今日は電装屋さんが「いよいよエアコン修理がすごいことになってきたー」って言ってましたから夏はすぐそこなんだと思います。この時期になれば冬場と違い作業もはかどりますから楽しい時期ですよね。

 

で、そんな自動車整備の現場で結構面倒な作業が実はホースバンド外し。

想像してみてください。

自動車のボンネットを開けて何かの作業をしようとするときに、まずカバー外して邪魔なホース類やサクション系のチューブ外して・・・なんてのが最近の車です。

 

ってなわけで今日はKNIPEXから新発売で現場からかなりの高評価を頂いている工具を紹介。

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・KNIPEX ホースクリッププライヤー

もともとはウォーターポンププライヤーのコブラの改造品でして、専用ジョーに特殊な専用アタッチメントを付けての販売です。

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先端部分はこんな感じ。

高張力なバネ式のホースバンドでもこれならがっちりグリップして安全に外す事が出来ます。

また銀色のアタッチメントの部分はくるくる回転しますので掴んでからちょっと角度を変えて・・・みたいな使い方もOK。これがかなり重宝するんですね。

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実際に使ってみましたけど過去に販売されたホースバンド用工具の中でもピカイチの出来ですね。

開口幅が自由に調整出来るコブラをこんな風に使う事はありましたが、専用の治具が付くだけでここまで使い勝手があがるとは思いませんでした。

一時は人気で品薄状態でしたが現在はなんとか在庫も復活してきております。是非一度お試しあれ。