ラチェットとかソケット、それに関する問い合わせってのは多いのですが製品の事とかメーカーの事とかじゃなく、もっと根本的な事が分かってなくて購入時に悩む人って結構多いのです。
で、販売している側としてコレを理解してくれると話がスムーズなんだけど……って思うのが各ソケットサイズの受け持ち差し込み角。
例えば3/8のシリーズでいろいろ揃えている人がいるとして、ちょこちょこ買い増ししてくれている時に「次は27ミリのソケットが欲しい」と言われると、そもそもメーカー自体に27ミリの設定がないので説明に困るんですね。
いやこんな情報知っている人自体が少ないので知らなくて当然なんですけどね。
でもやっぱりこの辺をぼんやりとでも知っていると工具購入の計画とかも立てやすくなると思います。
ってなわけで今日はそんなお話。
小さい順に話をしていくとまず1/4差し込み。
最小サイズまで話すといろいろ大変なので、その差し込み角の最大サイズで話を進めます。
まず1/4差し込みの場合には「14ミリ」が最大だと思って下さい。
実はメーカーごとに若干違うのですが、とにかく14ミリが最大だと思って頂いてOK。
一応14ミリまでラインナップがありますが、個人的には普通に使えるのは12ミリまでですね。
14mmは少し固く締まっているネジの場合は人間側のトルクがきついので、揃えるのは14mmまで揃えるのが王道ですが…実際の現場事情では12mmくらいの気持ちでいたほうがいいと思います。
そしてメインサイズである3/8差し込み。
3/8差し込みはかなり広範囲にカバーしているイメージがあると思いますが、それでも最大サイズは24ミリ。
(これもメーカーごとに若干違います)
なので上の話のように27ミリソケットが欲しい場合にはひとつ上の1/2差し込みを選択する事になります。
ちなみに車両整備に必須のプラグソケットとかビット系のHEXやTORXのソケットは大抵この3/8差し込みをメインにラインナップされてます。
ですので全部揃えるとしてもこの3/8差し込みのサイズを主軸に考えておくといいと思いますよ。
そして大きいソケットの1/2差し込み。
1/2の場合は最大で36ミリ。
なのでロータリーエンジンのエキセンシャフトのナットとか40ミリオーバーのソケットが必要な場合にはもうひとつ上の3/4差し込みのソケットを選ぶ事になります。
こんな感じで下の1/4から上の1/2まで揃えると整備に必要なサイズがズラッと揃えられるわけです。
で、これを知っていると自分が工具を揃えていくときの目安と言うか参考になるんですね。
そして最大サイズはあくまでも「最大サイズ」なので実用サイズとしてはもっと考える必要があります。
さっきも書きましたが1/4では自分なりに決めて12ミリまで…とか3/8なら19ミリまで…とかね。
この辺は各自の整備事情で考えればOK。
もうちょい補足すると例えば3/8と1/2の棲み分けとかでは、少しサイズがダブるくらいで揃えた方が後々便利です。
(例:3/8で~22mmまで、1/2では下は14mmから・・・とかね)
この手の話って工具のカタログ見ればすぐに分かるのですが、意外と知られてなくて「3/8の差し込みで30ミリが欲しいんですけど」とかの問い合わせが結構多いです。
こんな時は「すみません、30ミリだと1/2でしか設定がありません」と伝える事になるんですが、そうなるとその人が1/2工具も全く持ってなかった場合に1/2差し込みの駆動工具を新規購入する必要が出てきますよね。
ラチェットとかまで新規で購入まで考えてなかった人にはなかなか想定外の事だと思いますので厳しかったりしますよね。
ですので、こういう各差し込み角の受け持ちサイズをぼんやりとでも良いので覚えておいてほしいわけです。
実際の購入時には私にガンガン聞いて貰えれば最善の選択を提示しますので、細かなことは覚えなくてもOK。
ってなわけで頭の隅っこの方に覚えておいてねってお話でした。