平成が終わる件

若い人達からはよく誤解されるんだけどアラフィフの私の世代はバブルを経験していません。
目撃はしたけど体験はしていない言わば「かすった世代」なんです。
実際私達が社会に出た時はバブル崩壊後でして、混沌とした社会の中でずっと生きてきた印象が強いです。

そんな世代な私は18歳の時に昭和の終わりと平成の始まりを体験しました。
(2月生まれなのでギリ18歳だった)

当時私は東京の日芸のそばに住んでいてバイトに明け暮れてました。
バイト生活も慣れてくるといろんなアルバイトを経験して「割の良い」バイトにどんどん流れていきまして。
昭和が終わる日のXデーには渋谷のセンター街で深夜のビラ配りのバイトをしてました。
ビラ配りといっても夜の11時頃から早朝の電車の始発の時間まで、センター街をフラフラしながら終電を逃した人相手に早朝までやっている飲み屋のビラを配っていただけなので、基本人に縛られる事もなくわりかし自由が聞いて時給の良いバイトは気に入ってました。
ちなみに当時は東京スカパラの人達がたまにセンター街に来て路上ライブとかやってたので仲良くなったりして楽しかった思い出があります。

そんなある日。
いつものように早朝までビラ配りして始発電車が動き出したので帰ろうとかと渋谷駅についたら、なにやら大声で叫んで何かを配っている人がいたんです。
なんだろう?って思いつつ私も配布物をもらって見てみると

「天皇ご崩御」

の文字が、そう昭和天皇が亡くなった事によって出た新聞の号外でした。
もちろん崩御なんて言葉は知らなかったのですが、当時はニュースでも具合が悪く入院してるって事は頻繁に流れてましたから、なんとなくで推測出来ましたけどね。

そしてここからが私の記憶に強く残っているのですが。
翌日(翌晩)またバイトに向かうと…静まり返った渋谷の街。
出勤は夜の10時頃なのでいつもだと賑わっている繁華街が閑散としていました。
それもそのハズでいわゆる「自粛ムード」ってやつですね。
それでもやっている店は数店あったので、私はいつものようにビラ配り。
そのうちTVのキャスターが来て私にインタビューしてきたのですが「こんな日に営業するなんて不謹慎じゃないですか?」と聞かれたんです。
まぁ私なんてガキでしたからね「よく分かりません」って答えておきましたけど。

そこから1週間。
気合で営業していた飲み屋さんも、なにせお客さんが来ないので営業しなくなりまして、3日目か4日目についに私のバイトも中止と連絡がきました。

でもあの日あの時に見た閑散として人がいない渋谷の街がとても印象的で、私にとっての昭和から平成への流れは、なんだか異世界にでも紛れ込んだような気持ちにさせてくれました。

そんな思いで始まった平成ももうちょいで終わるのかぁ…と思って、ちょっと思い出した事を書いてみました。
新しい元号は何になるのか楽しみですね。