プロみたいなお話

私は昔からとにかく本が好きでした。

実家も商売やってて両親は夜の9時過ぎないと帰ってこないしテレビ見るのも飽きると、漫画とか小説とか片っ端から読みあさっているような青年時代をすごしました。

そういう多感な時期に考えるのは本好きな他の人と同じで「なにかクリエイティブな仕事に就きたい」とか「自分で本を出してみたい」とかね。今思うと笑っちゃうのですが、その当時はそんな事をぼんやりと考えてましたね。

 

で、その後紆余曲折があり今の仕事をやるようになりました。

でまぁ先日、フリーライドパーティーの宴会でこんなメンツで飲んだって書いたじゃ無いですか。

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有名どころの編集長とかライターさんとかが一杯いる飲み会。

ここでいろんな本や本の業界、そして誰のテキストが面白いとかね。そんな話になるわけですが、ここで私が結構辛辣な事を言ったみたいで編集長さんに「エイビットさんキツイ事言うねー」なんて言われちゃいまして(もちろん笑い話の一環としてね)

そこで私はこう言ったんですね。

「本を造るのはプロじゃ無いですけど、読む事に関しては年期入ってて読み手としてはそういうつもりで読んでますから」と。

ここで場が一瞬シーンとしちゃって「あ、やべ。飲み過ぎで変な事言ってる」と。

しかし、ここで言った事ってホントに普段から思っているんですよ。

今回は本の話だったので多少熱くなってしまってましたが、自分の職業にたとえても同じ事言えます。

 

私は「工具を売るプロ」ではありますが、ここを見てウチで買ってくれている人達は「工具を買うプロ」なんだと言う意識をいつも持っております。

まぁ情報とか工具にまつわる知識とかね、そういうのは私の方がちょっと上だとは思いますが、自分のおかれた整備環境とかもっと言えば家庭環境とかね。そういうのをひっくるめてみなさん工具を買ってくれるわけじゃないですか。

なので、そういう諸事情まで分からない私からしたら、みなさんが購入に際して「こうしたい」と思っている事になるべく応えたいと思っております。そこに上下関係とかあまり考えた事無いんですね。

 

もちろん今回のお話が全ての業界や事象に当てはまるとは考えてません。プロをプロとして頼ったりすることも当然とても良いことだと思ってます。

 

でも最初の本の話とかね。

私はつまらない本は読みたいと思いませんし、面白い文章にはお金を払って読みたいと思ってます。なので読む側からの意見ってのは作り手にたまにはがっつり伝えてもいいんじゃないかな?と。「ちょっと俺に書かせてみろ」とかじゃ無いんです。

みんなそういうクオリティの本をいつでも求めてますよって事が伝えたかったんですね。

 

今のご時世。

プロっぽい仕事がお金にならなくなってきてます。でもそういう人を望んでいる人もまだまだ多いんだって事を知ってもらい、そういう人達が問題無く食べていける世の中が続けばいいなぁと願います。