需要の高まる電動工具アダプター

10年ひと昔。
とはよく言ったものでして「そういえば10年くらい前はこうだったけど、今ではこんなに変わったよなぁ」と思うことって多いですよね?(というか多くなりましたよね)

車両整備の現場でもここ10年の変化というのはありまして。
個人的に特に変わったと思うのが電動工具の使用率ですかね。

それ以前でも電動工具自体の有用性はもちろんあったのですが、車両整備の現場で「使えたのか?」というと疑問が残る状況でした。
そもそも電動工具自体が木工や電設関連の需要から伸びた道具であり、設計もそれらに合わせた作りになっていました。
ですので例えば自動車のホイールナットの脱着の場合でもちょっとだけトルクが足りない電動工具が多く、またエアーツールに比べ自重が重くトルクが足りないという印象でした。
(これはニーズのある現場に合わせた設計でもあったので仕方ないのですが)

しかしここ10年の進化、そして自動車整備をとりまく環境(騒音問題等)の変化もあり、一気に車両整備現場での電動工具が普及したなと思います。

で。
そんな電動工具ですがやはりいまだに建築方面への需要が軸足にある関係で「インパクトドライバー」が普及モデルとしては購入しやすいんですね。
ですのでエアーツールによくあるインパクトレンチとは違い、ドライバービットを差し込む1/4HEXドライブに対応する工具の問い合わせがとても増えております。

やっと本題。

Ko-ken電動ビット

Ko-ken 電動インパクト用ソケット(1/4HEX差込)

こちらはKo-kenの電動インパクトドライバーに取り付け可能な1/4HEXドライブのソケット。

Ko-ken電動ビット

電動工具は鼻先が少し大きいので「ちょい長」のビットが使いやすく、このくらいの形状のものが好まれております。
また結構いろんなメーカーの同形状工具を販売してきましたが、このコーケンのがかなり強く安定した造りになっていておすすめしてます。

Ko-ken電動ビット

Ko-ken 電動インパクトドライバー用ソケットアダプタ

そして上記のようなソケットではなく手持ちのソケットを使いたい─とか30mm以上で使いたいとかならばこのソケット用アダプターもおすすめ。
ぶっちゃけ無茶な使い方してるとボキっと折れるのですが、プロメカさんで年に1本くらい、一般の人なら壊れる心配は多分大丈夫かな?というくらいには強度があります。

こんな感じで車両整備用に電動工具を検討している方はアダプターや専用ソケットを購入すれば問題なく使うことができますので、無理にソケット差し込みになっているインパクトレンチを買う必要はないと思います。

ま、あくまでも参考ですのでこういう方法もあるのか─くらいに思ってくださいませ。

エンジン式高圧洗浄機について

当店が商品開発に関わり発売以来人気となっております蔵王産業のエンジン式高圧洗浄機。
おかげさまで当店からご購入頂いた台数も数百台となっておりまして、初期に購入された方からのメンテナンスのご相談も多く受けるようになってきました。

エンジン式高圧洗浄機

蔵王産業 エンジン式高圧洗浄機『ヴィットリオZE』

屋外でバリバリ使っている人が多い機種ですからね、さすがに数年使っていれば不具合くらい出てきておかしくはありません。

軽めのトラブルくらいなら長年販売してきた経験から様々なアドバイスも出来ますし、また当店は個人店舗ということもあり気軽に電話で相談ってのも多いですね。

ただし…
この洗浄機って別に当店の専売モデルとかではないので他店で購入された方からも結構な頻度で相談をお受けしたりします。
(ネット通販で購入された人はそもそも電話みたいな直接のやりとり出来る相談が出来ないからだと思います)
もちろん少しの手間で解決出来る事なら問題はないのですが、何かウチがメーカーの直販店のような誤解をしている人も多く、かなり無茶な要求をされる場合もあったりします。

それでもね、なんとか出来そうならなんとかしてあげたいってのが本音ではあるのですが、やはり申し訳ないのですが当店で本体を購入されたユーザーさんを優先させてもらってます。

これは他店購入のお客さんに意地悪したいとかではなく「エイビットで買ってくれた人に全力でサポートしてあげたい」からなのでどうぞご了承ください。

それとは別に他店で購入された方への部品販売に関しては問題なく行っております。

蔵王産業エンジン式高圧洗浄機

蔵王産業 エンジン式高圧洗浄機 補修部品一覧

ポンプユニットをはじめとしたホースがガン等も大体在庫しておりますので部品購入に関してはお気軽にご相談ください。

ショートノズル

蔵王産業 エンジン式高圧洗浄機ヴィットリオZE専用 ショートノズル

そして当店オリジナルで販売している「ショートノズル」は現在欠品中です。
7月頃に再入荷の予定となっておりますので入荷しましたらまた告知させていただきます。

なんというかうまい言い方が出来なくて申し訳ありませんが、なんとなく言いたいことを汲み取って頂きご理解してもらえると助かります。

夏の注目工具箱

取り扱い以来、大人気工具箱となっておりますDeWALTのシステムツールボックスシリーズ「T-STAK」

DeWALT TSTAK

>>DeWALT T-STAKシリーズ特設ページはこちら

様々なタイプの樹脂製工具箱を縦に連結して使えるのは、想像している以上のメリットがあるようで、1個2個と様子見購入した方から後日追加購入していただくケースが多いのが特徴です。

特に人気なのがこちらの

DeWALT TSTAK

引き出しモデル。
1段と2段の2モデルがあり引き出し部にはベアリングレールを採用していて、樹脂製とは思えない使い勝手で大好評です。

使い方としても普段はガレージのラックに差し込んでおいて部品箱として活用。
出先での用事がある時は必要に応じて持っていく工具箱を選定(中身の種類も)出来るのでうまく活用すると今までの工具箱の概念が変わるとも言われました。

そんな便利で人気のシリーズの中でも、これからの季節の注目株がこちら。

デウォルトのクーラーボックス

DeWALT [T-STAK] クーラーボックス(キャスター付)

それがこの高性能クーラーボックス。

デウォルトの他のシリーズでは数年前から販売されているクーラーボックスでして、工事現場とかの屋外使用を前提として作られているので頑丈で保冷性能も最大3日間というなかなかのハイスペックです。

デウォルトのクーラーボックス

仕様としてはキャスター付のベースモデルとなりますので他の工具箱との相性も抜群。

デウォルトのクーラーボックス

こんな感じで人気の引き出し式と組み合わせてもいいですし、クーラーボックスとして単体での使用もOK

時期的にどんどん品薄になっていく事が予想されます。
欲しいって人はお早めにどうぞー。

アサヒのレボウェイブシリーズ

KTCにおけるneprosとかKo-kenにおけるZ-EALとかまさにそんな感じで自社のスタンダードなメインラインナップ以外に車両整備向けに特化させたシリーズってのがあります。

これにおける存在意義とかはいろいろあるとは思いますが、どの工具メーカーさんも本当はそんな面倒な事はせずにスタンダードシリーズをバージョンアップする事ができればいいわけでして…
しかし、それが出来ずに別ラインナップを立てる必要性があるわけです。

これが出来ない理由の大きなひとつがスタンダードラインナップが非常に酷使される現場で使われている事です。
それこそハンマーでガンガンしばかれたり、長めの鉄パイプを引っ掛けてグイグイ回されたりね。
もちろんそんなのどんな工具でもNGではあるのですが、いまだに業種によってはそういう事が当たり前に行われたりしてますからね。

で、工具メーカーさんってのはそういう現場でも使われる事があるって事を織り込んで工具を作っているってのが現状でして、そこに現代の車両整備のニーズに合うようなスタイリッシュな工具ってのはなかなか難しいんですね。

それでも現代の車両整備の現場からは「もっとスマートな工具が欲しい」ってな声も多く掛かるわけでして、この矛盾する現場からのニーズに応えるため苦肉の策といった形でグレードやシリーズ違いのラインナップの投入ってな事になっているわけです。

─前置き終了─

で、工業向けの工具が得意なアサヒからも現在同じような理由で出てきた新ラインナップであるレボウェイブが登場しております。

レボウェイブ

アサヒで有名な工具と言えば超軽量レンチシリーズであるライツールがありますが、このレボウェイブシリーズは使い勝手とかその辺を考えて作られたKo-kenのZ-EALみたいなグレードの工具だと思っていただければ理解しやすいかも。

アサヒ レボウェイブ コンビネーションレンチセット6本組

このレボウェイブの最大の特徴が人間の「持ち手」を考慮した設計です。

レボウェイブ

こんな感じで手の「握り」部分を削ったような特殊形状をしていて作業者目線で作られた工具になっております。

レボウェイブ

アサヒ レボウェイブ スパナレンチセット6本組

スパナのセットもサイズ豊富になっていてお買い得でもありますね。

レボウェイブめがねレンチセット

アサヒ レボウェイブ めがねレンチセット6本組

こちらはめがねレンチのセット。

実際に触ってみて実感して欲しいとは思いますが、工具自体はこの価格帯のものしてはかなり良く作り込まれております。
気になった人はぜひどうぞ。

工具のニーズと実情

今月の5月9日は語呂合わせで「工具(5/9)の日」とか言われてて、そんな日に合わせてなんとなーく私感を書いてみたりしたことが過去には何度かあるのですが。
正直この手のポストって書くのに時間や熱量が必要なこともあって、今年はもう書かなくていいかな…とか思ってました。
しかしお店に来るお客さんから「今年は何か書かないの?楽しみにしてたんだけど」とか言われてしまったので、遅ればせながら普段思っていることを書いてみようかと思います。

あまりにも広義なことは書きにくいのでちょうどタイムリーに身近で起こっていることでも書いてみますね。

近年私のもとには工具のメーカーさんから「こんな感じの工具を開発中なんですがアドバイス的なものはありますか?」等のお話が結構きます。
これは自慢話とかではなくメーカーの開発の人とかはエンドユーザーさんとなかなか接触する機会がないので、店舗で工具を売っていて直にお客さんと接している人からの情報を欲しがるわけです。
だからエイビットだけに聞くとかではなく、店舗をやってて意思の疎通が出来る人に聞いているってのが正しいかな。

ちなみに余談ですがこのときに工具のプロトタイプとか見せてもらうことがあったりしますが、何を勘違いしたのか「試作品を誰よりも早くSNSにアップだぜ」とかやる販売店さんがいます。
アホかと。
まだベータ品なのにSNSとかにアップして自己顕示欲マシマシなのとかを見るとホントにゲンナリしますね。
ちゃうねん、その試作品は結構な人数見てるねん、あなたが特別ではないのよ。(なんなら後日のネタとして使うかもだからみんな画像くらいは撮ってる)
でもみんな暗黙の了解で普通は表に出したりはしません。
もちろんメーカーから「どんどん出して宣伝してください」とか言われたら別っすよ。
ホントに勘弁して欲しいす。

─閑話休題─

でまぁメーカーの試作品とかアイデアにはいろんな情報が集まってきて徐々に形になってきたり、改良等が施されてきて製品になっていくわけです。
でも最近はSNSがあるじゃないですか。
メーカーの開発さんとかと別に広報の人間がこの手の情報とかをネット上で行うのを目にするようになってきました。

これがねぇ…
あまり良い結果になってないよなぁと思うわけです。
まず最も問題だと思うのがネットって結局「声のでかい人がイニシアチブを取りがち」ってことです。
特に工具という分野は「誰でもある程度語れてしまう」分野でして、例えばフォーミラーカーの制作している人と庭先で原付きをいじってる人が対等に論議出来てしまいます。
もちろんどちらが上とかはないのですが整備状況には大きな違いがあります。
工具に対する要望も違って当然なのですが、両者ともにネットに登場するとは限りません。
そもそもイチ個人が「僕の考えた最強の工具」って結局その人が良いと思ったことが詰め込まれているだけなので、いざ発売となったらあまり売れない場合が多く、もっと言えばその立案者さえも「あとここがこうなら…」とか「価格が高すぎるよ」とか言い訳ばかりで購入には至らないことが多い印象です。
(これは工具に限った話ではないかもですけどね)

あと店舗でもネットでも「この工具がこうなったら買うのに」とか言われることも多いのですが。
これも上記と同じ理由で限定条件下での工具の利便性ってあまり意味がないんですよね。
ただ誤解して欲しくないのですがユーザーの要望としては「こんな工具があったらいいのに」というのはどんどん言った方がいいとも思ってます。
例えば車両整備の現場でも日進月歩でいろんなことが進化していて、整備の事情も変わっていってますからね。それに伴う要望とかは貴重な意見でもあるわけです。
そしてそういった声をみなさんの想像の遥か上で実現するのが開発の仕事なんじゃないかなと思うわけです。

昭和から平成に掛けて一時は一斉を風靡したリサーチ式の商品開発ですが、分野を超えたお客様の多様化やネットによる距離感の違いによって現在は完全に崩壊したと思ってます。
ネットが普及して声を上げやすくはなりましたが、メーカーさんにはそれを上回る商品開発をお願いしたいですね。

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