曲がる工具

昔と比べると整備しにくくなった印象のある自動車の各部。
出来るだけ省スペースの中にいろいろ詰め込んだり、欧州車からの流れなのかやたらと保護カバーや化粧カバーがついたりして面倒は多くなっていると感じます。

そんな自動車整備の現場ではとにかく「工具が入らない」とか「そもそも手が入らない」とか大変でして、そういう箇所向けに補助工具が出ております。

今回の曲がる工具もまさにそれでして、近年問い合わせも多く人気のボールジョイントタイプのアダプターを紹介します。

Z-EALボールジョイント

Z-EAL ユニバーサルジョイント(ボールタイプ)1/4・3/8・1/2

本来の「ユニバーサルジョイント」という意味ではちょっと違うボールジョイントのアダプターです。(まぁ公称って事で工具の業界ではユニバーサルジョイントで話をしてます)

いわゆる普通のユニバーサルジョイントと違ってボールジョイントは使い方を気にせずグリグリと動いてくれるので人気ではあったのですが……
いかんせん、ロックピン1本で保持する構造上どうしても耐久性がなかったんですね。

Z-EALボールジョイント

そんな弱いイメージがあったボールジョイントですが、Ko-kenが新しく作ったボールジョイントは違いました。
従来の弱点であった弱さを写真のように6面のスプライン構造にしまして、最大トルクを大幅にアップ。
これによって「よく動いて使いやすいけど、弱い」ボールジョイントが「よく動いて使いやすくて強い」工具に生まれ変わったんですね。

Z-EALLダブルジョイント

Z-EAL ダブルジョイントユニバーサル 1/4・3/8

そしてそんなボールジョイントにさらにこんなのもあります。
その名も「ダブルジョイント」です。

Z-EALLダブルジョイント

まぁ見た通りダブルにジョイントが付いていて片側の最大曲げ角50°を誇る新発想の工具です。
この構造の優れているのがあまり語られる事がありませんが実は全長です。
ダブルにジョイントしてるのでシングルに比べたら長くなるのは当たり前なんですけど、25°ずつカクンカクンと2度曲がってるこの形状は整備の現場ではかなり重宝する存在です。

そして逆に全長が出てしまうのが駄目な箇所ならこんなのも選択肢として存在します。

Z-EAL3/8ユニバーサルソケット

Z-EAL 3/8ナットグリップ ユニバーサルソケット

曲がってからの「アダプターにソケットを差し込む」というのを廃したソケット直付けモデル。
極狭所で威力を発揮するソケットでしてさらにナットグリップ機構まで付いています。
これなら従来ソケットでは外せなかったような箇所での作業がかなり楽になると思います。

まだまだ曲げて使える工具ってのはいろいろあります。
頭を柔軟にして工具で対応出来る箇所は工具でなんとかしてしまいましょう。

 

アサヒのエアーゲージのオプション品

少し前にフルモデルチェンジを行い内部をリファインしたアサヒのエアーゲージ「ゲージボタル」
メーカーサイトを見ると工業系も含め様々なゲージとその先端であるチャック部分の設定があります。
当店としてはその中でも車両整備に関係ありそう、または便利そうなものをセレクトして紹介しておりますが。
今回は最近登場した新しいオプション品も交えて再紹介。

アサヒエアーゲージ

アサヒ エアーゲージ ゲージボタルEX

一昨年に商品名のあとに「EX」がつき20年ぶりくらいにフルモデルチェンジをした国産アサヒのゲージボタルシリーズです。
業務用としては9割近いシェアを誇る超オススメゲージでして、何を買うか悩んだらとりあえずこれを買っておけば問題ないという鉄板商品です。

アサヒエアーゲージ

いろいろ細かな変更点はあるのですが視覚的に最も変わったのがこのゲージ部。
以前のモデルよりも視認性が優れていて直感的に見やすいゲージになってますね。
(赤と青は最大圧が違います)

アサヒエアーゲージ

エアーコンプレッサーに繋げばエアーの出し入れもOK。
逆にコンプレッサーに繋がなくても「測定」と「エアー抜き」は出来ますので個人所有でも十分に活用出来ると思います。
エアーの出し入れは今や業界標準となった「ちょい押し」と「全握り」で区別されてまして、手を持ち替える事なく作業が出来るようになってます。

先端のチャック部品も充実

アサヒエアーゲージ

先端部分のエアーチャックも種類が増えていろいろ使えるようになりました。

アサヒエアーゲージ

またそのエアーチェックの交換もワンタッチで行えるチャックカプラーもラインナップ。

そしてこの先端チャックシリーズにプロショップから絶賛されているクリップ式のサイドチャックが登場しました。

アサヒサイドチャック

アサヒ エアーゲージ用 クリップ式2輪車用サイドチャック

従来品でもクリップ式のサイドチャックはあったのですが、ヘッド部分がかなり長くなってしまいサイドチャックの意味が無いような感じでした。
その点これはヘッド高で31mmとかなり短く手放しエアー管理でかなり重宝する存在だと思います。

アサヒサイドチャック

よく見ると内側に爪のようなものが見えると思いますが、これが両側についていて押し込むとカリカリカリっとエアーバルブに装着固定出来ます。
バイクの一般整備にはもちろんタイヤ組付けの現場とかでもすごく便利ですよね。

そしてタイヤバルブ、俗に言う虫回しでも新型が登場しております。

アサヒ ソケット タイヤバブル虫回し(ホールドタイプ)

アサヒ ソケット タイヤバブル虫回し(ホールドタイプ)

それがこのソケット型をした超ショートのバルブレンチ。
バイクの虫回しだととにかく全長の短さが重要でして

アサヒ ソケット タイヤバブル虫回し(ホールドタイプ)

バイクだとバルブがホイールセンターにあるので長く真っ直ぐな虫回しでは入らない場合が多いのです。
その点この超ショートならこの通り。

アサヒ ソケット タイヤバブル虫回し(ホールドタイプ)

また自分でタイヤの組み換えを行う機会が多いバイクの場合だと、バルブを抜き出し事も多いのでバルブホールド機能もかなり重宝します。
こういったWeb記事の説明だけだとなかなか良さは全て伝わりませんが店舗で実物見た人にはかなり好評ですね。
エアーゲージを購入する際にはぜひとも一緒に検討してもらいたいオススメ品です。

ってなわけで季節柄タイヤ関連の工具の問い合わせが増えております。
ぜひエアーゲージも含めご検討くださいませ。

トルクレンチ用のアダプター

トルク管理をきっちりやりたい作業ではトルクレンチの使用をオススメしますよって事はこのブログでも何度か書いてきました。

しかし、トルクレンチが種類を問わずに基本的に「ラチェット形状」をしているために、使用する工具はソケットに限られてくるわけでして……
これがソケット自体が入らないような箇所の場合、なかなか悩みどころなんですね。

まぁそんな時に便利なのがヘッド交換式のトルクレンチ。

東日ヘッド交換式トルクレンチ

ヘッド交換式トルクレンチ一覧

これを使えば「スパナ」だろうが「めがね」だろうがヘッドを交換して使えますので、ほとんどの場合解決に至ります。
1年に一度くらいしかこういう場面はないよって人でも、ラチェットヘッドまで含め購入してしまえば充分に買う価値のあるトルクレンチだと思います。
>>ヘッド交換式トルクレンチに関しての記事はこちら
しかし「使っても一度だけかな」なんて人にはなかなかハードルが高いのも事実。

そんな時に便利なのが「トルクアダプター」と呼ばれる普通のトルクレンチに取り付けて使うアダプター類。

アサヒクローフット

ASAHI 3/8クローフットレンチ

スパナヘッド形状のこれとか…

ネプロスクローフット

nepros 3/8クローフットレンチ

フレアナットレンチ形状のこれとか…

TONEトルクアダプター

TONE 3/8オフセットめがねレンチアダプター

めがね(リングヘッド)レンチのこれとかですね。

TONEトルクアダプター

使い方はシンプルでして、こんな感じにトルクレンチの先に取り付けるだけ。
ぶっちゃけていうとクローフットくらいの全長相違なら換算も必要ないと思いますが、このリングヘッドくらい長さがある場合には設定のトルク値が変わってきますので換算が必要になります。

トルク値換算

例(有効長150mmのトルクレンチで10N・mで対象物を締め付ける場合)
A(有効長):150mm
B(口径部からドライブ中心までの距離):30mm
必要なトルク値:10N・m
トルク換算式:150÷(150+30)×10≒8.3
トルクレンチを8.3N・mに設定すると10N・mで締め付けられます。

参照サイト:KTCの使い方説明ページ

換算の仕方はこんな感じ。
このトルクアダプターの場合、有効長が51mmありますので換算が必要だと思います。

こんな感じでソケットが入らない場所でのトルク管理を諦めていた人でも、工夫次第ではトルクレンチを使うことが出来ます。
どうしたらいいのか悩んでいた人はこの機会にぜひどうぞ。

タップ&ダイスのハンドル問題

整備をする者にとってタップ&ダイスってのはあると非常に助かる存在なのですが……。
なんかそれを回すいわゆる駆動系工具って進化があまりないんですよね。

なんか野暮ったいセットに付いてるおまけのハンドル使ってたりとか、とにかく使いにくい。
ましてそれが狭所とかになると悲惨でして工具が回せないなんてホントによくある話でした。

で、そんな悩みを解決してくれる工具としてKo-kenからタップ用のソケットがラインナップされているのは以前お話した通り。

Ko-ken_tapsoksetXX4

Ko-ken タップホルダーソケット

これ使えば今までタップ作業が出来なかった場所でも可能になってとっても便利。
3/8差し込みもついてるので普通のラチェットやTハンドルで回せるのも良いですね。

またこんな。

Ko_tap2HHX1

Ko-ken 3/8アジャスタブルタップホルダー

アジャスタブル機構の付いたモノも出ていてタップに関しては工具の選択肢はいくつかある感じです。

 

で、実は問題なのがダイス。
ただでさえダイス本体がそこそこの大きさだし、スタッドボルト前提だと奥行きも必要…。
良さそうなものがなかなかないんですが、これもKo-kenからひっそりと出ておりまして。

Ko_dicesokX1

Ko-ken ダイス専用ソケット

見た目はちょっとな感じのソケットですが、これが超便利。

Ko_dicesokX3

こんな感じでダイスをセットしてあとはソケットのように回すだけ。

奥行きもそこそことってあるのでちょっとくらいのロングボルトでも問題ありませんし、レンチを掛ける所もあるのでいざとなれば長いスタッドもOK。

実は他のメーカーですでに出ていたのですが、これをKo-kenで出してくれたのが嬉しいですね。
お店でも地味に売れ続けている人気工具のひとつです。

DeWALTのT-STAK工具箱の大きさ

発売以来人気のDeWALT(デウォルト)のシステム工具箱「T-STAK」シリーズ。

DeWALT TSTAK

様々な樹脂製工具箱の種類があり組み合わせは自由。

DeWALT TSTAK

DeWALT T_STAK特集ページはこちら

そのおかげか多方面の業種の方から引き合いがありまして、いろんな組み合わせを見せてもらってこちらも販売していて楽しい工具のひとつです。

中でもやはり「引き出し式」のチェストモデルはダントツの人気なのですが、次いで人気なのがこのラージボックスモデル。

ラージボックス

DeWALT [T-STAK] オーガナイザー(ラージボックス)

いわゆる放り込み系の容量大きめの工具箱って便利なんですよね。
しかし店舗まで見にこれる人ならまだしも通販で購入する方からは「寸法は記載でわかるけど実際どうよ?」という問い合わせも頂いております。

そこでちょうどというかお客さんがマキタのマックボックスを持ってきて寸法合わせをしたいと言われたので写真を撮らせて頂きました。

デウォルトとマキタ比較

一番上がマキタのマックボックの一番大きいモデル。
下になっているのがデウォルトのラージボックス。
(一番下はタイヤ付のモバイルツールボックスです)

デウォルトとマキタ比較

パッと見は幅、奥行きともに同じに見えましたが、よく見てみるとマキタのほうがちょっとだけ小さいんですね。
ひと回り小さいってよりは薄皮1枚分小さいって感じ。

デウォルトとマキタ比較

蓋をあけてみるとその違いは結構顕著でして明らかにデウォルトの方が大きいですね。
(モバイルツールボックスはさらに大きいです)
マキタのマックボックスは丸鋸等の大型電動工具が収納出来るように設計されてますので、それよりも少しだけ大きいデウォルトなら電動工具関連では困ることはなさそうです。

あと触っていて思ったのが素材の違い。
マキタのはいわゆるプラスチック素材って感じでカチカチなんですが、デウォルトのは自動車のバンパーとかで使われるPP素材なので柔軟性が違うなって思いました。
実際比べにきたお客さんもDeWALTを購入してくれました。

売り始めてからかなりの数を販売しましたが、販売後の評価も高く追加購入する人も多いです。
個人的にもおすすめの工具箱だと思いますよ。