PBのクラシックグリップについて

PBっていうメーカーはたまーにやるのですが今回も出ました「日本限定販売」
まぁ完全無欠のオリジナル品ってわけではなく絶縁シリーズであったスイスグリップの細身のモデルの型を流用しての制作ではありますが、それでもこういう細身なグリップのニーズって日本では結構あるのでなかなか良いドライバーだと思います。

PBスイスグリップクラシック

PB スイスグリップクラシックドライバー

欧米各国のメカニックに比べて比較的手の小さな日本人には昔から「握りのコンパクト」な工具が好まれる傾向がありました。
ですので今回の細身なクラシックスタイルは店舗でもかなりの高評価を頂いております。

PBスイスグリップクラシック

ちなみに「なんでこれがクラシックなの?」と思う人もいるかと思いますが、上の画像の真ん中が現存する最古のグリップである100系と呼ばれるものです。
PBってメーカーは新しいグリップが出ても古いモデルを無くしたりしないので今でも普通に買えるのですが、この透明な100系グリップは少し細身なんですね。

握りが細い100系グリップは今でも一部の人に人気があって普通に流通しております。
で、この細い100系グリップの形状で最新の臭くないスイスグリップの素材で作ったら……ってのが今回のスイスグリップクラシックドライバーってわけです。
(100系は元祖臭いドライバーです)

PBスイスグリップクラシック

さすがに日本限定品なのでフルラインナップとまではいきませんが、日常的に使うサイズは揃っております。
また価格もなんだか通常のスイスグリップよりも安いので「持ち出し用のもうワンセット」として購入していく人も多いですね。

PBスイスグリップクラシック

個人的には地味にラインナップされているプラスの#2のちょいロングである150mmモデルがツボでした。(画像下)
特にバイク整備をメインでやる人にはこの長さって使いやすいですからね。
日本限定品ですのでいつまで販売するのか分かりませんから欲しい人は今のうちにどうぞ。

あ、そうそう。
現在限定特価品として↓

PBスイスグリップクラシック

PB スイスグリップクラシックドライバー 限定4本セット

専用ケースに入った4本組が販売されております。
他の単品を含めフルラインナップで欲しいって人もこのセットを購入して追加ってのが良いと思います。
こちらのセットは完全限定品ですのでなくなり次第終了となります。

蔵王産業ヴィットリオZE ─ バルブまわりの不具合修理 ─

先日お伝えした蔵王産業のエンジン式高圧洗浄機「ヴィットリオZE」のマイナートラブル対処法についてエア抜きバルブの件で「もうちょっとくわしく」という要望がありましたので説明させて頂きます。

エンジン式高圧洗浄機の注意点

蔵王産業エンジン式高圧洗浄機

エアー抜きバブルはこの指の部分の白いダイアルですが、この部品の根本に逆流防止の逆止弁が付いていて、それが固着した場合に「水圧が落ちるor水が出なくなる」等の症状が発生する場合があります。

これの対処は各自で出来る簡単なものですが、今回は少しばらして構造を理解して頂ければ更に分かりやすいかな?と思いっての投稿となります。

蔵王産業エンジン式高圧洗浄機

先程のバブル本体を取り外すとこんな感じ。
金色の部品が逆止弁となります。

蔵王産業エンジン式高圧洗浄機

外す時は本体のこの部分に付いてますのでモンキー等で静かに外したら、さっきの金色の逆止弁&バネを無くさないようにしてください。

蔵王産業エンジン式高圧洗浄機

部品構成はこんな感じ。
メインのバブルとエアー抜きの白いバブル、そして逆止弁となります。
この逆止弁が水のカルキ等で固着することによって動かなくなり、水圧の低下をまねく原因となります。
逆に使用頻度の高い人はあまり不具合でないですね。

なんか調子悪いな…とか感じたらこのようにばらして洗浄して再組付けすれば直る場合が多いので試してみてください。

蔵王産業エンジン式高圧洗浄機

綺麗に洗浄したらこのように仮組みした状態でセットしてあげればOK
取り付けにくい場合には洗浄機本体を一瞬横倒しにしてセットしてあげるとやりやすいです。
逆止弁がスコスコ動くようになれば正常な水圧に戻ると思います。

このマイナートラブルが結構王道なトラブルなのですが、これをやっても解決しない場合には当店までご連絡ください。
(当店購入の方に限らせていただきます)

研磨作業前の下準備

当店は20年以上前の開店直後から金属の鏡面加工補助工具であるオフセットサイザルをあれこれ試しつつ販売してきた経緯もあって研磨系の工具の問い合わせや注文が多いんです。
もちろん過去に自分自身で行った経験のある範囲内では、研磨工具の選定から磨き方まで問い合わせにお答えするのですが。

中には「えっと……それって…」というやばめな質問も来たりして少しだけ困ってしまう場合があります。
例えば

「サイザルを買いさえすれば鏡面出来るんでしょ?」

みたいな質問。
いやー無理っしょ、サイザルは便利ですけど下地を作る気もなけりゃ、工具の入らない箇所では手磨きすらする気もないと言われたらこっちもお答えしようがないんです、はい。

オフセットサイザルはあくまでも「加工の補助工具」であって鏡面出来る万能工具ではないわけです。
なのでせめて手で磨くだけの物の準備ですよね、それはヤスリとかブレーキクリーナーとか液体系の研磨剤とかね。

その辺を揃えて最低でも手で全部磨けるくらいの準備をしたうえで、サイザルとかの補助工具は威力を発揮するわけです。
まぁこちらとか読んで頂けると少しは分かってもらえると思いますので是非ご一読くださいませ。

まぁ…とか言っても実際には研磨に正解はないので好きなようにやってもらっても良いんですけどね。
ぶっちゃけやり方や順番くらい間違えても結果綺麗に磨ければOKです。
でも「工具=便利」と「工具=万能」とでは全く違う話になってしまうので、そこだけは理解して欲しいと思います。

 

で、今回はそんなわけで少し基本というか「せめてこれくらいは持っておいて欲しいもの」を一つ紹介。
価格も安いし適当な紙やすりを揃えるくらいなら絶対にコレがオススメ。

ケンマロンスーパー 3枚セット

いわゆる研磨布でして、もっと分かりやすくいうと紙ヤスリの布版みたいな感じ。
この研磨布の最大のメリットは、写真で見たとおり網目状になっているので目詰まりしない事。(正確には目詰まりしにくい)

特にアルミ材のような削り粉が細かく粘るような物の場合、この研磨布ならば連続使用出来て便利です。
大きさもハサミでカットして使えるので狭い場所でも便利に使えます。

また鏡面研磨とかは関係ないよって人でも錆落としとかブレーキシューの粗取りとか、工具箱の中に小さく切って入れておくと結構重宝すると思います。
ここで紹介した3枚セットは当店がオリジナルに組んでいる番手違いの3枚組となっております。
持っていて損じゃないのでぜひご検討くださいませ。

エンジン式高圧洗浄機の注意点

2020年の3月から売り出した蔵王産業のエンジン式高圧洗浄機ですが、おかげさまで好評のまま1年ちょっとが経過しました。

蔵王産業エンジン式高圧洗浄機
蔵王産業 エンジン式高圧洗浄機『ヴィットリオZE』

当店も深く開発に関わったモデルですのでみなさんが気に入ってくれて売れているのはめっちゃ嬉しいです。

現在は昨年末にリリースした当店オリジナルの「ショートノズル」も販売好調です。特に新規で本体を購入されるお客様の8割以上がショートノズル付きのセットを購入してくれてて、作ってよかったなってのが本音です。

そんなわけでかなりの台数を販売させて頂きまして、また少しですがFAQ的なものも増えてきましたので今日は2つ書いておきますね。

蔵王産業エンジン式高圧洗浄機

まずひとつめ。
これは使用頻度が低めの方にまれに出てしまう症状でして、おおよその理由が分かってきたエア抜きのためのリリーフバルブ付近のトラブル対応に関して。

この指を差している箇所の白いバルブがエア抜き用のリリーフバルブなのですが、この白いバルブが付いている根本のシルバーの部品の根本にスプリングバルブが内蔵されております。
機能としてはポンプから排出される高圧水流の戻り防止のための逆止弁なのですが、このバルブがたまに固着してしまう事があります。
固着してしまうと最悪水が全く出なくなったり、水圧が極端に落ちたりします。

これの対処法としては。

・このバルブ自体に振動や軽い打撃を与えてみる。
・水のインプットを水道にして圧を掛けてみる。

のどちらからで高確率で直ったりします。
まぁスプリングで押さえられた止水バルブが噛み込んで固着しているだけなので「コンコン」って軽く叩いてあげたり、水道水の圧力で無理やりリリースしてあげれば普通に使えるように戻るわけです。
不具合が出た場合でもご自身で簡単に試す事の出来る処置ですので覚えておくといいと思います。

 

そしてふたつめ。

蔵王産業エンジン式高圧洗浄機

このノズルも実は「水圧が急に弱くなった」という問い合わせの件に絡んでおります。
このノズル、持っている方なら分かると思いますが画像のように左右に回す事で水流の幅調整が可能になっており洗車にはかなり便利なので、このノズルをメインで使っている方も多いと思います。
で、このノズル。
実はもうひとつ機能がありまして……

蔵王産業エンジン式高圧洗浄機

こんな風に「前後」にも6~8mmほど動かす事が出来ます。
この前後に動くのがわりと微妙な動きなのでちょっと分かりにくいのですが、この前後の動きは「水圧調整」をしております。
ノズルを前後の動かしてみると全開で「ドバー!」と出たり、最弱で「ジョロジョロ」って出ると思いますが、最初から機能として付加されているのです。

これが分かっていない人が結構いまして購入後に「急に水圧が…」って問い合わせに繋がったりします。
ですのでそんな事がありましたらとりあえずノズルを一度前後に動かして確かめてみてくださいませ。

ちなみになんでそんな「ジョロジョロ」なモードがあるかと言いますと、このジョロジョロにしてあげるとちょっとだけ噛んでしまったエアーを抜く事が出来るんです。
上で紹介したエア抜きバルブを開け締めするほどではないエア噛みの時は試してみてくださいませ。

ってなわけで大好評絶賛発売中のエンジン式高圧洗浄機。
ご検討中の方はぜひどうぞー。

ホースバンドの工具事情

いわゆる定番系が多い工具の世界でも「流行り廃り」とかはありまして、現在工具のメーカーさんが注力してるなーって感じさせてくれるのはホースバンドツール。

特に欧州から始まったネジを回して締め込むタイプのホースバンド撤廃の流れが、いつぞやのTORXネジ戦争のようになってきていて販売する側も注目せざるを得ない状況になってます。
(TORXネジが世界規格になるまで各国が自分のところの新規ネジを世界共通にしようといろいろ出まくった時期があったんです)

このブログでも何度かホースバンドなお話は書いてますが、また更新しておかないとって感じなので、多少焼き直しも含め、そして自分への忘備録的な意味でも書いておきますね。

まずは国内でも多く採用され世界的にも汎用性の高さで採用率の高いバンドに対応したのがコレ。

KNIPEX スプリングホースバンドプライヤー

すでに定評のあるKNIPEXのウォーターポンププライヤーの先端をホースバンド用にした専用工具です。

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専用工具としてはそこそこ高価な工具なのですが、写真のようにかなり高張力なバンドまでいけるのでさまざまなバンドに対応するならこれがオススメ。

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KNIPEX スプリングホースクランププライヤー180サイズ

ちなみに上記のホースバンドプライヤーには少し小さい180サイズが出ておりまして、現場の方からは絶賛を頂いております。

そして車両整備の現場、とくに自動車関係の方からの支持が多いのがこれ。

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KTC ホースクリッププライヤー

KTCのホースツールはなにげに改良&進化してて侮れない存在です。
カタログを見るとホース用工具の種類の多さにも驚かされますね。
実際シンプルながら使い勝手がよくて2タイプ購入する人も多いですね。

 

そして近年すっごく問い合わせが増えているのがクリックとかコブラとか呼ばれる、ワンタッチ型のホースバンド対応の工具。
(上記の張力バンド対応モデルと似てますが先端のチップが違う別製品です)

KNIPEX 欧州車対応ホースクリッププライヤー

主に欧州車で使われているワンタッチ式のクリッククランプバンドに対応した専用工具です。

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先端部分に専用のチップが付いていてワンタッチクランプの取り外しはもちろん、取り付けも出来ます。
このタイプのバンドは専用工具がないと脱着に関してはかなり厳しいので、関係ありそうな人は揃えておくことをオススメします。

 

そしてさらにみんながなにげに苦労してて探してたんだよーって言われるのがカシメタイプのこれ。

KNIPEX クランプホースバンドプライヤー(カシメ用)

いわゆる「ヤットコ」なんだけど、カシメクランプの代表であるOETUKER社(オエチカ)のクランプ向けに作られていて、実際に使ってみると汎用のヤットコとは全く別物。

この画像ではちょっと分かりにくいけど、写真のように正面からカシメる事も出来て、さらにサイド部分でも横側使ってカシメる事が可能。
汎用のドライブシャフトブーツでも使えるとの事でお店でもかなり問い合わせが多くなっております。

ホースバンドのために工具をそんなに揃えるの…って思う人も多いと思いますが、実際プロの現場ではホースバンドとの戦いが日常ですので、買い揃える人もすごく多くなってます。
まだまだいろんな種類があるみたいですが、現状では上記のが揃っていればなんとか対応出来るかな。
ホースツール関連はアップデート率が高いカテゴリーなので、また何かあったら紹介したいと思います。