1/4HEXビット

本格的な梅雨で毎日憂鬱ですけど、工具の問い合わせは日々増えております。
多分こういうタイミングで整備をすすめている人が多いんですかね。
で、そんな問い合わせの中では持ち出し工具の相談もこのところ多くて、みなさん自分にあった工具の選定に真剣です。

今回はそんなお出掛けの工具では必須のビットのお話でもしてみましょうかね。
当店でも一番人気なのがPBのポケット差し替えドライバーのインサイダー。

pb_6460a

PB ポケット差替ドライバー

このブログでも何度か書いてますが基本的な工具を揃えて持ち運ぼうとしたときに結構かさばるのがドライバー類。
なにせ1本ずつにグリップが付いているので最小本数に選定したとしてもかなりかさばります。

その点ビットで差し替えが出来るこの手の工具はグリップ1個あれば良いので、かなりコンパクトに収納する事が出来るわけです。

で、このビット。工具初心者の方から良く聞かれるのが差込のサイズ。
ビットというのは大抵根本が六角になっておりまして、当店HPでも「1/4HEXビット」とか紹介してますが、これは他のメーカーにも流用可能なのかどうか?とか質問を受けます。

2015_presisionbits_header_05

1/4HEXビット各種

ちなみにこの1/4ビットとは六角形の2面幅の寸法を言ってまして、1/4インチですからミリに直すと6.35ミリのビットサイズとなります。
この1/4HEXビットは基本的に世界共通規格でして、例えば他メーカーのビットドライバーと併用する事も可能。
(もうちょっとちゃんと言うと1/4と5/16の2種類ありまして、本流は1/4で少し大きいのが5/16の8ミリくらいのビットです、ショックドライバーとか使われているのは大きめの5/16ですね)

そして使えるかどうかの質問に関しては「ほぼ流用可能で大丈夫」が正解。

「ほぼ」というのは少々例外がありますよって事でして・・・・例えばこんなヤツ↓

anex_actionXX3

このANEXの差し替えドライバーも差込は1/4HEXなのですが、純正付属ビットが両頭ブレード(前後がプラスマイナス)を使っている為に「奥行き」が少し長いんです。
なので上で紹介したPBのナノコートビットをそのまま使うと潜り込んでしまって使う事が出来ません。

このように同じ1/4ビットでも「奥行き」の違いから、使う事が出来ない工具もありますのでその点だけは注意してください。
スタンダードな1/4ビットを流用したい場合はマグネット式のホルダーになっていてば大抵大丈夫だと思います。

ビットを差し込む奥行きの違いだけはカタログ数値にも載ってない場合がほとんどです。
よく分からなくて心配だなーなんて思う事あれば気軽に問い合わせくださいませ。

久しぶりの日曜日走行

一昨年くらいから、お店の顔である私がお店にいない事がある。
と、いう状況をなるべくなくそうとおもいまして、土日や祝日に行われる走行イベントにはあまり行くことがありませんでした。

この事自体は今でも良かったと思ってますし、事実私に相談したい&聞きたい等で来店してくれる人も多いので良かったと思っているのですが・・・。
やっぱりたまにはね・・・たまにはみんなが行っているイベントに顔出したりしたいわけです。
(もっというと本音はみんなと走りたい)

で、昨日の日曜日はチョー久しぶりに群馬県藤岡市にある日野カントリーオフロードというコースで行われたナグモの走行イベントに顔を出してきました。

IMG_4032

ウチのお客さんも数名混じって全部で20名近い参加者で盛り上がりました。
それこそ昨日はオフロードというか「土の上を走るのが初めて」なんて人までいて、もうマッタリ楽しくみんなで走行。

お昼過ぎには急遽参加してくれたAAライダーの出口選手が「みんなの弱点相談スクール」を開催してくれました。
これは私の提案だったのですがぶっちゃけ30分もやればみんな満足かな?と思ってたら、1時間半近くみっちりとw
走りを見てからデグのアドバイス&練習メニュー提案があり、みんな熱心にデグハヤ先生に意見を求め殺到してましたね。
(デグはそのせいで1時間半バイクにも乗れずにしゃべりっぱなし)

IMG_4036

デグハヤとナガチャン。

当日はナグモのナガチャンが用意した試乗車も多数あってみんなホントに楽しそうでしたね。(バイク持ってきてない人もいたけど楽しめたみたい)

私はというと久しぶりの一日走行で今日は全身筋肉痛でございます。
いやーこういう嬉しい痛みはいつでもOKっすわ。
誘ってくれてありがとうございました。

小判型ラチェットの修理&メンテ

工具の専門店として営業しておりますと各種工具の修理依頼やメンテナンスの方法などの問い合わせが入る事があります。
コンプレッサーやジャッキとかの大物はもちろんなんですが、小物系だとラチェットの修理依頼が多いですね。

先日も1本お願いされまして、ついでなのでそのやり方と日々のメンテ方法でも書いてみようかと思います。

IMG_2291

今回の修理の相手はKTCの36ギア小判型ラチェット。

個人的にはかなり好きな部類のラチェットでして、小判型としては教科書通りの作り方がされてますので他メーカーのラチェット修理にも参考になると思います。
まずこういう小判型のラチェットが壊れてしまう(調子悪くなってしまう)原因の多くが「汚れ」や「ホコリ」の混入です。

小判型ラチェットってかなりギチギチに作られていて、そのおかげで大トルクを受け止める事が出来るのですが、金属同士の接触面にゴミや埃がはさまるとギアの歯が半掛かりになったりしてギア欠けの原因になるんですね。

で、このラチェットも中身はかなりゴミや埃がイッパイでして・・・。

IMG_2292

全バラするとこんな感じ。メインギアは作動不良によるギア欠けが見て取れます。
ここまで摩耗してしまうと「交換」しか手が無く、今回はフルO/Hになりました。
(メインギアに損傷があるくらいまで疲弊していた場合、他の部品交換を怠ると結局同じ事になりますので出来るだけフルで交換してあげてください)

ちなみに。

ここまで開けた時点でギアに欠損等が無ければパーツクリーナー等で綺麗にしてあげて油を差して上げればOK。それだけでギアの動きは復活します。

このとき注意したいのが

  • CRCやラスペネ等の潤滑剤を使わない事。
  • グリスのような粘度の高い物も使わない事。

この2点を厳守ですね。
このふたつの潤滑剤はどちらもゴミや埃を巻き込みやすく後日作動不良の原因になりやすいです。(高粘度のグリスは熱が掛からないラチェットの場合、ギアの掛かりを悪くします)

なのでミシン油やコンプレッサーオイルのような緩いオイルをチョイチョイっとかけてあげればOK。

前兆としては不意にギア飛びしたり反転時にカチンと音がしなくなったら油分切れかゴミ混入なのでやってあげてください。
それも面倒な人は使用後にたまにでいいのでエンジンオイル等にどぶ漬けしちゃってもいいです。
(新油だと粘度が高いので廃油とかでOKです)

IMG_2294

で、せっかく全バラなので隅々までお掃除。
パーツクリーナー等で丁寧に磨いていきます。

と、ここまで書きましたが小判型の場合、ここまでバラすと一般の方は組み込めない可能性があります。
パウル(小ギア)を留めているボールとスプリングが治具がないと組み込みがすごく難しいんです。

そういう場合には当店でも良いしプロの工具店を頼ってみてください。
(出来ればバラバラにする前にお願いします)

IMG_2295

フルO/Hなので気持ちよく部品も全交換。
古いギアと新しいギアの角のとんがり具合が違うのが分かると思います。

KTCの場合2000円ほどでO/Hキットが手に入りますので、ひどい場合にはサクっとやってしまうのが良いと思います。

IMG_2296

フタをしめる前に仮組みの状態にしてから作動油をさしてあげてカリカリ馴染ませれば終了。
今回は部品全交換でしたのでオイルを多めに入れてあげて染み出すくらいで仕上げました。

小判型は壊れる前にちょいと洗浄して注油してあげればなかなか壊れる事は無いんですね。
たまにでいいのでメンテしてあげてくださいませ。

そしてこういう事こそ工具の専門店を頼ってみてください。(ウチじゃなくてもいいので)
いろいろな情報やコツを教えてくれると思いますよ。

ホースバンドツール

例えば最近の自動車。
ボンネットあけて作業しようとしても・・・「これ外して」「こっちも外して」と目的の作業まで結構面倒な事が多くなってます。

その中でもパイピング系は外してどかして・・・ってのがひと苦労なんですね。

で、そんな影響なのかホースを留めているホースバンド用工具の問い合わせが多いです。
最近のオススメだとこれ。

kni_horsCL6

KNIPEX スプリングホースバンドプライヤー

すでに定評のあるKNIPEXのウォーターポンププライヤーの先端をホースバンド用にした専用工具です。
専用工具としてはそこそこ高価な工具なのですが、写真のようにかなり高張力なバンドまでいけるので現場での評価はかなり高いですね。

そして最近発売されて問い合わせが多いのがこれ。

ae932

KTC ホースクリッププライヤー

今までもKTCではホースバンドツールをだしていたのですが、大幅に改良されさらにコンパクトモデルまで登場。
とくにこのショートベントモデルは欲しかった人が多いみたいで掲載後に特に問い合わせが多いですね。

 

そしてちょっと毛色の違う工具ですが、同じくホースバンド用として静かに売れ続けているのがこちら。

kni_8551250ca003

KNIPEX 欧州車対応ホースクリッププライヤー

主に欧州車で使われているワンタッチ式のクリッククランプバンドに対応した専用工具です。
見てわかる通り上で紹介したKNIPEXのバンドプライヤーと同形状なのですが、こちらは先端のチップが専用品となっております。
(交換して使えません)
この工具に関しては代用があまり効きません(外すのは壊せば出来るけど、取り付けが出来ない)のでご自分の整備環境にこのクリッククランプが出てくる場合には購入を考えておいたほうがいいと思います。

もちろん他にもいろいろありますが、こんな工具あったよなーって覚えておいて頂けると嬉しいっすね。

マグネットピックアップ

なんか天候が安定しませんね。季節の変わり目だから仕方ないんだと思います、ひと雨ごとに暖かくなると思いつつ我慢なんでしょうかね。

さてさて、このくらいの気候になってくると青空整備派の人達がかなり楽になってきますね。
まだ夜間は寒いですけど青空整備では暗くなるまでに一段落つけるのもスキルのひとつだと思います。

で、そんな感じで終了の時間決まってる作業時にイライラさせられるのが、ネジとか小物をポロっと落とした時。
特に青空整備派の人は砂利の上でやる人も多いと思うので大変っすよね。
そしてそれが運良くエンジンルーム内とか見えるような箇所に引っ掛かってたとしても、手が入らないとか厳しい場面も結構あったりします。

で、そんな時に持っていると便利なのがこれ。

SIGNET マグネットピックアップツール

伸縮式でアンテナみたいに伸ばして使えるマグネットです。
小さいボディなんですけど拾い上げの能力は結構すごくて・・・。

こんな感じで大きめの24ミリソケットなんかは余裕。
ラチェットくらいもソーっと拾えばなんとかなる磁力があります。

この工具、かなり定番なのでプロメカさんならほぼ持っていると思いますが、不慮の事態が起きやすいサンメカさんほど持ってなかったりします。
ほんとにちょっとした準備の違いなんですが、これがあるだけど場合によっては数十分の時間節約になったりもしますからね。

また、落とした物を拾う以外にもバルブシムとかカポっとはまってしまっているような金属部品の摘出にも便利。
まぁアイデア次第なのですが持っているってだけで作業の幅が広がりますからね。

tone_nejiCXX1

TONE マルチピックアップツール

また磁力の効かないアルミやステンネジを拾うための爪タイプではこんなのもあります。
こちらは先端にLEDライトもついてるので暗所での使い勝手もいいですね。

そして屋内でも屋外でも数個持っていると便利なのがこういうトレー。

sig_mag_trayNW2

SIGNET マグネットパーツトレイ

トレー自体もマグネットになっているので壁面に貼りつけて使う事も出来ます。
ガレージ用品としては基本中の基本みたいなモノですが、こういう備品系工具をちゃんと持っているかどうかも作業の効率に関わってきますのでまだ持ってないって人は何かの機会にぜひどうぞ。