以前にもKo-kenのZ-EALシリーズのラチェットO/Hはここで記事にしましたが、せっかく新型の72ギアも登場したので、その辺も含めてちょうど修理依頼が入ったので分解しながらいろいろ見てみたいと思います。
今回は旧36ギアラチェットの修理だったのですが、せっかく手元に36ギアと72ギアのリペアがあるので少しだけ比較してみたいと思います。
こちらがメインギア。
倍のギア数なだけあってギアひと山の大きさがこれだけ違います。
まぁ外径を変えずに多ギア化したら当たり前なのですが、この感じで強度を確保するのはやっぱり大変だったでしょうね。
ちなみにZ-EALラチェットのメインギアにはよく見ると表と裏にOリングが仕込んであります。
さすがコーケン、芸が細かいっすね。
こちらはメインギアとパウル。
少し前に話題になった「旧ラチェットに新型72ギアは組み込めるのか?」ですが、パウルの寸法を見ていくとちょっとだけ違うのが目視でも確認出来ますね。
まだ新型の修理ってのはないと思いますが、新型のO/Hも旧型と同じでかなりやりやすそうですので個人でも充分に出来るとおもいました。
ってなわけで早速修理開始。
まずはTORX-Plusのビットを使って裏蓋を開けます。
ちなみにここは普通のトルクスではなく「TORX-Plus(IP)」ですので注意してください。
※1/4は6IP、3/8は8IP、1/2は10IPです。
KTCやネプロスのように奥に引っ込んだネジじゃないので冷静にやればここは難しくないと思います。
バラしたら洗浄。
こんな時くらいしか丸洗い出来ないのでとにかくピッカピカになるまで洗いましょう。(パーツクリーナーでOKです)
あとはバラした逆に組んでいけばOK。
よくわからなくなっても部品図が付属するので問題ないと思います。
あ、私は小型プライヤーでやってますが1本ピンセットか小さなラジペンあると便利だと思いますよ。
パウルはこのフラットな方が手前に組むのが正解。
(逆には組めませんけど)
この状態まで組めたらあとは注油。
ちなみに注油前だとラチェットを動かしてもガキガキしてると思いますが、注油をすればスムーズに動くと思いますのでご安心ください。
注油と言いましたがまさに「油」を注入していきます。
これもこのブログで何度か書いてますが、できるだけ緩いオイルを行き渡らせてあげればOK。
そんなの無いよって人はエンジンオイルとかでも大丈夫です。
NGなのは防錆潤滑剤とグリス。
ラスペネ等の潤滑剤は長期の潤滑に向いてないのでやめた方が良いし、グリスは作動面のクリアランスを狂わす可能性があるのでやめておいた方がいいです。
(自転車等で使われている丁度の緩い高性能グリスとかならいいかも)
注油が終わったらあとは裏蓋閉めて最初のネジを締め込んだら終了。
少し馴染むまでカリカリと空転させてあげてください。
今回バラした部品。
メインギアにはギア欠けも見られますね、なかなか良いO/H時期だったと思います。
なんか再利用出来そうなモノもありますが心を鬼にして全てアセンブリーで交換してあげてください。(どうせ使わないし)
Z-EALシリーズのラチェットはいろいろある中では最も難易度の低い誰でもチャレンジ出来る内部機構になっております。
注油してあげてもなんだからイマイチだなぁとか思い始めたら思い切ってオーバーホールするのもいいと思いますよ。