入院顛末記 ─入院準備編─

前回からのつづき。

「外科手術が必要です」

と告げられた私。
何十年も自分のお店を切り盛りしてきて割とやっかいな事象でも狼狽えることなく対応してきた自信があったのですが…。
さすがに今回ばかりはかなり動揺してしまいまして。

よし!手術するわ!

と踏ん切りがつくまでに丸2日ほど掛かりました。
その間いろんな友人やお客さんにも相談に乗ってもらえたのはマジで助かりましたね。
ついでに店の不安も数名の有志の方がお手伝いしてくれると確約してくれたのがかなり大きくて、実際にはお手伝いを頼んだのはひとりだけでしたが、いざとなればどうにかなるなって思えたのは大きかったですね。
(本当に感謝)

入院顛末記

そして3月25日の金曜日。
1週間の検討の余地をもらってからの病院で担当医師に「手術お願いします」と伝えにいきました。

この時に気になっていた事を箇条書きで質問をまとめておいたので全部聞いてみました。

・今回の病気は進行性と聞いたけど手術してもまた再発するのでは?
A.もちろん可能性としては否定しないけど、進行具合がかなり遅い病気なので術後に再発は何十年も後の話になると思う。実際には寿命までには再発はしないと思う。

・手術をすれば今回通院のきっかけとなった背中の痛みは消えるのか?
A.多分消えると思う。ただし手の痺れは長期放置されていたので痺れがなくなる可能性は50%くらいだと思う。

・え?手の痺れってこの首の病気が原因だったの?
A.多分そう。

・今はバイク乗ってはダメと聞いたけど術後は激しいスポーツは出来るの?
A.多分出来るようになると思うけど、こればかりは手術してみないと分からない。でも手術しないなら100%乗ってはダメ。

大体こんな感じ。
他にも日常生活の事とか細かな質問にも丁寧に答えてくれてかなり信頼のおける印象でしたので最終的に

「それでは手術お願いします」

というと即日程の話になり

「今3月25日で4月は予定が入ってしまっているので5月の連休明けとかどうですか?」

と。
これは実は私も仕事的に連休明けくらいが望ましいと思っていたので即了承。

「それでは5月の9日に入院、翌日の10日に手術って事で確定します」

と言われて少しだけ背筋をシャキっとさせて「分かりました、お願いします」と答えました。

するとここまで事務的な表情を崩さなかった先生が少しだけ表情を崩しつつ最後にこう言ってくれました。

「あのですね、いろいろ不安だとは思いますが仮に私が医学的な知識を持って逆の立場だったら絶対に手術を受けると思います。判断は決して間違ってないので頑張って治しましょう」

マジでこのひと言で最後のモヤみたいなのが晴れた気がしました。
だからもうどういう結果でもこの先生を信じようって思えましたね。

 

手術を決めた当日。
そのまま術前の健康診断を行う事になりましてなにやら一気に事が進んでいく感じがしました。
採血したり心電図とったりと半日かけていろいろ検査されまして、結果は全て異常無しで手術OKと。
お次は事務に呼び出されて必要書類にサインしたりしつつ、入院前に「入院準備外来」というのがあるのでそれに来てくださいと言われました。

入院準備外来ってのはまぁ分かりやすくいうと「入院説明会」ですね。
今回私は人生初の入院となったのでこういう取り組みは助かりました。

入院説明は4月の20日水曜日って事で予約も完了して、いよいよ私生活も仕事も全ての事が私の入院に向けて動き出しました。


 

ここからはまさに怒涛の4月でした。
お店を長期で休む可能性があると告知したのもこの時期ですね。
5月はほぼ仕事にならない覚悟だったので、とにかく4月は体調不良をおしての強行軍を続けました。
まぁ実際気を張っていたので多少具合悪くてもなんとかなりましたけどね。

あとは入院の準備も平行して進めます。

入院に際してひとつ大きな気がかりがありまして。
それは私が通院していた慶友クリニックという病院では私の契約しているauの回線が全く入らないという事です。
繋がりにくいとかのレベルではなく「全く入らない」状態。
これはとても大きい不安要素のひとつでして、だって余暇の過ごし方はもちろん、術後の仕事も全く出来ないって事ですからね。

ただしこの不安。
いろいろ確認しないといけない事がありまして。

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実は私が外来で通院していたクリニックと入院する整形外科医院は別の建物になっておりまして、大きなバイパス道路を挟んで反対側にあります。
(実際結構離れてます)
また入院予定の整形外科医院は3年ほど前に新造された最新の病棟でして、うまくすれば建物内の各キャリアアンテナも期待出来るのでは?と思っておりました。

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そこで4月20日の入院準備外来の日に合わせて手持ちのガジェット&カミさんのSB携帯全てを駆使して全キャリアの通信状況を調べる事になりました。

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中でも期待なのが楽天モバイル。
パートナー回線ではなく本回線の電波が拾えれば3000円ほどで無制限ですからね。
SIMを余っているスマホに挿して持っていって何回線で繋がるのか(または繋がらないのか)を確認する事にしました。

で、結果。
全キャリアがバリアンテナで繋がりました。
特に嬉しかったのが楽天モバイル。
パートナー回線ではなく主回線でなおかつかなりの速度で繋がってくれたので、これで入院時はこのポケットWi-Fiだけでしのげる事が確定。
後でさらに調べると院内のどこにいてもかなりの速度が出ていたので、プラチナバンドをもっていないという事を考えると院内にミニ基地局があるんだと推測出来ます。
もちろん手持ちのスマホのauも問題なく繋がりいざとなればテザリングでもOKなので心配がひとつ払拭出来ました。

その後は入院準備外来の本来の役目である入院に対しての注意点とか、コロナのために入院直前にPCR検査があるとか、持ち物はこれ持ってきてとかいろんな不安がひとつずつ解消していきました。


そして入院中は暇だよって周りの意見を参考にしまして。
自分用にいろいろ備品も揃え直し。

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ちっこくて読書に最適そうな8インチのファブレットを買ったり、電源タップとUSB-Aがついてるの買ったり。
とにかく考えうる完璧な装備を揃え入院に臨むための準備をしました。

そして「2週間前から検温を開始してくださいね」
の指示どおりに4月25日の月曜日からはいよいよ入院のための朝晩の検温も開始。

最初に病院に行って手術を決めた日もまだ3月でしたので、ゴールデンウイーク明けとかすごく先の話に思えてましたが、検温がスタートしたくらいからはかなり意識するようになりましたね。

そしてそんな2週間分の検温票がついに…

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埋まってしまいまして、入院当日の5月9日を迎える事になりました。

次回につづく。