ワイズのピアスボールHEXレンチ

ハンドツールの中でも替えが効く工具とそうでない工具ってのが存在しまして。
いわゆる普通のボルトナットではソケットが入らなければレンチで回し、そのレンチだってサイズ揃ってなければ最悪モンキーで回して……なんて感じで工具のお店が推奨出来ないようなやり方でもなんとかなってしまうのですが。

ビットを差し込んで回す系のネジ。
HEXやTORX等はとにかく替えが効きません。

さらにいうと真っ直ぐ差し込めるならL型レンチやソケットタイプ等、何を使っても回せますが上方向に隙間のない場合なんかは真横からアクセスする方法がないので結構困ったりします。

そんな時にショートヘッドモデルのレンチとか持ってると便利なのですが、各社スペックがちょっとずつ違うのでどれ買ったらいいのか分からなかったりしますよね。

そこでお店で現場の方に売れている「頭の短いHEX」を今回は紹介。

ワイズピアスボールレンチ

ワイズ ピアスボールHEXレンチ

パッと見ではHEXレンチに見えない本製品。
黒い本体の両端にHEXが裏表になるように配置されております。

ワイズピアスボールレンチ

片側はボールHEXになっていて角度の厳しい所でも回せるようになっているのですが、この両面にあるHEXには違う使い方もありまして。

ワイズピアスボールレンチ

HEXの取り付けが少しだけ角度を付けてついてまして、ひっくり返すと30°位相しているんですね。
これのおかげで振り幅のない箇所でも「ちょっと回してはひっくり返して」を繰り返せばHEXネジを確実に回していく事が可能です。

ワイズピアスボールレンチ

また本体部分は鍛造のそこそこ厚みのある頑丈な造りになっており、メーカーが言うには本体部分はハンマーで叩いても良いよって事です(ほんまかいな)

でも工場の設備メンテとかをしている人にはこの仕様ってかなりグッと来る人が多くて店舗ではかなりの人気HEXとなっております。
L型HEXとかは基本中の基本ですので持っていて当然の工具ですが、それだけじゃ仕事が厳しいよって人はぜひご検討くださいませ。

ポケットにも入る作業用LEDライト

昨今のLEDライトの進化は凄まじくてひと昔前のと比べるとスペックが全然違いますよね。
整備とライトって切っても切れない関係性と言いますか、外が暗いから使うライトとは違って奥まった箇所では昼間でも見えないところがあったりもするので必須品とも言えます。

ってなわけで今回はそんなLEDライトの中でも胸ポケットや肩ポケットに入れておいてササっと取り出して使える店舗での人気ライト2品を紹介。

TAKENOWハンドライト

TAKENOW 充電式フリップ型 ポケットLEDライト

まずはこちら。
店舗ではいまだに一番人気のLEDハンドライトですね。
超コンパクトか?と聞かれれば確かに少しだけかさばりはしますが、それでも機能の充実さで全てをカバーしております。
まずこの畳んだ状態でもそのまま使えまして──

TAKENOWハンドライト

パカっと広げれば広域を照らす作業灯に早変わり。

TAKENOWハンドライト

先端部にもLED単灯があるので奥まった箇所にも便利です。
本体は細長い感じなのでポケットでも意外と邪魔にならないですね。
実際お店で現物見た人は「これならいいな」って感じで買ってくれます。

 

そしてこちらはSMTの超人気ハンドライト。

SMTハンドライト

SMT 充電式ウルトラスターLEDペンライト

先程のTAKENOWのものよりももうひと回りコンパクトで胸ポケットライトとしてはこちらの方が正道だとは思います。
作りや操作もシンプルなので常用としてかなりの人気となっております。
価格が安いってのもいいですよね。

SMTハンドライト

こちらも先端に単灯があるのでいわゆるペンライトとしても使えます。
点灯箇所は電源ボタンを数度押しで切り替わるのですが、ハックとしては長押しするといきなり先端灯が付きますので操作が慣れればかなり良いかも。

ちなみにどちらのモデルもUSBタイプC充電ですので車載での充電も気楽に出来るのもいいですよね。

そんなわけで常に持ち歩いて使えるコンパクトなペン型LEDライト。
見えにくい箇所で苦労している人はぜひお試しくださいませ。

PBのスライドT型HEX

スイスの工具メーカーPB。
当店でもドライバーやHEX、そしてたがね等で人気のメーカーですが、毎年結構頑張って新製品を出してくれて楽しませてくれるメーカーでもあります。

そんなPBが数年前に出した製品の中に個人的に結構気に入っているレンチがありまして、今回はそんなお気に入り工具の再紹介でもしてみようかと。

PB T型HEX

PB スライドT型HEXレンチ

それがこの『スライドT型HEXレンチ』
ヨーロッパ系の工具メーカーならかなりの確率でカタログに載せているこのT型HEXですが、PBはグリップ付きのこそあれどシンプルなT型HEXって出してなかったんですね。
そんな中で登場したスライド式のT型HEXだったので個人的にはかなりお気に入りなのですが……
なんせ価格が高いんですよ。

PB T型HEX
横バーはスライド出来ます

この価格の高さもあって待望の登場だったわりにあまり売れている印象はないのですが、それでもさすがPBな感じで造りがめっちゃいいんです。
またサイズ設定もかなり凝っていて小さなサイズから10mmを超える大きなサイズまで網羅しているのもお気に入りポイントのひとつ。
(7mm設定があるのも良心的です)

PB T型HEX
1本ずつにシリアル番号が印字されております

さすがにね、そこそこ高価なので「全部揃えて」ってなるとハードル高いのですが、必要サイズだけ局所買いならかなり役立つレンチだと思います。
あまり話題になる事はありませんがぜひ試して欲しい工具の紹介でした。

TORXネジの寸法

今や結構メジャーな存在だとは思いますがそれは仕事として工具に携わっているからでして。
今まで見たこともない一般の方にはまだまだ馴染みの薄い特殊ネジのTORX(トルクス)

TORXセット

よく花柄のヤツとか花形のヤツとかいろんな呼び方で問い合わせを受けたりしますが、大抵はこのトルクスネジの問い合わせだったりします。

>>TORXソケットのページはこちら

このネジのやっかいな所はHEX(六角)の派生ネジっぽく見えて、サイズ表記はプラスマイナスとかみたいに番手表記だと言う事。
(実際トルクスはHEX派生ではなくフィリップス派生のネジ種です)
例えばTORXのT25と言ってもどこかの実測値が25ミリだとかそういう事では無く「トルクスの25番」と言うあくまでも番手表記なのがサイズ感を難しくしています。

TORXソケット

ちょっと小さいTORXだとHEXと見間違う事もあるくらい似ていますし、1番手くらいの違いだと目視でもよく分からない事も多々あります。

まして。
TORXとよく似てるTORXプラスとか亜種ネジも種類が多いので、ネジの種類自体を見誤る事だってありますからね。
お店が近い方は直接ネジを持って来店してくれれば問題はないのですが、通販を含む遠方のお客さんはそうもいかないですよね。

ですのでとりあえずKo-kenさんがカタログに載せてくれてるこの表。

TORXサイズ

これには山から山の実寸が表記されてますので参考になると思います。
これがあれば大抵のサイズはバシっとわかると思います。

で、ここからが最も重要なのですが。
とは言いつつ最も賢い買い方は「セット買い」です。
相談を受けるお客さんにもなるべくセットでの購入をオススメしてます。

上記の表を見るとわかると思いますが、T20~T30あたりの特に整備向けに多く出てくるサイズの推移が寸法的にも特に細かいんですね。
これは目視はもちろん、直接工具を当ててみても分かりくい場合があります。
ですのでTORXに関しては前後サイズを持ってないってのは結構致命傷になる場合があるので、後々の事まで考えるとセットでの購入が一番オススメってな結論になるわけです。

ましてトルクスの番手は「10→20→30」とか規則的ではなく

・15→20→25→27→30→40

とこんな具合になんで35とかないの?と思うくらいには不規則です。
こんな時に自分どのサイズを持っていないのかも分からなくなりがちなんですね。
ここまで聞くとセット買いをオススメする理由が分かってもらえると思います。

今ではいろいろな箇所に多くTORXが使われるようになりました。
それでも似たような問い合わせが後を絶ちませんので、このような事態に直面したらここで読んだ事を思い出して冷静に問い合わせくださいませ。

お買い得デジタルトルクレンチ

このブログで何度も取り上げている「トルクレンチ」
それだけユーザーからの関心も高く、なおかつちょっと分かりにくい工具でもあるわけです。

繰り返しになりますがトルクレンチは大きく分けて2種類存在します。

・直読式
・プリセット式

まずプリセット式ってのは事前にトルク値を設定して「カチ」って言えば規定トルクですよってお知らせしてくれるモノ。
ぶっちゃけトルクレンチをどれ買うのか迷っていたらこのプリセット式を買ってけばほぼ間違いはないです。
(もちろんレンジとかはあるけど、種類の話ね)

で問題なのが直読式。
昔にさかのぼればビーム式とか弓式とか呼ばれていたのが直読式です。

東日ビーム式
例えばこんなのが弓式

ただし直読式には形状違いによる進化系がありまして。
弓式が進化してアナログダイアルのついたダイアル式。

東日ダイアル式

東日直読式トルクレンチ(置針付)

まぁこれも読むための目盛りがダイアル式に変わったのが分かると思いますが、もうひとつ進化したのが「0点調整」ですかね。

そして今回の主題となるのがデジタル式。

SK11デジタル式トルクレンチ

SK11 デジタルトルクレンチ

こうやって順序立てて説明するとわかりやすいと思いますが、これも目盛りの表記法が変わった直読式なわけです。
この手のデジタル式は事前にトルク設定が出来るものが多いのでなんとなく「プリセット式」に分類したくはなるのですが、トルク数値がリアルタイムで観測出来るものは全て直読式として分類されます。

そして直読式に最大の長所は今言った「リアルタイム測定」です。
これによって目標値としては50Nmを目指して締め込んでいても、20~30Nm付近で締め込みの手応えがおかしいとか、目標設定値付近でのボルトの伸びの手応えがちょっと違う──とか、そういうったちょっと職人めいた使い方も可能になります。

実際直読式のトルクレンチは卓上での整備で多く好まれるトルクレンチでして内燃機単体とかデフの組付けとか、車上とはちょっと違う整備をメインでやる場合に活躍します。

ってなわけで普通の車両整備での使用ならばプリセット型の方が断然使いやすいですし、取り扱いも簡単でおすすめします。

でも。
やっぱ疑似でのトルク設定が出来るようになったデジタル式はわりと普通に使えてしまうんですよね。
先の説明とかなり矛盾するのですが実際現場で使ってみてもそんなに面倒な感じはしません。

SK11デジタル式トルクレンチ

ってなわけで今回紹介したSK11のデジタル式。
お値段もお手頃ですのでお試しで使うにはかなりよいデジタル式トルクレンチだと思います。