ギボシ端子(オープンバレル)の圧着

このブログでも配線系な工具の話をいくつか書いてますが、どちらかと言うと専門性の高い工具の話が多くなりがちでして……。

例えば近年増えてきた精密圧着まで出来るこのプライヤーとか──

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HOZAN 圧着ペンチ(精密B端子対応)

確かに近年のセンサー類の増えた車両整備では小さな端子が増えたので現場の需要は高くなっているのですが、それじゃみんながみんなこういう作業をするのか?っていうともちろんそんな事なくて、一般的な普通の電装手直しとかそういう人の方が圧倒的に多いわけです。
で、普通の事しかしないなら余計な機能とかいらないわけでして、シンプルな使い勝手の良い工具のほうがいろいろオススメだったりします。

 

車両整備に出てくる圧着端子のほとんどはB型端子と呼ばれるいわゆるオープンバレルの「ギボシ端子」でして、部品の取り外し時に便利なようにパチっと外せるアレですね。
この辺は業界ごとにちょっと表記が違ったりもするのですが、まぁ大体B端子って言えば分かると思います。
(ちばみにA型端子ってのは丸スリーブとか呼ばれる筒状の端子ですね)

で、そんなB型端子のギボシ。
やっかいな事にこの端子に世界的な統一規格とかはありません。
ぶっちゃけ各社自分の所の基準で作っているんですね。

よくSNSとかでもギボシメーカーが作った工具が一番合うよ!とか言う意見を見掛けますがあれは半分正解で半分間違い。
何かしらの統一規格が無いのでギボシメーカーの作った専用工具は「そのメーカーのギボシには合う」が正解でして、他のメーカーのギボシ端子に合うかどうか分からないんですね。

なのでいろんな車種でちょっとずつ使いたいって人は逆に汎用性の高い工具メーカーの作った物の方が便利に使えたりします。

 

で、そんな汎用性の高さで人気なのが、初心者から達人さんまでオススメ出来るこの圧着ペンチ。

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イズミ 圧着ペンチB125

どこでも良く見かけるタイプのほんっとスタンダード型の圧着ペンチです。
上でも書いた近年多くなった精密圧着とかは出来ませんが、そのかわりコレ1本で圧着はもちろんボルトカッターやワイヤーストリップまでこなせます。

またどこでも見掛ける……と、書きましたがこのイズミ製は別格です。
いわゆる配線圧着の専門メーカーでして、ギボシメーカーの工具のOEM制作とかもやっている、その道では知らない人はいないってくらいの有名メーカーです。

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細かな箇所の造りも似て非なるものでして、プロのオーディオショップさんでも「イズミのください」と指名買いされるほどの人気工具です。
配線作業用にとりあえず1本とか、手持ちの工具でのギボシ圧着が苦手なんだよね……なんて人は一度使ってみて頂きたい隠れた逸品工具です。