スタッドレス履き替えの前に ─電動インパクト─

毎年恒例と言いますか、この時期になると「タイヤの履き替え」需要からくるタイヤ交換系工具の問い合わせがググっと増えてきます。
いわゆるスタッドレスタイヤへの履き替え需要ですね。

トルクレンチとかその辺も含めて様々な工具の問い合わせが増えるのですが、そもそもホイールナットを緩める手段ってのが必要になります。

そこで今回はタイミングよくDeWALTの充電式1/2インパクトレンチが爆安セールになってますのでそれの紹介です。
※セールは数量限定品ですのでご注意ください。

DeWALT充電式インパクトレンチ

DeWALT 充電式1/2インパクトレンチセット

2024年に新たに登場した同社のXRシリーズというコンパクトヘッドを採用した電動インパクトとなります。
差し込み角は1/2(12.7)ですのでよくあるエアーインパクトみたいな感じで使えるなかなかの良機ですね。
詳しいスペック等は詳細ページで見てもらうとして、タイヤ交換時における煩わしさを少しでも軽減させておきたいって人はぜひご検討ください。
ちなみに乗用車のタイヤ交換くらいなら全く問題なく行えるスペックです。

DeWALT充電式インパクトレンチ

セット内容も本体と充電器、そして5.0Ahの大容量バッテリーが2個も付属しますのでセール期間中でなくても十分にお安いセットだと思います。
他のメーカーのバッテリー式工具をお持ちの方でもタイヤ交換用は別だと考えれば互換性とかは気にせず購入してしまっても問題ないかと。
(実際購入されていくお客様はそんな人が多いです)

またあまり語られてませんがデウォルトって初期の頃は日本法人がなく電動工具にいたっては並行輸入品等がAmazon等で売られておりました。
並行輸入品だとサービスも保証も受けることができませんのでご注意ください。
なお当たり前ですが本製品は正規品となりまして─
なんとなんと、保証が3年もついております。
かなりしっかりしたサービス体制の会社ですので安心して購入いただけますね。

最後に動画を貼っておきますので気になる人はチェックしてください。

車両整備におすすめのドリル刃

このブログでも何度か書いていますが基本的な車両の整備をメインでやっている人にとって、苦手な作業というと部品加工や不慮のネジなめ後の処理とかだと思います。
苦手というのはちょっと語弊があるかな……いわゆるハンドツール系は揃っているのだけど「加工系」の工具をあまり持ってないって人が結構いるんですね。

そしてそういった加工系、いわゆる空圧でも電動でもいいのですが駆動系の工具で当店がずっと推してきたのが「ディスクグラインダー」と「ドリル」です。
そんな感じで近年この推奨してきた「ドリル」ですが少々変化というか推し工具が変わったきたんですよね。
それというのも充電の電動工具の進化が凄まじく、中でも電工の主役であるインパクトドライバーのトルク、そしてそれを取り巻くアクセサリー類の充実もあって、ドリルを買うくらいなら電動インパクトドライバーの良いやつをひとつ購入した方が便利ってな感じになってきました。

そこで今回はそんな電動インパクトドライバーで使える「ドリル刃」の紹介となります。

月光ドリル

SK11 ビックツール月光ドリル ショート(ステンレス対応)

このドリル刃。
老舗の鈑金用刃物や研ぎ器で有名なビックツールとSK11のコラボ商品です。
よく見ると根本部分が六角軸になっていてそのまま電動工具のインパクトドライバーに直付け出来るようになってます。
これによって従来だとドリルチャックが必要だったドリル刃の扱いが非常に楽というか選択肢が広がったんですね。
もちろんちょっと昔からこの形状の刃はあったのですが、近年この刃の性能がめっちゃ上がって仕事でも充分に使えるレベルになったんです。

月光ドリル

いわゆる普通のドリル刃というのは電動の「インパクト」機能と相性がめちゃ悪いです。
インパクトの瞬間にドリルの刃が折れてしまうんですね。
ところが先端の特殊加工等によりそういった事もかなり軽減されまして、また電動インパクトで回すからこそ「切れ味」にもこだわったモデルがいつくか登場しました。

月光ドリル

今回オススメしているビックツールの月光ドリルもそのひとつ。
一般的な鉄工用ドリル刃と比べてもその性能はかなり上なドリル刃シリーズです。
(実際通常ドリル刃よりも切れ味がいいのでこのドリルをチャックでわざわざ咥えて使っている人がいるほどです)

月光ドリル

またこの「ショート」ってのが車両整備の現場では使いやすく取り回しもよく折れにくさにも一役買ってます。
またたまに出てくる「ステンレス」への穴あけもバッチリでして、切れないドリル刃で苦労したことある人ならこのドリル刃の凄さが分かってもらえると思います。

月光ドリル

そんな切れ味の良いドリル刃をこんな感じで気楽にビット用の電動工具で使えるわけですから「出来るだけ1台で多用途に使いたい」車両整備の現場にはうってつけだと思います。
確かに1本単価で考えると少しお高いドリル刃ですが、よく使うサイズが分かっている人なら問題はないと思います。

確かにたまに加工が出てきていつも困るんだよね……
なんて人はこういう工具の揃え方もあるって事を覚えておいてくださいませ。

整備現場におけるサイズ確認及び測定の話

工具の専門店をやっていると避けて通れないのがいろんな物のサイズの話。

特に手持ちのソケットやレンチでは回せないボルトナットが出てきた時とか
「14ミリじゃ入らないんだけど17ミリじゃ大きい」
と、相談を受けるのですがこんな時にそんな大体のサイズの話じゃなくてキッチリとサイズを測って頂けると話が早くて助かります。
(そもそもなんとなくの話では解決できない事がほとんどです)

実際、14と17の間にはミリで「15と16」インチで「9/16と5/8」があります。
そんな中でインチネジの可能性が捨てきれないような場合には結局実測しかないって場合が多いのです。

あ、そうそうそういった場合に私は「そのネジはなんのネジですか?」とか車両だったら「なんの車種ですか?」と聞く場合があります。
すると「いや、今車種とか関係無いし」と言われる人がいるのですが、上記の話通り少しでも数ある可能性の中から消去法で推測したいが為ですのでどうぞご理解ください。
例えば車種が国産車だと分かればそれだけでインチネジの可能性を捨てる事が出来るってわけですね。

ちなみにネジの実測方法ですが意外と分かっていない人も多いんですね。

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ボルトナットでの工具を話す場合には図のココサイズを教えてもらえればOKです。
たまに尖った部分の対辺を測ってきてくれる人もいるのですが……正直分からない事が多いです。
またTORXネジのような「どこを測定すればいいのか分からないネジ形状」の場合だと実物を持ってきてもらうのが最も確実で早かったりもします。

そしてネジの呼び寸法の場合(M10とかそんなの)はネジ山のギザギザした中で一番尖っている所を測定してください。
(これがナットや雌ねじだと違ってきます)

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特に呼び寸法では頭が12ミリのネジだったとしてもM径が同じとは限らないので注意が必要です。(整備系のネジはそういうのが多いです)
こういう整備にまつわる各寸法の話は工具実践でも書いてありますので読んでみてください。

>>工具実践~ボルトナットの基本~

そしてこれを読むとわかると思いますが車両整備でもそういった各サイズの測定って結構重要ですのでせめて簡単なモノでいいのでノギスくらいは用意しておきましょう。

シンワノギス

ノギス等の測定工具関連ページ

この手の測定工具は1本持っているといろいろ便利ですよ…ってか出来れば持っていてくださいませ。

NAGmotorsお引越し

自分がまだ子どもの頃におばーちゃんとかが小学生時代の話をしているのを不思議に思っていました
「なんで昨日の昼飯を忘れてるのに50年前の話を覚えているんだろう?」
ってね。

でもいざ自分も歳をとってみると分かるのですが
昔話が捗るというか、なんすかね、わりと昔のことが思い出せたりします。
感傷的になりやすいんですかね。

今回は表題の通り、長年お隣で営業していたナグモータースさんが引っ越ししましてエイビットの敷地から出ていきました。
もちろん変な話ではなく業務拡大のための栄転って感じですので、とにかく個人的にも嬉しいしおめでたいお話です。
移転先もウチから10分くらいの場所ですし、従来からウチとナグモを行ったりきたりしていた人もそんなに困ることはないと思います。

そんなわけで今回はナグモさんとの思い出話。

10年くらい前かな──当時勤めていた会社を辞めることになったナガチャンから「バイク屋さんを週末だけやってみたい」と相談を受けまして、一緒にいろいろと物件探したり取り扱い可能なバイクメーカーを検討したりしてました。

でも週末だけという前提で借りられそうな物件がいまいちなくて(コスト面でも)
そこから紆余曲折ありまして「それならウチの敷地に建てちゃえばいいんじゃね?」ってことになりました。

ナグモータース

これは2015年のお盆の頃かな。
予算もそんなにないのでみんなで人力で建てたんすよね、いやー懐かしい。

そもそも工具のお店の真隣にバイクの整備屋さんがあるというのは、ある意味自分の理想のひとつだったんです。
当時の想いをブログに書いてますね。

ナグモータース

>>2015年11月2日のブログ「工具と整備」

そんなわけでうまいこと回りだし、いつの間にかナグモータースも週末だけじゃなく普通に営業するようになりまして、今ではオフロードバイク業界では知らない人はいないという有名店になりました。

そして2年くらい前かな。
お正月明けくらいの時期にナガチャンから「そろそろ手狭になってきたので移転してもいいですか?」と聞かれ
さみしい気持ち:2
嬉しい気持ち:8
くらいな感覚なのですが、とりあえずすげー喜んだのを覚えてます。
実際見たことがある人なら分かると思いますが週末営業を想定したお店は狭すぎたんですよね。
今の仕事量なら広い所に引っ越すのが正解だと私でも思いました。

その後は移転に適したいい場所を探すの待ちな状態でしたが、やっと近所に良い場所を見つけて今回の移転となりました。

先週くらいから徐々に運び出される荷物を見つつ

ナグモータース

いざ片付きはじめたら…なんつーかアレっすよ、胸にぽっかりってヤツ。
まぁでも仕方ないっすね。
実際私も今の店に落ち着くまでは何度も引っ越ししながら、やりたいことを実現してきたわけですからね。

そして今日から完全に移転が終わりまして。
久しぶりにエイビットは純粋な単店舗としての営業となります。
移転先の情報とかはナグモータースさんがいろいろやると思うのでそちらにお任せしまして。

とりあえず9年間お隣でいてくれてありがとうございました。
本当に感謝しかないです。

ナグモータース

今日になって店の中から外を見ると
いつも見慣れたこの景色がなくなっているのはやっぱ寂しいな…。
今後も仲良くやっていくので新店舗でも頑張ってくださいませ。