ホイールナットのトルクレンチ

大型連休も終わり、1年でもっとも気持ちの良い季節の到来ですね。
雪の降る地域な人もそろそろ夏タイヤへの履き替え時期でしょうか、4月頃からホイール用のトルクレンチの問い合わせが増えております。

まぁスタッドレス絡みの話だけではなく、暖かくなってみなさんが能動的に動き始める季節ってのもおおいに関係あるのかもしれませんけどね。

そんなわけで今回はトルクレンチのお話。

このブログやお店のWebサイトでも何度か書いてますが、ホイールナットの締め付けトルクはだいたい100Nmちょっとでして、いわゆる一般的な整備向けに使用するトルクレンチの「5-25Nm」や「20-100Nm」ではちょっとだけ足りません。

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実際、お店でも「20-100Nm」のトルクレンチではダメですかね?
と、よく聞かれますがハッキリ言ってダメです。
トルクレンチは出来るだけ上限値・下限値付近で使わないようにするのが推奨されてますからね、100Nmギリギリになるトルクレンチはホイールナット用には合わないと断言出来ます。
(それプラス全長とかも厳しいってのもあります)

ちなみにホイールナットの締め付けトルクは103Nmとか108Nmとかいろいろ言われてますが、使われているスタッド径は一緒ですので個人的には『105Nm』とかで締め付けておけば大丈夫だと思ってます。
また一部の軽自動車ではスタッド径の細いモノがあるので、その時は85Nmを目安に締めてあげてください。
(他の締め付けトルク管理よりも「オーバートルク防止」の意味合いが強い箇所ですので、ここでの数Nmの違いはあまり気にしなくていいと思います)

ではホイールナット作業用にはどのトルクレンチがいいのか。
それは各メーカーが出している「40-200Nm」のトルクレンチがオススメです。

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SIGNET プリセット型トルクレンチ

さっき『一般的な整備で使うトルクレンチ…云々』と書いた事でわかるかもしれませんが、ホイールナットの締め付けトルクである105Nmというトルクは実は普段の整備ではほとんど出てこない締め付けトルクです。(大きいって事です)

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東日プリセット型トルクレンチ 標準モデル

ですのでホイールナット専用のトルクレンチとなってしまう場合には、そんなに気合をいれたトルクレンチを購入しなくても大丈夫かなぁ…とも個人的には思ってます。
もちろんこれで100Nm前後のトルク管理も出来るようになりますので、足回りとかで出てくる「50~80Nm」あたりでも使えるようになりますからね。
その辺の作業も視野に入れての購入ならば少し良いトルクレンチを買っておいた方がいいと思います。
特に80Nmあたりは3/8差し込みになる20-100Nmのトルクレンチよりも40-200Nmのトルクレンチの方が作業性が良いですからね。

そして逆にホイールナットだけにしか使わないって人にはこれがド定番のオススメ。

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KTC ホイールナット専用トルクレンチ

これ、パッと見では「少しお高いかな…」とか思うのですが、ケースが付いて、専用ソケットが付いて…と考えるとかなり安いんですね。
またトルクセットの手間もないわけですから「タイヤ交換くらいしかやらないよ」って人にはまさにズバビタのトルクレンチだと思います。

それとさっきも書きましたが整備用として考えると、他の用途が難しいレンジのトルクレンチですから、あえてタイヤ専用としてこれを買うのも賢い買い方だと思います。

トルクレンチって他の作業とかいろいろ漠然と考えてしまうと、すごく購入までが大変な工具のひとつだと思います。
ですのでこんな工具こそウチみたいな専門店にサクっと相談して、その人に合った買い方を模索してみてください。
テキトーに最初の1本を買ってしまうと後で後悔する率が高いですよ。