超強力ニッパ

ハンドツールの中の3点セットといえば握りモノ系の『ラジペン・ニッパ・プライヤ』の3点が有名です。
大抵の工具セットでもこの3品は入っているので、持っているって人は多いと思います。

だけど実際の使用頻度ってはまたちょっと違いまして、その人の主な作業内容や職種によってかなり変わってくるんですね。
たとえば車両整備とかだと実はプライヤーってあまり使われなくなってきていて、そのかわりにウォーターポンププライヤーを購入していく人が増えましたし。
ラジペンも普通のスタンダード形状のは一切使わずに、ベントノーズとか特殊形状のラジペンだけを使うって人も多いです。

で、その中でも使用目的が大きく異なり、ちょっとした現場の状況で数本必要とされるのがニッパだと思います。
ちょっと昔はニッパー自体に選択肢があまりなかったので、使いにくかったり、すぐに刃こぼれしちゃったりしながらもなんとか我慢して使ってましたが、近年の工具事情では選択肢が大幅に広がった事により、細かく使い分けている人も多くなりましたよね。

ちなみにエイビットではなんだかんだ言いながらもある程度万能に使える強力型ニッパであるKNIPEXの硬線ニッパが人気ですが…
これ使っても切るのに苦労するようなワークも存在します。

ってなわけで今回はその手の作業で問い合わせの多い強力型のもうひとつ上…
──『超強力なニッパ』を数点紹介。

KNIPEXツインフォース
KNIPEXツインフォースニッパ

超強力なニッパというのをどうやって定義するのかにもよりますが、とりあえず『硬いモノを切るのに人間が少しでも楽出来るニッパ」と考えるならば、この倍力機構の付いたKNIPEXのツインフォースが代表的なニッパーだと思います。
テコの応用を使っているのでどうしても開き幅は小さく制限されてしまいますが、その弱点を考慮してもこのニッパーは硬いモノを日常的に切る人には超オススメのニッパだと思います。

IRWINハイパフォーマンスニッパー
IRWINハイパフォーマンスニッパ

そして上記と同じ理由で人気を二分しているのがこのアーウィンの倍力モデル。
ドイツのNWS社のOEMと思えるこのニッパはKNIPEXと同等の精度と切れ味に徐々にユーザーを増やしているモデルです。
握り部分から刃先の比率がKNIPEXとちょっと違うので、その辺を加味して購入を検討している人も多いですね。

KNIPEX X-CUTニッパー
KNIPEX X-CUTニッパー

そしてあまり話題にこそなりませんし、製品自体は地味系なので注目されませんが、このKNIPEXのX-CUTモデルは実は強力型のニッパのひとつです。
上の倍力モデルのような特徴的な機構とかはありませんが、KNIPEX社が持っている強力型ニッパの究極進化系とも言える正統モデルでして。
同サイズの硬線ニッパよりもワンランク上の切断能力を誇るニッパーです。

このニッパ、形状はスタンダードなので普段の細かな作業でも使えて個人的にもかなりお気に入り。
少々価格が高めなのですが1本でいろんな作業をできるだけ済ませたいって人はアリな選択だと思います。

KNIPEXボトルクリッパー
KNIPEX 小型ボルトクリッパー

これはもはや「ニッパー」ではないかもしれませんが、とにかく硬いモノをサクサク切りたいなら超オススメです。
こういういわゆる番線カッター的なニッパーでは、同国産品だと全長50cm以上のモデルよりも切れ味がいいという、とんでもスペックなニッパーであります。

ってなわけで今の作業を手を痛くしながらやっているって人は、こういう工具の選択肢を考えてみるのはいかがでしょうか。
特に切断という作業は人間の握力ありきですから、道具で少しでも楽する事を考えないといつまでも向上しませんからね。