プロチのトルクレンチ

今年に入ってから新発売となったプロチのプリセット型トルクレンチ。
一般の人にはプロチというメーカーは馴染みがないのでかなりの問い合わせが入っております。
そこでちょっとだけ突っ込んだ紹介を。

プロチは国内の商社さんが切削関連の業種向けに作ったブランドなのですが、刃物セット時のトルク管理用に以前から専用トルクレンチは作っていたんですね。

超硬チップ

こんな感じのチップとかエンドミルとかをチャックに装着する時のトルク管理用です。

で、せっかくトルクのユニット持ってるならば── って事で今回の汎用型のプリセット型トルクレンチの発売となったわけです。

プロチ プリセット型トルクレンチ

プロチ 薄型プリセット型トルクレンチ

ってなわけで実際に使ってみましたが、なかなかいいですね。
トルクレンチユニット自体は昔ながらの機構を採用しているのですが(その分信頼性も高い)各所がいろいろ工夫されていてかなりの好感触です。

プロチ プリセット型トルクレンチ

細かな話もあるのですが個人的にお気に入りなのがこのスリムな造り。
トルクレンチってどうしても内部機構とかのせいで普通のハンドツールよりも大きくなってしまうのですが、写真のように薄い&スリムな形状になってます。
これのおかげで使う場所を選ばない事、そして出先用のトルクレンチとして工具箱等への納まりもよくなりますね。

あ、あとラチェットのギア数も50ギアと一般的なトルクレンチヘッドのラチェットよりも細かくなってます。

プロチ プリセット型トルクレンチ

そして少しトルクの調整ダイアルも簡潔で分かりやすいのもいいですね。
写真のようにシルバーのリング部分を引いてロック解除、そしてクルクル回しての調整なんですけど、古くからトルクレンチを使っている人にはとても分かりやすい調整方法です。
また本体外側にトルク値が印字されているので見やすいのも良いですね。

ラインナップも下は1-5Nm、上は60-300Nmまでの設定があって、近年の整備向け作業範囲はフルカバー出来るようになっています。

めっちゃ安いってほどではないのですが、それでも少し安価で使いやすいトルクレンチを探している人にはかなりのオススメだと思いますよ。

日野カン ハードエンデューロ

春。
桜の便りもアチコチから届きはじめ、私のいる羽生市でも七部咲きといった感じ。
でもこの時期っていわゆる花散らしの雨も多くてちょっと憂鬱だったりもしますよね。

そんな春真っ盛りな昨日、群馬県藤岡市にあるオフロードコース『日野カントリーオフロードランド』で開催されたハードエンデューロのイベントに参加してきました。

日野カン ハードエンデューロ

そもそもハードエンデューロって何?
って人もいると思いますが、ざっくり説明しますと

モトクロス ── エンデューロ ─☆─ トライアル

オフロードバイクを使う競技としましてはちょうど「☆」の位置くらいにある競技だと思ってください。
コース設定も「1周出来たらガッツポーズ」みたいな感じでして、出場者の方は隣のライダーと戦うというよりは、コースの難易度と戦うといった形式のオフロードレースです。

そしてこのちょっとトライアルチックなエンデューロ競技は西高東低な感じでして、中部地区以西では比較的活発に開催されてますが東日本ではあまり開催される事はなかったんですね。
まして関東圏ではほぼ皆無(南牧もちょっと違うと思うし)でして、今回この日野カンで開催されたってのは私も含めみんな嬉しかったと思います。

この日野カンというコースは当店から下道で1時間半ほどでいけるご近所なオフロードコースという事もあり、普段からもよく通っているいわばホームコースなわけです。
そこで開催って事になったわけですからハードエンデューロ初参加ってな仲間も大勢エントリー!

しかし普段はXC(クロスカントリー)をメインとして出場してるので準備は結構ドタバタしましたねー。
みんな直前までタイヤチョイスとかでも悩んでましたね。
まぁこういう機会を与えてくれた主催者さんに感謝です。

私は土曜日の夜に突撃。

大阪からわざわざ盛り上げにきてくれた総帥(同じテントで一緒で出店させてもらいました感謝!)とか。
となりにいるのはハードエンデューロ界のチャンピンのロッシさん。
対面にはCGCのフィクサーであるカエルさん、となりはED-IAであり今回の主催者であるビッグマンさん、その隣は仙台の和泉(AD/tac)さん等々…
超絶豪華なメンバーと一緒に前夜祭に混ぜてもらいました。(楽しかったー)

そんなこんなでレースデイ。

日野カン ハードエンデューロ

起きたらなんかどんより…
気温は高いのですが雨降りそうな感じで湿度も高く、霧も出てこんな感じです。

それでもスタート直前の記念撮影の時間には霧もはれてきて良い雰囲気になってきました。
でもでも…この直後にポツポツと雨が降りはじめてしまいました。
まぁみんなテンション高かったので気にしてる人はあまりいませんでしたけどね。

日野カン ハードエンデューロ

スタート直後にあるふるい落としの4段ヒルクライム。
上に行くほど助走がなくなり角度もきつくなっていきます。

日野カン ハードエンデューロ

4段ヒルを越えるとあとは山の中に。

日野カン ハードエンデューロ

ナグモのナガチャンも頑張って走ってました。
コース設定はかなり厳しくて「登れない超絶ヒルクライム」や「バイクに乗ったままでは降りられない急角度のダウンヒル」が満載。
みんなバイク押したり引いたりで乳酸貯めまくりで、ガンガンとライフを削られまくっていきます。

私も各所でレスキューしながら山の中腹を歩いていると、イノッチが満身創痍でイゴってました。
この戦ってる感、伝わりますでしょうか。

結局お仲間では誰一人「1周」する事は出来ませんでしたが、まぁ1周出来たのは出場50台中7台とかですからね、まぁ仕方ない仕方ない。
こういうレースは速く走れればいいわけではなく、そしてテクニックがあるだけでもダメで、気力や体力そして知識や賢さも必要とされる競技です。
そしてこういう機会に走らせてもらって「次こそは!」と思える楽しみがあるんです。

今回はAAライダーのデグハヤもハードクラスにXRで参加しましたが、やっぱりやられてましたからね。
でもデグもめっちゃ楽しんだようでゲラゲラ笑ってました。
つまりそんなレースなんですよ。

ウチの3バカもバイク壊して帰ってきてのこの笑顔(笑)

 

コースは山の上にあってちょっとだけ気温が低いんですかね。
土曜日に到着した時はまだつぼみだった桜。

日曜日の午後にはお日様が出てきて春の陽気になりました。

片付け最中にふと見上げると咲いていた桜。
みんなの楽しかったが目一杯つまった綺麗な桜でした。

参加者のみなさんお疲れ様でした、そして主催者のビッグさんそして開催に協力してくれた有志の方々、本当にありがとうございました。
いやー楽しかったわー。

目詰りしないコーティングヤスリ

車両の整備と言ってもそれはもういろんな作業があるわけでして、ボルトナットの脱着はもちろんセンサー系整備でテスターと格闘したり、鈑金作業で鉄板と格闘したり。

一台をまるまる整備しようとしたらいろんなスキルが要求されるんですね。
まぁ全部ひとりで出来ちゃいますよって人はほとんどいませんから、エンジン組むのがプロ級にすごい人だって、塗装は誰かに頼んだりする事になります。

で、そういった整備種類の棲み分けがあるので、いろいろある工具でも「これは必要、これは不必要」と工具の総合カタログでも全くみないページがあったりしますよね。

しかし、そんな棲み分けの中でもボーダーライン上にある工具っていくつかあります。
例えばポンチとかタガネとか。
これ普通に整備してて鈑金とかあまりやらないなら不必要に思える工具なんですが、緩まないネジを緩めたり、錆びて外せない箇所を引っぱたいたり、工具箱の中に入れておくと結構使うんですね。

 

そんな微妙な立ち位置の工具のひとつにヤスリがあります。

普通に考えたら通常整備しかしなければあまり必要性を感じないと思いますが、実際工具箱に入れておくと意外に出番が多いんですね。
まだ持ってない人は「え?使わないでしょ」って思うかも知れませんが、それはまだ持ってないってだけで使う場面が想定出来ないだけだと思います。

部品の取り付けで気になるバリをサっと落としたり、部品加工で切断した面をササっと整えたり、持っていると一手間掛けたくなるんですよ。
そんな鉄工ヤスリで人気なのが国産ヤスリメーカーのヒット作であるブライト900シリーズ。

ツボサン 組ヤスリ ブライト900

表面にダイアモンドコートを施して作業時の鉄粉をはりつかせないようになっている画期的なヤスリです。

例えばこんな少し粘る性質の押し出し材のアルミでも・・・・。

上がブライト900、下が一般的な鉄工ヤスリ。

本体が銀色なので分かりにくいかもしれませんが、下の普通のヤスリだと目が詰まりはじめているのが分かると思います。
ブライト900は全く問題無し。これ実際使ってみると驚くと思いますよ。

ちなみに「そんなセットまでは大げさで必要ないかな」と感じる人には1本販売の設定のあるこちら。

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ツボサン コンビヤスリ ブライト900エクストリーム

これがおすすめ。
1本販売の平ヤスリなのですが上で紹介している特殊コーティングヤスリと同じ処理がしてあって、なおかつ裏表でヤスリの番手が違います。
平ヤスリでOKって人はこれがとっつきやすいと思います。
サイズは2通りあって上記の組ヤスリと同じ大きさがSサイズ、一回り大きいのがMサイズとなります。

そして。

tubo_se1

ツボサン 精密 組ヤスリ ブライト

こちらは「精密」タイプのセット。
番手もかなり細かく細かな作業に適したヤスリセットとなっております。

どれも普通の鉄工ヤスリと比べると少し価格が高いのですが、その価格差分以上の価値があるヤスリだと思います。
是非お試しくださいませ。

いよいよ春

年末年始のドタバタから始まった業界特有の忙しさが、とりあえずこの3月末の年度末を区切りにひと段落ってな感じです。
まぁそういった時期や季節的な緩急も年々変わってはきてまして、いつまでも昔からの慣習にとらわれていられなくもなってますけどね。

それでもやはりこの3月が終わると少しだけホッとするのも事実でして、ここから春の季節の開放感とともにいろいろチャレンジしていきたいと思います。

一昨年の3月末。
先代の看板猫がひょっこり死んじゃってからもう2年。
新しくウチに来てくれたタマも当時はこんなに小さかったんですな。

今月はお彼岸もあったので昨年亡くなった母親の墓参りをし、そして今日は先代猫のために線香をあげました。

いろいろ変わってはいきます。
この春から新たな環境で頑張る人も多いかと思います。
楽しい事、ツライ事もあるでしょうけど、それだっていつかは過去の話になるのですから、とりあえず今やれる事が頑張っていきましょう。
私も頑張りたいと思います。

ホイールナット交換向けツール

1年に2回。

その時期になると問い合わせがグググっと増えるのが、スタッドレスタイヤの交換にともなう『タイヤ交換関係』のお話。
ジャッキとかインパクトとか、トルクレンチとかね、その辺の関連工具についての質問が多くなるんです。
春分の日も過ぎると春の交換時期なわけで、ちょうど今頃にそれ関係の問い合わせが増え始めます。
で、ジャッキとかトルクレンチとかのメインどころの工具はみなさん結構いろいろ悩んでくれるのですが…、基本中の基本な工具はあるもので済ませてしまうって人もいます。
でもせっかく効率的に作業しましょうって話ですからね、その辺もちょっとだけ注目してもらえると嬉しいですね。

タイヤの脱着と言えば思い浮かべるほど代名詞的な工具だとまずクロスレンチですかね。


KTC 1/2早回しクロスレンチ

KTCの早回しモデルは昔からの超定番ツールでして、先にソケットを取り付ける必要がありますが、まぁトルクレンチとセットで考えるとソケットも必要ですからね。
とりあえず持っていて損じゃない工具だと思います。


Ko-ken 1/2フリーターンクロスレンチ

そしてこちらはKo-kenの早回しモデル。
こちらは後発で出た分、さらに使い勝手が向上してまして横バーがスライドするだけではなく「抜く」事が出来ます。
これによって車載用にする時もコンパクトに出来るのでエイビットの人気ナンバーワンのクロスレンチとなっております。

で、ここまでは十字レンチでしたが個人的にオススメしてる工具といえばシンプルなスピンナーハンドルですね。


Ko-ken 1/2スピンナーハンドル450mm

エイビットのオススメといえばこのKo-kenの450mmモデル。
3種類あるのはグリップの違いだけですのでご自分の気に入ったグリップを選んでください。
クロスレンチって早回しが出来るのでシャラララーって早く作業出来るイメージですが、その分最初のカキンって緩める時とかに結構苦労するんですね。
その点このスピンナーハンドルなら人間が楽出来るのでオススメです。
また「早回し」も4本行ってそんなに違うわけでもないですからね、それならスピードよりもいかに人間が楽して作業するかを考えた方がいいってのが私の持論です。
さらにいうと最後に使うトルクレンチとの親和性というか使い方が似てますからね、ホイールナット用工具としてオススメしております。
ちなみにKo-kenだけがオススメってわけでもないのでスピンナーハンドルでいろいろ見てみてください。(長さは450mmくらいがオススメですけど)

 

で、最後にせっかくなのでソケットも。


ホイールナット専用ソケット各種

各メーカーが大体全長110mm程度の1/2ロングソケットをラインナップしております。
トルクレンチを使う場合、スピンナーハンドルやクロスレンチを使う場合にも便利な専用ソケットです。
自分用に買うなら1サイズ購入すれば良いわけですからせっかくなので揃えておきましょう。