KNIPEXコブラの新型解説

プライヤーメーカーのKNIPEXから久々に人気ラインナップの追加新商品が登場しました。

KNIPEXエクストラスリム180

KNIPEX エクストラスリム コブラ180サイズ

今年のはじめ頃に発注だけ済ませてあったのですが確か納期はお盆の頃だったような気が…
それがいきなり6月に入荷したもんだから「緊急入荷」扱いになりましたw

またこのエクストラスリムのコブラ。
もともとは250サイズでは結構前に出ていたのであくまでも「サイズラインナップの拡充」くらいな印象だったんですね。
ところがいざ入荷した商品をジロジロと見てみると…「ん?」ってとこが多数。

KNIPEXエクストラスリム180

まず気になったのが下アゴの横ピン溝。
これって歴代のシリーズにはなかった歯の形状だったので、ここで慌てて資料を再確認。

KNIPEXエクストラスリム180

そしたら発注時点では明かされてなかった歯の形状説明もあって。
あれ?これは?

KNIPEXエクストラスリム180

と思い、上アゴを見たらコレですよ。
縦溝追加。

ここで考えます。
前回大型新商品で人気となったツイングリップ。

KNIPEXツイングリップ

KNIPEX ツイングリップ 新サイズ(150・250)

これはいわゆる上位版ネジザウルスとしてユーザーの支持を得たプライヤーとなりました。
「あぁ、ツイングリップが人気だったからなのかな?」
と思いながらもう一度よくよくコブラを見てみると。

KNIPEXエクストラスリム180

ちょっと形状違うというか、意図するところが違う感じなんですよね。
もちろん縦溝なのでネジザウルス的な使い方も出来るとは思いますが、もうちょっと他の作業に向けた縦溝に思えます(あくまでも個人的主観)

気になってネジザウルスのスタンダードとロングノーズを比べるとこんな感じ。

KNIPEXエクストラスリム180
・左からネジザウルスSTD・ロングノーズ・KNIPEXコブラ

ネジザウルスがあくまでも「なめた」「丸まった」ネジを掴む形状をしているのに対して、KNIPEXのは違う印象を持ちます。

KNIPEXエクストラスリム180

こういったトラスネジ(背の低い両端が肩の落ちた形状)だとネジザウルスの方が確実だと思いますしね。

KNIPEXエクストラスリム180

逆に言えば縦溝を他の作業に有効に使えるようにした万能小型プライヤーとしてすんごく活躍しそうなコブラだと思います。
先端もそこそこ細くさまざまなシチュエーションで使えると思いますよ。

>>動画では速攻レビューも上げてありますのでぜひ御覧ください。

プラグソケットの話

数ある整備項目の中でもいわゆる基本と言われる整備ってのがありまして。
昔から「オイル交換」と「タイヤ交換」

そして「プラグ交換」が有名ですよね。

少し前なら自動車のプラグ交換と言ったら16mmサイズ対応のプラグソケットがあれば、なんとかなったのですが現在は14mmプラグとかも登場してサイズ確認が必須となりつつあります。

そこで今回は久しぶりにプラグソケットの話でも。

Z-EALプラグソケット

Z-EAL 3/8プラグソケット(クリップ式)

現在当店で最もよく売れているのがこのジールのクリップ式プラグソケット。
薄く作られていてプラグホールの狭い設計のエンジンにも対応します。
サイズ設定も豊富なので多種類のサイズが混在するバイク向けにも一押しの工具ですね。

ちなみにZ-EALのプラグラインナップにはこんな風な12角モデルも存在します。

Z-EALプラグソケット

Z-EAL 3/8薄肉プラグソケット(12角)

これは一般的なソケットの6P・12Pみたいな関係性で存在するソケットではなくて。
初期のBMWミニとか欧州車で採用されている「12角のスパークプラグ」に対応するための工具です。
現在そこそこの年月が経過して整備屋さんに多く入庫するようななったのか、お店にも「12角のプラグ出てきたんだけど」と問い合わせを受ける機会が増えてきました。

そんな時はこのソケットを購入するしかないので覚えておいてください。

なお。

Ko-kenプラグソケット

Ko-ken 3/8プラグソケット12mm(12角)ドカティV4用

V4エンジン搭載のドカティでは12ミリの12角プラグが採用されておりまして、それのための専用工具も存在します。

こんな感じでスパークプラグの世界も年々進化(?)してますので、よく分からないサイズが出てきたらご相談くださいませ。

>>YouTubeでプラグの話をしてみました。

筑波サーキットでタイヤゲージチェック

先月のゴールデンウィーク過ぎ。
5月10日に筑波サーキットで開催されたバイクレース「テイスト・オブ・ツクバ」に行ってきました。
もちろんレースしにいったわけではなくタイヤ用エアゲージの旭産業さんと合同で

レース会場で使われているエアゲージは狂ってないの?

という興味だけで行ったわけです。

筑波サーキットエアゲージチェック

当日は私のお友達である松田選手に協力して頂き、筑波サーキットの許可ももらいピットでエアゲージの無料チェックを開催しました。

持っていったのもマスターゲージとかではなく校正に使う本格的な基準器を持ち込んでのチェックです。

筑波サーキットエアゲージチェック

ぶっちゃけ──ちょっと舐めてました。
「結構みんな狂ってるんじゃないの?」

ってね。
でももうビックリですわ。
みんなすっごく大事に使っていて修理が必要な人はほぼ皆無でした。
もちろん「ただ大事に使っている」だけじゃなくて、定期的に校正にも出しているみたいで、ゲージ裏面を見ると校正証明シールが貼られ小まめに気にかけている感じでしたね。

こちらの様子とゲージメーカー社長との直接対談を収めた動画も出しておきましたのでぜひ御覧ください(ページ下部にリンクを置いておきます)

筑波サーキットエアゲージチェック

あとね。
メーカーの技術職の方と多くお話させて頂きまして、ぼんやりと理解していたエアゲージのいろいろなことの解像度がかなり上がりました。
いやーこういうのって貴重な機会ですね。
ほんとに私も勉強になりました。

※よく「ブルドン管ってなに?」と聞かれますが、この画像の矢印部分「?マーク」をしているのがブルドン管でして、構造はしぼんだ風船のような作りになっております。
このしぼんだ風船にエア圧が送られることによって「?」が少しだけ真っ直ぐに伸びようとするちからをギアを介して表示しているのが「ブルドン管式圧力計」の正体です。

筑波サーキットエアゲージチェック

当日はレース現場にはそぐわない異物だという認識はありましたが。
みなさんに好意的に対応して頂きありがとうございました。
また何かの機会に現地チェックやってみたいと思いますのでよろしくお願いします。

>>当日の様子をまとめた動画はこちら

エアーホースとエアーブロー

近年勢いを増している整備現場での電動化の流れ。
コードレスで従来作業の補填が出来るってのはなかなか効率化という意味では大きなメリットでして、店舗でもそのような相談が多くなっております。

しかし、デメリットが全くないのか─と言われるとそうでもなくて。
やはりネックはコストの高さ。

特にバッテリー系の電動工具はイニシャルコストが結構掛かるので、費用対効果を考えると従来のエアー環境ってのも馬鹿にできないのです。

そこで今回はあらためてエアー関係の備品をちょいと紹介。

SK11エアーホース

SK11 エアーホース 10m(ジャパンソフト)

SK11からは数多くのエアーホースが出ておりますが、いわゆる「普通」に使うホースとして一番人気がこちら。
ソフトウレタンホースを採用した「普通よりちょっと良い」エアーホースをご所望ならこちらがオススメです。

SK11エアーホースリール

SK11 エアーホースリール(Sソフトホース25m巻)

また「延長用にもっと長いホースが欲しい」なんて人にはこちらの25m巻のホースリール(ホース付属)もおすすめ。
こちらの商品ですが意外と需要が多くて工場設備なんかお客様からの問い合わせが多いです。

そして今回新登場したのがこちら。

SIGNETエアーホース

SIGNET エアーホース(クイックカプラー付)

上記のSK11のモデルよりももっと普及型のホースとなりまして、コスト重視なら内径や長さも選べるこのホースが良いと思います。
ホース用のカプラも付属しますのでお好きな長さに切って使いたい人にもオススメですね。

SIGNETエアーブローガン

SIGNET エアーブローガン(120mmノズル)

また同時に発売となったエアーダスターも人気です。
低価格ながらそつのない作りで軽量な樹脂製を望む人から人気が出始めております。

こんな感じでいまだに人気は衰えずのエアーツール関連。
ご相談にも乗りますのでお気軽にどうぞ。

握り部分のながーいプライヤー

整備に関わるさまざまな作業の中でも「奥まった箇所にある何か」にアプローチするにはいろいろな工具が必要になります。
それは長いドライバーだったり、ラチェット用の長いエクステンションバーだったり。

で、そんな中でも「奥まった箇所に何かを掴まないといけない場面」ってのはなかなか難しくて、そういうときにいわゆるロングリーチなプライヤーがとても便利です。
しかしこの話をお店ですると、何がどう便利なのか、なかなか分かってもらえない事もあるので今回はそんな話でも。

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KNIPEX ロングリーチニードルノーズプライヤー

ちなみにロングリーチってのはこんなの。
刃先が長いわけではなく手元側が長いんです。
まぁ刃先がすごく長いのでも良いのかな?とも思いますが、考えてみるとテコの応用で掴む力をだしている工具ですから、刃先が長くて手元が短いのではそもそも掴力が掛かりません。

また。

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こんな感じで狭い箇所に突っ込んでいくのがこの工具の本領発揮な場面であるわけですから、刃先が長いと細かな作業に向かないんですね。
これは対象の箇所が狭くなればなるほどこのプライヤーが威力を発揮する事になります。

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ペイント使って図にしてみました。
こんな感じで支点が先端に近い方が狭い箇所の先までいってモノを掴む事が可能になるんです。
(絵がテキトー過ぎて逆に分からないかも知れませんが)

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そして今回のロングリーチプライヤーにはストレートとベントノーズがあります。
で、このベントノーズがすげー良いんですね。

もともと手が入らないような箇所での作業で使う工具ですから、差し込んだ後に掴むだけじゃなくちょっとクイっとひねったり、あとはスプリング式のホースバンドをずらしたり。
そういった作業でこのロングリーチのベントノーズがとても便利で重宝します。
この手のプライヤーを使った事がない人だととても「特殊なプライヤー」だと思ってしまって自分には関係ないと思ってしまう人も多いのですが。
実際は誰が使ってもかなり重宝する工具のひとつであります。
まだ使った事ない人はぜひご一考くださいませ。