最近のお気に入りラチェット

工具を販売する仕事をしていれば、そりゃまぁいろんな工具と接する機会があるわけです。
すごく良いものもあれば、出来の悪い工具もあって、もちろん平均点的な工具もたくさんあります。
当店のWebサイトにはそんな普段から気になっている工具を紹介するようにしておりますが、自分の中での基準点といいますか…さすがにこれダメだろって工具は掲載はもちろん取り扱いもしません。
これがリアルなお付き合いのある店舗だったりすればお客さんさえ納得してくれれば問題ないのですが、通販も含むWebページでの紹介となるとあまり変なものは紹介出来ないってのが本音です。
この仕事も長くやってますのでそういった公に発信する情報ってのは、やはりどこか自分なりのお仕事モードなフィルターがかかっております。

また私だって人間ですから個人的な「好き嫌い」みたいなものもありますので
仕事モードの時はその辺はちょっとだけ抑え気味にしていたりもします。

とまぁ、カッコいい事を言ってはおりますがそれでもやはり私の主観は入ってしまいますので、そういうのも含めて当店を信頼してくれたら嬉しいなぁとは思いつつ日々仕事してますけどね。

 

で、今日はたまには仕事モードではなく完全無欠に個人的に最近のお気に入りの工具の話でも。
たまたまラチェットの紹介になってしまいましたが「工具全般」から選んでの結果だと思ってください。

ってなわけで数年前にも同じ工具だったのでのですが、今でも最も気に入っている工具がこれ。

ネプロス1/4ラチェット

ネプロス 1/4ラチェット

ネプロスの1/4ラチェットの首振りモデル。
近年の小判型ヘッドラチェットの技術革新によってギアの多段化が進み、なおかつ空転トルクの軽減化が実現したってのはちょっと前のブログでも書いた通りです。

工具メーカー各社はこぞってラチェットの多段ギアを推進しました。
3/8や1/2あたりなら製造もそれほど難しくないのでとても良いラチェットが各社から出揃った感じです。

でもでも。
この1/4ラチェットだけに関してはネプロスが1馬身ほどリードしている印象です。
ぶっちゃけここ10年の様々な工具を遡って考えてもここまで「これ良い!」と思える工具はありませんでした。
つまり私の個人的なここ10年の全てのカテゴリーを含むベストツールと言えます。

ネプロス1/4ラチェット

あ、ちなみに最初に書きましたがこれ「仕事モード」の意見ではありませんよ。
もともと私は1/4差し込みの工具が好きってのもありますし、現在主な整備というと単気筒のダートバイクメインです。
つまり現在の私の超個人的な独断と偏見によるベストツールなわけです。

でもねぇ、これほんとによく出来てるんですよ。
さっきも書きましたがこれが3/8とか1/2の少し大きめのラチェットでは、ここまでは絶賛しません。
まぁ冷静に「良いラチェット」ってくらいです。
しかしこの1/4ラチェットはとにかくヘッド周りもすごくコンパクトでして。
なおかつ首振り部分の節度感も個人的にすごく好きな仕上げになっております。
もともと首振りロングラチェット好きな私ですので、他のメーカーのモノも併用はしてますがメインで使っているのは本当にコレです。

ネプロス1/4ラチェット

日本の工具メーカーであるKTCらしさってのかな、精密なモノを作るのがうまい雰囲気がムンムンしてるんです。
細かな理由はまだ他にもあるのですが、最近お店で「個人的にお気に入りの工具ってなんですか?」って聞かれた時に答えたのがこのラチェットだったのでブログとしても書いてみました。
ラチェットとしては少々お高い工具ではあるのですが、買って後悔することはないと思いますよ。

2019年電気工事士試験の技能練習

毎年この時期になると問い合わせが増えてくる電気工事士試験の実技試験用工具。
工場の保全担当者とかも取得推奨になっていたりするので、さまざまな業種からの問い合わせがきております。

ちなみに2019年の第二種電気工事士試験は
・筆記試験 6月2日(日)
・技能試験 7月20日(土)・7月21日(日)
といったスケジュールになっております。
(申し込み受付はすでに終了してますので、今からだと下期ですね)

まぁ毎年の試験内容には大幅な変更とかはありませんので、試験の対策をしっかりしておけばなんとかなるんですけどね。

で、その対策。
弱電工具メーカーのHOZAN(ホーザン)からガッツリと用意されてます。
毎年この時期だけ品薄になるくらい人気なのがこれ。

HOZAN電気工事士試験用工具

HOZAN VVFストリッパー

ホーザンの代表的な工具と言えばこのVVFストリッパー。
2芯や3芯のVVFケーブルを楽にストリップ出来る電気屋さん御用達工具のひとつです。
時間に追われる事になる電気工事士の実技試験でもこの工具の利便性は必需品になりつつありますね。

HOZAN電気工事士試験用工具

HOZAN 電気工事士技能試験工具セット

そしてこちらは上記のVVFストリッパーも入った試験用工具セット。
専用のバッグまで付いていて会場にもこれを持っていけばいいので重宝されてます。

HOZAN電気工事士試験用工具

HOZAN電気工事士試験用工具HOZAN電気工事士試験用工具

HOZAN 第二種電工試験練習用 配線・器具セット 2019年版

そしてこちらは実際の試験と同じ練習が出来る配線と器具のセット。
学校とかに行っている人なら必要ないと思いますが、そうじゃない人は練習といっても限界がありますからね。
これを買って本番と同じ事が反復練習出来るのは嬉しいですね。

その他、補助工具も充実しておりますので試験を受けるぞって人は一度このページをチェックしてみてください。

そして試験が近づくにつれて上記の工具はかなり品薄になります。
今年チャレンジなんだよねーなんて人は今のうちからご検討くださいませ。

プラスのネジのお話

今回はみなさんが一番気になるプラスネジの話でも。

まぁあまり詳しすぎる話とか歴史の事言っても仕方がないので、昔から良く話題に上る「輸入工具と国産工具の合う合わない」のお話。
これ、私が工具というものに仕事として正式に携わった25年前よりも、もっとずっと前から言われている事でして「輸入工具メーカーのプラスは国産車に合わない」って話題について。

ちなみにプラスのネジにはちゃんと世界統一規格があってその名は「フィリップス」
ネジの国際規格の「phillips screwdriver」は世界中のどの生産国でも同じネジとして扱えるようにしたアメリカ発祥の規格でして、よく工具のカタログでプラスドライバーの表記が「P2」とかになっているのは「プラスの2番」ではなく「フィリップスの2番」ってな意味なんです。
(別にプラスの2番でも困らないけど)

ただし。
そんな国際的な統一規格があるはずのプラスネジですが…やはりなんか合わないというか、なめやすい場合があるのも事実でして。

プラスネジのお話

で、その話には続きがあって例えば国産メーカーのベッセルとか使っていると、どんなネジでも合うとの事。
逆にSNAP-ONとかPB等のいわゆる「輸入工具メーカー」のドライバーを使っていると合わないプラスがあると。
つまり輸入工具のプラスは海外ネジには合うけど国産ネジには合わない。
国産工具のプラスは海外&国産ネジのどちらにも合う。

プラスネジのお話

こんな都合の良い話があるもんか!って不思議に思いました。
しかしこの謎、都市伝説みたいなこの話の決着は結構簡単な話でして、私も15年前くらいに工具メーカーの開発さんに聞いて納得しました。

いまでは結構有名な話になりつつありますが、それでもお店で似たような質問をされる事がまだまだありますので簡単に説明を。

プラスネジのお話

まずはそもそも世界規格があるのにドライバーの形状に違いがあるのか?
で、よぉーく注意深く見てみるとちょっとだけ違うんです。

国産と海外メーカーのプラスには上記の絵のような違いがあります。
これは注意してみていないと分からないくらいの違い。
絵なので大げさに書いてます。

これ見て分かるのは海外メーカーのは尖っているんですね。
でも国産メーカーは尖ってない。
ちょっとだけ寸足らずな先端であとの寸法等は全て同じ、先端の尖りがあるかないかだけの違い。

で、なんでこんな事になっているのかというと日本独自の「JIS規格」のネジに秘密がありました。

プラスネジのお話

適当に書いた絵で分かりにくくてすみません。
こんな感じでドライバー形状で推察出来る通り、ネジ側も寸足らずなんです。

この寸足らずなJISネジに尖った海外ドライバーを差し込むと奥まで入りませんからナメ気味になります。
逆に国産ドライバーは寸足らずなネジに合わせて作られているので、JISネジはもちろん国際規格のフィリップスネジにもなめる事なく食いついてくれます。

ってなわけで「プラスネジにドライバーが合わない問題」は全て日本独自のJIS規格が原因で引き起こっていた先端の数ミリの長さ違いが元凶でした。

そんなわけで過去から現在まで海外メーカーのドライバーはダメだ説が流布されていたわけです。
決してユーザーの気のせいじゃなかったんですね。
で、そうなると「じゃやっぱり輸入工具のドライバーはダメなんじゃない?」って事になってしまいますが、もちろん工具メーカーだって対策しないわけありません。

実はPBのプラスドライバーは「日本仕様」と言うのが存在しまして、現在正規で輸入されているPBは全て国産ネジにピッタリ合います。
(先端がJISネジにも対応する形状になってます)
エイビットでは数ある海外のドライバーメーカーの中でPBをイチオシで販売してきましたが、こういった対応の良さも考慮してのオススメなわけです。

あとあれですね、ネジの制作がアジア圏に外注されるようになり日本独自のネジの流通自体が減っていると思いますので、昔ほどこの問題は表面化しなくなりました。
ぶっちゃけ今では知らなくても良いような話ではありますが、今でも当時の輸入ドライバーはNG説を信じ切っているいる人もいますので、そんな時はこっそり教えてあげてくださいませ。

GWの中休み

どうしても遠方から来てくれるお客さんのためにって思ってしまい、大型連休に店を休みに出来ない性格なのですが…。
さすがに今回のGW10連休は工具メーカーも含めてがっつりお休みなので、仕事したくても出来ない状況になっております。

まぁお店の在庫は連休モードになっているのでなんとかなるのですが、見積もりとかその辺がね…結構厳しい。
で、いろいろ考えた結果今年は連休中にお店も2連休もらいまして、ちょっとだけ遊びに行ってきました。

先日のブログで知っている人も多いと思いますが、最近カミさんが積極的にバイクに乗り始めまして。
興味なかったはずのオフまでやりたいと。

そんなわけでお休み前にちっこいオフバイクを借りてきました。

GW2019

ほんとはブロンコでもよかったのですが、今回は基礎練だけじゃなく楽しく遊びたいってなリクエストだったので転げ回ってもOKなヤツを用意。
私のバイクと2台積みでレッツゴー。

GW2019

前日までは雨が降り続いていたのですが気持ちの良い快晴に恵まれました。
天気がよかったのでお仲間の大勢駆け付けてくれて、丸一日みんなでワイワイとコース走行。

GW2019

午後からはちょっとだけ真面目モードで走り込んで身体中に乳酸溜まりまくりで終了。

その後肉体が肉を欲したのでみんなでステーキ食いにいって本当に久しぶりに楽しい休日でした。

GW2019

陽も伸びてきて夕方の18時でもまだ明るいんですね。
洗車して洗濯して全部片付けるまでがバイク遊びって事で借りてたバイクも入念に洗車&整備してその日のうちに返しにいって全日程が終了。

せっかくのお休みなので夕飯も外食しようかとも思いましたが、私もカミさんも疲れ果ててたので家で風呂入ってビール飲んで飯食ったあとの記憶が…。

今朝は6時には目が覚めて干していた洗濯物とか装具とかを全部収納して本当にお片付けも終了。
そして今日から連休の後半戦スタートです。
連休中だけの特別展示もかなり好評を得ております。

筋肉痛でロボットみたいな動きになってますが、みなさんのご来店お待ちしております。

2019JNCC第3戦ワイルドボア鈴蘭 岐阜大会

今年は例年と違って連休中の開催となったJNCC第3戦の鈴蘭大会。
飛騨高山のさらに奥、南アルプスを一望出来る鈴蘭高原は標高も高くて4月の終わりといっても下手すりゃ残雪あるくらい寒い場所です。

で、そんな鈴蘭大会にLINK-OILのサポートライダー森野選手が参加。
(私はお店があって行けませんでした)
前回大会の大阪ラウンドでは慣れないスピードレースで撃沈してしまいましたが、この鈴蘭はJNCC中でも難コースで有名な得意そうなコース。
そんな森野選手からレースの様子と写真を頂きましたので会場とレース模様をレポート。

まずは土曜日に会場入り。
JNCCは土日開催しておりますが土曜日って別にレースがあるわけではなく「コース下見」や「試乗会」があるまったり出来る一日。
そんな土曜日なはずなのですが…

2019JNCC鈴蘭

雪。

それも吹雪。
気温は日中でも3度ほどで夜間になると氷点下になるなんだか過酷な状況になっておりました。
日曜日はそこそこ晴天の予報だったのでレース本番は心配してなかったのですが、ここまで降ると雪解け水等で酷いことになるのは確定でした。

そしてレースデイの日曜日。
予報通り天候は持ち直したものの路面状況はいわゆる「超ハード」
森野選手は一発のスピードよりも安定した強さがあるライダーなので「あれ、もしかしたらいけるんじゃない?」とか期待してました。

2019JNCC鈴蘭

案の定、荒れた路面とガレ(岩場)中心のコースで彼の本領発揮。
1周目に8番手で通過してからは徐々に順位を上げていきついにTOP争いに。
実際彼のラップタイムを見ていると途中から速くなったわけではないので、他の選手が沈んでいくなかで安定した走りが良い結果につながっていたのだと思います。

2019JNCC鈴蘭

終盤になり順位は「2→1→2→1」と完全に優勝争いな展開。
荒れた路面はさらに荒れてて、サイドバイサイドのガチバトルってよりかは「ミスした方が負け」なメンタルな戦いになってましたね。

そして結果は…
ここからは森野選手の直筆レポート。

GW前半の鈴蘭高原、時期的にも夜かなり冷え込むと聞いていましたが、まさか前日昼間から雪や雹が降るとは思ってもいませんでした…
下見した感想としては完全な「ハードエンデューロ」全ての斜面がツルツル、ガレも泥が乗ってグリップせず、ゲレンデ下部はすべて深いマディになるのではないか、そんな話をナグモータースのチーム員と話していました。
ただハードエンデューロも参戦する自分としてはコンディションが悪化し平均速度が落ちてくれたほうが勝てる可能性が上がるのでこの天候は願ったり叶ったりでした。

当日は朝から晴天で前日の雹が溶け、午前に行われるFUNクラスはかなり辛いコンディションになったようですが、午後から始まるCOMPクラスは路面コンディションが急速に回復しゲレンデ上部の斜面はベストコンディションになっていました。
ただ下部のマディは雪解け水が流れ込んでとんでもないことになっていましたが…
レースは始まってみると案の定ハードED寄りのクロスカントリー、マディに合わせてマディ用タイヤを履いてきたライダーがガレでスタックして大渋滞、マディは1周毎に状況が変わりラインを間違えれば一瞬でスタックするようなコースでしたがミスなく走ることは得意ですので冷静にラインを読みながら淡々と走り、気が付けば途中クラス1位まで上がっていましたが後半膝痛が出てしまいペースが落ち最終的にはクラス2位でゴールしました。
ハードED寄りのコンディション、得意なガレが渋滞ポイント、ばっちり当たったタイヤ選定とここまで完璧で1位が取れなかったのは完全に自分の実力不足なので次戦の戸狩や爺ヶ岳に向けて練習したいと思います。

今回もオイルはLINK-OILのTorque15W-50を使用しました。ゲレンデを3,4速全開で登るところでもレブ付近で頭打ちせずもう一伸びする感覚がありシフトチェンジをすることなく気持ちよくゲレンデを駆け上がることが出来たのはTorqueのお陰かなと思ってます。

ってなわけで、残念1位ならず惜敗の2位でした。(同クラス完走41台)

2019JNCC鈴蘭

ちなみに同じチームメイトでCOMP-Rクラス出場のまーくん。
こちらもLINK-OILのトルク15W50を入れてくれてて最高順位は4位までマクッたのですが、最後に失速してしまい入賞を逃しました。

2019JNCC鈴蘭

それでも入賞圏内でバトルしたってのはすごい経験値だと思いますので、今シーズン中には入賞出来そうな気配。
まだまだ伸び代しかないハズなので頑張って欲しいです。

2019JNCC鈴蘭

ぶっちゃけ応援してる方としては満足な2位でしたが本人はこの様子。
JNCCはこのあとも森野選手が得意としているゲレンデコースが続きますので、みなさんも応援よろしくお願いします。