KTCの電装用特殊プライヤー

車両整備には様々な固有の特殊工具が存在します。
それは車メーカー特有のものだったり、整備箇所起因のものだったり様々ですが、中でも「電装整備」向けのものはちょっと違った原因で特殊だったりする場合が多いです。

そんなちょっと独特な工具が必要となる電装系統の整備ですが、ぶっちゃけ特殊工具はなくてもなんとかなっちゃうんですよね。
それでも専用の工具が望まれるのはなぜか、それは……

とにかく面倒だから。

もうこれに尽きると思います。
特に電装系整備でメカニックが格闘することになる事が多いのが「カプラー」ですね。
たかだかプラスチックが組み合わさっている接合部なのですが、こいつが防塵や防水のために結構固めにロックされていたりして、工具なしで挑んだ場合なんかだともう指先のちから勝負になったりします。

で、こんな経験もスキルもあまり関係ない作業こそ専用工具があるとかなりの時間短縮が可能なわけです。

そんな電装用の特殊工具の中でもとにかく評判がいいのがこれ。

KTC電装用プライヤー

KTC コネクターハウジングプライヤー

先程言った防塵や防水のロックカプラーの「ロック部分」を押しながらカプラーを引く抜く専用工具です。

KTC電装用プライヤー

先端の治具は3種類入っていて各社のロックカプラーに適合するようになっております。

KTC電装用プライヤー

あまりにも専門性が高いので他の作業への流用等はほとんど効かず、そのため一般の人はなかなか手が出しにくい工具ではありますが、その専門性の高さゆえに使い勝手は抜群で購入後の評価が高い工具のひとつです。

そしてもうひとつ。
これもメカニック泣かせの面倒作業の代表格に対応した工具です。

KTC電装用プライヤー

KTC リレープライヤー

リレーBOXにぎっしり詰まったリレーを両脇のロックを解除しながらサクっと抜いてくれるリレー脱着の専用プライヤーです。

KTC電装用プライヤー

キモはこの先端のテーパー形状と赤い矢印部分の逃げですね。

KTC電装用プライヤー

実際に使ってみると今まで苦労してたのが嘘のようにサクッと抜くことが出来るのでちょっと感動しますね。
また形状と大きさ的に↓

KTC電装用プライヤー

このタイプのヒューズの脱着にも使えました。
とにかくBOXの中に狭く収納されたリレーやヒューズには効果抜群のプライヤーだと思います。

ちなみに上記の2モデルはそこそこの価格がするのですが「特殊工具」が故の価格設定ですので仕方ないと思います。
またこれもよく聞かれるのですが「先端の爪部分だけ買えませんか?」という質問。
A:購入出来ます。
けど、爪の価格がほぼ本体価格に近いので取り替えて使う事を考えれば、普通に本体を買ってしまった方が将来的なコスパは高いと思います。

ってなわけで店舗では売れまくっている便利な電装用特殊工具のふたつ、心当たりのあるメカさんがぜひ一度お試しくださいませ。

KNIPEXプライヤーレンチ新型ラインナップ

KNIPEXの人気工具プライヤーレンチが新型に切り替わり始めて早数年。

KNIPEXプライヤーレンチ
開口幅が大きくなりサイズ目盛りが追加された

しかし新型への切り替えがなかなか進まずに「このサイズは新型でこのサイズは旧型」なんていう面倒な状態が続いておりました。
さらにそこにきてコロナ禍の影響もあって切り替えは余計に遅れておりましたが…

やっと主要サイズの切り替えが完了。

KNIPEXプライヤーレンチ新型ブラック

KNIPEX プライヤーレンチ(新型ブラック仕様)

こちらはブラック仕様。
主要サイズとは「180・250・300」の事でして他のサイズはまだ当分新型に切り替わる可能性はなさそう(400は大丈夫だけど)

KNIPEXプライヤーレンチ

KNIPEX プライヤーレンチ(新型メッキ仕様)

そしてこちらが最後まで切り替えが遅れたメッキ仕様。
従来のシリーズファンにはこちらのメッキ仕様こそがスタンダードという人も多くて、かなりの人が新型に切り替わるのを待っておりました。

プライヤーレンチカバーグリップ

KNIPEX プライヤーレンチ用 カバーグリップ

そして新型に切り替わったという事はこのカバーグリップも全て取り付けOKになったわけでして、販売店側である私も「やっとこれでラインナップが揃ったよ」とホッとしましたね。

コロナの影響で少々在庫が不安定だったりもしますが、とりあえずこれでいつでも最新モデルのプライヤーレンチが購入出来る体制が整いました。
お待たせした申し訳ございませんでした。

工具の専門家ではなく

3月の末にちょっとした身体の異常が見つかり、手術を受けて入院しなければいけないって事が決まって。
まず心配したのが店の事でした。

気がつけばもう何十年も、それこそ四半世紀以上、工具の販売だけを仕事にしてきて。
なおかつ第一線というか裏方に回る事もなく工具販売の最前線で、工具というモノに触れてきました。

よく「好きな事を仕事にするのは難しい」とか言われる事がありますよね。
実際そういった事例をこの目でいくつも見てきたので、この言葉の持つ意味の深さはよく分かります。

だから。
自分がこの工具の仕事をこれほど長く続けてこられた事を不思議に思い振り返って考える時もあったりします。
そして自分の原点まで掘り下げて考えてみると、やはりスタートは「工具が好き」だったと確信しますが、今ではそこまでの熱量をもって接しているとは自分でも思えません。

それでも自分の身体より、まず心配したのは店でした。

なぜだろう?と考えればまず思いつくのは「売り上げ」の話。
そりゃー1ヶ月近く休めば売り上げは厳しくなりそうなんだけど、ぶっちゃけ1ヶ月くらいなら休んでも即影響があるかといえばそうでもないんです。

で、もうちょっとよく考えてみて。
入院を前にお手伝いのスタッフに仕事の引き継ぎをしている時に分かってきたのが。

整備全般に関わるみなさんと工具を通じて繋がっていられる今の仕事が好き

なんだと理解しました。
つまり私にとっての工具とは触媒にすぎないのかもしれません。
そうなると「工具が好き」というだけでやってこなかったからこそ今でも続いているのだと思います。

実は昔。
それこそエイビットを始める前にオートメカニック誌が主催するメーリングリストがありました。(まだダイアルアップ接続の頃の話です)
そこには整備の各方面の達人や機械工具関連の達人、そして素人メカニックでありながら特定車種では達人な人とかいろんな人達が参加していて、整備の話や工具の話、そしてたまにくる一般の人からの質問等にも答えていました。

そんな中で私も「工具屋」というハンドルネームで参加しておりまして、いろんな質問に回答していたんですね。(実際工具の店はやってたので間違ってはいないのですが)

今思えば黒歴史みたいなもんなのですが、当時の自分は「工具の専門家気取り」だったんですよ。
そしてその数年後にはエイビットを立ち上げて、まさにメーリングリストにあったように「専門家気取り」で工具のお店を始めるわけですが……

まぁー厳しかったです、はい。
自分の知っているだけの工具の知識なんて鼻くそほどのものしかなく、整備の世界の広さにただただ打ちのめされる毎日でした。

そして心を入れ替えまして工具の知識というよりは「整備する人に寄り添って工具を販売出来る人であろう」と思ったんですよね。
今思っても自分の中では大きな転換期だったと思います。

ちなみに工具屋というキーワードは私の中ではNGワードになっちゃいました。
(自称では絶対に工具屋とは言いませんw)

それでも長年やってきましたからね、ある程度矜持みたいなものはありまして。
それじゃいったい何者なのよ?って話になれば。

工具販売のプロ

という自覚はあります。

エイビット店内

そしてこの工具販売のプロとしてエイビットを運営しておりますので、やっぱり自分が休んでしまうと迷惑かける人もいるだろうなーって思っちゃうんですわ。
だって誰かに引き継げないんすもん。
工具の知識だけならね、今のご時勢ならいくらでもネットで情報引っ張れますが「工具をどんなレベルの人にも分かりやすく販売する」のはまたちょっと違うと思うんですよね。

ってなわけで最後は自画自賛になってしまいましたが、まだまだ引退したら怒られそうだし自分だって引退なんかしたくないし。
退院したらバリバリ仕事しますので応援よろしくお願いします。

超軽量コンビネーションレンチという選択

日頃からウチのサイトを見てくれている人って、いわゆるすでに工具は使っていてプラスアルファな情報を求めているような人が多いと思います。
もちろん各自のスキルこそいろいろなんでしょうけど、発信する側の私もその辺を考えつついろいろ紹介してます。

で、そんな「そこそこ工具は持っている」って人が一度は本気で考えるのが「第二の工具」の存在。

一応ね、今でも困らないくらいは工具は揃ってきた、もちろん新しい作業では必要に応じて工具が必要になる場面はあるけど基本工具に関してはよほど魅力的な新製品でも無い限り追加の購入は無いかなぁ…なんて人、いますよね。

でもでも。

それでも工具って毎年新製品がいろいろ出て、更に言うと今まで知らなかった工具でちょびっと琴線に触れるような物があったりしたりする事ってありますよね。買い換えるか?って言われると、いやそこまでじゃないんだけど……くらいな感じ。
そういう考えがたまにですけどループしちゃって妄想で「今から揃えたらどの工具をどうそろえるかな?」とかね、考えるうと楽しいんです。

でまぁその辺はもったいないとかいろいろあって妄想で終わってしまう人の方が多いと思うのですが。

そこでもうひとつの選択肢である「車載用」とか「持ち出し用」の工具。
これを考え始めるとやばいです(経験者多いハズ)
まぁエイビットとしては買ってもらえた方が嬉しいのでどんどんいっちゃってもらいたいのですけどね。

と、まぁ前置きが長くなりましたが持ち出し用の工具。
いろいろ考えるのですが基軸になるのが「軽量」「コンパクト」ですかね。

車に積みっぱなしにしようがバイクの限られたスペースに押し込もうが、デイバックの中に入れて自分で背負おうが、やっぱり軽くて場所を取らないってのは王道路線です。

 

そしてその軽量に絞って作られたレンチがこれ。

ligt_combXX1

ライツール 軽量コンビネーションレンチ

工場系の工具メーカーとしては人気の高い国産アサヒの軽量レンチシリーズです。
写真のように要所を肉抜きされ必要な強度を保ちながら従来のレンチよりも40%の軽量化に成功しております。

ligt_combXX3

仕上げもかなり良く、また価格も抑えめで持ち出し用の工具としては店舗でも一番人気ですね。
またこの軽量コンビって使ってみると普通に良くて、なにせ「軽い」ので持ち出し用としてだけではなく据え置き用工具としても人気があります。

そしてなんかかっこいいんですよね、機能美って言うんですかね。
持っててニヤニヤしちゃう系です。

この軽量コンビにはキーホルダー設定もあります。
もちろんちゃんと工具として作られていて実際に使用する事も出来ます。

ligt_puti_neX2

ライツール プチコンセット

こんなにちっこくても工具ですのでキーホルダーとして使うのはもちろん、携行工具としても使えますね。

プチコン

ライツール プチコン(小サイズ単品販売)

また現在限定販売ではありますがプチコンの小サイズ(5.5~8mm)を単品販売しております。興味のある方はぜひ。

ってなわけで軽量レンチシリーズのライツールは他にも種類あります、是非お店まで見に来てくださいませ。

蔵王産業の電動高圧洗浄機

工具の販売現場でもちゃんと「季節商材」ってものがありまして、ゴールデンウィーク前後になると問い合わせが急増するのが高圧洗浄機。

当店では洗浄機メーカーである蔵王産業さんと強力にタッグを組んでいる関係性から蔵王産業の電動高圧洗浄機『ヴィットリオ』シリーズを推しております。

蔵王産業ヴィットリオシリーズ

>>蔵王産業の高圧洗浄機ラインナップはこちら

もともとは業務用洗浄機機器のメーカーさんでして一般向けのいわゆる民生機は出してませんでしたが数年前から一般向け市場に参入してきて、その真面目すぎる対応の良さに個人的に惚れ込んでしまいまして現在エイビットの主力の高圧洗浄機はヴィットリオシリーズとなっております。

実際この数年間で何百台もの洗浄機を販売させて頂きまして、中にはいわゆる初期不良とかもありましたけど、とにかくアフターがめっちゃ良いメーカーさんなので販売する現場としても安心してオススメする事が出来るってわけです。

そんな個人的にもお気に入りの洗浄機ですが電動のラインナップには全部で4つのモデルが存在します。

蔵王産業ヴィットリオシリーズ

蔵王産業 高圧洗浄機 ヴィットリオ Z1 ABIT限定モデル

まず末弟となるもっともリーズナブルでもっともコンパクトな「Z1」
末弟というと価格優先で性能は「ちょっと…」というモデルに思われがちですが、なかなかどうして必要十分な性能をもってまして普通にみなさんがイメージする高圧洗浄機っぽい使い方なら問題なく使えるモデルです。

そしてこのZ1の上位モデルとなるのがこちら

蔵王産業ヴィットリオシリーズ

いわゆるハイスペックモデルとなる「Z3」「Z4」です。
中身の機構的なものは全て同じなので使った時の性能面では全くの同一となるこの2モデルですが。

蔵王産業ヴィットリオシリーズ

付属するホースが違っております。
画像上のゴムホースが最上位モデルのZ4に
画像下のソフトホースがセカンドグレードのZ3に付属しております。

ソフトホースってのは一般的に高圧洗浄機に付属しているものと同じでして、ちょっと取り回しに難がありますが必要十分なヤツ。
そしてゴムホースは業務用機器によく採用されているちょっと高級バージョンって思ってください。

蔵王産業ヴィットリオシリーズ

実際に私が使っているZ3モデルなのでスタンダードなソフトホースだとこんな感じ。
よく見かけるクルクルクルってなってしまってちょっと扱いが面倒なホース。
(まぁこれが普通ですけど)

蔵王産業ヴィットリオシリーズ

これをゴムホースに付け替えてみるとこんなにホースの扱いが楽になります。

またZ3とZ4ではホースを巻取る機構が違っていて「Z3は単純に外したホースを巻き取る機構」なのに対して「Z4は内蔵型のホースリール機構」となっております。
この言い回しだと伝わりにくいと思いますのでもっと簡単に説明すると

Z4はホースを1メートルだけ引き出して使えるのに対して、Z3は一度10メートルのホースを全て引き出してからセットして使う。

といった違いがありまして、これって実際に毎週のように使う人ならかなりの差を感じる事になると思います。
(事実店頭で現物見て買う人はZ4の購入率が高いです)

まぁそんな事言ってもZ3の方がリーズナブルですからね、実際私が使っているのはZ3ですし慣れてしまえば問題なかったりもしますけど。

現在高圧洗浄機をご検討中の方はぜひ蔵王産業のヴィットリオシリーズも候補にいれてみてくださいませー。