なんでも入る大きな工具袋

整備する状況っていろいろあると思いますが、出先での整備って難しいですよね。
アレがないとか、これ持ってくるの忘れた……とかね。

更に工具の置いてある場所から離れてしまったりすると、もう行ったり来たりと効率が悪いんです。
で、そんな経験があるお客さんから結構問い合わせがあるのが
「とにかくデカイ袋ってないですか?」

なんでも台車だと路面悪いと厳しいらしく、階段とかあると面倒なので、可能性のある物を全て放り込んでちょっとだけ移動したいと。
で、そんな方達にかなり好評を得ているのがこれ。

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リングスター 大型ツールバッグ

もともと建築現場用に作られているのでかなり丈夫な大型バッグです。
これこのままだとどれくらいデカイのか分からないと思いますが……

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例えば同社の手持ち樹脂製の工具箱を2個。

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更にその上にヘルメットをポンと置いて。

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全部入れてもこんな感じ。
まだまだ隙間に差し込む余裕はありますが、工具箱に実際に工具が入っていると重量的に人間が厳しいカモ。

これだけ雑多にいろんな物を放り込んで使えれば現場ではかなり重宝します。
まして布製のバッグですから使わないときはコンパクトに収納出来ますしね。

ちなみにこのバッグはそういった前提で作られているのでちゃんと折りたたむ機能まで付いてまして……

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順番通りに畳んでいくとこの状態でベルクロ留めて収納出来ます。

たしかにしょっちゅう活躍する物では無いかも知れませんが、車の中にひとつ放り込んでおくと結構重宝すると思います。

ダートバイクにおけるプライヤーレンチの活用術

以前他の媒体向けに書いた記事を再掲載します。
ダートバイク向けに書きましたのでそれっぽい内容になっていると思いますが、プライヤーレンチの説明としては分かりやすいと思いますので、バイク乗り以外の人も読んでみてください。


基本的にダートバイクって普段の整備に使う工具ってあまり多くないんですよね。
なんといってもほとんどの場所が8mmと10mmで済んでしまうわけだし、これがレースユース前提のコンペモデルともなればなおさらです。

もちろんそれは通常整備でのお話であって、パンクしたとか、転倒してレバー曲がったとかね。
不慮の事態に備えようと思えばやはり持っていたい工具もそこそこの数になります。
ましてそれが携行工具ともなれば厳選の仕方が難しいですよね。

そういう時って『1台で○○役です』みたいな便利そうなマルチツールとかも気になるのですが……やっぱり使ってみるとイマイチなモノが多いんですよね。
工具の世界では『何にでも使える工具は、結果何にも使えない』という言葉がありますが、まさにその通りな結果な事が多いんです。

しかーし!

今回紹介するのはまさにそのマルチツールに近い『1本○○役』な工具なんです。
もっというとダートバイクに特化した万能工具ともいえる存在でして、一日のレース時間ではかなり長丁場になり工具を持って走る事の多い全日本エンデューロ選手権ではかなりのライダーに愛用してもらっている実績もあります。(もちろん私も愛用してます)

プライヤーレンチの活用

それがこのドイツのKNIPEX社から出ている『プライヤーレンチ』

これだけ見ると「え?プライヤー?ペンチ?」と思うかもしれませんが……これモンキーなんです。

ご自分の工具箱の中を思い浮かべてもらうとモンキーって1本くらい入ってますよね。
入ってるよって人はその使用頻度を考えてみてください…どうです?実はあまり出番のない工具じゃないですか?

そうなんです、現代の整備事情ではモンキーってあまりアクティブに使う工具ではなく、どちらかといえば工具箱の肥やしになっている事も多いんですね。
それでは何故このモンキーでありマルチツールでもあるプライヤーレンチがそんなに優秀なのか。
ダートバイクユーザー目線で説明したいと思います。

さきほどこの工具はモンキーです、と書きましたがパッと見ではプライヤーなこの工具のどこがモンキーなのかを説明したいと思います。

プライヤーレンチの活用

一番分かりやすいのがここかな。
いわゆる口の内側の普通だとギザギザの歯がある場所がこんな感じでまっ平らなんです。
工具メーカーもちゃんとモンキーとして使うように作っているんですね。

これがどういう感じでモンキーなのかは言葉で説明するより見ちゃった方が早いと思うので、こちらの動画を見てみてください。

── ってな感じの工具なわけです。

で、ここまで読んでもまだ何故ダートバイク向けなのかが分からないと思いますので、この工具の諸元を見てみてください。

●KNIPEX プライヤーレンチ
・180サイズ 全長180mm 最大開口幅:35mm
・250サイズ 全長250mm 最大開口幅:46mm

ここで注目するのが180サイズの最大開口幅です。
ちなみに180サイズというとプライヤーでいえばそこそこミニサイズ。

プライヤーレンチの活用

実物も片手に収まりウエストポーチとかにも楽に入るコンパクトなサイズです。
この小さなプライヤーが……

プライヤーレンチの活用

ガバっと開くとこんなに大きいサイズにまで対応出来るのです。
写真右の250サイズで開口幅は最大46mm。
写真左のオススメサイズである180サイズでも開口は35mmなんですね。

さて、小さい方のでも35mmまで開くということは。
つまり…

プライヤーレンチの活用

こんなコンパクトな工具でモトクロッサーのアクスルナット最大サイズである32mmが楽勝で回せるんですね。
これが普通のモンキーレンチの場合32mm以上の開口幅があるモデルを探すと全長が300mm以上の少し大きめなモンキーレンチになってしまいます。
そうなると持ち出し用工具としてはNGですよね。

そして自由にサイズを変更出来て、なおかつ『つかんで回せる」メリットがありますので。

プライヤーレンチの活用

2ストロークのダートバイクのプラグ回しとしても使えます。

そうそう!このプライヤーレンチは『つかんで回せる』のですが、これが普通のモンキーレンチとの大きな違いでもあります。
さらにこのプライヤーには秘密がありまして。

プライヤーレンチの活用

赤い矢印の部分をよく見ると『テコの原理』ようになっておりまして、握った力の約10倍の力を先端のつかみ部分に掛ける事が出来ます。

これによって。

プライヤーレンチの活用

出先で不意に破損してしまった金属部品の修正等にも活躍するんです。
実際この工具は自動車の鈑金屋さんにも人気の工具でして、握る力が強いわりに刃先がフラットなので相手を傷付けないで鉄板の修正が可能なんですね。

ってなわけでこの工具、KNIPEX(クニペックス)のプライヤーレンチ。
特にコンパクトな180サイズ。

1本持っていると。

  • 最大35mmまでのネジ回しとして使える。
  • 普通のプライヤーの替わりとして活躍する。
  • 破損部品の修正に使える。

と、良いことずくめ。
他にも突然出てきたインチネジに対応したり、四角ネジ等の異型ネジにも対応可能。
他のメーカーからは一切出ていない唯一無二の工具ですので、持っていて絶対に損じゃないと思います。

最初は「え、ちょっと価格が高いかなー」とか悩むとは思いますが、購入後のユーザーさんの満足度は非常に高いですよ。

ナットグリップソケットシリーズ

基本工具としてはある程度ベースが出来上がっているハンドツール。

私が関わるようになった20年以上前から見てても「革新的」と言える物はあまりなく、あくまでも進化の範囲内で流行廃りがある感じですね。

なのでメインとなるハンドツールではドライバーがあってラチェットがあってソケットとレンチと掴み物類があると、いわゆる基本工具のセットが出来上がりって感じ。
もちろんそれだけじゃ整備が出来ない事も多々あるので、それプラスでいろいろ揃える事になるんですけどね。

で、今回はそんな基本工具の機能アップのお話。

例えばさっき「革新的な物はほとんど無かった」と書きましたが、進化だけみればギアレンチなんて20年前には無かった工具です。
当時はまだ板ラチェとか呼ばれてて14ギアくらいのガリガリ動くラチェット式メガネレンチが主流だったので、あまり便利に使う人も少なくあくまでも脇役扱いでしたね。
それが72ギアのギアレンチの登場で一気にレギュラーの座を獲得。今では普通に工具セットにも入ってきたりしますからね。

そして個人的にはある時期から急激に広まった感があるのがKo-kenも出しているこのナットグリップソケット。

ナットグリップソケット

Ko-ken 3/8ナットグリップソケット

これドコが最初なのか覚えてないのですが、私が初めて販売したのはFPC(フラッシュツール)のヤツだったと思います。
その時は今ほど造りが良く無く「へぇーこんなのあるんだ」くらいにしか思ってませんでした。

その後、Ko-kenのナットグリップソケットが徐々にサイズを広げ種類を広げ、固定ファンを持つほどの人気工具になりました。

このナットグリップの最大の特徴と言えば・・・。

ナットグリップソケット

名前の通り、このソケット内側にあるボールでボルトナットを保持してくれる事です。

これ使ってみるとかなり便利でして、特に普段から長めのエクステンションバーを使っているユーザーさんに絶大な人気を誇ります。
ボルト取り外し時にボルトナットを落とさないのはもちろん、装着時にもセットしてからソォーっと差し込んでいけるのはかなり重宝するんですよね。

もちろんデメリットもありまして・・・。

ナットグリップソケット

こんな風に「ボルト」なら問題無いのですが・・・「ナット」の場合は付いてきたナットを外すのが面倒。
またスピードを要する作業の場合だと、一回ずつ手で取ってハイ次ぎってのがイラっとする場面もあります。
それでも標準ソケットとほぼ変わらない外径で、この機能付きってのは便利に使える場面が多いですから是非一度試してもらいたい工具だと思います。

>>ナットグリップソケット 一覧ページ

上記に様々なナットグリップソケットが載っております。自分にあった物が見つかると思いますよ。

追記

そんなナットグリップソケットの1/4ソケットが現在セール中。

Ko-ken1/4ナットグリップ

Ko-ken 1/4ナットグリップソケットセット セール品

コンパクトな造りでボルト・ナットをホールドしてくれますので、狭所ではかなり活躍するソケットのひとつです。
この機会にぜひどうぞ。

PB無反動ナイロンヘッドハンマーを改造

タガネとかポンチとかドライバー、HEXで人気のPB。

そんな中でも個人的に大好きで自分でも20年以上使っているのが無反動のナイロンヘッドハンマー

これは確かに価格的にはちょっと高いかな……と躊躇する人もいるんですが、一度買って使ってみれば納得の工具だと思います。
それくらい良い商品。
で、この無反動のナイロンヘッドハンマーの派生種として追加されたのがこれ。

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PB 無反動コンビネーションハンマー

以前から「これのコンビハンマーがあれば」と言うリクエストにメーカーが応えたかたちで登場し、かなりの人気商品になっております。

でもですね。
すでにナイロンヘッドハンマー買ってしまって持っている人はなかなか手が出しにくい工具でもありました。
そこでエイビットとしては交換出来る替えヘッドに注目。

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ごらんのようにナイロンヘッドもコンビハンマーも筐体部分は同じ。
ならば鉄ハン部分の替えヘッドがそのまま付くんじゃないの?と思ったわけです。

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PB無反動ハンマー用 鉄ヘッド替え

で、こちらが鉄ヘッドの替え部品。中の芯部分は共通なので問題無く装着可能です。

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完璧ですね。

これで従来からのナイロンヘッドハンマーをお持ちの方でも替えヘッドさえ買えばコンビハンマーとして使用する事が出来ます。
丸ヘッド側があまり使わないって人もいると思いますので、そういう人は丸ヘッド側を鉄ハンに換えてしまうのもアリかと思いますよ。

ちなみに最初から鉄ヘッド付のコンビハンマーが欲しいって人は素直に鉄付のコンビハンマーを買ったほうが安いし楽です。

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それとヘッド付け替えはワンタッチとかでは無理で、圧入されてますからそこそこ苦労すると思ってください。
(いや、そこそこじゃないな…かなり大変です)
ちゃんと万力使わないと外すことが出来ません。

なめてしまった小ビス対策

昔は普通の弱電用工具メーカーだったエンジニア
そんなメーカーがDIY関係で一躍有名になったのがなめた小ビスを掴んで外すネジザウルスです。

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エンジニア ネジザウルス各種

プライヤーの先端部分に縦溝を作る事によって『縦に掴んで丸いビスを回す』事を実現したわけです。

tip

こんなイメージですね。
もちろんこれでは外れない事もあるのですが、それまではこういう発想の工具自体がなかったのでやっぱり便利なんですよね。

またこのネジザウルスは上記以外にも派生種が出てまして。

エンジニアラジペンモデル

エンジニア ネジザウルスZ(ラジペンモデル)

従来のネジザウルスでは奥まったビスに対応出来なかったのですが、このラジペンタイプなら奥まった箇所にあるビスにもアクセス可能になりました。

またメインモデルであるGTの自衛隊バージョンとか。

エンジニア自衛隊バージョン

エンジニア ネジザウルスDF(自衛隊仕様)

普通のネジザウルスよりもマルチツールに作られていて自衛隊とか関係なしに持っていると便利な1本です。

そして『掴んで回す』のが出来ないビスにはこちら。

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エンジニア ネジバズーカ(舐めたビス外し)

名前こそちょっとアレですが実力はホンモノです。
先端部分が新しくプラスを切り込むような造りになっていてかなりの確立でレスキュー可能です。

そしてさらに新発売がこれ。

エンジニアバイスザウルス

エンジニア バイスザウルス

シリーズ最大のつかみ幅があり、ましてバイス機能でガッツリ掴んで離しませんから、車両整備向けでは最も適したモデルかもしれません。

こんな感じで今では種類が出揃った感もあるネジザウルスシリーズ。

ネジザウルスシリーズ

店舗でも全種類をさわって確かめる事が出来ます。
ぜひ工具箱に1本どうぞー。