ナットグリップソケットシリーズ

基本工具としてはある程度ベースが出来上がっているハンドツール。

私が関わるようになった20年以上前から見てても「革新的」と言える物はあまりなく、あくまでも進化の範囲内で流行廃りがある感じですね。

なのでメインとなるハンドツールではドライバーがあってラチェットがあってソケットとレンチと掴み物類があると、いわゆる基本工具のセットが出来上がりって感じ。
もちろんそれだけじゃ整備が出来ない事も多々あるので、それプラスでいろいろ揃える事になるんですけどね。

で、今回はそんな基本工具の機能アップのお話。

例えばさっき「革新的な物はほとんど無かった」と書きましたが、進化だけみればギアレンチなんて20年前には無かった工具です。
当時はまだ板ラチェとか呼ばれてて14ギアくらいのガリガリ動くラチェット式メガネレンチが主流だったので、あまり便利に使う人も少なくあくまでも脇役扱いでしたね。
それが72ギアのギアレンチの登場で一気にレギュラーの座を獲得。今では普通に工具セットにも入ってきたりしますからね。

そして個人的にはある時期から急激に広まった感があるのがKo-kenも出しているこのナットグリップソケット。

ナットグリップソケット

Ko-ken 3/8ナットグリップソケット

これドコが最初なのか覚えてないのですが、私が初めて販売したのはFPC(フラッシュツール)のヤツだったと思います。
その時は今ほど造りが良く無く「へぇーこんなのあるんだ」くらいにしか思ってませんでした。

その後、Ko-kenのナットグリップソケットが徐々にサイズを広げ種類を広げ、固定ファンを持つほどの人気工具になりました。

このナットグリップの最大の特徴と言えば・・・。

ナットグリップソケット

名前の通り、このソケット内側にあるボールでボルトナットを保持してくれる事です。

これ使ってみるとかなり便利でして、特に普段から長めのエクステンションバーを使っているユーザーさんに絶大な人気を誇ります。
ボルト取り外し時にボルトナットを落とさないのはもちろん、装着時にもセットしてからソォーっと差し込んでいけるのはかなり重宝するんですよね。

もちろんデメリットもありまして・・・。

ナットグリップソケット

こんな風に「ボルト」なら問題無いのですが・・・「ナット」の場合は付いてきたナットを外すのが面倒。
またスピードを要する作業の場合だと、一回ずつ手で取ってハイ次ぎってのがイラっとする場面もあります。
それでも標準ソケットとほぼ変わらない外径で、この機能付きってのは便利に使える場面が多いですから是非一度試してもらいたい工具だと思います。

>>ナットグリップソケット 一覧ページ

上記に様々なナットグリップソケットが載っております。自分にあった物が見つかると思いますよ。

追記

そんなナットグリップソケットの1/4ソケットが現在セール中。

Ko-ken1/4ナットグリップ

Ko-ken 1/4ナットグリップソケットセット セール品

コンパクトな造りでボルト・ナットをホールドしてくれますので、狭所ではかなり活躍するソケットのひとつです。
この機会にぜひどうぞ。

PB無反動ナイロンヘッドハンマーを改造

タガネとかポンチとかドライバー、HEXで人気のPB。

そんな中でも個人的に大好きで自分でも20年以上使っているのが無反動のナイロンヘッドハンマー

これは確かに価格的にはちょっと高いかな……と躊躇する人もいるんですが、一度買って使ってみれば納得の工具だと思います。
それくらい良い商品。
で、この無反動のナイロンヘッドハンマーの派生種として追加されたのがこれ。

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PB 無反動コンビネーションハンマー

以前から「これのコンビハンマーがあれば」と言うリクエストにメーカーが応えたかたちで登場し、かなりの人気商品になっております。

でもですね。
すでにナイロンヘッドハンマー買ってしまって持っている人はなかなか手が出しにくい工具でもありました。
そこでエイビットとしては交換出来る替えヘッドに注目。

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ごらんのようにナイロンヘッドもコンビハンマーも筐体部分は同じ。
ならば鉄ハン部分の替えヘッドがそのまま付くんじゃないの?と思ったわけです。

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PB無反動ハンマー用 鉄ヘッド替え

で、こちらが鉄ヘッドの替え部品。中の芯部分は共通なので問題無く装着可能です。

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完璧ですね。

これで従来からのナイロンヘッドハンマーをお持ちの方でも替えヘッドさえ買えばコンビハンマーとして使用する事が出来ます。
丸ヘッド側があまり使わないって人もいると思いますので、そういう人は丸ヘッド側を鉄ハンに換えてしまうのもアリかと思いますよ。

ちなみに最初から鉄ヘッド付のコンビハンマーが欲しいって人は素直に鉄付のコンビハンマーを買ったほうが安いし楽です。

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それとヘッド付け替えはワンタッチとかでは無理で、圧入されてますからそこそこ苦労すると思ってください。
(いや、そこそこじゃないな…かなり大変です)
ちゃんと万力使わないと外すことが出来ません。

なめてしまった小ビス対策

昔は普通の弱電用工具メーカーだったエンジニア
そんなメーカーがDIY関係で一躍有名になったのがなめた小ビスを掴んで外すネジザウルスです。

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エンジニア ネジザウルス各種

プライヤーの先端部分に縦溝を作る事によって『縦に掴んで丸いビスを回す』事を実現したわけです。

tip

こんなイメージですね。
もちろんこれでは外れない事もあるのですが、それまではこういう発想の工具自体がなかったのでやっぱり便利なんですよね。

またこのネジザウルスは上記以外にも派生種が出てまして。

エンジニアラジペンモデル

エンジニア ネジザウルスZ(ラジペンモデル)

従来のネジザウルスでは奥まったビスに対応出来なかったのですが、このラジペンタイプなら奥まった箇所にあるビスにもアクセス可能になりました。

またメインモデルであるGTの自衛隊バージョンとか。

エンジニア自衛隊バージョン

エンジニア ネジザウルスDF(自衛隊仕様)

普通のネジザウルスよりもマルチツールに作られていて自衛隊とか関係なしに持っていると便利な1本です。

そして『掴んで回す』のが出来ないビスにはこちら。

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エンジニア ネジバズーカ(舐めたビス外し)

名前こそちょっとアレですが実力はホンモノです。
先端部分が新しくプラスを切り込むような造りになっていてかなりの確立でレスキュー可能です。

そしてさらに新発売がこれ。

エンジニアバイスザウルス

エンジニア バイスザウルス

シリーズ最大のつかみ幅があり、ましてバイス機能でガッツリ掴んで離しませんから、車両整備向けでは最も適したモデルかもしれません。

こんな感じで今では種類が出揃った感もあるネジザウルスシリーズ。

ネジザウルスシリーズ

店舗でも全種類をさわって確かめる事が出来ます。
ぜひ工具箱に1本どうぞー。

薄いプラグレンチ

最近の車は燃費対策とかいろいろあって内燃機はとにかく軽量に作られてたりします。
その影響でネジの切削穴とかが狭かったりして、従来の工具では入らなくて困る事も多くなりましたね。

で、そんな入らなくて困る事ってホントに最近だけなのか?
と思うと実は昔からプラグ関係では多くあった問題だったりします。

一番の問題はDOHC初期ですね。初期と言っても市販車に多く投入された時期からです。

plug1 DOHCはこんな感じで奥まった箇所にプラグがある。

時代的にはトヨタで言えば2TGとか4AGとかそのくらいの時期。
さすがにトヨタ(ヤマハ)エンジンではあまりそういった事はありませんでしたが、マツダのB型とかはプラグホールの狭さもありましたが若干穴が偏芯している物とかもあって、今まで使っていたプラグレンチが使えないなんて騒ぎがありました。
(ロードスター登場時とかはほんとに問い合わせ多かったんです)

そして決定的だったのが三菱の軽でしたね。
これ実はプラグホールが狭いと言うか……。

plug2

こんな風に途中にコブみたいなのがあって普通のプラグレンチじゃ無理だったんですね。
そこでKTCがこのエンジン用に出してくれたのがコレ。

ktc_SP16plugX2

KTC 超スリムプラグレンチ16ミリ

すっごく薄いのはもちろん、さっきの図のコブを逃げるように作られているのでばっちりです。
実際三菱のパーツリストに載ってるくらいですからね。

ktc_SP16plugX3

今時の薄型プラグソケットよりも2ミリも薄いつくりなので、現在では他車種用でもこれを愛用している人がいるほどです。
もちろんデメリットもあって「薄すぎて割れやすい」事。
三菱関係者の間では消耗品扱いの工具なので仕方ないですけどね。

そして近年登場した新製品だとZ-EALのこれも人気。

kz_3305pza003

Z-EAL 3/8薄肉プラグソケット(12角)

こちらは最近の新設計エンジンで多用されている14mmプラグにもサイズ対応しております。

まぁプロの現場みたいに毎日ガンガン使う人でなければ割れやすいというデメリットもあまり関係無いと思います。
今は関係ないかな…って思う人も、こういうプラグレンチもあるんだなぁ…くらいに覚えておいてくださいませ。

展示会に行ってきました

展示会といっても一般のユーザーさんが入れるようなやつではなく、完全無欠に業者向けの販売促進のための展示会です。

年に一度開催されるかなり大規模なやつでして、たまたま当店から車で20~30分の場所での開催だったので行ってきました。
(東日本エリア開催なのでかなり遠方からも来てる人がたくさんいました)

展示会にいってきた

最近当店でも取り扱いの増えてきたSK11ブランドを扱う商社さん主催のやつなんですが、HCルートでは日本最大の問屋さんだけあってその規模は圧巻。
だって全部見て回るのに3時間以上掛かるんです。
(関係なさそうな商材を飛ばしても2時間以上掛かった)

主な展示は来年、2019年に発売予定の商品の紹介です。
ですのでその日に見たものをすぐに販売するというよりは、次期主力商材の選定といった意味合いの強いイベントです。

基本的に私は、手元にない、まだ販売出来ない工具の紹介が嫌いでして……
だって「お、それ欲しいかも!」と思わせておいて「販売はまだ先ですよ、誰よりも早く情報を知ってるのすごいでしょ?」って誰得な気がするんですよね。
ただ、今回はこんな展示会がみなさんの知らないところでひっそりと開催されてますよってお伝えしてみたいと思いまして、あえて発売予定の商品も含めて会場の雰囲気を伝えてみたいと思います。

展示会にいってきた

まずはメインのSK11ブランドのハンドツールがドーンっと。
あまり写真に写しちゃまずいかも…ってとこもあるのでアップで撮っておりますが、このハンドツールコーナーだけでここに写っている4~5倍のスペースがあります。

展示会にいってきた

SK11のギアテック社製のギアレンチ。
新商品がどっさり用意されてましたので、この中から数点取り扱い予定。

展示会にいってきた

こんなのも。
エドウィンのセーフティシューズ。
鉄芯と強化樹脂製芯バージョンのふたつがあり、鉄芯バージョンの超軽量モデルがなかなか良かったです。

展示会にいってきた

CATがこんなの作ってる事すら知りませんでした。
夏場対策商材ですね。

ここからは個人的に琴線に触れたふたつ。

展示会にいってきた

まずエアーコンプレッサー。
これを待ってた人って多いはず!な、家庭用の静音コンパクトな据え置きタイプのコンプレッサーです。
個人ガレージ用にはまさにうってつけの商品ですね。
ガレージだけでなく自室にいれても問題なさそうでした。好印象。

展示会にいってきた

あとこれ。
ヤマハのインバータ発電機の新型モデル。
1800容量なので電子レンジも動かせてしまう待ちに待ったインバータの大容量タイプです。
近年多い災害時にも活躍しますからね、これはかなり期待出来ます。(2月頃発売とのこと)

っと、写真はこれで終了。
まだまだたくさんあるのですが…さすがに掲載してはマズそうなのが多数でして、ごめんなさい。
まぁ普段こういう事も仕事としてしてますよーってな紹介くらいに思ってください。
予約を入れてきたものもたくさんありますので、ここに写っているものも来年あたりに登場すると思います。