手先、指先の延長

整備をやっているとイライラっとする事っていくつかあると思いますが、細かな箇所や奥まった場所の整備ってのも気を使ってイライラポイントありますよね。

『そこに見えてるのに届かない』とか
『届くんだけど狭すぎてつかめない』とかね。

そういう時に先細のロングノーズプライヤーとかでやるのも良いのですが、少しだけ考え方を変えてこういう工具使うと便利ですよーってのを紹介。

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SIGNET マグネットピックアップツール

なんといっても超基本なのがこれ。
アンテナのようにびよーんっと伸ばして使えるマグネットキャッチツールです。

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磁力もかなりあってそぉーっと拾えば3/8ラチェットですら持ち上げる事の出来る実力があります。
もともとは整備時にネジを落としてしまった時に使う工具なのですが…。
ホールの奥にセットされているボルトナットの脱着時にも、これ使ってヒョイっと持ち上げたり置いたり出来ますのでまさに指先の延長のように使う事が出来ます。

またボルトナットとか部品にはアルミやステンレスもあって、そういうものは磁石ではくっつかないので。

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TONE マルチピックアップツール(LED付) 

こんな4つ爪がついたキャッチツールも持っていると便利です。

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手元のプッシュ部分を押せば、この先端の4つ爪がマジックハンドのように動くので磁石でつかない部品も掴む事が出来ます。
また狭所の配線通しとかにも便利ですね。

あとですね、指先の延長としてはこれも秀逸。

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PB ピックツールセット

まさに指先の延長として使えるマルチなツールがこのピックツール。
磁石でもなく、爪で掴むでもなく、ゴム製のOリングとかそういった細かなモノをヒョイと引っ掛けて…なんて時に超便利です。

ちなみに現在このピックツールセットはスイスグリップバージョンのセール品もあります。

PBピックツール

PB ピックツールセット4本組 スイスグリップ

こういう補助工具って実際に使ってみるまでその利便性って分かりにくいのですが、一度使ってしまえば手放せないお助け工具になると思います。

ネプロスの限定品IPブルー

KTCのプレミアム工具シリーズと言えばネプロスですよね。
昔ミラーツールってのがありまして、それがあまり評判よろしくなかったまま廃盤になり、現在の素材から製法までこだわったneprosシリーズになっております。

ぶっちゃけ個人的には良いと思うところと悪いと思うところが半々くらいな感じなのですが、それでも純国産の高品質ツールとしては認めております。

そんなネプロス。
たまに限定品を出しているのはみなさんも知っている通り。
確か…記憶が正しければ最初に「木柄ラチェット」を限定で出したのがキッカケだったと思います。
初期ロットは完全に専用設計で価格が高かった事もあり、あまり出回ってませんしオークションサイトでもそこそこの価格になってますね。

その後、色付き木柄が出たりいろいろありましたが基本的には「ラチェットのグリップが違う」くらいな感じでした。


※これは20周年記念の皮グリップ赤仕様。

そしておととしくらいだっけかな、ネプロスの20周年がありましてそこで少し気合の入った限定品が登場。
その中にあったのが4層メッキという聞きなれない処理を施されたIPブラックでした。

ネプロスIPブラック

これですね。
最初はどうかと思ったのですが、実物見るとかなりカッコよくて。
さらにメッキもかなり凄い処理なんだと知りまして、当店でもお店を中心を多く販売しました。

なにしろ本体のメッキが違うわけですからね。
限定品として考えても良いですし、普段使い用として購入してもガシガシ使えるわけです。
(実際IPブラックは飾ってる人よりも使っている人が多いですね)

そしてそんな4層メッキシリーズがブルーになって復活。

ネプロス鉄紺

>>ネプロス限定生産品『鉄紺』総合ページはこちら

ネプロス鉄紺

今回はIPブルーとなっての登場です。
実物もすでに見ましたがこういった画像でみるよりも曲面が強調されてかなりカッコイイですね。

そして前回のIPブラックではなかったレンチシリーズも登場。

ネプロス鉄紺

このスタンダードめがねレンチとかがすでに問い合わせ多数です。

ネプロス鉄紺

そして個人的には今回の最大注目株がこの超ロングストレートめがね。
これは良いですね、自分用に買おうかと思ってます。

あとは例えばクイックスピンナー(ラチェットの早回し)とかエクステンションが欲しいとか思ったらセットでしか入手出来ませんので気をつけてください。
そうそう、今回は1/4ラチェットもIPブルーとして出てますので、1/4系工具を初購入ってな人もこれ買っちゃうってのアリですね。

ネプロス鉄紺
画像で見るより現物の方がカッコいいと思います。

すでに多くのご注文を頂いておりますが、各所に注意書きを書いている通り、とにかく品薄で納期が掛かっております。
今すぐ買わないとなくなってしまう!とかではないので大丈夫ではあるのですが、欲しいのが決まっているなら早めにご相談くださいませ。

元祖バイスグリップ

昔から定番の工具として多くの人に親しまれている工具っていくつかあります。

定番として広く使われているのはもちろん素晴らしい事なんですけど・・・。
その裏ではそれだけ類似商品も出回る事にもつながっております。
そして私が知っている限り類似品がものすごく多い工具の代表と言えばバイスグリップ。

今でも「バイスグリップ」と言えば工具を知るほとんどの人に通じますが、これっていわゆる商品名なんですね。
ソニーのウォークマンとか、そんな感じで有名商品がそのまま俗称になっている感じです。
ですので別メーカーのカタログ等には大抵「ロッキングプライヤー」とか書いてあると思います。

で、こういう類似品関係では意外と後発の物の方が性能上回ってきたりして、本家としては知名度あるけど購入対象としては後発物だって事もありますよね。
しかしバイスグリップだけはやはり本家がいまだに一番人気。

特に鈑金や鉄工関係の人だとかなりの本数を酷使するので、なんちゃって品ではすぐに壊れてしまって使い物にならないとの事です。

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現在はIRWIN(アーウィン)と言う商社に買収されていて販売元こそアーウィンになりましたが、昔からの使い勝手や信頼性はそのまま。

さらに言うと買収されて良かった事もあってIRWINは世界規模の工具商社なので日本の流通も円滑に行えて、販売価格もググっと下がりましたね。
おかげで気楽に購入しやすい価格になっております。
バイスグリップはその剛性感や使い勝手が良いのももちろん種類の豊富さでも人気があります。

例えばこんなのとか。

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IRWIN バイスグリップ チェーンクランプ

このチェーンクランプなんかは整備向けにもかなり使えて、アイデア次第でいろいろ活用出来ます。

そして最新モデルはこれ。

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IRWIN バイスグリップ[カーブジョー3X]

「掴んでから擦り合わす」掴み力が3倍になった3Xモデルも人気です。

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詳しくはこちらのバイスグリップのページを見てみてください。
いろんなモデルがあって楽しいですよ。

ユニバーサルジョイント

狭く奥まったような箇所で活躍する工具といえば、ソケットに取り付けてグリグリと曲げる事が出来るユニバーサルジョイントが有名です。
基本的な工具セットにも入っている事が多いので多くの方はひとつくらい持っていると思いますが……ちょっと使いにくいかなって感じている人も多いみたいです。

それにはちゃんと理由もあって、工具って「首が曲がるような連結」部分の造りが実はかなり大事でして、この部分こそ工具メーカーの良し悪しの判断基準になるくらいな重要部分です。
これは超個人的な見解ですが世界ナンバーワンメーカーといわれているスナップオンはこういう首振りや連結部分の造りがすごく良いんです。なので工具メーカーの優劣の参考にもなったりすると思ってるわけです。

で、ユニバーサルジョイントって連結部分が2個も重なってるわけでして、あまりよろしくないメーカーのってのはやはり使いにくいんですわ。
まぁ製造のコストもすごく掛かる仕組みなので安価なメーカーは仕方ないともいえますけどね。

そんな中でひとつの標準となると思っているのがこのKTCのユニバーサル。

KTC ユニバーサルジョイント 1/4・3/8

全長やピン径も含めかなりよく出来ているユニバーサルジョイントだと思います。
実際の使い勝手もよくて現場レベルでも充分に活躍する工具のひとつだと思います。

ただし工具としての質は標準的でも、もっと根本的な「ユニバーサルジョイント」自体が使いにくいと考える人もいるんですね。
確かに使い方を間違うとなんだかカクカクしてるだけでうまく回せないって感じになりますからね。

そんな人に今店舗で売れているのがこれ。

Ko-kenユニバーサル

Ko-ken ユニバーサルジョイント(ボールタイプ)1/4・3/8

ユニバーサルジョイントの「カクカク」した動きが嫌だって人に大人気の『ボールジョイントタイプ』です。
これならほぼフリーにグリグリ動きますので使用者のスキルに関係なく使うことが出来ます。

Ko-kenユニバーサル

またこういうボールタイプの唯一の弱点であった「強度問題」もKo-ken独自のスプライン機構で解決してますので、ユニバーサルジョイントに取って代わる存在して使うことが出来ます。

結構地味な工具なので日頃は話題にのぼる事がなかなかありませんが、お店に相談しにくる人は結構いるんですね。
こういう狭いところ用工具で悩んでいたらぜひご一考していただけると嬉しいです。

PBのドライバーをお勧めする理由

工具と一言で言ってもいろんな種類がありますし、またそれを使う場面ってのは無限にあると思います。
正しい使い方をしてあげれば一般の人がたまに作業するくらいならば、どんな価格帯の物を使ってもそれほど違いは出ないと思いますが……、作業に慣れてない人ほど良い物使って欲しいと思う工具もいくつかあります。

例えば握り物と言われるプライヤー関係。ラジペンとかニッパとか、この辺は良いメーカーとそうじゃないメーカーの差が結構大きくて、実際に良い物を使い慣れると手放せなくなる工具のひとつです。

そして。
今日の本題であるドライバー、これもそのひとつ。
ドライバーはいろんなメーカーさんが競い合って舐めにくいプラスドライバーを出していますが、今でも決定的な物って出てないんですね。

プラスドライバーが舐める原因がカムアウト。

よくドライバーの使い方講座みたいので「押し7回し3」なんて言いますが、プラスネジって先に行くほど細くなっている形状なので、押すチカラが無いと手元側に押し戻されてしまい、山にあまく掛かったまま回すとそれが舐める原因になります。

その現象をカムアウトって言います。

で、そのカムアウトを防止する為にいろんなメーカーさんがあの手この手を使ってカムアウトを防ぐ技術を投入しております。
先端にギザギザのヤスリ目が付いたACRとか、滑りにくいダイアモンドコートとか有名ですよね。

 

その点、私がお勧めしているPBのドライバーにはなんのギミックもありません。

PBドライバーシリーズ

PB スイスグリップドライバー[プラス]
PB スイスグリップドライバー[マイナス]

PB 貫通ドライバー
PB キャブドライバー(マイナス)

先端こそ黒くなっているので何かの加工がされていると思う人もいると思いますが、これはただ単に黒くなっているだけで滑り止め加工とかじゃ無いんですね。
PBはギミックこそ無いのですが舐めないドライバーとしても評価が高いです。

んじゃなんで舐めないのか。

「精度がめっちゃ高いから」

なんですね。
工具にはどんな物でもある程度の公差が必要となってきます。ソケットとか使っててもボルトに入れると少しカタカタするのが公差ですね。
しかしPBはこの公差を極限までへらしてネジにピッタリに作ってます。
これのおかげで舐めずに安定してネジを回す事が出来るんです。
先端が黒いのもメッキして公差が狂うのを嫌って黒染めにしているからなんですね。

プロメカニックの方なら分かると思いますが、プラスドライバーってガンガン使ってると先端が徐々に減ってきます。
普通のドライバーですら減ってくるんですから、ギミックありのドライバーではギザギザが無くなったりコーティングが落ちたり性能ダウンが顕著なんですね。
その点最初からギミック無しで精度だけで勝負しているPBは経年劣化での性能の落ち加減が緩く済みます。

PBのギミック無しな造りは、なるべく長い間精度を保ったまま使ってもらえると言う自信のなせる技でもあるわけです。

PB最大の弱点だった「ニオイ」もスイスグリップになって無くなりましたので、まだ試してないって人はぜひどうぞ。