小さめなプラハンの利便性

昔は「へぇーPBってハンマーも作ってたんだ」なんて言われた事もあったのですが、今や売れ筋の工具となったPBの無反動ナイロンヘッドハンマー。

ちょっとお高いんですが一度使ってみればなるほど納得の性能でして、整備初心者な人なんかだと整備の中にハンマーで叩くって事自体が怖い人もいると思うのですが、このハンマー使えば相手を傷つけにくいし使いやすいしでとにかくオススメのハンマーなのです。
で、重さやヘッド径別に何種類かあるのですが普通の鉄ハンマーとの比較で一般的なサイズと言えば#3とか#4。

お店で相談受けるとオススメするのは#4でして、ナイロンヘッドと言うプラハンとはまたちょっと違う硬度をうまく使いこなすには良いサイズだと思います。

 

しかし人間欲も出てくるわけでして。
このハンマーのもうちょっとちっこいのも使ってみたいなぁ、なんて言われる事があるんですね。

「ハンマーの小さいモデル」 って一見すると自己矛盾しているような気もするんですが「コンコンコン」と軽く叩けるサイズのハンマーって1本持ってると超便利なんです。

で。
実はそんな小さいハンマーもこのPBの無反動ナイロンヘッドハンマーがかなりいいんですよ。

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ちなみにこれがPBハンマーの#1。

すでにこのハンマーの標準的なサイズをお使いの人なら分かると思いますが、これ使うと鉄ハンマーや他のプラハンの出番って激減します。
そして「この感じでもっと加減しつつコンコンって叩けたら・・・」なんて考えた事が’ある人って結構いると思うんですよね。

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試しに標準的な#3のハンマーと比較してみるとこんな感じです。
小さいですよね、なんか便利そうですよね。

特に機関系とかよくいじるって人にはかなりオススメの選択肢だと思います。
ハンマーも1本持ってれば十分と思うのではなく、サイズを変えてみて・・・とか考えてみるといろいろ楽しいと思いますよ。

電動インパクトレンチ

ひと昔前と違ってかなり使える工具となった電動のインパクトレンチ。
エイビットでもかなりの台数の引き合いがあり、購入したユーザーさんからも高評価を頂いております。

で、そんな電動インパクトがちょこちょこっとモデルチェンジしましたので、今回はその辺の紹介をしてみます。

まずは工具メーカーでもあるKTCの2モデル。

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KTC 1/2ホイールナット専用コードレス トルクリミットインパクトレンチセット

なかなかすごいスペックの電動インパクトでして最大トルクは500Nmを誇ります。
しかし本体の大きさもそこそこあるので個人ユースとしてはちょっと…って感じですね。
あくまでも業務用モデルの色が強いので、タイヤ交換をバンバン行うショップさん向けモデルだと思っていただければOKかと思います。

そこで個人向けにオススメなのがこちら。

KTC_imp2

KTC 1/2コードレス トルクリミットインパクトレンチセット

さっきのが業務向けのハイパワー仕様だとすると、こちらは個人でも気楽に使える軽量コンパクトな万能モデルです。
と言ってもトルクは必要十分な300Nmですからね、本体の小ささと合わせていろんな場面で活躍すると思います(もちろんホイールナットにもOK)
価格も高いといってもなんとかなる金額だと思うので、私も自分用に買うならコレですね。

そして。
言っても電動工具の専門メーカーがちゃんと作りましたってのが欲しいならこれが注目。

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ボッシュ 2in1電動インパクトレンチ

まずこのモデルの最大のメリットが2in1の名称通りで「1/2差し込みでソケットがそのまま使える」のと「1/4電動ビットがそのまま使える」のふたつの差し込みを備えているところです。
これって毎日毎日仕事で使うとかではない個人用のモデルとしては、すごく嬉しい機能なんですね。
実際どっちも使う場面ってあると思いますし、かといってたまにしか使わないモノを2台も買うのは嫌ですからね。

そして今回のマイナーチェンジでバッテリー容量がアップしまして、現在電動工具事情では最大容量となる6.0Ahになりました。
上で紹介したKTCが1.5Ahとかですから、どれだけ大容量か分かってもらえると思います。
トルク値はそれほどではなくカタログ値では180Nmほどですが、現場で使ってみた感想では充分でしたね。

ってなわけであまり大きく取り上げられる事のない電動インパクトの地味なモデルチェンジですが、こんな感じで正統進化してくれるのは嬉しいですね。
1台持ってると整備の気楽さが飛躍的に向上する工具のひとつです。
こんな機会に検討してみてくださいませー。

タイヤの空気圧チェック

この前買い替えましたーっとご報告した日産のキャラバン。
普段の足にはもちろん、納品とか、バイクトランポとかいろいろ活躍してくれているのですが、なんせ燃費悪い車両なので日頃なるべく気にしているのがタイヤの空気圧。

4ナンバーの商用車でタイヤも商用のままなのですが、空気圧が結構高めでして(積載ありますからね)2ヶ月前の納車時に思いついた事を試してみました。

思いついたのは「この寒暖差が激しい季節でどれくらいタイヤの空気が減るんだろう?」って事。
知っているとは思いますが一応書いておくと、タイヤの空気って温度で体積が変わりますので、暖かい頃から寒くなった今は空気圧は減っていると予測出来るわけです。

で、いよいよ寒さが厳しくなってきましたので昨日早速計測。
まぁ燃費も結構悪くなってきてたので分かってはいたのですが大体80%ほどの空気圧しか入ってませんでした。一番ひどい所は70%切ってましたね・・・。
(納車後から一度も補充してませんでしたので、他の要因もあるとは思います)

ってなわけで一気に寒くなるこの時期はタイヤの空気圧チェックが超重要になります。

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アサヒ ゲージボタル

燃費だけじゃ無く低圧なタイヤのままこの寒い時期に長く乗ってしまうとサイドウォールのひび割れとかいろんな不具合が発生しやすくなります。

そんなダメージが今度は暑くなった夏場とかにパンクとかの原因にもなるんですね。

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SIGNET タイヤエアーゲージ

なんだかんだ言っても車もバイクも路面と唯一接触している重要な部位ですので、適正な空気圧ってのはすごく大事なんですね。
そういやぁなんか燃費悪いし乗り心地もおかしいな?なんて人はGSでも良いので一度確認してみてはいかがでしょうか。

もちろん上記のエアーゲージ買ってもらえるのが嬉しいけど。

メイン工具以外を収納する入れ物

整備の現場の整理整頓。

作業内容もいろいろ出来るようになってくると工具も増えるし、外したパーツとかネジ類とかね、とにかく物を整理しておくのがだんだん大変になってきます。
特にちょっと大きいモノとか場所を取るモノとかね、テキトーにその辺においておくと散らかってくるんですよね。
ましてそれを持ち出そうとかするとダンボールに放り込んで…とかになったりするので、なかなか片付きません。

お店にいるとそんな感じの相談は結構多くて、みんな試行錯誤しているようですが各自で理想としている収納がちょっとずつ違うので、「これで正解」ってのがなかなか難しいんですね。

 

ってなわけで今日はメインの工具以外を上手に収納する方法で、こんなやり方もあるよってのを少し紹介。

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リングスター 大型収納BOXドカット

店舗に来て実物見ての購入で人気が高いのがコレ。
様々な種類のケミカル缶を立てて収納出来る上、工具でも少し大きくて通常の工具箱に入らない物とかをまとめて収納出来る優れ物です。
出先でもフタを閉めてしまえば濡れても安心だし、踏み台としても使えるしでかなり活躍する工具BOXです。

かなりも物を詰め込んで重くなってもしっかりとした1本取手で移動も楽ですね。デメリットは少し大きい事。コンパクトカーに積むには厳しいかもです。
>>大きさ違いもあるのでこちらからどうぞ。

そしてもっとざっくりといろんなモノをまとめて置いたりするのに便利なのだと…。

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リングスター スーパーバスケット

シンプルながら多くの人に愛されているのがコレ。
いわゆる買い物カゴ形状ですが写真のように中身を入れた状態でも積み上げ可能で、ガレージとか車内用でも活躍します。
かなりざっくりしていて安価なので、外した部品用ケースとしても便利に使えますね。

大きさもけっこうあってごちゃごちゃと片付かないモノをまとめておくには本当に便利です。
ちなみに今現在、限定色のセール品もあります。

・リングスター スーパーバスケット限定ブラック2枚組(完売終了)

だいたい2年に一度くらい「限定色」を出してくるリングスターですが、今回は『ブラックバージョン』
かっちょいいガレージにもマッチしますね。
2枚1セットでセール特価になっております、限定生産品ですので売り切れ終了ですので欲しい人はぜひ。

ってな感じでアイデア次第でいろいろ収納方法はあります。
みなさんも小分け収納で整備環境を整理してみてはどうでしょうか。

トルクレンチの購入考察

工具を販売する専門店として、ましてそれが木工とか建築では無く整備用となると、花形工具はやはりトルクレンチです。
そんなトルクレンチに関しては日々多くの問い合わせを頂きます。

もちろん質問内容も多岐にわたるのですが、今回は「初めての購入」に関していつもお店でアドバイスしている事でも書いてみようかと思います。
まずトルクレンチと言ってもいろんな種類があるので、今日はプリセット型に絞っての説明にさせて頂きます。

プリセット型トルクレンチとは規定のトルクを設定して、規定トルクに到達するとカチっとアクションが入りユーザーに知らせてくれるやつですね。
メリットとしたらやはり使い勝手が良い事です。
だれでも気軽に使えて同じトルクのボルト締め付けがいっぱいあってもカチカチカチとスピーディーに作業出来ます。

もちろんデメリットもあって収納時の注意とか、1本でカバー出来るトルクのレンジが比較的狭い事とかがあります。
それでも現在の整備事情を考えてみると直読式と呼ばれるダイアル式やデジタル式よりは、個人的にですがプリセット型が使い勝手がいいと思います。

で、いざ購入する時に「んじゃ、プリセット型トルクレンチを買うことに決めました」となると、次に問題なのが自分にどのレンジのトルクレンチが必要なのか?って事です。

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東日 プリセット型トルクレンチ

まず上記の東日のスタンダード型トルクレンチでもいくつか種類(サイズ)があります。
予算が許すならこれ全部買ってしまうのが一番間違い無いのですが、1本づつ揃えていこうと思った時に、どれを買えば一番良いのか迷うんですね。

そしてさらに難しくしているのがこれ。

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東日 ワイドレンジトルクレンチ モトトルク

こちらは東日のラインナップにあるワイドレンジ版です。
上記のスタンダードと比べると1本が受け持つレンジ幅が広くなっているのですが・・・それでも完全にカバー出来ているわけではありません。
このトルクレンチの存在が選択を非常に難しくしているんですね。

ちなみに車検等もやる自動車屋さんで認証工場になっている所は指定工具として、上記のスタンダードトルクレンチの中では…

・5-25Nm
・20-100Nm
・40-200Nm

のトルクレンチの保持が義務となっております。

ですので東日以外にもいろんなメーカーからトルクレンチが出ておりますが、基本はこのレンジ幅のトルクレンチはどのメーカーでも買う事が出来ます。

ですのでぶっちゃけ予算が許すなら上記の3本を一気に買ってしまえば整備用トルクレンチとして揃ってしまうんですね。
しかし認証工場とか関係無いユーザーさんはワイドレンジ版でもいいわけでして・・・ここから悩む事になります。

 

ふたつのトルクレンチの関係性を分かりやすく図にしてみるとこんな感じです。

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プリセット型トルクレンチと言うのは上限値・下限値付近での使用をあまりオススメしていない事を考えるとスタンダードのまとめ買いがいかに理にかなっている買い方なのかよく分かると思います。
逆に言うとワイドレンジ版は1本1本が独立する形で成り立っていて、ラインナップで購入する前提ではないのも分かると思います。

この話で悩み始めてしまう人は多いのですが、購入に至る決定打は「その後どうするのか」なんです。

1本目を買った後、どうするのか。

例えば趣味で買った車やバイクを整備する目的で、自分で出来るメンテナンスの主要トルクが14ミリのボルトで50Nmだったとします。

この時の購入候補の場合は…

・東日 スタンダードモデル 20-100Nm
・東日 ワイドレンジモデル 10-70Nm

の2本が候補となります。
その作業しかやらないのであればどちらを買っても正解です。
しかし後日ホイールナットも管理したいとか、エンジンヘッドくらいは自分でやってみたいとか、整備項目が増えていった場合にはスタンダードモデルを買っておいた方が、次のトルクレンチを迷わず購入する事が出来ます。
(先述した標準の3本購入になるように買っていけばいいだけ)

しかしそんなにいろいろやらないけど、頭10ミリのボルト(15Nm)とかはついでにやりたい、とかになるとワイドレンジ版を買った方が1本でいろいろ使えて便利です。
実際通常メンテならば主目的として14ミリのネジをやりたいとしても10ミリだってたくさん出てくるわけですから、1本で大抵の事が出来てしまうワイドレンジ版はかなり魅力になります。

こんな感じでこの話は個人個人で正解が違うので、一番最初に購入するトルクレンチが結構重要になってくるわけです。
(最初の1本目を適当に選択してしまうと2本目の購入でよけいに悩む結果になるわけです)

この話ってトルクレンチの問い合わせの中でもかなり多い質問ですので書いてみました。
でもこのブログを読んだだけでも結局分からないって人も多いと思いますので、そんな時は遠慮無く私宛に連絡ください。

そしてその時は出来るだけ「今やりたい作業のトルク値」が分かると話が早いです。
お客さんの予算に応じた対応ももちろんいたしますのでお気軽にどうぞ。

※今回は分かりやすく東日のトルクレンチシリーズで書きましたが、他のメーカーでも大体同じです。
>>プリセット型トルクレンチのページ