電工ペンチ

自動車とかバイクで使うペンチって言うと、まず浮かぶのはカチャンカチャンと開き幅の変えられるスリップジョイントプライヤーだと思います。

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KTC プライヤー

↑こんなヤツです。

こういうヤツの事を整備業界では一般的に「ペンチ」と言ったりしますが、ワールドワイドな話で言えば日本語で言う所のペンチってのは電気工事用で有名な電工ペンチが一般的です。

で、電工ペンチって言うくらいなので電気工事とかの現場ではすごく重宝するプライヤーも、整備業界ではあまり使用頻度は高くなく実際使っている人もあまり見かけませんね。

 

しかし。

実はこの電工ペンチ。実は現場用に1本持っているとすごく重宝するプライヤーなんです。

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KNIPEX 電工ペンチ

写真でも分かると思いますがかなりゴツイ作りでアゴ部分の強度もすごく高くなってます。

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ヤスリ目も頑丈に出来ていて不意な作業での無茶目な使い方にも対応してくれるんですね。
またニッパー部も強度優先に作られてます(もともと電線切れるわけですから)ので、レギュラーツールのニッパーは使いたくないな・・・なんて時でも便利に使えるんですね。

そして接合部分も厚みがありますので「掴んでひねる」作業にも重宝します。

なんか電工用って事で食わず嫌いしている人も多いと思いますが、1本持っているとかなり便利に使えると思いますよ。

キワ切り出来るニッパ

ウチは工具の専門店なので工具はもちろん、工具のカタログもかなりいろいろあります。
近年はあまり部数を刷るところが無いので、業務用として当店に1冊しかないなんてのも含めればそりゃもうかなりの数になります。

で、そんなカタログ。

特に何かの専門メーカーとかを見ると似たような工具ながら種類がいっぱいある物ってあるんですよね。
欧州や欧米でとくに専門的に分類されるのがにぎり物系の工具。

ラジペンとかニッパとかね。

いったい何を基準に使い分ければいいんだろう?と思えるほど種類があったりします。

この辺の事に関しては諸説あるんですが、個人的にはこういう説とか楽しくて好きです。
(ソース無し、うわさ話程度に思ってください)

細かな作業用として使う事が多いニギリ物系工具は手が不器用な人のためにかなり細分化されて海外では専用品が多く存在するようになった、日本では作業者が器用な人が多く専用品をあまり必要としなかったため工具の細分化がされずに握り物を使い分ける風習があまり無い。

ってやつ。
これ初めて聞いた時妙に納得しちゃったんですよね。まぁ余談ですけどね。
ま、あまり細か過ぎるほど細分化されても困りますが、やはり作業に合った物を使うのは気分がいいもんです。

 

で、今日の本題であるキワ切り出来るニッパの話。
主に車両整備目的だとタイラップ切断時に欲しい工具だと思います。で、それ用に一番売れているのがこれ。

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KNIPEX エレクトロニッパ フラッシュカット

ギリギリの所でカット出来る刃形状もさることながら、本体もかなり小さくコンソール裏とかの奥まった箇所でも楽に使用出来る優れものです。
このブログでも何回か説明した事あるのですでにお使いの方も多いと思います。

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こんな感じでタイラップをパチンと。

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切断面が飛び出さないように綺麗にカット出来ます。業種によっては事故防止の為にギリギリでカットしないとダメって規則があるところまでありますので、こうやって綺麗に切断出来るのは嬉しいですよね。

で、さらに。このフラッシュカットには便利機能の付いたもう1本が存在します。

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これ。
ワイヤークランプと言う機構なんですけど、切り取った部分をパチンっと飛ばさずにホールドしてくれるんです。
これが実際使ってみるとかなり便利。

そしてこれもキワ切りニッパ。

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KNIPEX プラスチックニッパ

こちらは全長160mmと普通のラジペン・ニッパな大きさですけど、刃がフラッシュカットになってましてギリギリで切断可能。
大きさが少し大きいので通常のニッパと混同されやすく間違って使ってしまうと刃こぼれの可能性がありますのでご注意を。
このニッパーは先端が大きく斜めになっていて個人的には20年以上愛用しているニッパーとなります。

どれも専用品としては価格が少し高くなるのでこれがなんなのか分からないとなかなか購入にまで至らないと思いますが、説明出来る店舗では結構な人気工具です。

こんな隠れた逸品もありますので是非一度お試しくださいませ。

KNIPEX プライヤーレンチ

私がプライベートで遊んでいるのがダートバイクだってのはここを見ている人なら知っていると思いますが。

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この手のオフロードバイクと言ってもいろいろありまして。モトクロスとか林道ツーリングとかね、興味無い人には同じに見えると思いますけど、実はちょっとだけ違うんですね。(まぁ同じっちゃー同じだとも思うけどw)

ちなみに私がやっているのがいわゆるエンデューロ。 エンデューロと言っても実は細かく別れていt・・・・もういいかw

で、そんなエンデューロなオフロード競技の場合、コースがかなりの難コースな事ってあるんですよ。雨振って路面がグッチャグチャだったり、人が歩いて登れないような急な坂を登ったり降りたりとかね。
あ、あと岩と石・・・業界用語ではガレ場と言うのですが、そんなところでバイクを倒すといろんな所が壊れる可能性あるわけです。

 

そんなわけで長時間走る事の多いエンデューロでは人によって工具をキチっと揃えて走る人もいます。(何も持ってない人もいます) でもね、やはり競技中なわけだから出来るだけ少なく・コンパクトなモノが望ましいんです。

で、私はエンデューロもやってて工具の販売もしてるのでそういう相談を良く受けます。車載の工具って人によって考え方が違うので「これ買っておけば間違いない」ってのはなかなか無いのですが、それでもひとつだけ超絶お薦めしてる工具があります。

それがこれ。

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KNIPEX プライヤーレンチ

これの180サイズ。(ダートバイクでお薦めが180mmなだけで、他の用途ならサイズは変わってきますよ)

ちなみに180サイズの諸元では「8603-180 全長180mm 最大開口幅35mm」となっております。注目は最大開口幅が35mmあると言う事。
ダートバイクはモトクロッサーも含めて一番大きいアクスルナットで32mmがMAXです。つまりこれ1本でアクスルを緩める事が出来るわけです。

「えー・・・パンクしたらなんとかピットまで戻るからいらないよ」と言う人もいますが、何が起きるか分からない事に対処するのが車載工具と言う物。
たとえばチェーンが大げさに外れてしまったとか、いろんな原因が考えられるわけです、はい。

 

そしてこの工具。さらにいうと20.8mmの2ストのプラグレンチとしても使えます(これで2ストの人は工具をひとつ少なく出来ますね)
さらにさらに、このプライヤーレンチは「握った力の4~10倍の力が先端に掛かる」よう出来てます。例えば中破してしまって、どこかをグイっと戻したい時とかもこのプライヤーレンチを使えばアッサリ戻せる場合があります。
事実この工具は自動車鈑金工場さんとかでも人気でして用途はまさに曲がった鉄板直しなんですよ。

ってなわけで出先でなんとかしちゃう系の工具としてはかなりレベルの高いオススメ品です。

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先日発売のfrm(フリーライドマガジン)でもご紹介頂きました(ちょいステマ)

※やっと商品の登録が進んできまして本製品も購入出来るようになりました。雑誌発売直後に買えなくなってましたから、気になっていた人はどうぞよろしくお願いします。

 

電工ナイフ

例えばKNIPEXとかPBとか日本国内では整備向け工具で有名と思われているメーカーって実は本来は電工関係が強いんですよね。

以前は日本の絶縁工具の申請をしてなかったせいで、国内シェアを伸ばしそびれた海外メーカーでしたが、今は各分野に広く浸透しつつあります。

実際海外、特にヨーロッパ系の「1000V」対応絶縁工具は出来も良く、工具の資質も良いので現場で使ってみれば、その良さが分かってもらえると思うんですけどね。

で、そんな電工。

私も実は電気工事士免許を持ってたりしまして、過去に試験の為に実技の練習とか嫌になるほどやりました。

で、試験向けの工具の中でも特に日常的に手にするのが電工ナイフ。

これは国産HOZANの電工ナイフです。私が使っていたのもこれでしたね。上の画像のように配線を剥くのにこんな風に作業するわけです。

ホーザンでは試験向けのフルセットから練習セットまで用意がありますので、必要な方は別途お問い合わせください。

そして地味ながらKNIPEXの電工ナイフが評判高いです。

以前のモデルからモデルチェンジしまして、グリップの握りがさらに良くなりました。これは刃の折り畳みとか出来ないのですが、実際に使ってみると折りたためないおかげで刃の根本が使いやすく、また薄刃で剛性感あるので皮むきが飛躍的に楽です。

本職の方にもかなり評判高い工具ですので、たまにしかやらないって人にもお勧め出来ますよ。

 

お店でも本職さんにかなり評判がいいですね。
折り畳みのモデルを使い慣れているって人もいると思いますけど、ぜひ一度使ってみてください。

 

 

 

KNIPEXプライヤーレンチ新サイズ

従来のモンキーレンチとは違い小型ボディで大きな開口幅がとれるKNIPEXのプライヤーレンチ。

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・KNIPEX プライヤーレンチ

この工具、そこそこなお値段するので購入時にためらう人も多いのですが、一度使ってしまえば今までのモンキーと違って様々な応用が効きかなり重宝する工具です。

その秘密の一つがこれ。

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上記のようにハンドルを握るとジョイント部がテコになっていて入力に対して約4倍のチカラで先端部分が相手を掴みます。

この強力な掴むチカラのおかげで舐めてしまいそうなボルトナット、そして異型ネジ(例えば四角ボルトとか)も安心して回せるようになりました。

またこの掴むチカラは衝撃によって折り曲がった鉄板の修正等にも便利でして、ユーザーごとに様々な用途を見い出せるお薦め工具です。

 

で、そんなモンキープライヤーに新サイズが登場。

今までは最小サイズで150ってのが出ていたのですが、これよりももっと小さくて更におもしろい特徴が追加されてます。

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・KNIPEX モンキープライヤー125サイズ (現在セール中)

プライヤーレンチの売れ筋は250と180の2サイズ。その小さい方の180サイズと比べてもこれだけ小さいんです。

ほんとに胸ポッケットサイズ。ここまで小さいとまた違う利便性が出てきますね。

このプライヤーレンチの唯一の弱点と言えばヘッドの大きさでした、どうしても入力の大きい先端部分に強度が必要な為、ある程度頑強に作られていたわけです。

しかしこの125は最大開口幅を23ミリと少し縮小して大きなトルクをあまり使わなくてよくしました、そのおかげで先端を薄くコンパクトに作る事に成功。

シリース最小モデルと言うだけでなく、先端も更にコンパクト設計になっているわけです。

ちなみにこれ、お店では結構売れているのですが・・・、2ストのダートバイクだとこれでプラグ交換が出来ちゃうんですね。(2ストプラグは20.8ミリ)そして縦にも横にも掴んで回せる工具ですから、これ1本でかなりいろんな事が出来るわけです。この便利さは今までの車載工具の考え方まで変えてしまいそうな感じです。

メーカーの動画もどうぞ。