バイメタルホールソー

穴あけや切断の各種加工。
こういった作業はスパナやドライバーのようなハンドツールとはまた違って、その人のやり方とかいろいろ条件が違うのでなかなか一本道では工具を揃えるのが難しいのですが。

それでも必要最低限の工具が必要でもあります。
で、今回はそんな加工関係ではちょっと異質でありながら、問い合わせ的には結構多いホールソーのお話。

LENOXホールソー

ホールソーはいわゆるドリルで穴を開ける事の上位互換のような作業であるのですが、筒状の刃がくるくる回って掘り進むわけなのでドリルとはちょっと違う考え方が必要になったりします。

当店ではサイズの豊富さとその切れ味からLENOX(レノックス)のバイメタルホールソーをおすすめしてまして。
LENOXって会社自体がアメリカでは超有名なノコギリ刃のメーカーなわけで、そんなメーカーさんなのでホールソーにもすごく力を入れているんですね。
で、このバイメタルのホールソーはそんなLENOX社の最新モデルです。

LENOXホールソー

LENOX ホールソー総合ページ

よくある一体型のものと違って、こんな構成になっておりまして…。

LENOXホールソー

「刃の部分」と「ドリルを含む軸受の部分」が別体になっております。
これによって一回セットで買ってしまえば、他のサイズが必要になった時は筒状の刃の部分だけを購入すれば良くなりますので結果として経済的です。

LENOXホールソー

また軸受部分(アーバーと言います)はセンタードリルも付け替える事が出来ますので、各種消耗品が全て別に購入出来る親切設計です。

刃のサイズはΦ19mmからΦ152mmまで、ほぼミリ単位でラインナップされてますので安心ですね。
ホールソー自体はいろんなメーカーからいろんな形状のモノが販売されておりますが、後々の拡張性や消耗品の供給まで考えるとLENOXのバイメタルホールソーはおすすめですよってな感じになるわけです。

とりあえず目的の作業があるなら単品を購入してもらって徐々にサイズ拡大って買い方は王道だと思います。
ぜひお試しくださいませー。

ロールキャブを開梱し組み立てる

工具の専門店として営業していると、購入後に問い合わせが来る事ってそこそこあるのですが。
工具の使い方とかではない問い合わせであるのが、エアーコンプレッサーとか工具箱やツールワゴンとかの半組み立て商材の組み立て方の相談。

ちょうど店舗に新しい工具箱を見本として導入したので、荷物がどうくるのか、そしてどうやって組み立てるのか。
そしてそれらの注意点とかあるのか、そのへんのお話を書いてみたいと思います。

SK11SRX工具箱

SK11 SRX 引き出し7段ローラーキャビネット

25インチ幅の標準サイズな7段引き出しロールキャブ。
ちなみにこの25インチ幅工具箱は大抵のメーカーが上下で組み合わせるように作っているので、違うメーカーでも上下でキレイに収まる事が多いです。

で。
この工具箱、自重で60キロくらいあるのでかなり頑丈な梱包で届きます。

工具箱を開梱して組み立て

こういう大型重量物の運送は基本的に「玄関渡し」が基本となります。
家具や家電のように設置までやってくれる事はありませんので、この状態から自分で開梱し組み立てる必要があります。

まずやるのが「破損チェック」
運送屋さんがいるうちに箱の外見を確認します。
こういう工具箱とかはかなり厳重に梱包されてますので、少々雑な運送をされても問題はないのですが、それでもあきらかな破損等を目視で一緒に確認してもらいましょう。
ここで運送のドライバーさんと一緒にチェックするのがポイントでして、あとで気がついたりしても結構面倒な事になったりします。

工具箱を開梱して組み立て

箱の外見に問題なかったら開梱の儀。
箱に変形や潰れがあったらこの開梱まで付き合ってもらってもOKだと思います。
外箱のダンボールはかなり頑丈なヤツが使われてますので、こんな感じで細かくばらしていきます。

で、そもそもなんの組み立てが必要なのかというと、こういう工具箱は「タイヤ」が付いてない状態で届くことが多いのです。
ですのでこんな感じで工具箱を横にして…

工具箱を開梱して組み立て

タイヤを取り付けます。

と、その前に。
まず横にする前に工具箱の鍵をチェック。
大抵は工具箱のどこかに鍵が貼り付けてあるのでそれを使って工具箱を開けてください。
引き出しの中には組み立てに必要な「タイヤ」や「ハンドル」そして「ネジ」が入っておりますので全て取り出します。

そこまで済んだら写真のようにダンボールや毛布を使って養生し、工具箱を倒してタイヤの取り付け。
ここでいくつか注意点。

1.付属の工具(今回はHEXレンチ)は出来れば使わないで、ちゃんとした工具を用意しましょう。

2.ネジの受け部分はナッターになっている事が多いので、あまり過度なトルクを掛けすぎないようにしましょう。

3.タイヤは2種類「固定タイヤ」と「回転タイヤ」があります。取り付ける際には取り付け場所を考えて付けましょう。

ってな感じです。
特に最後のタイヤの種類の話。
ここで何も考えずに取り付けてしまうと後でやり直しになったりするので、事前に決めておく必要があります。
何を決めておくかというと…

工具箱を開梱して組み立て

「工具箱のハンドルを左右のどちらに付けるか」
です。

この写真の場合には向かって左にハンドルを取り付けました。
で、ハンドルを左に取り付けたって事は「回転タイヤ」も左側に2個取り付ける必要があります。
ハンドルを動かして工具箱の方向転換するわけですから、ここを間違うと後で面倒になりますのでご注意ください。

ちなみにハンドルは左右どちらにも付ける事が出来ます。
ご自分の環境やガレージの隙間等を考慮して検討してみてください。

あ、そうそうこれも重要。
最初に鍵を開けるために取り出した鍵。
こういう工具箱には大抵2本付属するのですが、1本はビニール袋か何かにいれて覚えておけるところに保管してください。

鍵の貼り付け
(忘れっぽい人は工具箱の裏面にこうやって貼り付けておくことを推奨します)

こういう工具箱のロックシステムってメインキーを回すと工具箱内部のロッドがガチャンと落ちてロックする機構だったりします。
そのロッドが大きめの衝撃が加わると不意に落ちちゃう事があるんです。
その時に鍵を「工具箱の中」に仕舞っているとインロックになってしまって大変です。
自分のガレージ用に購入して鍵そのものを使わないって人は工具箱の裏側にでもテープで貼り付けておくと忘れないし、なくさないのでおすすめですよ。

ってなわけであまり語られる事のない工具箱の開梱と組み立てのお話でした。

SIGNETのロータリースライドヘッドハンドル

昔からある定番工具ってのは何十年もの整備の歴史の中で生き残ってきただけあって、その使い勝手とかいろいろ込みで素晴らしいモノが多いのですが。
そんな定番工具を「ちょっとだけ」改変しているおもしろ系の工具ってのが結構あります。

今回紹介するのもそんなひとつで、ド定番の「T型レンチ」をベースに作られております。

SIGNETロータリスライド

SIGNET T型ロータリースライドヘッドハンドル 1/4・3/8

このようにパッと見た目は「T型スライドヘッドハンドル」のような格好をしているのですが。

SIGNETロータリスライド

センターの差し込みユニットを端まで持っていくと…↓

SIGNETロータリスライド

こんな感じで差し込みユニット部がクルクル回ってスピンナーハンドルのように使うことが出来ます。

たったこれだけの事なのですが持ち出し用の工具と考えた場合、スピンナーとしてもTレンチとしても使えるこのカタチはなかなか便利でして、一部のお客様にはかなりの高評価を頂いている工具となっております。

KTCラチェットアダプター

KTC 1/4コンパクトラチェットアダプター

特に1/4差し込みの場合、このKTCのコンパクトなラチェットアダプターとの相性がよくて、ロータリーヘッドとラチェットアダプターをセットにして持ち歩いている人も多いですね。

SIGNETロータリスライド

普段はこのようにTレンチのように使用出来ますのでガレージの据え置き工具としても十分に活躍すると思います。

Tレンチは好きなんだけどもうひと捻り欲しいなーなんて人はぜひお試しくださいませ。

汎用性の高いマルチなプーラー

工具を揃えるにあたって使用頻度の問題で購入を躊躇する物っていくつかありますよね。

特に一般のサンメカさんだったら一生に一度しか使わない場合だって想定出来ますから。
まぁそういった場合なら作業自体をお店にお願いしたり工具を借りたりとか検討出来ると思いますが、これが数回は使うかな?くらいの作業ではかなり悩む事になると思います。

またそういったSST(特殊工具)は販売量も少ない関係上、価格もそこそこする場合が多くさらに悩むと思います。
で、そんな購入に踏ん切りがつかない工具の代表格とも言えるのがプーラー関係。

プーラーを使うって事はそこそこの重整備な場合が多く、他の物を流用しての作業も厳しい事が多いです。
それでも最近は中国製の激安品が流通するようになってきたので敷居は下がったと思うのですが…ここでさらなる問題が。
プーラーを使うような作業でいざ安いプーラー使ってなんとかしようと思い全部準備したんだけど…実際に作業してみたらプーラーがイマイチで使えないって事が結構あります。

それは強度の問題だったり、近年の精密設計のおかげで工具側にも精度が求められたりする場合です。

例えばベアリング抜きの作業なんかだと2世代も前の工具では、現代の隙間の無い設計のベアリング相手では作業が困難な事が多いです。
で、激安品の場合、最新の設計にはなってません(1~2世代前工具のコピーな事が多い)から「1度だけ使えれば」と買ったつもりが一度も使えないなんて笑えない状況も出てしまうんですね。

ですので個人で作業する場合には見切り作業はなるべく避けてこの辺の下調べも出来るだけするようにした方が良いと思います。

で、そんなプーラーですがいざ決意して購入を考えてみると種類も多くて、どれを買ったらいいのかなかなか難しいんですよね。
そこで今回は予算は考えないとしてエイビットおすすめのプーラーのフルセットを紹介。

KUKKOプーラーフルセット

KUKKO 2&3クイックアーム超薄爪プーラーフルセット

ドイツのプーラー専門メーカーのKUKKO(クッコ)の最新プーラーフルセットです。
超薄爪まで対応した2つ爪・3つ爪に出来る業務用と考えても最上位モデルとなります。

単価だけ見れば高く感じると思いますが「プーラーの専門メーカー」の最上位モデルがこの価格なら正直かなりお買い得だと思います。

開き幅等の問題もあるので、これさえ買っておけば万能に使える!とまでは言えませんが、数あるプーラーの中ではかなり汎用性が高い優れたセットだとは思います。

KUKKOプーラーフルセット

問題の爪部分も2.6ミリの薄さながら4.5tの耐荷重を誇る超本気のプロ御用達プーラーとなっております。
ロングのセンターシャフトとか備品系も充実。

KUKKOプーラーフルセット

ちなみに「やはり価格がネックだしそこまでフルセットはいらないかな」って人向けにもっとシンプルなセットもあったりします↓

KUKKOプーラー

KUKKO 2本爪クイックアーム幅狭超薄爪プーラーセット

かなり簡略化されているお買い得セットですが、サイズさえ問題なければこれでもかなり使えると思います。

プーラーってなかなかいろんな物を見比べて買うとか出来ないので、価格ばかりに目がいきがちですが、高いプーラーにはそれなりの造りと理由があるんだと言う事を知っておいて欲しいと思います。

普段使いのめがねレンチについて

私が工具にたずさわるようになった30年前くらいから、実はハンドツールってそんなに変わってなくて、基本的にはそこそこ完成された工業品だとは思います。

極端な例えだと思いますが何年か前に横田基地のそばのジャンク屋さん入ったら60年前くらいのスナップオンがガラクタとして売ってて、それは今の製品とほぼ同じ形状だったりしました。
これはその当時にその形状まで作り上げたメーカーもすごいとは思うのですが、変化がなくてもなんとかなっちゃうもんなんだなぁ……なんて思わされる出来事でした。

ちなみにスナップオンは工具ひとつひとつに製造年式が刻まれているので、早見表があればすぐに分かると思います。

 

そんな感じで革新的な工具が出にくい現代ではありますが、それでもたまには「お!」っと思わせてくれる新発想の工具とか出てきますから嬉しくなっちゃいますよね。

新しい革新的な工具、そして古くからあるベーシックな工具。

そのどちらが良いとか悪いとかはあまりないと思ってまして、新しい機構とか新しい素材とかにはすごく期待しますし、古くからある工具には安心感を覚えます。

 

で、今回はベーシックな工具のお話。

めがねレンチ。

今売られている基本工具セットとかそういうのを見るとほぼ入っているのがスタンダードな浅いオフセットのめがねレンチ。
ちょっとしたセットでも入っていたりする工具なので整備を始めたばかりの初心者さんでも結構持っていたりする事も多く、またあまりにも基本的な工具なのでありがたがられる事もあまりなかったりするんですが…。

やっぱりベーシックな工具としてはかなり重要な工具のひとつだと思うんですよね。

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KTC めがねレンチ

サイズも豊富で浅いオフセットのスタンダードなめがねレンチはかなり重宝する存在です。
そして狭い箇所でも使い勝手もよく、トルクを掛けたい箇所でも安心して使う事が出来ますよね。

nep_mega_nw2

nepros めがねレンチ

ただしさっきも書きましたがあまりにも基本的な工具すぎちゃって軽視される傾向にあるのもこのレンチの特徴ですね。
これガシガシ使ってみるとホントに便利なんですが、これ使うよりも便利そうな工具が今はいっぱいありますから、どうしてもそちらを手にとってしまうユーザーが多いんだと思います。

そして揃え方も問題ある事が多いです。

8×10 12×14 17×19

とかね。
こんな感じで1本1本でサイズかぶりしないように節約して揃えている人が多いのですが、実際の現場では長さ違いの14ミリが欲しい場面とか、サッと持ち出して使う場合に相手のネジの組み合わせにあわせて1本でスマートに作業したい場面とか……やっぱりきっちりとフルで揃えておきたいところです。

asahi_mega_nw1

ライツール めがねレンチ

キチンと揃えて持っていると実はかなり便利に使えるベーシック工具。
それがめがねレンチです。
そういえばあまり気にした事なかったなぁ、なんて人はこの機会に見直してみてはいかがでしょうか。