スタビレーの80ギアラチェット

ドイツ系の工具メーカーってどちらかと言うと保守的と言うか、昔ながらの工具ラインナップを大事する印象があるんですが。
そんな中でも突然ひょっこりと新型を織り交ぜてきて驚かせてくれたりします。

このラチェットもまさにそんな「ひょっこり新型」で驚かされた工具のひとつ。

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スタビレー 1/4ラチェット 80ギア

昔ながらの見た目を維持したまま、中身は完全新作の80ギアの新ユニットです。
この雰囲気を残したままの感じがとてもいいですね。

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ギアの使用感もカリカリカリと軽快なラチェッティングで使い勝手もかなり良さそうです。
各部も細かく見てみると操作系や耐久性向上のための小変更が見受けられとても丁寧に作られているのがよく分かります。

そしてこのラチェットは裏蓋を留めるためのネジ等が存在しません(リングで抑えてます)
後々の分解整備のしやすさとかも考えて作られているんですね。

スタビレー3/8ラチェット

もちろん1/4ラチェットだけでなく3/8ラチェットのラインナップもあります。
ギア数が細かくなり最大トルクの低下を懸念する人もいますが、この多段ギア採用のラチェットは従来のラチェットと内部機構が少し異なりますので、そういう心配もほぼありません。

あ、そうそう同じく新シリーズであるスタビレーのギアレンチシリーズも大好評です。

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スタビレー ラチェットコンビネーション(ギアレンチ)

レンチ本体はスタビレー独自の淡い梨地にI(アイ)断面となっております。
それにギアレンチが付いているんですから使い勝手はいいに決まってますよね。

すごく古典的な工具メーカーの印象があるスタビレーですが、こんな感じでいろいろな新製品も見逃せませんね。

ちっちゃい持ち運びドライバー

秋本番って感じで過ごしやすい季節ですね。
ドライブやツーリングも天気さえもってくれれば最高なシーズンではないでしょうか。
私も昔はロードスター乗ってましたが、オープンにした状態で昼間でも気持ちいいってのはこういう時期の数日だけなので逃さずに楽しみたいですよね。

で、そんな行楽シーズン真っ只中な現在。
お店では持ち運び出来る系の工具の問い合わせが増える時期でもあります。
このブログでも何度か書いてますが、そういった携行工具に正解なんてありませんし、各自の車両ややりたい作業によっても選定する工具は変わってきます。

しかし、そんななんでもアリでOKな携行工具でも出来ればスペース的に小さくしたいと希望が多いのがドライバー。
どうしてもグリップ部分が大きくなるし、さらに必要本数分邪魔になりますからね。

そんな時に便利なのがビットを差し込んで使える小さめのビットドライバーです。
いろいろ種類はありますがエイビット店頭でよく売れている3種類を紹介。

SIGNETビットラチェット

SIGNET ミニビットラチェットセット

価格の安さとその使い勝手で支持率ナンバーワンの人気ドライバーセットです。
ビットラチェットタイプの弱点である「奥に差し込んで回す」にもラチェットエンド側で対応出来るので、とりあえず工具箱やバッグに忍ばせておくにはおすすめの工具です。

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SIGNET マルチアングルミニラチェットドライバー

同じくSIGNETのビットラチェット。
こちらはラチェットといってもラチェットドライバーモデルですね。
グリップ部分にビットを内臓出来たり、首の角度を変えて使えたりとギミック満載のモデルです。

PBビット差し替えスタッピ

PB スタッピインサイダー(ビット内臓)HEXビットバージョン

こちらはPBのビット内臓モデル。
独特な内臓方式で普段はふつうのドライバーのように使えるのが最大のメリットですね。
スタッピタイプという事もありグリップ部分もそれほど邪魔にならないので、お店に来て実物みた人が購入していくケースが多い工具のひとつです。
(内臓ビットもこのバージョンからHEX入りになりました)

こんな感じにドライバーを少しだけコンパクトにしてあげると他の工具の選定も楽になったりします。
もちろん普段の整備にも便利に使えますのでいろいろ楽しんで選んでみてください。

Ko-ken Z-EALのコンパクトラチェット

ハンドツールの中でも主役級の存在であるラチェット。

ラチェットに関しては本当に「正解」ってのが無くて、使っている人が満足ならばそれで良いんです。
種類やタイプ・モデルもいろいろあって長所や短所も異なるのですが、結局は使ってみて手に馴染むとか見た目がかっこ良くて好きとかね、ほんとに正解なんてないんです。

それでもお店に来るお客さんには「どれがお薦めですか?」と聞かれる事も多いので、そういう時は出来るだけシンプルな物をすすめるようにしてます。
特に初めての工具購入なんて人にはあまりギミック満載なものではなくシンプルなラチェットが結果として良いですからね。

と、まぁ最初の1本はそんな感じでシンプルに選んでもらったとして……、難しいのが「2本目」のラチェット購入の場合。

これ本当に難しいんですね。
今何を使っているのか詳しく聞いて出来るだけその人が希望している「2本目の条件」を満たしてあげられるようにアドバイスしてます。
そして次のラチェットに何を求めているのかをいろんな整備を想定して聞いていくんです。
トルクががっつり掛けられるのが欲しいとか狭い所で使えるのが欲しいとかね。

 

で、そんな中で2本目購入の場合に問い合わせが多いのが「コンパクトラチェット」
スタンダードなラチェットではちょっと手の入りにくい箇所での作業を想定しての質問が多いですかね。

2本目と言ってもやっぱり最初の1本と同じで出来るだけシンプルな物をススメるのですが、最近個人的にお気に入りなのがこれ。

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Ko-ken Z-EAL 1/4首振りラチェット

まず造りがシンプルで真面目に作られているので販売する側からしても安心してお薦め出来ますね。
特にコンパクトラチェットは出来不出来が大きく使い勝手に関わるラチェットなので、適当な物を買ってしまうと「小さいラチェットは使えない」って結論に至ってしまう人もいるので注意が必要です。

しかし…いきなり1/4ラチェットはソケットも持ってないし買えないよーって人には

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Ko-ken Z-EAL 3/8コンパクトフレックスラチェット(ページ内)

ヘッドの差し込み部分だけを3/8にしたバージョンも販売されているので試してみるのが良いかと思います。

しかし、本音を言えば出来れば1/4がお薦めかなぁ……
やっぱこのサイズを使うならソケットも小さい方が利点を生かしやすいですしね。
もちろんプラグとかいろんあ兼ね合いで3/8を選択するのも良いと思いますよ。

それかとりあえず1/4を買った人が、たまに3/8のソケットを使いたいとかならこれとかあると便利です。

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Ko-ken Z-EAL 3/8変換1/4クイックスピンナー

変換アダプター

1/4のラチェットに付けると3/8差し込みに変換され更にクイックスピンナーになるスグレモノです。
上の1/4首振りラチェットと合わせて買っておけば安心ですね。

さっきも書きましたがラチェット自体はとても真面目に作られているのでおすすめのラチェットです。
2本目3本目で悩んでいる人がいたら是非試して欲しいですね。

エクステンションバーの亜種

私に基本的なハンドツールの相談をした事ある人なら分かると思いますが「ここは盲点ですが重要ですよ」と私が力説する事が多いのがエクステンションバーの揃え方。

ひと揃いの工具セットとか買った人に多いのですがエクステンションバーを2本くらい持って満足しちゃってる場合があります。
ラチェット関係の工具ではいかに人間が楽な体制で作業出来るのかと言うのが結果として確実な作業に結びつきますので、重要なオプションであるエクステンションは1本でも多い方が良いんですね。

で、そんな感じでキッチリと揃えてみれば便利なエクステンションですが・・・。
いろいろ作業していると「ここでこんな風に・・」とかもっと要望も出てきますよね。

そんな人に次の候補でお薦めなのがこれ。

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Ko-ken フレキシブルエクステンション

そう、一度は誰もが考える「あーエクステンションがグニャって曲がってくれれば楽なのに」を実現したツールです。
もちろん本気でグニャグニャ曲がるわけじゃ無く、実際はこんなもんですけどね。

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しかし、これだけ曲がってくれれば今まで部品を外さないと出来なかったあの箇所とかに一発でアクセス出来ちゃったりします。

デメリットももちろんあって大トルクはNGですので本締めとかは厳しいのですが、あくまでも「手の延長」と考えればかなり便利に使えるエクステンションだと思います。

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後端部には差し込み角があるのですが、手元にこんな風にローレットも切ってあるのでどちらかと言うとドライバーのように使うイメージですかね。

思い当たる箇所があるユーザーにはお勧めのエクステンションだと思いますよ。

ビット購入時の注意点

今年はなんというか夏がどっかにいっちゃった感じですね。
例年だとこの時期は残暑が嫌になる時期なんですけど、ここまで涼しいと残暑が名残惜しい気がします。

で、この秋の初旬になると問い合わせが増えてくるのが持ち出し用の携行工具。
ちょっとドライブ・ツーリングに…とかみなさん楽しみな季節ですよね。

今回はそんな携行工具の中でも注目度の高い、差し替えビットドライバーのビットのお話でも。

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PB ポケット差し替えドライバー

これなんてビット差し替えタイプの代表工具ですね。

基本的な工具を揃えて持ち運ぼうとしたときに結構かさばるのがドライバー類です。
なにせ1本ずつにグリップが付いているので最小本数に選定したとしてもかなりかさばります。
その点ビットで差し替えが出来るこの手の工具はグリップ1個あれば良いので、かなりコンパクトに収納する事が出来るわけです。

で、このビット。
工具初心者の方から良く聞かれるのが六角形の差込のサイズ。

ビットというのは大抵根本が六角になっておりまして、当店HPでも「1/4ビット」とか紹介してますが、これは他のメーカーにも流用可能なのかどうか?とか質問を受けます。

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PB ナノコートビット各種ページ一覧

ちなみにこの1/4ビットとは六角形の2面幅の寸法を言ってまして、1/4インチですからミリに直すと6.35ミリのビットサイズとなります。
で、この1/4ビットは基本的に世界共通規格でして、例えば他メーカーのビットドライバーと併用する事も可能。
(もうちょっとちゃんと言うと1/4と5/16の2種類ありまして、本流は1/4で少し大きいのが5/16の8ミリくらいのビットです、ショックドライバーとか使われているのは大きめの5/16ですね)

で、そういう時にお答えするのが「ほぼ流用可能で大丈夫」と言ってます。

「ほぼ」と言うのは・・・・例えばこんなヤツ↓

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このANEXの差し替えドライバーも1/4の六角なのですが、純正付属ビットが両頭ビット(前後がプラスマイナスとか)を使っている為に「奥行き」が少し長いんです。
なので上で紹介したPBのナノコートビットをそのまま使うと潜り込んでしまって使う事が出来ません。

このように同じ1/4ビットでも「奥行き」の違いから、使う事が出来ない工具もありますのでその点だけは注意してください。
スタンダードな1/4ビットを流用したい場合はマグネット式のホルダーになっていてば大抵大丈夫だと思います。

それと電動工具用のビットも注意。

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PB 電動ドライバー用ビット

ホームセンターとかではこっちの方がよく見かける六角ビットなんですが、差し込み時の固定方法が違うためにビットドライバーでは使えない事が多いです
(これ専用のドライバーもありますが)
またひとつ前に説明した差し替えドライバーと同じ理由で両頭になってるビットはそもそも奥行きが違います。
HEXは1/4サイズで同じなので勘違いしやすいので注意ですね。

こんな感じで知っている人はなんてー事なくスルーするような疑問でも、気楽に聞いてください。
なるべく分かりやすく噛み砕いて説明するように頑張ります!