スタビレーの80ギアラチェットシリーズ

このブログでも何度かお伝えしておりますが小判型のラチェットハンドルの内部機構にちょっとした技術的ブレイクスルーが起きて十数年。
各メーカーも多段ギアを採用したラチェットをラインアップしてきております。

今回はそんな多段ギア採用のラチェットの中でもかなりの独自路線をいくドイツのスタビレーのお話。

スタビレー80ギア

スタビレー 3/8ラチェット 80ギア

スタビレーの最新80ギアモデルはパッと見た目では従来モデルとあまり変わらずって感じなのですが、中身というか内部機構の「留め方」に一工夫がされております。

スタビレー80ギア

何が一工夫なのかというと……

ネジを一切使用していない

スタビレーラチェット分解

これはもちろん訳があって昨今騒がれている食品加工現場での異物混入等を防ぐためのものでして、裏蓋を開けるのにも構造を理解してないと分解すら出来ない感じです。
まぁラチェットを購入して頂ければ分解手順が載った説明書も付いてくるので問題はないと思いますけどね。
ちなみに必要な工具としてはピックツールがあると捗ります。

ちなみにネジを使わない構造だからなのか各部の精度はかなり高く作られていて上の画像の修理でも分解時にあまり汚れはありませんでした。
また潤滑は低粘度のグリスが使われていたので分解修理の時はご注意ください。

現在限定セール中

スタビレー80ギア

スタビレー 1/4ミニラチェットハンドル 80ギア 限定特価品

同機構を採用した1/4ミニラチェット80ギアが現在限定のセール中です。
かなりお買い得になってますのでこの機会にぜひどうぞ。

電動式ハンドドライバーのおすすめ

いつの時代もコロンブスの卵的発想によって突然爆発的に人気の出る商品ってのがありますが、近年だと記憶に残っているのが電動式のハンドドライバーですね。

3年ほど前の年末にあった某社の新製品発表会で地味に展示してあったそれに私は結構ビビビっときまして(まぁみんなきたと思うけど)結構な数を予約発注しました。

ベッセル電動ドラボール

ベッセル 電ドラボール(ビット1本付)

軽量でコンパクト、いわゆる普通のドライバーとほぼ同じ大きさで電動式ってのが受けて、プレミア価格までつくくらいの人気になりましたね。
当店はたまたま予約注文を入れていたおかげで品薄の中でも入荷が安定しててかなりの数を販売させて頂きました。
もちろんウチだけの話ではなく全国的に人気が爆発したみたいで、当時メーカー担当者に聞いた話では半年で1万本売れたとか…(すごい)

しかし全員に大好評だったのかというとそんな事はなくて。
主に普段から電動のインパクトドライバーとかを使っている層には不評だったんですね。
なぜかというと「回転トルクが足りないから」

もともとこの商品はこいつ自身でガーっと回すための工具ではなく、あくまでも「手回しで面倒な低トルク部分を電動で補助します」という性格の工具だったのですが、どうしても「電動ドライバー」として紹介されてしまうのでこいつだけでガガン!っと緩めたり締めたり出来ると思われてしまったみたいです。

逆に評判が良かったのが実は車両整備の現場です。
日常的にラチェットドライバーを使うような現場では
「ラチェットドライバーに電動機能がついた!」
ってな感じで重宝されました。
今まではカリカリと回していたのがボタンひとつでブイーンって回るわけですからそりゃー便利っすよね。
そんなわけでこの工具は上記のように理解して使うとめっちゃ便利な工具です。
「電動の高トルクドライバー」と勘違いして購入するとイマイチなので気をつけてくださいませ。

SK11 充電式デュアルドライバー

そしてほぼ同じスペックながら後発で出てきたのがこのSK11のデュアルドライバー。
業界通な人なら知っている人もいたりするのですが、実はこのドライバーは国内で最初に販売される予定だった電動ドライバーだったんです。
ベッセル社とSK11は協力関係にある工具会社でして、ベッセルとSK11の販売時期がかぶってしまっていたんですね。(SK11が3ヶ月くらい早かった)
そこでお互い協議しまして先にベッセルのを販売したあとの1年後くらいにSK11のを発売しようって事になったみたいです。(個人的な邪推も入ってます)

まぁ後発だったので先に出た電ドラボールの弱点を潰して再開発されましたから、お互いによかったと思いますけどね。

そんなわけで実はかなり便利な電動式のハンドドライバー。
まだ使った事ないって人はぜひお試しくださいませ。

あ、そうそう。

SK11ペンケース型

ちなみにビットを数本用意して使うような人はSK11の工具バッグがジャストサイズで便利です。(写真はSサイズ)

エンジンオイルの上抜き交換

なんとか夏場のイベントが終了しまして、営業車兼愛車の日産NV350キャラバンのオイル交換をしました。
近年はロングドレインと呼ばれる5000キロや1万キロ超のオイル無交換を推奨される事がありますが、やはり自分の車ならサクサクっと交換したいもんですよね。

キャラバン

キャラバンはガソリン車で純正指定が0W20でしたからLINK-OILのウルトラエコ0W20を投入。
よく「0W番台のオイルは怖くて入れられない」とか聞くのですが、これはちょっと前の話ですかね。今どきのキチンとしたオイルなら問題になる事はありません。
自分の車なのでテストを兼ねてウルトラエコやエコ5W30、そしてスポーツエコを順番に入れてみております。
今回はウルトラエコだったので今度は0W25のスポーツエコにしてみようかな。
(スポーツエコ0W25は低粘度オイルの中でもエンジン保護性能も抜群です)

交換している最中に雨が降ってきてしまい焦りましたが、本降りになる前に無事に終了。
ちなみにオイル交換は上抜き器を使っているのですが、いまだに「これ本当にちゃんと抜けるの?」と質問がきます。
車種によってはオイルパンというかレベルゲージからの形状というか、抜きにくい車種があるのは認めますが、よっぽど変わった配置のエンジン形式でなければ問題なく全量交換出来ます。

SIGNETオイル交換器

SIGNET 負圧式上抜きオイルチェンジャー

上抜きの最大のメリットは「オイル交換が簡単で早い」事だと思います。
ジャッキアップしてドレン緩めて…って作業工程をすっ飛ばせるので、準備を始めてから片付けまでで10分チョイでオイル交換出来るんですね。
これだけサササっと出来ると作業自体をやろうって気にもなりますから、そういう意味でも良い工具だと思います。

SIGNETオイル交換器

ちなみに使い方ですが。
オイルの量を見る「レベルゲージ」あるじゃないですか、あそこに付属のホースを突っ込んで写真のようにポンピングするだけ。
(エアーの場合にはエアーコンプレッサーに繋げばOK)

10回もポンプしてあげれば勝手にオイルが吸い出されますのでボケーっと見てるだけでオイル交換が終わります。
今でもオイルの上抜き否定派な人もいたりしますが、使ってしまうとこんなに便利なモノありませんので一度試して欲しいですね。

これを持っていると急に思い立ってオイル交換する気になった時にサササっと交換出来ますよ、いやホントホント。